MotoGP2023年シーズンの第3戦アメリカズGPでは、LCRホンダのアレックス・リンスが勝利を収めた。彼はこれで数少ない最高峰クラスでの2メーカー勝利を達成したライダーとなった。 MotoGPクラスにおける複数メーカーでの勝利を達成したライダーは実に少ない。リンスはそのうちの1人に入ったわけだが、その他にどんなライダーがこの記録を達成しているか見てみよう。 2002年に現在のMotoGPという名称へ変更されて以来、異なるメーカーで最高峰クラスのレースを勝利した経験のあるライダーは、僅か8人となっている。 ・バレンティーノ・ロッシ(ホンダ&ヤマハ) ・マックス・ビアッジ(ヤマハ&ホンダ) ・ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ&ドゥカティ) ・ケーシー・ストーナー (ドゥカティ&ホンダ) ・アンドレア・ドビツィオーソ(ホンダ&ドゥカティ) ・マーベリック・ビニャーレス(スズキ&ヤマハ) ・ジャック・ミラー(ホンダ&ドゥカティ) ・アレックス・リンス(スズキ&ホンダ) Valentino Rossi and Casey Stoner Photo by: Bob ...
Umberto Masetti, Gilera 1949年にスタートしたロードレース世界選手権は、2023年のMotoGP第5戦フランスGPで通算1000GP目と節目を迎えている。この長い歴史を誇るシリーズの持つ多数の記録をMotoGPがまとめている。 なお記念すべき創設初年度のクラスは500cc、350cc、250cc、125ccの4クラス。初レースは現在も著名なあのマン島TTコースだった。 1000グランプリ目を迎えたこのシリーズには、当然その長い歴史に裏打ちされた数多くの記録がある。MotoGPはフランスGPを前にそれらの統計のいくつかを公開している。今回はその一部を紹介しよう。 ■817……最も成功したメーカーはホンダ グランプリで最多勝利を収めているのがホンダで、その数は実に817勝に上る。次点がヤマハの520勝となり、以降は295勝のアプリリア、275勝のMVアグスタ、165勝のカレックス、162勝のスズキと続いている。 ■122……最多勝利はアゴスチーニ MotoGPにおける最多勝利数は122勝。2000年代の無敵っぷりからバレンティーノ・ロッシを想像するファンも多いだろうが、最多勝利を記録しているのは1960~70年代にかけて活躍したジャコモ・アゴスチーニだ。 ロッシの通算勝利数は115。2011~12年のドゥカティ時代の低迷がなければ、この記録は更新されていたかもしれない。 なおアゴスチーニはタイトル獲得記録でも15回と世界最多を記録しており、2位がアンヘル・ニエト(13回)、同率3位(9回)にマイク・ヘイルウッド、カルロ・ウビアリ、ロッシが続いている。 ■235……最多表彰台の記録はバレンティーノ・ロッシ 一方、最多表彰台記録はロッシが記録しており、その数は235回と他を圧倒している。2位はアゴスチーニ(159回)、3位ダニ・ペドロサ(153回)、4位ホルヘ・ロレンソ(152回)、5位アンヘル・ニエト(139回)、6位マルク・マルケス(139回)と、レジェンドふたりの他ロッシと競い合った多くのライバルが彼に続いている。 ■393……“グランプリウィナー”は世界に393人 シリーズの歴史は長くとも、グランプリウィナーとして名を残すことができたのは限られたライダーのみ。各クラス含めて、グランプリウィナーを名乗れるのは、世界に393人しか存在しない。このリストに名を連ねた最新のライダーは、2023年の第3戦アメリカズGPでMoto3クラス初優勝を挙げたイヴァン・オルトラだ。 ■125……これまでにタイトルを獲得したライダーの総数 1949年以来、世界選手権では合計125人のライダーがタイトルを獲得。タイトルの総数は284であり、最多獲得記録は前述のアゴスチーニとなっている。 そしてこの125人のタイトル獲得ライダーのうち、過半数の70人が1度のみの獲得で、55人が複数回のタイトル獲得を成し遂げている。 ■73……最もグランプリを開催したのはオランダ・TTアッセン ...
