25年ぶり新型車両 山形新幹線「E8系」乗り心地は? 懐かしの…初代「銀色のつばさ」から歴史振り返る【山形発】 山形新幹線の新型車両「E8系」が3月16日にデビューするのを前に試乗会が開かれ、キャスターが乗り心地を確かめてきた。今回で3代目、つばさの歴史も振り返る。 デビュー目前「E8系」試乗会に参加 デビューまであと10日となった3月6日、JR山形駅の新幹線ホームには、2023年に復刻されたデビュー当時のシルバーカラーの車両の隣に、新型車両「E8系」の姿があった。 6日は午前に報道関係者、午後は抽選で選ばれた300人が試乗した。 車両に入った瞬間、鮮やかな黄色とオレンジの紅花カラーが目に飛び込んでくる。グラデーションになっていて気分が明るくなる印象だ。 E8系の車内は、“車いすスペース”や“荷物置き場”を広くし、座席数はこれまでより少し減って352席になる。シートの間隔は変わらず、普通車の座席の幅が1cm・奥行きが4cm広くなった。 さらに、すべての座席のひじ掛けの下にコンセントを設置。 スピードアップはもちろん、利便性という点でもつばさは進化している。 ミニ新幹線「つばさ」の歴史 べにばな国体前の1992年7月、在来線の線路に乗り入れる全国初のミニ新幹線として、山形新幹線は開業した。 「400系」と呼ばれる初代・つばさは、シルバーメタリックを基調にした斬新なデザインが注目された。 山形駅と東京駅を最短2時間27分で結び、好調な利用を背景にわずか3年後には、6両編成から今と同じ7両編成に変更された。 山形新幹線といえば「銀色のつばさ」。そのイメージを受け継ぎ、次に登場したのが、秋田新幹線と同じ「E3系」だ。 1999年12月の新庄延伸に合わせてデビューし、車両の側面には大きな“鳥の翼”がデザインされた。 その2代目つばさがモデルチェンジしたのが、2008年に登場した「E3系2000番台」だ。 車内は紅花や蔵王の紅葉をイメージした温もりある赤で統一された。 今では当たり前の電源コンセントが座席に備えられたのも、JR東日本の新幹線ではこの「2000番台」が最初だった。 そして、2014年、つばさのイメージが一新される。 山形デスティネーションキャンペーンに合わせ、山形市出身の工業デザイナー・奥山清行さんがデザインした「おしどり」の紫、「紅花」の黄色、「蔵王の雪」をイメージした外観に変わった。 ...
大人でも乗りたい!軽トラックをベースにした子供向け自動車「ベビィ」 路上のクルマと共存する現在社会においては、小さい頃から交通に関する教育や知識を身につけさせることはとても重要です。 そのため、全国各地で子供向けの交通安全教室が多数開催されており、信号の見方や正しい横断の仕方を教えて交通事故防止に努めています。 【画像】「えっ…!」これが”可愛すぎる”「ベビイ」です! 画像で見る(77枚) ところが、1965年から1973年にかけて、「本物のクルマ」を使って子供たちに自動車交通教育を教えていたことがありました。 めちゃカワイイ! 「ダットサン ベビィ」 めちゃカワイイ! 「ダットサン ベビィ」 それを実施していた場所は、神奈川県横浜市青葉区と東京都町田市に広がる「こどもの国」。同園の開園は1965年。皇太子殿下(現:上皇陛下)のご成婚を記念して造られました。 児童福祉法に基づく児童厚生施設であるこどもの国は「次世代を担うこどもの健全育成のための施設」と定義づけられ、体験型施設が多く設置されており、その一環として設けられたのが「こどもの国交通訓練センター」でした。 このセンター開設に合わせ、「ダットサン ベビィ」というクルマを日産が用意されました。園のコンセプトに共感した日産が、実に100台(試作車を入れると105台)ものダットサン ベビィをこどもの国に寄贈したのです。 子供向けの交通安全教室では、実際に乗り物を使用することもありますが、そのメインは自転車です。4輪カートが使われることもありますが、その多くは、屋根や灯火類を持たないプラスチックボディの遊具用ゴーカートではないかと思います。 しかしベビィの中身は、なんと実際に販売されていた本物の軽自動車「コニー・グッピー」でした。 外側には、遊具のカート然とした衝突用バンパーが一周していましたが、初代「フェアレディZ」のデザイナー・松尾良彦氏が手がけたといわれるボディは、2シータースポーツカーのような軽快でスポーティな佇まいを持っていました。 ...
日本の1台の「レクサスパトカー」とは 栃木県にある「佐野プレミアム・アウトレット」にて全国でも珍しいパトカーが2024年3月3日に展示されました。 中でも注目された「レクサスパトカー」とはどのようなモデルで、今回の展示についてSNSではどのような反響があったのでしょうか。 栃木県警に寄贈されたレクサス「LC」架装費用がプラスされ約1740万円という価格(画像:栃木県警) 栃木県警に寄贈されたレクサス「LC」架装費用がプラスされ約1740万円という価格(画像:栃木県警) 今回開催されたのは「はたらくくるま in佐野プレミアム・アウトレット」というイベントで、日本で内唯一のレクサスパトカーを含む、過去最多の15台が展示されました。 【画像】「えっ…!」これはカッコいい! 1700万円超え! 最強パトカーを見る!(26枚) 警察車両をはじめ消防車両や自衛隊車両などを間近でみることができたようです。 SNSでは「佐野アウトレット にて栃木県警スーパーパトカー軍団を見てきました!他にも自衛隊の軽装甲機動車や輸送防護車もあり、カッコ良かったです♪」、「特別なパトカーを見に佐野アウトレットに来てみた!」という声も。 そんな中でも来場者の注目を集めていたのが日産「GT-R」とレクサス「LC500」のパトカーです。 これは栃木県警に寄贈されたもので、とくにLC500は日本で唯一のパトカーだと言います。 LC500のボディサイズは全長4770mm×全幅1920mm×全高1345mmとなり、パワートレインは5リッターV型8気筒エンジンを搭載。 LC500の車両価格(2024年3月時点)は1400万円から1550万円。栃木県警のパトカー仕様は架装費用がプラスされ約1740万円となっています。 なお、LC500とGT-Rは過去に栃木県在住男性が「交通事故の防止に役立てて欲しい」という想いから寄贈されました。 今回の展示では、LC500やGT-R以外にも日産「フェアレディZ ...
