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愛らしく荷物もたくさん乗るルノー「カングー」はスローライフにピッタリなクルマ

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ルノー/カングー(ガソリンエンジン395万円、ディーゼルエンジン419万円)

 自動車界のアイドル的存在、ルノーの「カングー」が16年ぶりにリニューアル! 仕事はもちろん、遊びにもピッタリで、根強い人気を誇るカングーを、ASCII.jp自動車部の「ゆみちぃ部長」こと、アイドルユニット「純情のアフィリア」の寺坂ユミさんに触れていただきました。

輸入車の中でも多くのファンを持つカングー

その魅力は買い物にもビジネスにも使える万能性

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 カングーは、LCV(ライト・コマーシャル・ヴィークル)と呼ばれる、ハードな使われ方を想定とした乗用車。プロユースに耐えうるLCV向けの性能、荷物の出し入れのしやすさ、そしてカスタマイズ性が高さで人気を集めています。日本では2002年の日本導入以来、実に3万台以上が出荷され、年に一度、山中湖で「ルノー カングージャンボリー」というファンミーティングが行なわれるほど。スポーツカーでもないのに、こういうミーティングが開催される愛されっぷりから、カングーを「自動車界のアイドル」といってもいいでしょう。

 ASCII.jp自動車部の書記と撮影係の部員Kは、このファンミーティングにお邪魔したことがあるのですが、実に気ままで、ゆったりとした時間が流れる場所。一般的にオフ会は、同じクルマの持ち主が情報交換をしたりするのですが、カングーのそれはピクニックといった様相。家族がクルマと一緒にのんびりとした時間をすごし、そして午後になると気ままに帰っていく。その姿がどこか、南仏のバカンスのように思え「こういう過ごし方、いいなぁ」と感動したものです。

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キャンプ用品とカングーの展示を見て、ゆみちぃ部長のテンション爆上がり!

 そんなことを、ゆみちぃ部長にお話したところ「キャンプに行きたい!」と、眠っていたアウトドア熱に着火。さらに取材会場がキャンプ場ということもあり、到着した頃には、仕事よりも「キャンプに行きたいモード」でありました。キャンプはおいておいて、まずはお仕事をしましょう。

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左が新型、右が前作

 まずは新旧を並べて「すしざんまい」のポーズ。前モデルと比べると大きくなり、丸くて愛嬌のあったフォルムは、イマドキのクルマのような角ばったデザインにチェンジ。丸いヘッドライトが好きな部長には合わないかな、と思ったところ、新しいデザインの方がイイ、と声を弾ませるから驚きです。

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新型はちょっといかつい顔つきに

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新型の横側

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バックドアを開いた様子

 車台は、ルノー・日産・三菱のアライアンスのミドルクラスモデル用となる「CMF-C/Dプラットフォーム」をベースに、専用開発のフロントメンバーやトーションビームなどを用いて耐久性、信頼性、ロバスト性(外部の影響に左右されない性質のこと)などを強化したというもの。注目はドアの開閉機構で、後席はパワースライドドアではないものの、数十万回に渡る開閉テストに合格しているというから驚き。

 地味にうれしいのは、観音開きのバックドアに途中で止まる機構がついたこと。従来は傾斜した場所でバックドアを開くと勝手に閉じてイラっとしたのですが、そういったことがなくなったのです。

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途中で止めることができるようになったバックドア

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ラゲッジスペース

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シートを倒すとフルフラットに

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フラットになったら車内に入るのがASCII.jp自動車のお約束

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荷物を留めるのに便利なフックも用意されている

 ゆみちぃ部長の大きな目が大きくなったのは、荷室の広さ。「なんですかコレは!」というラゲッジスペースは、コンパクトSUVの後席を倒した程度の広さと、ミニバンも驚きの高さを兼ね備えます。これぞ商用車ベースの本領発揮です。その容量なんと775L。後席を収納すれば2800L! これで荷室が狭い、という人は、2tトラックを買い求められることをオススメします。