Jack Miller, Red Bull KTM Factory Racing 5月12日、ブガッティ・サーキットでMotoGP第5戦フランスGPが開幕。初日午前のプラクティス1では、KTMのジャック・ミラーがトップタイムを記録した。 天候が心配されていたフランスGPだが、ひとまず初日は空模様も良く、気温こそ14度と低いもののドライコンディションでスタートした。 今回が復帰戦となるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)だが、開始から10分を過ぎた頃にターン11で転倒してしまった。開幕戦で負った右手親指の骨折によって3戦を欠場していたため、久しぶりのMotoGPバイクにはまだ慣れが必要かもしれない。なお転倒したマルケスに怪我などは無く、ピットに戻ってスタッフと熱心に話し合っている様子が見られた。 関連ニュース:マルケス、復帰戦フランスGP初日にカレックス製シャシーのテストへ。他ホンダ勢も実施予定 コース上では母国戦のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)やヨハン・ザルコ(プラマック)が上位に並んでいたが、彼らをVR46のルカ・マリーニとマルコ・ベッツェッキが上回っていった。 その後トップタイムを更新してきたのは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤだ。1分32秒555をマークして暫定トップタイムとした。 セッション残り20分、走行中の中上貴晶(LCRホンダ)のマシンが白煙をあげるトラブルが発生。既にコース後半に入っていたため、中上はホームストレートでマシンを停めてマーシャルに預けると、急いでピットへと向かった。暫定トップタイムを記録していたバニャイヤは、その後1分32秒332まで自己ベストを更新した。 マシントラブルのあった中上は、残り10分を切った段階で走行に復帰。ラストのタイムアタックにもそのまま向かうことになったが、残り4分で1分32秒641を記録して一時は5番手に食い込んだ。 残り時間3分を切るとアタックも激しくなり、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が1分32秒186で暫定トップを更新。クアルタラロも気を吐き、1分32秒036でさらにトップタイムを塗り替えていった。 クアルタラロの母国戦トップタイムかとも思われたが、そこから怒涛の勢いでタイム更新が連続。VR46勢が続けざまに更新してきたかと思えばアプリリア勢、そしてKTM勢も入り乱れる具合で、最速タイム更新のバーゲンセール状態に。最終的にタイムシートの一番上に名前を残したのはジャック・ミラーで、タイムは1分31秒449だった。 2番手はマリーニ。3番手にはブラッド・ビンダー(KTM)とKTMがトップ3のうち2台となった。母国戦のザルコが4番手に続いた一方で、クアルタラロは11番手タイムとなった。 またフランスGPでエネア・バスティアニーニの代役として再びMotoGPにカムバックしたダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)は19番手と、最下位を免れている。 マシントラブルのあった中上は、最終的に15番手タイムを記録。復帰戦のマルケスはカレックス製と見られるシャシーをテストしつつ、12番手タイムを記録した。またレプソル・ホンダのジョアン・ミルが6番手と好調なスタートを切った。 ...
Sergio Perez, Red Bull Racing RB19 F1マイアミGPの予選が行なわれ、レッドブルのセルジオ・ペレスがポールポジションを獲得した。2番手には、アストンマーチンのフェルナンド・アロンソがつけた。 予選Q3の最終アタックで、フェラーリのシャルル・ルクレールがターン7でコントロールを乱してクラッシュ。セッションは赤旗中断となり、そのまま再開されないことになった。 そのとばっちりを最も受けた格好となったのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだ。フェルスタッペンはQ3最初のアタックでミスがあり、タイムを計測しないままピットに戻った。そして最終アタックに全てをかけたが、セッションが赤旗終了となったことでタイム計測のチャンスを失ない、決勝はまさかの9番グリッドからのスタートとなった。 逆に1回目のアタックで首位に立っていたペレスがポールポジション。アロンソがフロントロウ2番手に並んだ。3番手にはカルロス・サインツJr.(フェラーリ)、ハースのケビン・マグヌッセンが4番手に並んだ。