セイキン、ド迫力のマニアックカーに興奮 広々内装が「アルファードみたい」 YouTuberのセイキンが、2024年3月4日に自身のYouTubeチャンネルを更新。ハワイ旅行に際して現地でレンタルしたGMCのフルサイズSUV「GMC YUKON DENALI」をレビューした。 車にさほど興味のない弟・ヒカキンとは違い、セイキンは「ランボルギーニ アヴェンタドールS」「レクサス LS 500h」「トヨタ アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジ」「フェラーリ F8トリブート」「ランボルギーニ ウルス」と、これまで数々の高級車を購入してきた筋金入りのカーマニアだ。しかし、そんな彼も海外での運転は未経験だったようだ。 2024年3月4日に公開した「【激ムズ】ハワイで人生初の運転!!~野生のウミガメ見つけられるまで帰れません~」と題した動画でセイキンは、「僕も一人の車好きとして海外で運転ぐらいできないとダメだな」と思い立ち、先日家族旅行で渡航したハワイにて車の運転に挑戦したと伝えた。 運転免許センターで国際運転免許証を取得後、ハワイに飛んでレンタルしたのは、「GMC YUKON DENALI」だった。セイキンは「とんでもなくデカいのを借りてしまいました」といい、「多分海外で初めて運転するレンタカーで、このサイズ借りる人まずいないです。多分辞めたほうがいいです(笑)」と呼びかける。その一方で「ただ私は普段、東京・首都高でブイブイ言わせているので、まぁ、行けるでしょう」と、海外での初運転に自信を覗かせた。 サイズは「トヨタ ランドクルーザー」「「レクサス LS」よりもやや大きめだという。たしかな存在感を放つ同車を前に、セイキンは「さすがにこのサイズになると迫力ありますよね。カッコいいなぁ」と惚れ惚れ。内装に目を向ければ、黒でまとめられたシックな印象の室内を「非常に高級感があります」と称賛する。 ...
1.5Lガソリン仕様 ホンダ技研工業が2023年11月に発表していた新型コンパクトスポーツタイプ多目的車(SUV)「WR-V」が、2024年3月22日に発売される。 【画像】えっ…! これがホンダの「年収」です(計9枚) ホンダWR-Vは、タイに拠点を置く東南アジア太平洋地域の重要な開発拠点であるホンダR&Dアジアパシフィックが開発・設計した。また、同地域の重要戦略車でもあり、生産はインドのホンダカーズインディアが行う。 ホンダWR-Vのスペックが発表されたとき、多くの人が驚いた。この時代、エンジンは 「1.5Lのガソリン」 のみ。駆動方式は 「FF(フロントエンジン・フロントドライブ。エンジンをフロントに搭載し、前輪を駆動する。比較的コンパクトな構造と広い室内空間が特徴)」 のみだった。ディーゼルもハイブリッドもフルタイム4WDもない。メカニズム的には、限りなくシンプルなクルマで、まるで1990年代に戻ったかのようだった。 もちろん、ルックスは現代的だ。ウエストラインは高めにデザインされ、ウインドーの面積は小さめ。ボディ前後は大きく絞り込まれ、ホイールアーチとその張り出しが強調されたデザインは、まさに現在のSUVのそれだ。 このクルマが生まれた本来の動機を単純に推測するなら、インドではディーゼル車やハイブリッド車の優先順位は必ずしも高くない。同様に4WDも必要ないケースが多い。日常の足として使うのであれば、シンプルな仕様で車両価格が安く、維持費が安いことが戦略的に重要だったのだろう。 実際、WR-Vは安い。すでに発表されている日本での販売価格は、最もベーシックなグレード「X」で209万8800円だ。WR-Vには三つのグレード設定があり、ミドルグレードの「Z」が234万9600円、トップグレードの「Z+」は248万9300円と250万円以内に収まっている。 ちなみに、ホンダには同じくコンパクトクラスに属するSUVの「ヴェゼル」もある。ハイブリッド車と4WDの両方が用意され、WR-VのXに相当するベーシックグレードは30万円ほど高い239万9100円だ。ヴェゼルの最上級グレードは341万8800円である。 「若者のクルマ離れ」対応可 2024年1月度。四輪車 生産・販売・輸出実績(画像:ホンダ技研工業) ホンダがアジアパシフィック地域、特にインドでシンプルなメカニズムのモデルを開発・販売するのは理解できる。前述したように、同地域のユーザーの嗜好に合ったモデルであることを考えれば当然だ。 しかし、そのようなモデルをあえて日本で売ろうとした経営戦略の背景には何があったのだろうか。ここでひとつ思い浮かぶのは、大都市圏の 「若者のクルマ離れ」 ...