 さらに驚くのは容量だけではありません。変な出っ張りや引っ込みのない、キュービックな空間で使いやすいこと。「これなら荷物をいっぱい重ねられそう」と満面の笑みです。そして「こういうクルマ、日本車にはないですよね。ミニバンだと3列目があったり、内装も出っ張りとかありますから、実際には思ったより物が積めないので。だから人気を集めるのもわかります」と、なかなかするどい意見です。

後席はやや狭いもの

小物入れや各種端子類が充実で便利すぎる

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スライドドアをあけた様子

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ドアの開口面積は広く問題ナシ!

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足元は、このクラスのミニバンとしては少し狭め

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ファブリックと合革のコンビシート

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大きなテーブルも用意されている

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エアコン送風口にUSB-Aレセプタクル2個と12Vアクセサリーソケットを用意

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小物入れも用意されている!

 「よいこらしょっ!」と後席のスライドドアを開けると、ファブリックなシートが姿を現します。日本車に見慣れると、随分と質実剛健といった様相。足元は乗用車よりは狭く、Cセグメントのセダンより少し広いけれど、ミドルクラスSUVと比べると狭いといったところ。人間より荷室を優先した設計なのかな、と感じました。アメニティは充実しており、エアコン送風口のほか、USB Type-Aと12Vアクセサリーソケットを用意。さらに小物入れもある親切ぶり。

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 運転席も基本的には質実剛健。乗降性は良好です。メーターパネルは同社のルーテシアなどで見慣れたフルLCDで見やすいもの。「頭上に収納スペースがある!」と驚きの声をあげる部長。「ここにブランケットとか置いたりしたらイイかも!」と笑顔です。

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 ナビはディスプレイオーディオにスマホをつなげ、Apple CarplayやAndroid Autoを使うという割り切り設計のようです。ワイヤレスのApple CarPlayには対応していないようでした。

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 驚いたのはダッシュボード。まず中央部にトレイがあり、伝票などを挟んだバインダーなどを置くのに便利そう。「普通の人は、伝票とか置かないですって!」というのはその通りですが、駐車券などの小物をポイっと置くのにはピッタリのスペースなのです。

 そしてASCII.jp自動車部としては、USBまわりは見逃せないポイント。ですが、車内を見回してもナビ部分の1箇所以外、見当たらず。部長と部員が探しまくった結果、何と運転席のメーターパネル上方にあるフタの中にあるから驚き! というのも、純正オプションでスマートフォンホルダー(1万6500円)が用意されており、メーターパネルの左右にスマホを綺麗に設置できるのですが、そこで問題になるのがUSBケーブル。この収納スペースにまとめておけば、万事解決するというわけです。「この発想はなかった……」と部員たち。「日本車にない考えがいっぱいですね、このクルマ」と部長の大きな瞳でクルマを見渡します。

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テントは9万3500円

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 カングーを見て、キャンプに行きたくて仕方なくなった部長。ルノーはさらに燃料を投下していきます。というのも、会場にはルノーロゴ入りの純正キャンプ用品が展開されていたから。「これイイ!」とテンション爆上げ部長。クルマの横につけているタープに興味津々で「中がすごい広い! 天井も高い! 扉もあるから着替えもできる」と、もう食いつきっぷりがハンパない。ちなみにお値段は9万3500円だそうです。座っているチェアは1万3200円、キャリーケースも兼ねるテーブルが4万1800円とのことでした。

エンジンはガソリンとディーゼルの2種類

目を三角にして走るクルマではないがもの足りず

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131馬力の1.3L直4ガソリンターボエンジン

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116馬力の1.5L直4ディーゼルターボエンジン

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 動力性能をチェックしましょう。パワーユニットは131馬力の1.3L直4ガソリンターボエンジンと、116馬力の1.5L直4ディーゼルターボエンジンの2種類。トランスミッションはどちらも7速AT(EDC)で、ガソリン車はハイオク専用。近年のルノーでおなじみのハイブリッド設定はナシ。ですが、そのうち出るんじゃないかな、と思ったりもして。