クラッシュしたルクレールは7番手となった。 メルセデスにとっては厳しい予選となった。予選Q2でジョージ・ラッセルは10番手とギリギリでQ3に進出を果たし、そのQ3では幸運を活かして6番グリッドを手にできた。一方でチームメイトのルイス・ハミルトンはQ2で13番手となり、Q3に進むことができなかった。 アルファタウリの角田裕毅は17番手で、Q2に進むことができず。チームメイトのニック・デ・フリーズはQ2に進出し、初めて角田の予選順位を上回ることになった。 Follow @MotorsportJP関連ニュース:フェルスタッペンは後続に0.4秒差をつける圧倒的最速タイム。しかしまだまだ余裕あり? 角田裕毅は16番手|F1マイアミGPフリー走行3回目【動画】角田裕毅とダニエル・リカルドが”ちっちゃな”ボートで対決! 舞台のマイアミには「サメがいる」かも……?F1マイアミGP、最大の敵は”異常”に低グリップな路面? ペレス「まるでインターミディエイトを履いているようだった」真の進化は見えないところに? フェラーリが導入した新フロア。アルファタウリもアップデート導入今回も大本命? フェルスタッペン、F1マイアミGP初日に満足「フィーリングもバランスも良かった」【PR】富山・高岡で作られる“日本製”ホイール。F1全マシンの足元を支える
CIVIC TYPE R CNF-R ホンダ・レーシング(HRC)は、2023年のスーパー耐久第2戦富士24時間レースからST-Qクラスに参戦予定のCIVIC TYPE R CNF-Rのテスト走行したことを発表した。 スーパー耐久のST-Qクラスには、各メーカーが様々な開発車両を投入。水素やカーボンニュートラル燃料をエネルギー源とした車両が走っている。ホンダもこのST-Qクラスへの参戦を、今季第2戦富士24時間レースからスタート。カーボンニュートラル燃料を使うCIVIC TYPE Rを投入するという。 このCIVIC TYPE Rは、”CIVIC TYPE R CNF-R”と名付けられ、4月17日にモビリティリゾートもてぎでテスト走行し、実戦デビューへの準備を整えたようだ。 HRCは、”カーボンニュートラルの実現”をモータースポーツにおいて取り組むべき命題のひとつだと位置付けており、その一環として今回のST-Qクラスへの挑戦を捉えているという。そしてその参戦を通じて、カーボンニュートラル燃料に適合する市販車ベースのレース用エンジンの開発を行なっていくとしている。 ホンダは2021年に、社内で開発したカーボンニュートラル燃料をF1の高性能成分として実戦投入しているが、ホンダの広報部によれば、CIVIC TYPE ...
FIA世界耐久選手権は、来る2024年シーズンに向けてカレンダーの拡大を検討しており、2024年の開催候補地としてアメリカ・オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)とブラジル・サンパウロのインテルラゴス・サーキットが挙げられている。 2024年のWECカレンダーには、既にプロローグテストと開幕戦の舞台として、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットがリスト入り。2020年にWECのレースを開催したCOTAは、セブリングに代わって北米での重要な位置を占めることが有力視されている。 また、2012年から2014年にかけてWECの開催経験があるインテルラゴスは、従来の全8戦のカレンダーに戻るに従い、ポルティマオに代わって追加となるようだ。 WECのフレデリック・ルキアンCEOは、2023年6月のル・マン24時間レースで明かされるであろう来季のカレンダーの発表を前に、開催地の追加・復帰について明言することを避け、「現在、我々はいくつかの国やサーキットと交渉や協議を行なっている」と語った。 そしてCOTAとインテルラゴスのWECカレンダー復帰は「噂に過ぎない」としている。 しかし、カタールでの2024年シーズン開幕戦は、3月上旬に開催される予定だということは明かした。 そうなると、従来3月中旬に開催されてきた、セブリングでのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権との併催は日程の都合上ほぼ不可能となる。 そして”スーパーセブリング”と呼ばれた週末にWECが12時間レースを実施する契約は、2023年シーズン開幕戦をもって終了を迎えている。 2014 World Endurance Championship,Interlagos, Brazil. 28th – 30th November 2014.Race start – ...