1年で大きく環境が変化 フィアットのド定番バン 国内最大規模を誇るキャンピングカー展示会「ジャパンキャンピングカーショー2024」が、2月頭に開催され、約4万6000人の来場者を集めました。近年のアウトドアブームもあり、国内キャンピングカー市場は右肩上がりの成長を見せています。 その主役は、トヨタ「ハイエース」を中心とした国産車ですが、最近、国内生産される高級キャンピングカーに新たな風を吹き込んだのが、イタリアの自動車メーカー、フィアットの商用車「デュカト」です。 【これが強み!】デュカトの「軽ハイトワゴンすっぽり入る」広大な車内空間(写真) フィアット・デュカト。車両価格としては529万5000円~となっている(画像:フィアット)。 フィアット・デュカトは、欧州の商用車市場で7割のシェア持つといわれる定番モデルで、フィアットが属するステランティスグループ内でも、プジョー「ボクサー」やシトロエン「ジャンパー」のように、ブランドと名称を変えて展開されています。さらに2024年からは欧州でトヨタにもOEM供給され、「プロエース マックス」の名で登場する予定です。 欧州でも様々な架装が施されたデュカトが活躍していますが、そのひとつがキャンピングカーであり、高い人気を誇ります。日本にも欧州のキャンピングカーメーカーの架装車が輸入されています。しかし、その場合、ベースとなるデュカトは、右ハンドル車であっても海外仕様車であるため、ユーザーにはメンテナンスや保証などの面で手が出しにくい状況もありました。もちろん、国内で架装されるデュカトのキャンピングカーも同様でした。 その状況を大きく変化させたのが、2022年2月、フィアットなどが属するステランティスジャパンによる正規輸入開始のアナウンスです。その主な狙いは、キャンピングカーのベース車として、日本のキャンピングカーメーカーへの供給を行うことでした。 これにより日本の法規対応はもちろんのこと、日本の道路に最適化された先進の安全運転支援機能や日本向けナビゲーションシステムの標準化といった機能向上や、3年10万キロの新車保証の適用、そして日本での交換部品ストックによるパーツ入手のし易さなど、ユーザーに多くのメリットを生みました。 そのサイズは「超巨大」 思っている以上に!? 正規導入が開始されて間もない2023年のジャパンキャンピングカーショーでは、デュカトの国内製キャンピングカーは少なめで、海外製のものが中心でしたが、今年の同ショーでは国内製のラインアップが充実していました。もちろん、従来の主力だった欧州の人気キャンピングカーメーカー製のものも健在ですが、より住み分けが明確となった印象です。 そのひとつがボディ構造です。国内製キャンピングカーが、正規輸入される商用バンベースのバンコンバージョンに対して、海外メーカー製のものは、専用キャビンにより室内空間を拡大させたキャブコンバージョンが主流となったこと。これは国内メーカーが正規輸入車であるバンをベースとすることで、手厚い保証などユーザーメリットを重視した結果でしょう。 このため、海外製のものは、付加価値が高いものに集約されたといえます。同時に、本来の役目である商用バンとしての素性を活かし、ビジネスユーザーの獲得にも力を入れる動きがあります。 ジャパンキャンピングカーショー2024には様々なデュカトが(大音安弘撮影)。 バンベースのボディでも、広々とした居住空間を持つキャンピングカーへと転身可能なデュカトは、積載容量にも優れています。日本仕様には、3つサイズ違いのものが導入されています。最大ボディサイズとなるグレード「L3H3」は、全長5995mm×全幅2050mm×全高2765mmと超巨大。キャビンスペースのサイズだけでも、全長3540mm×全幅2000mm(※最大寸法)×全高2210mmもあり、最大寸法の中に、軽スーパーハイトワゴンがすっぽり収まるほどの大きさなのです。このため、昨年の展示では、4輪バギーを搭載した状態で展示されたものありました。 ただボディの全幅が2050mmとなると、日本の街中での機動性では、ハイエースやキャラバンといった国産バンには敵いません。そこでイタリア生まれのスタイリッシュなスタイルと広々したラゲッジスペースを活かし、移動式のショールームや作業室としても注目されています。 ...
飾ってもよし 99号車 NSX-GTの実車(画像:タカラトミー)。 タカラトミーは2024年2月29日(木)、大人向けシリーズとして2015(平成27)年より展開している「トミカプレミアム」から、新シリーズ「トミカプレミアムRacing」を4月20日(土)に発売すると発表しました。ハイクオリティな塗装を追求し、実車を再現した“飾って・遊べる”レーシングカーシリーズだそうです。 第1弾は「RAYBRIG NSX-GT」と「99号車 NSX-GT」の2車種が商品化されます。前者は2018(平成30)年にスーパーGTのGT500クラスに参戦し、同年に年間チャンピオンを飾りました。ブルーを基調にしたボディに、メタリックブルー塗装やスポンサーロゴを施しています。左右ドアは開閉アクション付きです。 後者は、2018年モデルでカーボンボディの99号車が再現されています。ボディ全体がカーボンプリントされていますが、これはトミカ初だそう。左右ドアの開閉アクションも付き、レーシングカーのオーラを感じられる商品だとしています。 2車種とも、サイズは横32mm、高さ20mm、縦79mm。希望小売価格は税込み各1980円で、対象年齢は6歳以上です。全国の玩具専門店、百貨店・量販店の玩具売り場、タカラトミー公式ショッピングサイト「タカラトミーモール」などで販売されます。 タカラトミーは「トミカプレミアムRacing」について、「世界の様々なレースカテゴリーで活躍するレーシングカーをラインアップし、ボディ、ルーフ、リアウィング、タイヤに至るまで細部のロゴを再現したハイクオリティ塗装やUV印刷など多くの工程数により、これまで以上にリアリティを追求したワンランク上のシリーズとして展開していきます」としています。 新発売「トミカプレミアムRacing」をチェック!!(画像)