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 まずはガソリン車から試乗開始。16年という月日は、クルマを大幅進化させるに十分な時間で、静かになり、パワフルになり、乗り心地もよくなってと、いいことづくめ。先代をお借りした時は「よくも悪くも商用車!」という印象を受けた身としては、乗用車になったカングーに驚くばかりです。

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 そんな事を知る由もないゆみちぃ部長。「思ったより運転しやすいクルマかも」と笑顔でステアリングを操ります。大きなフロントガラスによる見晴らしの良さが印象に残ったようです。一方で「ルームミラーを見ると、バックドアのつなぎ目が見えるのは、仕方ないのかな。気になる人は気になるでしょうね」と、観音開き特有の問題を指摘します。

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 さらに「フロントガラスの棒(Aピラーのこと)が太いのも気になりますね」と不満な部分も。確かにAピラーは太くて、交差点などでは、ちょっと注意が必要かも。「国産車と違うなぁと思うのは、しっかりとした乗り味ですね。全高が1.9メートル近くあるので、コーナーでゆっさゆっさと横揺れするかなと思っていたのですが、そういうことはないんですね」とコーナーでも不安ナシ。「なんか、楽しくなってきました」というように、運転していて気持ちのよい乗り味のようです。

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 そのまま高速道路へ。運転支援を使ってみることにします。日本車と違う設定方法に戸惑いながらも、設定が終われば、あとはレーンキープ。「もう少し滑らかに加減速するといいなと思います」というあたり、このへんの制御はイマドキの日本車の方が上でしょう。でも「ぜんぜん使えますよ」とのこと。「運転支援が動作している、という表示がわかりやすいのはイイですね」。

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 続いてディーゼルモデルにチェンジ。こちらの方がエンジン音が聴こえるのですが、それでも前のカングーよりは静か。イメージ的には10年前の日本のガソリンエンジン車と同じ程度の音と振動といえば伝わりますでしょうか。「さきほどは高いハイオクで、こちらは安い軽油なんですよね」と、お財布部長はランニングコストを気にされている様子。「確かにガソリン車の方が、走りが滑らかな感じがしますし断然静か。あとアイドリングストップからの復帰時の振動も少ないですね。でも、ディーゼルは加速がイイかなと。長距離ドライブをするなら、ランニングコストを考えるとディーゼルなのかな」だそう。

 さらに言うと、ガソリン車は「インテンス」というボディーサイドのバンパーが同色、ディーゼルはクレアティフという黒のバンパーがついた仕様です。値段はどちらも同じなのですが、クレアティフのみ黄色の設定があります。「この黄色がイイ!」とブックマーク登録。でも「インテンスのみのブルー ソーダライトという色もイイですね。でも、なんでソーダなのに色が濃いんだろ?」と、頭の中にクエスチョンマークが。

 そこで担当者に話をうかがうと、どうやらソーダライトという鉱石があり、その色が濃い青なのだとか。Googleで検索すると、確かに濃い色のパワーストーンがいっぱい出てきました。

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 「日本車にない魅力がいっぱいありましたね。オシャレ感がありますし、使い勝手のよいクルマだと思います」と、試乗を終えた部長は声を弾ませます。部員K的には、オシャレな商用車という感じから、自分好みにカスタマイズして、遊びや仕事のクルマとして気兼ねなくガンガン使いたいなと思った次第。たとえば国産ミニバンだと、気兼ねなくガンガン使うという気にはなれないんですよね。

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 「自分好みにカスタマイズして楽しむって素敵なカーライフですし、いいかもですね」と、ゆみちぃ部長はカングーにキャンプ用品を積め込んでの車中泊に思いをはせたのでした。

■関連サイト

寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

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 1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近は自動車にも興味を抱く。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、当連載で、お気に入りの1台を探す予定。

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