スーパー耐久シリーズに参戦するホンダの従業員自己啓発チームである“Honda R&D Challenge”(以下 HRDC)は、5月26〜28日にかけて富士スピードウェイで開催される富士SUPER TEC 24時間レースに、野尻智紀をゲストドライバーとして起用することを発表した。 2019年からスーパー耐久に参戦中のHRDC。参戦開始当初からCIVIC TYPE Rを走らせ、今季もFL5で参戦を継続している。 先日行われた開幕戦では、武藤英紀がゲストドライバーを務めたが、富士での24時間レースでは、スーパーフォーミュラ連覇を果たし、今季も開幕の2ラウンドで2位&優勝と圧倒的な速さを見せる野尻が招聘されることになった。 「富士SUPER TEC24時間レースにHRDCからHonda R&D Challenge FL5で参戦でき ることになり胸が高鳴っています。これはレーシングドライバーとしてだけではなく、納車の日から『CIVIC TYPE R 最高!』と運転中に何度も声に出してしまっているひとりのFL5型オーナーとしての思いがそうさせているのだと思います」 野尻は富士24時間レース参戦決定に際し、そうコメントを寄せた。 ...
Start action, #8 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 – Hybrid: Sébastien Buemi, Brendon Hartley, Ryo Hirakawa, #7 Toyota Gazoo Racing ...
Ayumu Sasaki, Intact GP MotoGP第3戦アメリカズGPのMoto3クラス予選が行なわれ、ジャウマ・マシア(Leopard Racing)がポールポジションを獲得した。 日本人ライダーが多数参戦するMoto3クラス。今回は山中琉聖(Valresa GASGAS Aspar M3)、古里太陽(Honda Team Asia)がQ1スタートとなり、他3名はQ2へ直接進んでいる。 山中、古里のQ1スタートのふたりはアタックを重ねていくがQ2進出圏内の4番手以内になかなか食い込むことができない。ただ最後のアタックで山中はQ2進出圏内の4番手に浮上し、Q2へ進むことができた。 一方古里はわずかに届かない5番手。Q1敗退で予選を終えることになった。 Q2のポールポジション争いではここまで2戦連続ポールポジションを獲得している佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が3戦連続にその数字を伸ばすかが注目された。 佐々木は中盤に2番手タイムを記録しひとまずフロントロウ圏内に。そして最後のアタックにポールポジション獲得のチャンスを託した。ただ佐々木は自己ベストを更新できず2番手のまま。3戦連続のポールポジションとはならなかった。 ...
Jack Miller, Red Bull KTM Factory Racing MotoGP第3戦アメリカズGPはアレックス・リンス(LCRホンダ)の優勝で終了したが、ジャック・ミラー(KTM)は自分が勝利していた可能性もあったと主張している。 今シーズンからKTMに移籍したミラー。彼はアメリカズGP予選では10番グリッドとなっていたが、スタートからオープニングラップのうちに一気に3番手まで浮上。表彰台を争う位置で周回を重ねていった。 しかしレース3分の1となる7周目に、ミラーは転倒。KTMでの初表彰台のチャンスを失ってしまった。 しかもミラーによると、アメリカズGPでは転倒する前までKTMのマシンのタイヤ消耗の少なさから、勝利するチャンスがあったとすら考えていたというのだ。 「正直、今日は勝利が見えていたと思っていたんだ。リヤタイヤを保つのがその方法だった」 「レース序盤に他のライダー達は、特に長い右コーナーで僕からかなり離れていった。彼らはかなりアクセルをオンオフしてして、リヤタイヤをかなりプッシュしていた。一方で僕はコンサバで、パーシャルスロットを維持して、(アクセルを開くのは)次のコーナーに入るのを待っていた」 「序盤、彼らは僕に対してちょっとギャップを開いていたけど、捉えられる程度だった」 「5周もすると彼らのやり方もそれ以上は上手くいかなくなり、僕はその区間で接近し始めた」 「だから本当に良い結果に向かっていると感じていたんだ。何周か後にグラベルに横たわっているときも、そうだったんだ」 ミラーは転倒の原因については、次のように語っている。 「マシンはかなり良く機能していた。快適に感じていたセクターはふたつ目で、そこでタイムを稼いでいくことができていた。2周前にエンジンマップを変更したんだけど、それが快適に感じさせてくれていたんだ。ライバル達にも少しずつ追いついて来ていて、タイヤもいたわらないといけない地点に近づいているようだった」 「ホットラップに入っていたんだ。データを見つつターン6を回って、ターン7に向けて方向を変えた時に、一瞬の間があった。というのも少しワイドになってここに来ていて、リヤに荷重がかかっていたのが抜けて、フロントにより荷重が掛かっていたんだ」 「その事は関係しているかもしれない。凄く小さなコトなんだけど、そういうことだ」 ...