3季連続ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペン【写真:ロイター】 レッドブル公式YouTubeチャンネルが公開した迫力映像とは 自動車レース・F1の最新マシンにも負けない時速350キロの”最新メカ”が現役ドライバーを驚かせている。サーキットを疾走するマシンに上空から追随する迫力の映像には3季連続の年間王者も「これまで本当になかったショット」と衝撃。「人々のF1の見方を変えるよ」と感心している。 まるで映画のワンシーンのようだ。F1の2季連続コンストラクターズ(製造者)部門王者レッドブルの公式YouTubeチャンネルが公開した動画。そのタイトルは「世界最速のカメラ付きドローンがF1カーを追う」というもの。概要欄では「この世界初の中断のないFPVワンショットは、時速300キロを超えるスピードのマシンに追いつくという挑戦のために特別に設計された、手動操縦の特注ドローンによって撮影された」と説明している。 オランダのドローン専門集団「ダッチ・ドローン・ゴッズ」と共同で1年以上かけて開発されたドローンは最高時速350キロを超えるという。映像の中では、開発の過程で直面する課題を試行錯誤しながら克服していく様子も描かれている。 テスト撮影では、アルファタウリ(現ビザ・キャッシュアップRB)で昨季、角田裕毅の同僚、ダニエル・リカルドの代役を務めたリアム・ローソンが登場。自身の走りを上空から収めた映像を見ると「映画みたいだ!」「とてもクール!」と目を輝かせ、「テレビで見ていると、誰もF1のスピードを理解できないんだ。でもこれなら間違いなくできるね」と嬉しそうに頷いた。 続いてドローンは3季連続ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追跡することに挑戦。路面が濡れたコンディションではあったが、巧みなテクニックで疾走する絶対王者をしっかりと捉え続けた。映像を見たフェルスタッペンは「これまで本当になかったショット。質も本当にいい。ドローンがこんなに素早く動くなんて知らなかった」と驚嘆。「これは人々のF1の見方を変えるね」と感心していた。 THE ANSWER編集部
新車価格600万円超…なぜ20代でもバンバン買えるの?(提供:norico by ガリバー) トヨタ自動車の最高級ワンボックスカーとして知られる「アルファード」と「ヴェルファイア」。通称「アル・ヴェル」だが、高額なはずの車両にかかわらず、20代の若年層も多く乗っていることから、「なぜ購入出来るのか」疑問に思う人も少なくないだろう。 アルファード&ヴェルファイアは、2023年6月にフルモデルチェンジをした。30系から40系に進化するとともに、圧倒的な人気はさらに加速している。新車価格が620万円~のハイブリッドZの中古車には、1千万円を超える車価格が付くことも少なくない。多くは転売目的で流通している車両とはいえ、40系アルファード&ヴェルファイア人気の高さを感じさせる。 アルファードの中古車をチェックする|ガリバー 残価設定ローンなら若年層でも高級車が買える! 若年層でも高級ミニバンであるアルファード&ヴェルファイアを購入しやすくしている理由の一つとして「残価設定ローン」があげられる。 例えば新車価格が500万円で、3年後に200万円で売れるであろうと査定(=残価設定)されたとする。購入者は3年間で、(500万円-200万円=)300万円を月々に分割した金額+金利を支払うという仕組みだ。そのため高級車でも、通常の購入方法より月々の負担額を抑えることが可能になる。尚、3年後には車両を返却もしくは自ら買取する必要がある。 ※残価設定ローンは一般的に3、5、7年の契約期間で設定されることが多い。 最近では、アルファード&ヴェルファイアだけでなく、ほとんど車種で人気の購入方法となっている。 超人気車は「残価設定ローン」のメリット大! ただし、どんな新車を購入する際も残価設定ローンをお勧めするわけではない。残価設定ローンの場合、アルファード&ヴェルファイアのような人気車ほどメリットが大きいのだ。 そもそも残価設定ローンの残価は、一般的に下取価格や査定価格、リセールバリューなどの金額と近く、中古車での人気が大きく影響する。 注意したいのは、中古車人気が高ければ単純に残価やリセールバリューが高くなる訳ではない点だ。残価やリセールバリューの価格は、中古車の需要と供給で決まるからだ。 例えばトヨタ アクアの場合、コンパクトハイブリッド車として新車でも中古車でも高い人気を得ている。しかし新車販売台数が多いため中古車流通量も多い。さらに需要(中古車購入希望者)も多い。こうなると、あまり残価やリセールバリューは上がりにくい。 逆にアルファード&ヴェルファイアのように、中古車流通量がやや少ないのに対して需要(中古車購入希望者)がとても多いと、残価やリセールバリューは右肩上がりだ。人気SUVのハリアーなども同様の傾向にある。 アルファード&ヴェルファイアの残価設定は? 40系アルファード&ヴェルファイアの残価設定はいくらなのだろうか。 ...
栃木県に続き群馬県内の関越道や北関東道にも「半固定式オービス」設置へ 高速道路などに設置される速度違反自動取締装置、通称「オービス」が今、大きく変わろうとしています。 従来とは異なる「半固定式オービス」と呼ばれる新タイプの導入が進んでおり、2024年春には群馬県内の関越道や北関東道などに設置が確認されました。 北関東道西行き方面(関越道方面)に設置された「半固定式オービス」拠点[撮影:オービスガイド] 北関東道西行き方面(関越道方面)に設置された「半固定式オービス」拠点[撮影:オービスガイド] 半固定式オービスとは、「固定式オービス」と「移動式オービス」のメリットを合わせたような機器の仕組みを指します。 【画像】「えっ…!」これが新型「半固定式オービス」です! 画像を見る(30枚以上) 2021年4月に大阪府の阪神高速に登場した後、熊本県、長野県、茨城県、福井県、静岡県、福岡県、栃木県そして今回新設された群馬県の9府県に設置されています。 大阪府には6か所、それ以外の県には3か所ずつなので、全国には30か所の拠点が存在します。 高速道路の路肩で四角く金網で囲まれたケージ内に、あらかじめ電源などを備えた拠点(ベース基地)を複数箇所設置しておき、1台のオービス本体をその拠点間で不規則に移動させながら運用するものです。 つまり、機器が設置されていない「空(から)」の状態の半固定式オービス拠点もあるワケですが、高速道を走行するドライバーからは、その有無が瞬時に判別しづらい形態となっているのも特徴といえます。 直近では、2024年に入って大阪府の阪神高速に3か所の「半固定式オービス」の拠点が追加され、2月に入ると栃木県内の高速道路、東北道や北関東道でも3か所の拠点が新設されました。 そして今回新たに、群馬県内の高速道路でも拠点が新設されているとの情報を得て、筆者(オービスガイド 大須賀克巳)が2月23日に現地調査してきました。 群馬県内に新設される半固定式オービスは3か所 群馬県内の高速道路に新設される半固定式オービスの拠点は、以下の3か所です。 「半固定式オービス」拠点は写真のようなケージが設置されます。このなかにオービス機器をセットすると稼働できる仕組みです[撮影:オービスガイド] 「半固定式オービス」拠点は写真のようなケージが設置されます。このなかにオービス機器をセットすると稼働できる仕組みです[撮影:オービスガイド] ...