目まぐるしく変わる天候により大波乱となったスーパーGT開幕戦岡山。レースの主役が現れては消え、また現れて……100号車STANLEY NSX-GTも、レース序盤の“主役”だった1台だ。 3月の岡山テストでは好調だった100号車STANLEYは、雨の予選で8番手となり、グリッド4列目からスタート。前半スティント担当の牧野任祐はオープニングラップで4番手に上がると、3周目には3番手となり、前を行く23号車MOTUL AUTECH Z、3号車Niterra MOTUL Zの日産勢を猛然と追い上げた。 関連動画:2023 スーパーGT開幕戦岡山:決勝ハイライト(GT500) ファステストラップを刻みながらプッシュし、前の2台に追い付いた牧野。しかし15周目前後から雨が降り始めると、これが100号車も含めレース全体の流れを大きく変えることになる。 100号車は16周目終了時、コースアウト車両によるイエローフラッグがFCY(フルコースイエロー)に変わるタイミングでピットイン。ウエットタイヤに交換した。これで100号車はトップでレース再開を迎えることができたため、非常に絶妙なタイミングでのピットインだったと思われていた。 ただ、牧野は路面が少しずつ乾きゆくコンディションの中でなかなかペースを上げられない。28周目に首位陥落すると、次々とライバルのオーバーテイクを許し、6番手までポジションダウンした。 Photo by: Masahide Kamio そんな100号車に追い打ちをかけるように、ペナルティの裁定が下る。FCYのタイミングでのピットストップが、FCYボード提示後、つまりピットレーンクローズ後だったと判定されたのだ。これにより100号車は60秒のペナルティストップを科されることになり、上位争いから脱落した。 最終的には12位に終わった100号車。星学文エンジニアに、ペナルティとペースダウンの要因について聞いた。 まずFCY中のピットインについては、そもそもあのタイミングはちょうど雨量が多くなり始めていた頃であり、星エンジニアはドライバーとピットに16周終了時のピットインを指示していたという。しかしそんなタイミングで不運にもFCYが出されてしまったのだ。 ...
Aleix Espargaro, Aprilia Racing アプリリアのアレイシ・エスパルガロは、MotoGP第3戦アメリカズGPのオープニングラップでクラッシュを喫しリタイアとなったが、ホールショットデバイスの不具合で車高が戻らなかったことがその原因だったという。 前日のスプリントで4位に入り、6番グリッドから決勝レースでも上位を目指したいエスパルガロだったが、オープニングラップで転倒し早々に決勝をリタイアすることになってしまった。 エスパルガロはターン1のエイペックスでは3~4番手を走行していたが、ターン3以降コーナーが連続する区間で7番手まで後退。そしてバックストレートエンドのターン12で転倒してしまったのだ。 エスパルガロ曰く、リヤの車高調整デバイスの不具合が転倒に繋がったのだという。そして7周目にピットインしリタイアしたラウル・フェルナンデス(RNF/アプリリアのサテライトチーム)も車高調整デバイスの不具合に見舞われていたようだ。 バイクにおけるリヤの車高は、リヤタイヤにかかる荷重やバイクの重心位置、前後バランスなどを大きく左右する要素だ。これが加速に最適化された形で固定されてしまえば、コーナリング時に支障を来すのは想像に難くない。 「今週末はとても速く走れていた。1コーナーで3番手につけていたけど、加速した時にリヤのデバイスがリセットされず、車高が低いままになっていることに気づいたんだ」 レース後、エスパルガロはそう説明した。 「最初からずっとバイクが地面に触れて火花を散らしていたし、バックストレートはずっと車高が低い状態だった」 「ターン3では正しい位置に戻ったんだけど、スロットルを開けたらまた下がってしまい、その瞬間ステアリングが閉じたんだ」 問題は、アプリリアの車高調整デバイスが不具合を起こしたのはこれが初めてではないということだ。昨年のバレンシアGPではマーベリック・ビニャーレスがリタイアを強いられ、今回の決勝でもフェルナンデスは7周目にデバイスが何の反応もしなくなったことで、ガレージに戻らなくてはならなかった。 エスパルガロは「これまでも何度かあったことだが、今日もまたラウルの身に起こった」と語り、トラブルがなければ「表彰台を争うことは可能だった」と悔しがった。 アプリリアは今年、車高調整システムのコンポーネントを変更しているが、それが問題をむしろ問題を大きくしているようだ。 「この冬、全てのテストを通じて僕とRNFの2人のライダーが5回、この現象に見舞われた。でも、レースで起きたのは初めてだ」 「気温が高いときに起こることは知っているが、土曜日も暖かかったので、なぜ起こらなかったのかはわからない」 「このサーキットは僕にとって難しいサーキットで、一生懸命に頑張ったのに、腹が立つよ。もし表彰台を獲得していたら、(次戦の)ヘレスまでずっと祝っていただろうね」と、エスパルガロはジョーク交じりに悔しさをにじませた。 Follow ...
Pedro Acosta, Red Bull KTM Ajo サーキット・オブ・ジ・アメリカズでMotoGP第3戦アメリカズGPが行なわれた。Moto2クラス決勝で勝利したのは、Red Bull KTM Ajoのペドロ・アコスタだった。 アメリカズGPでは小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)がいよいよレースに復帰。前戦アルゼンチンGPで予選までは走行していたものの、決勝は欠場していたためアメリカズGPが2023年初レースとなっている。また負傷欠場の野左根航汰(Correos Prepago Yamaha VR46 MasterCamp)の代役には今回も南本宗一郎が起用されている。 スタート前、ジェイク・ディクソン(Asterius GASGAS ...
#50 ANEST IWATA Racing RC F GT3 雨の中行なわれた、スーパーGT開幕戦岡山の予選。その中で目を見張るパフォーマンスを見せたマシンのひとつが、ANEST IWATA Racing with Arnageの50号車ANEST IWATA Racing RC F GT3だ。 イゴール・オオムラ・フラガと古谷悠河のルーキーコンビで開幕戦を戦う50号車ANEST IWATAは、3月上旬の岡山テストではまずまずのタイムを記録していたが、同月下旬に行なわれた雨の富士テストでは総合25番手に終わるなど、ウエットコンディションでは特に苦戦している様子だった。 しかし今回の予選では、Q1を担当した古谷がフルウエットのコンディションで4番手タイムをマーク。そして雨が止んで路面の水量が少なくなっていたQ2では、フラガが7番手タイムを記録した。 ...
#7 Studie BMW M4 スーパーGTの2023年シーズン開幕戦岡山の公式練習が行なわれ、GT500クラスは#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraが、GT300クラスは#7 Studie BMW M4がトップタイムを記録した。 この日の岡山国際サーキットは悪天候に見舞われ、スーパーGTの公式練習は終始ウエットコンディション。スピンやコースオフするマシンが相次いだ。39号車DENSOはマシンの挙動を乱してスポンジバリヤにクラッシュ。空中で複数回回転する実に激しい事故だったが、ドライブしていた中山雄一はマシンを降り、自力で歩いて退去することができた。 このクラッシュによりセッションは赤旗中断となったが、後に再開され、各車がコース上を走ったが、雨脚は強くなるばかり。結局各クラスの占有走行開始を前に再び赤旗中断となり、そのまま公式練習は終了されることになった。 結局GT500クラスはクラッシュした39号車DENSOがトップタイム。2番手には#36 au TOM’S GR Supraがつけた。GT300クラスは7号車Studieが首位となった。 ...
今季から世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスに参戦しているキャデラック。WECデビュー戦となった開幕戦セブリング1000マイルでは4位と表彰台を逃したが、ドライバーのアレックス・リン曰く、アルガルヴェ・サーキットで行なわれる第2戦ポルティマオ6時間レースでは、参戦開始後初の表彰台を狙うことも可能だという。 キャデラックは土曜日の予選で8番手グリッドを獲得。キャデラック『Vシリーズ.R LMDh』のステアリングを握ったリチャード・ウェストブルックが、ポールシッターの8号車トヨタ『GR010 HYBRID』から2.411秒差の1分32秒582をマークした。 1台体制のキャデラックの前には、トヨタの2台だけでなく、フェラーリの『499P』勢やプジョー『9X8』の1台、同じLMDhを投入したポルシェ勢が並んでいる。しかしチップ・ガナッシ・レーシングが運営するチームがミスなくマシンを走らせれば、表彰台獲得も可能だとリンは期待しており、LMDh最上位のリザルトに甘んじることはないと強調している。 motorsport.comが現実的な目標を尋ねると、リンは次のように答えた。 「またトップ5だと思う。そして完璧なレース運びなら、表彰台に上がることも可能だ」 「トヨタがベンチマークだと考えているのは、誰もが同じだと思う」 「フェラーリは、特に1周がとても速いマシンでデビューした。しかしレースペースでは、彼らを打ち負かすことも、彼らと一緒に走ることもできると思う」 「フェラーリと一緒に表彰台を狙いたいし、トヨタに近づいてミスを誘うことができれば……それがみんなの目標だ」 #2 Cadillac Racing – Cadillac V-Series.R – Hybrid – Earl ...