実は販売台数が伸び続けているHV 欧州を中心に電気自動車(EV)化が騒がれているなかで、実はハイブリッド車(HV)の販売台数が伸びている。HVとは、内燃機関と電気モーターなど、異なるエネルギー源を組み合わせた自動車を指す。燃費や走行性能を向上させながら、環境負荷を低減することができる。電気モーターのみで低速走行が可能な「EVモード」を搭載したモデルもある。 日本自動車販売協会連合会の集計によると、2023年1~12月の燃料別台数(乗用車)は、次のような結果だった。HVとEVのほか、ガソリン車、プラグインハイブリッド車(PHV)、ディーゼル、燃料電池車(FCV)、その他のデータが記されている。 ・ガソリン車:94万8445台(35.8%) ・HV:146万0133台(55.1%) ・PHV:5万2143台(1.9%) ・ディーゼル:14万6164台(5.5%) ・EV:4万3991台(1.7%) ・FCV:422台 ・その他:99台 日本国内における燃料別販売台数(乗用車)のうち、2023年に初めてHVが構成比50%を超えたのだ。今や購入される新車の2台に1台がHVなのだ。 続いて、HVの販売台数を時系列でみてみよう。 ・2019年:109万8704台(39.1%) ・2020年:92万0275台(37.1%) ・2021年:102万7104台(42.8%) ・2022年:108万9077台(49.0%) ・2023年:146万0133台(55.1%) このように、年によっては新型コロナウイルス感染拡大の影響があるものの、年々HVの販売台数が伸びており、2022年にガソリン車(42.3%)と逆転し今にいたっている。HVの売れ行きがガソリン車を上回ったのは、 ・自動車税の減税といった税制優遇 ・2020年を底に高騰を続けているガソリン価格の影響 ...
日本の自動車産業の底力 日本の自動車メーカーの決算が近づいているが、円安という大きな追い風を受けて各社とも絶好調で、過去最高を更新しそうな企業も出てきている。短期的には、日本の自動車メーカーがハイブリッド車(HV)を核にガソリン車も含めたバランスのよい新車ラインアップを投入し続け、国際市場をリードし続けていることが成功の要因だろう。 【画像】「えっ…!」これが「自動車メーカーの年収ランキング」です。画像を見る。(計12枚) 2023年は自動車メーカーだけでなく、大手中古車販売会社や保険会社でも不祥事が発生し、業界全体の改善が問われたことは記憶に新しい。そのような状況下で過去最高の業績を達成できることは、日本の自動車産業の底力をまざまざと見せつけられたような気がする。 コロナ禍を契機に、世界の「社会のあり方」が大きく変化したことはいうまでもない。2020年の春から約1年間、人の活動が最小限に抑えられ、戦争へのエネルギーが減少し、世界中に「青い空」が広がったことは否定できない。 そのため、当時「ブルースカイシンキング」という思考が『フォーブス』誌でも取り上げられ、都市における自動車の利用制限にも議論が及んだ。ブルースカイシンキングとは、制限のないブレーンストーミングのことで、このアイデア発想法では、アイデアが現実に根ざしている必要はない。 しかし、2022年には欧州で戦火が広がり、2023年には中東で新たな戦争が始まった。世界はもはやブルースカイシンキングどころではなく、多くの人命が失われる非常事態に陥っている。 東京オートサロンでの驚き ガライアEV(画像:オートバックス) 日本では、2024年1月に「東京オートサロン2024」がコロナ以前のように、入場規制がほぼない形で開催された。 2023年に「ジャパンモビリティショー」に名称を変更し、自動車以外の分野も追加された「東京モーターショー」とは異なり、東京オートサロンは、最新のカスタムカーや歴史的名車の展示など、ある意味、伝統的なクルマの楽しみ方を正面から追求したイベントである。 その結果、来場者数は2023年の18万人から23万人と5万人増と大きく伸びたが、コロナ以前の2019年の33万人とはまだ開きがある(オンラインもあるが、無料なのでここでは除外)。 筆者(J.ハイド、マーケティングプランナー)が最も注目したのは、創立50周年を記念したオートバックスの展示である。同社のオリジナルスポーツカー「ガライア」の電気自動車(EV)化をはじめ、合計5台のEVカスタムカーが展示されていた。 驚いたのはそのラインアップだ。同社のこれまでのサービス内容や顧客層を考えれば、国産メーカーのEVに特化していると考えるのが自然だろう。しかし、実際に展示されていたガライアEVを除く4台のEVのうち、3台は海外製で、 ・トヨタ:アルファードEV+ ・テスラ:モデルY、 ・ヒュンダイ:アイオニック5 ・BYD:ドルフィン だった。アルファードに至っては、純粋なEV、つまりバッテリー式電気自動車(BEV)ではなく、HVということになる。 日本の自動車メーカーが好調とはいえ、こうしてみると、純粋なBEVはまだラインアップの主力ではなく、開発途上にあることは否めない。 ...
間もなく発売の「WR-V」がアウトドアに最適すぎ? 群雄割拠のSUV市場。各社からさまざまな車種が発売されているなか、注目を浴びているのが、2024年3月から発売となるホンダ「WR-V」です。 小さく見えるボディサイズにも関わらず驚きの積載性を見せてくれますが、ホンダ車の純正アクセサリーを開発するホンダアクセスが、そんな新型WR-Vの2種類の使い方を示してくれました。 アウトドアに最適なのは見かけだけじゃない! アウトドアに最適なのは見かけだけじゃない! 【画像】「えっ…!」これが”超カッコイイ”「新型WR-V」の車中泊風景です!画像で見る(30枚以上) まずは「WR-V×アウトドア・4人でキャンプバージョン」。 コロナ禍で多いに湧きあがったアウトドアブーム。その勢いは今だに衰えることなく多くのユーザーがキャンプを楽しんでいます。 キャンプと言えばテントやタープ、テーブルやキッチン周りの大きな道具にはじまり、チェアやクーラーボックス、シェラフやマットなど必要な道具は多くなります。 そうなるとキャンプに行くには大きな車両が必要と思いますが、なんとこのWR-Vには4人がキャンプに行くのに必要な道具が全て収まります。 WR-Vの車両寸法は、全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mm。客室内寸法は長さ1955mm×幅1460mm×高さ1280mmというサイズです。 荷室サイズは、開口部荷室高882mm、5名乗車時の荷室長840mm、2名乗車時の荷室長2181mm、荷室床面最小幅(ホイールハウス)1020mm、荷室最大幅1350mmというサイズ、荷室容量は458リットル(5名乗車時・床下収納を除く)というビッグな荷室容量を持ちます。 4人でキャンプに行く道具が綺麗に荷室に収まり、しかも荷室のパーセルカバー(トノカバー)を閉じることができるというのもポイント。荷室に何が入っているかは外から確認できなくなるのは、盗難やいたずらの不安がなくなり安心できます。 ホンダのSUVラインナップは現在ヴェゼル/ZR-V/WR-Vの3車種があります。WR-Vはコンパクトに見えるためそれほど広く無いと思われますが、客室内寸法で比較すると、WR-Vが他の2台に比べても遜色ないのが分かります。 客室内寸法比較 ・ヴェゼル 長さ 2010mm/幅1445mm/高さ1225mm ・ZR-V 長さ 1930mm/幅1530mm/高さ1195mm ...