Luca Marini, VR46 Racing Team サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)ではじまったMotoGP第3戦アメリカズGP。初日のプラクティス1は、VR46のルカ・マリーニが最速タイムを記録した。 曇り空の下スタートしたアメリカズGP初日。気温は22度、路面温度は27度といったコンディションだ。 プラクティス1ではドゥカティ陣営のグレシーニへ移籍して以来好調なアレックス・マルケスが引っ張っていく形でセッションが進行。2分4秒台中盤のタイムで推移していた。なおアレックス・マルケスの兄でこのCOTAを非常に得意としているマルク・マルケスは、開幕戦で負った怪我の回復に専念しているため今回欠場となっている。 第2戦アルゼンチンGP決勝を転倒ノーポイントで終えた昨年王者フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)も序盤からタイムシート2番手に名を連ね、さらにCOTAでの勝利経験を持つアレックス・リンス(LCRホンダ)も3番手に続いた。 P1はマルケスの2分4秒222が暫定トップでセッションを折り返した。同じ頃にはジャック・ミラー(KTM)がターン12で転倒を喫してマシンのウイング類を破損させてしまったが、彼は自走でピットへ戻っている。 残り時間が少なくなるにつれ、タイムを縮めてくるライダーが増え始めた。中でもファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が2分4秒201、2分4秒125と連続でベストタイムを更新し、暫定トップに立った。 クアルタラロの暫定トップタイムは、ラスト5分を切ってからだったどんどん更新されていった。 リンス、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)、ルカ・マリーニ(VR46)、ホルヘ・マルティン(プラマック)と……多数のライダーがクアルタラロ超えのタイムを続けざまにマーク。マルコ・ベッツェッキ(VR46)が転倒しイエローフラッグが掲示されるといった事象はありつつも、ライダー達は積極的なアタックを繰り返した。 “ほぼ予選”といったアタックが繰り返された結果、最後にトップタイムを記録したのはルカ・マリーニ。2分3秒250でプラクティス1最速となった。2番手はクアルタラロ、3番手はヨハン・ザルコ(プラマック)だ。 日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は最後のアタックをまとめ上げると、2分4秒139をマークして9番手タイムを確保している。一方で中盤までタイムシート上位に並んでいたチームメイトのリンスは14番手タイムとなった。 GASGASからポル・エスパルガロの代役として参戦中のジョナス・フォルガーのマシンから、セッション序盤に白煙が上がるトラブルがあった。彼はその後オレンジボールに従ってピットインしている。 Follow @MotorsportJP関連ニュース:ホンダ移籍のリンス、”窓際”なのか!? 「僕のことを頼りにしていないと思う」とポロリこぼすペナルティの後出し変更はマズかった? MotoGP控訴裁判、マルケスに科された罰則の“執行停止”を決定。ホンダ勝訴へ前進かバニャイヤ「アルゼンチンの転倒は今もガッカリ……アメリカでは勝利争いしたい」レプソル・ホンダのジョアン・ミル、アメリカズGPで復帰へ。目標は「トラブルを避け、安定した週末を過ごすこと」アプリリア陣営にスイッチしたRNF「SRT時代の2019年を思い出す」再びMotoGP表彰台常連になれるか? 順位ライダー周回数タイム差前車との差平均速度 1 ...