レーシングV12に初遭遇した日:伊東和彦の写真帳_私的クルマ書き残し:#010 フェラーリ 512S ベルリネッタ 輸入車販売会社から雑誌記者に身を転じ、ヒストリックカー専門誌の編集長に就任、自動車史研究の第一人者であり続ける著者が、“引き出し“の奥に秘蔵してきた「クルマ好き人生」の有り様を、PF読者に明かしてくれる連載。 現場にいてこその香りとサウンド 前回のこのコラムでフェラーリ365BBについて記したが、今回もフェラーリだ。だが、時代は遡って、1970年9月の富士スピードウェイでのできごとだ。 小遣いをやり繰りして、クルマ好きの友人とFISCO(当時は富士スピードウェイのことをこう呼び、いまでも私にはシックリする)に行くようになったのは、競技としてのレースを見るというより、疾走するクルマを見ることが主な目的だったと、今になってそう思う。 レース展開よりもマシンが走っている姿を観たい、その一心だった。巧みなドライビングで目の前を走り去るクルマとエグゾーストサウンド、そして鼻腔を刺激する“かぐわしい香り”(専門誌の受け売りで知った言葉だが、そういえば私も何度か誌面で使っている)だった。 走行中のカットはフェラーリのアーカイブで見つけた。富士スピードウェイ名物の30度バンクに進入を図る512S。向かって左は風戸 裕の元ワークス・ポルシェ908Ⅱスパイダー。908の後方は総合2位に入った北野 元のニッサンR380-Ⅲ。(photo=Ferrari Archives) 自動車専門誌の誌面で、1970年9月6日開催の『‘70富士インターナショナルゴールデンレース フジインター200マイル』に、イタリアからフェラーリ512Sがやって来ると知ったとき、まだ聴いたことのないレーシングV12エンジン、それもフェラーリのそれがどんな音を出すのかと、がぜん興味が沸いた。 いつもクルマ関係のイベントに同行してくれている帰国子女のI君は、アメリカ西海岸仕込みの、私とは比較にならないほどクルマの知識があるばかりか、フェラーリ好きであったから、512Sを観に行くことは簡単に決まった。そのI君は社会人になってから、アメリカやイギリスの著名フェラーリ研究家と情報交換をするという、世界中のフェラリスタから一目おかれた存在になったほどの存在だった。 どのコーナーでV12サウンドを聴くかが、車中での最重要課題になった。1時間45分程度と予想されるレース時間をどう効率よく使うかだ。いつものように安価な自由席しか私たちには選択肢はないが、第1コーナー出口あたりからヘアピンカーブに移動し、余裕があったら、ストレートをどこかから覗けばいいかなという計画を立てた。 フェラーリが勝った! 私は同年のデイトナでのデビュー以来、リタイアが多い512Sだから、完走しないことは充分想定していた。I君は、「フェラーリに限ってそんなことはない」と、期待を込めて激しく首を振るが、日本のレースにやってくる海外勢は日本を甘くみているのか、鳴り物入りで1969年の日本GPにやってきたポルシェ917には、お互いにガッカリさせられた経験がトラウマになっていた。 残されているベタ焼き(なんとフィルムが見つからない!)を検証すると、ヘヤピンで金網に邪魔されながらの数カットがあるのみだが、リタイアする前にV12の咆哮を聴いていることがわかる。 ...
「SUVは駐車料金を3倍に」ホントに実現しそう フランスのパリにおいて2024年2月4日、SUVなどに対する駐車料金を高くするかどうかという住民投票が行われました。その結果は、僅差で、値上げ賛成が勝ることになりました。パリ市民はSUVにNOを突き付けた格好です。 【日本もデカい車“値上げ”か?】国が進めている“パリと似たような議論”(画像) パリの街角のSUV。ベントレー・ベンテイガは全長5mを超える(画像:adrianhancu/123RF)。 値上げの対象は、SUVに限っているわけではなく、「重く、かさ張り、汚染度の高い個人車両」であり、SUVだけでなくEVや大型セダンなども含まれているようです。とはいえ、住民投票のポスターにもあるように、主にSUVがターゲットになっているのは間違いありません。 では、なぜ、SUVや大型のクルマがダメなのでしょうか。理由としては、駐車スペースが少なく渋滞の多いパリでは、大きなクルマが邪魔だというのが建前です。しかし、一方で所得の低いエリアほど、SUVの値上げに賛成する人が多いということで、貧富の差による反発も根底にあったのでしょう。 とはいえ、SUVの流行と、クルマの大型化は、過去10年以上にわたる世界の自動車業界の大きなトレンドです。背が高く、大きなSUVは見栄えがよく、目線が高いので優越感も得られます。 また、クルマの大型化は、すべての車種に及びます。今や、小型車の象徴であったフォルクスワーゲンの「ポロ」も、一昔前の標準的サイズの「ゴルフ」並みのサイズになっていますし、当の「ゴルフ」はさらに上の「パサート」の寸法に近づいています。ちなみに、日本も同じ状況で、小型車の代表格であったトヨタの「カローラ」も、すでに3ナンバーボディになっています。昭和の時代であれば高級車扱いの寸法です。 ないがしろに? 「小さくて安い」という価値 クルマが大きくなったのは、安全性能の確保という面もありますし、世代交代のときに先代をより上回るようにした結果、どんどん大きく高級になったというのも理由です。「前よりも、ちょっとでも良いもの」をとやってきたら、どんどん大きく立派になってしまうというわけです。 SUVも見栄えの良さが人気の理由ですし、大型化も根本的には見栄えが原因と言えます。つまり、「小さくて安い」という合理性よりも、「大きくて立派に見える」という見栄えが優先されているわけです。 今回のパリのSUV駐車料金に関する住民投票は、そうした大きな流れに、庶民がNOを突き付けた! というように見ることができます。カーボンニュートラルの流れの中で、クルマの電動化が進み、クルマの価格が高まっているのも、そうした理由のひとつかもしれません。見栄えよりも、安くて小さなクルマでいいでしょ! というわけです。 ちなみに日本の場合は、軽自動車がその解決策となります。2022年の新車乗用車販売の約334.8万台に対して、軽自動車は約122.5万台で、軽自動車の販売の割合は約36%にも達しています。1990年の約16%、2000年の約30%から、徐々に高まり続けているのは、日本の国民が「小さくて安い」というクルマを支持しているという大きな証になります。 凱旋門前(画像:写真AC)。 基本的に、クルマのトレンドはユーザーが決めるもの。今回、パリの市民は、大きなSUVにNOという判断を下しました。そうなれば当然、小さくて安いコンパクトカーの人気が高まるはず。そしてコンパクトカーの人気が高まれば、メーカーもコンパクトカー開発に力を入れて、よいコンパクトカーが増えて、さらなるコンパクトカー人気につながることでしょう。まるで、“風が吹けば桶屋が儲かる”のような論調ですが、可能性がないわけではありません。今回の事例が、SUVに限らない“際限のない巨大化”を止める動きにつながるのかに注目です。
若者も魅了、クルマ文化の底力 日本の“若者のクルマ離れ”が叫ばれて久しいが、1970~1980年代の経済成長期には、クルマの購入は若い男性にとってステータスシンボルであり、憧れであった。 【画像】画面ちっさ! これが42年前の「カーナビ」です(計11枚) 現在では、 ・不安定な経済環境 ・ライフスタイルの多様化 ・脱炭素志向 などにより、若者にとってクルマの購入は必然的な選択肢ではなくなっている。当時と比べれば、日本の自動車産業やクルマ文化が元気がないのは間違いない。しかし、長い時間をかけて培われてきたものは、独自の文化資源として今なお影響力を持ち、一部ではまだ熱を持っている。 その状況は1月12~14日の3日間、千葉・幕張メッセで開催されたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2024」を見るとよくわかる。幕張メッセの全てのホールのみならず、イベントホールや国際会議場、屋外イベント会場と施設全体を使用した一大イベントであり、2024年の入場者数は3日間合計で23万73人だった。 新型コロナウイルス感染拡大前には、3日間で30万人以上の来場者数が見られ、1日当たりにすると10万人以上もの集客力がある。会場は人であふれかえる状況だった。 米国で高まるJDM車の人気 盛況だった「東京オートサロン2024」の様子(画像:東京オートサロン事務局) 客層はひとり客から友人グループ、子連れファミリーなど非常に多彩である。 年齢層もブーム直撃世代の中高年だけでなく、意外と若者も見られる。来場者の興味も多様であり、国内外のカスタムカーやカスタムパーツ類のほか、レーシングカーや新車のデモラン、さらにステージイベント、レースクイーンやキャンペーンガール目当ての来場者も多い。日本人のみならず外国人の姿が多く、それもアジア人だけではなく、欧米、中東など、多様な国籍の人が見られた。 現在、東京オートサロンは国内だけでなく、シンガポールやバンコク、マレーシアでも開催されており、世界からも注目を集めるイベントとなっている。米国のSEMAショー、ドイツのエッセンモーターショーと並んで世界三大カスタムカーショーのひとつに位置付けられている。 海外では、 「日本のクルマ文化に対するリスペクト」 が高い。2024年は映画にも登場したスカイラインGT-R(BNR34)が25年ルールの解禁予定であり、東京オートサロンでも億を超える車両が展示され注目を集めていた。 米国内では製造から25年が経過していれば、米国内におけるクラシックカーとして認められ、右ハンドル車でも輸入できるようになる。 ...
『モノノ怪~座敷童子~』新ビジュアル(C)舞台『モノノ怪~座敷童子~』製作委員会 アニメ『モノノ怪』の舞台化第2弾となる舞台『モノノ怪~座敷童子~』が、2024年3月21日より東京と大阪にて上演される。このたびその新ビジュアルがお披露目。アニメ『モノノ怪』とリンクしたPVや、前回公演のダイジェスト映像も公開された。 『モノノ怪』TVシリーズキービジュアル(C)モノノ怪製作委員会 『モノノ怪』は、2007年7月よりフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」にて放送された、薬売りの男がモノノ怪に立ち向かう冒険譚を紡ぐアニメだ。「ノイタミナ」15周年の企画として行われたファン投票では、数十作品の中で上位となるなど人気を博す。『空中ブランコ』『C』『つり球』『ガッチャマンクラウズ』などの個性的な作品を作り続けてきた、中村健治監督の原点となる作品だ。 2022年、放送から15周年の記念企画のひとつとして、大奥を舞台とした完全新作の劇場版プロジェクトが発表された。2024年夏、劇場版ならではのスケールで“完全新作”の『劇場版 モノノ怪』が誕生する。 舞台『モノノ怪~座敷童子~』 このたび上演される舞台『モノノ怪~座敷童子~』は、そんな本作の舞台化第2弾となる。「座敷童子」は、2007年に放送されたアニメ『モノノ怪』の一幕目にあたるエピソード。老舗宿に駆け込んだ訳ありの女・志乃が、お腹の赤子のためにどうしても泊めて欲しいと懇願するところから始まる。 根負けした女将・久代に開かずの間に通された志乃は、居合わせた薬売りと共に奇怪な現象に巻き込まれていく。はたして、薬売りが斬りに来たと言うモノノ怪の正体と、開かずの間に隠された秘密とは。 上演に向けてお披露目となった新ビジュアルは、舞台第1弾に引き続き主演を務める新木宏典扮する薬売りを捉えたもの。薬売りは今回どのようにモノノ怪に立ち向かうのか、期待が高まるばかりだ。さらに、アニメ『モノノ怪』から本編映像を使用した豪華PV、および2023年に上演された舞台『モノノ怪~化猫~』の配信映像を使用したダイジェスト映像も公開された。 舞台『モノノ怪~座敷童子~』は、3月21日から24日までIMM THEATERで東京公演、3月29日から31日までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで大阪公演が行われ、4月4日から7日までIMM THEATERに凱旋する。詳細は公式サイトまで。 ■舞台『モノノ怪~座敷童子~』作品情報 【原作】モノノ怪「座敷童子」 【脚本】高橋 ...