Razlan Rizali, RNF MotoGP Racing MotoGPクラスに参戦中のRNF代表のラズラン・ラザリは、アプリリア陣営にスイッチした2023年シーズンは、前身チームのSRTで好調だった2019年のようだと語っている。 RNFはペトロナスヤマハSRTが2021年限りで活動から撤退を決めたことで、2022年に後継チームとして参戦をスタート。SRTを率いてきたラザリがRNFをそのまま指揮している。 そんなRNFは2023年シーズンに使用するマシンをヤマハYZR-M1からアプリリアRS-GPへと変更。陣営をスイッチしている。 ライダーラインナップも一新され、ミゲル・オリベイラとラウル・フェルナンデスを起用。第2戦までを終えて、彼らは度々速さを見せ、アプリリアへのスイッチは成功だったとも目されている。 そしてラザリにとって、これは狙い通りだったようだ。彼はMotoGP公式サイトで「本当に生まれ変わったようだ」と語っており、さらに前身のSRTでMotoGPクラスへの挑戦を開始し、好調な1年を過ごした2019年シーズンのように感じていると自信をにじませている。 2019年、SRTは現ヤマハのファビオ・クアルタラロを抜擢し、フランコ・モルビデリとコンビを組ませた。するとクアルタラロはルーキーながら7回も表彰台を獲得する活躍を示したのだ。 「2019年と非常に似た感覚があるんだ」と、ラザリは言う。 「ペトロナスとは非常に素晴らしい3年間を過ごしてきた。2019年と2020年に、我々がああして強いとは誰も予想していなかった。そして、(2021年は)バレンティーノ・ロッシという大人気のライダーと共に戦う機会を持つことができた。そして、チームを再建するときが来た」 「4年が経ち、私はチームを完全に作り直さなくてはならなかった。そしてこの2年間良い結果を出すことができていなかったが、ついに望んだライダーと契約するチャンスを得た」 「アプリリアのポテンシャルを確信していたため、ヤマハからアプリリアへとスイッチしたんだ。バレンシア、そしてセパンのテストを経て非常にモチベーションが溢れていた」 なお2023年開幕後はオリベイラが速さを見せていたが、開幕戦決勝で転倒に巻き込まれ表彰台獲得のチャンスを逃している。 ラザリはライダー達がアプリリアのマシンに素早く適応し、アプリリアファクトリーチームのおアレイシ・エスパルガロとマーベリック・ビニャーレスに接近できることを期待していると語った。 「繰り返しになるが、2019年と同じようなフィーリングがあるんだ。我々はミゲルが経験豊富なことを知っているし、ラウルもこのマシンを手懐ける事ができると思っている」 「アレイシとマーベリックはこのバイクの能力を活用できている。我々のライダーには、できるだけ彼らに近づいてもらいたい」 「サテライトチームの基本的な考え方は、ライダーがいつの日かファクトリーチームに行けるように鍛えることにあるんだ」 ...
#16 ARTA MUGEN NSX-GT 間も無く決勝レースがスタートするスーパーGT開幕戦岡山。決勝前のウォームアップセッションのトップタイムは、GT500クラスは16号車ARTA MUGEN NSX-GTで、GT300クラスは予選ポールシッターの65号車LEON PYRAMID AMGだった。 今週末の岡山戦は、予選日が雨に見舞われ、公式練習、予選共にウエットコンディションとなった。そのため、決勝スタート進行の直前に行なわれる20分間のウォームアップ走行が初めてのドライセッションであり、この順位が決勝でのパフォーマンスを占うことになりそうだ。 なお、注目の天候については、13時30分のスタート時は晴れ予報となっているが、15時ごろから雨が降るという予報もあり、レース終盤に一波乱起きる可能性も否めない。 ■GT500クラスタイム結果 1. #16 ARTA MUGEN NSX-GT 1’20”005 2. #100 ...
#8 Toyota Gazoo Racing – Toyota GR010 – Hybrid – Se?bastien Buemi, Brendon Hartley, Ryo Hirakawa FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦、ポルティマオ6時間レースの予選が行なわれ、TOYOTA GAZOO RacingのGR010ハイブリッド8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)がポールポジションを獲得した。 舞台は快晴のアルガルヴェ・インターナショナル・サーキット。気温25度、路面温度は43度というコンディションだ。今季から予選は各クラスが15分ずつ走行するフォーマットとなっており、LM-GTE ...