自動車幅拡大の波 2024年1月のガーディアン紙の報道によると、欧州連合(EU)と英国で販売される自動車の全幅は毎年0.5cmずつ膨張し続けており、2023年にはEUで販売される新車の半数が全幅180cmを超えるというから驚きだ。 【画像】画面ちっさ! これが42年前の「カーナビ」です(計11枚) スポーツタイプ多目的車(SUV)ブームは続いており、近年はメガSUVといわれる車幅200cm前後の新車が相次ぎ販売されている。例えば、 ・BMWX5(200.5~201.5cm) ・BMWX6(200.5~202.0cm) ・BMWX7(200cm) ・BMWXM(200.5cm) ・メルセデスベンツGLS(195.5~203.0cm) ・メルセデスベンツEQS(192.5~203.5cm) ・アウディQ8(199.5cm) ・ポルシェカイエン(198.3cm) ・ランドローバーディフェンダー(199.5cm) ・ランドローバーレンジローバースポーツ(200.5~202.5cm) ・VWトゥアレグ(198.4cm) ・ボルボEX90(196.4cm) ・起亜EV9(197.9cm) ・レクサスLX600(199.0cm) などが代表例だ。 ...
1990年2月「快適性と走行性能を高次元で両立させたコンフォート・パッケージセダン」をうたい発売された(写真:日産自動車) 高性能とかグッドデザインで記憶に残るクルマは多い。そこにあって、1990年に日産自動車が発売した「プリメーラ」は、控えめなスタイリングと、まっとうなエンジニアリングで印象深いという、例外的な1台だ。 【写真】今もクルマ好きの胸を熱くする初代プリメーラのスタイリング 1989年の東京モーターショーで「プリメーラX(エックス)」なる名前でもってコンセプトモデルが発表され、翌年に量産車が発売された流れは、私の記憶に鮮烈に残っている。 20~30年以上経った今でも語り継がれるクルマが、続々と自動車メーカーから投入された1990年代。その頃の熱気をつくったクルマたちがそれぞれ生まれた歴史や今に何を残したかの意味を「東洋経済オンライン自動車最前線」の書き手たちが連ねていく。 コンセプトモデルとは似ていないけれど 印象に残っていた理由は、「2台はあんまり似てないなぁ」というものだったから。ショーに出展されたコンセプトモデルは、ものすごいボリューム感のハイデッキとロングテールが印象的。なめらかさが強調されたボディはウインドウとの段差もなく、空力実験車然としていた。 1989年の東京モーターショーに出品されたプリメーラX(写真:日産自動車) インテリアも有機的なフォルムのダッシュボードと小さな計器類の組み合わせが、たいへん斬新。バランスがとれたプロポーションでなく、いってみれば異形。目的は「新しいクルマが出る」という印象を与えることだったのだろうと思う。 しかし、量産型プリメーラは、「同じクルマですか?」と思わず言ってしまったほど、まっとうなデザインだった。前輪駆動の使い勝手のいいセダンのお手本のようなパッケージである。 実際にプリメーラは、実直さを絵に描いたような機能主義的デザインの3代目「オースター」の後継モデルとして企画された。英国工場で生産されることも共通点だった。 3代目オースターの中でもとりわけ欧州的なEUROFORMA(写真:日産自動車) とはいえ、質感の高さはオースターより格段に上がっていた。プリメーラXでは強調しすぎの感があったが、トランクが厚いハイデッキの機能的ボディでありつつ、ボディとウインドウの段差を極力なくしたフラッシュサーフェス化が図られているのも特徴的。 インテリアも、デザインはおもしろくないけれど、作りはよい。合成樹脂のパーツの組み付け精度は高いし、シースルータイプのヘッドレストレイント(ヘッドレスト)を備えたファブリック張りのシートも設計がよく、長時間座っていても疲れにくかった。 機能的なレイアウトで質感も高いインテリア(写真:日産自動車) 見惚れるようなスタイリングではないものの、日常的に使うパートナーとして高い点数をあげたくなる出来映えで、ヨーロッパ市場向けだと、実務的なクルマ作りをするんだなぁと感心したものだ。その意味では輸入車感もあった。 上記“輸入車感”は、1991年に追加された「5ドア(2.0e GT)」の存在が大きい。セダンだけれどハッチゲートを設けるこのスタイルは、「コロナ5ドアリフトバック」や、「ビスタ/カムリ」など、1970年代後半から1980年代にかけてトヨタが好んでいた、けれど日本では珍しい車型だった。 イギリス日産から輸入販売された5ドア 2.0e ...
東京オートサロンに続き、大阪オートメッセでも展示された「SETO」 昨今、日産「キューブ」が注目されています。 日産自体が中古車のキューブをリフレッシュして限定販売することに加えて、日産校が手掛けたブルーバード顔のキューブも話題となっています。 これが「ブルーバードワゴン」 謎のSETOとは? これが「ブルーバードワゴン」 謎のSETOとは? 日産は全国に自動車整備専門学校として栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校を展開しています。 【画像】「えっ…!」これが「新ブルーバードワゴン」です。画像を見る!(50枚以上) 各校では充実した最新設備と最新車両を教材を使い、国家一級整備士・国家二級整備士・国家車体整備士などを目指す学生が在籍しています。 そのなかで京都校には唯一のカスタマイズ科があり、ここ数年では東京オートサロンや大阪オートメッセに向けて学生達がカスタムカーを製作しています。 東京オートサロン2024や大阪オートメッセ2024で京都校はキューブ(Z12型)をベースにした「SETO」を展示しました。 SETOは、フランス語で「7」を意味し、制作に携わった学生がカスタマイズ科7期生ということに由来しています。 そんなSETOの見た目は、随所に日産「ブルーバード(410型後期)」を感じられます。 実はこのモデルは、キューブをベースとしてフロント・リア、サイドのキャラクターライン部分などにブルーバードの部品を組み合わせたモデルです。 SETOのコンセプトは、元々個性的なキューブを元に「Z世代の間で流行しているレトロ感を出すこと] だと良います。 インテリアも木目の質感を活かしつつ、ハンドルを味のあるMOMO製ウッドハンドルに交換してさらにレトロに仕上げています。 細かな部分のこだわりについて、学生は次のように話します。 ...