クラウン・スポーツの注目度がハンパない。どのメディア見てもPVランキングは上位。クラウンというネームバリューも去ることながら、やはりそのデザインに心を射抜かれた方も多いのではないでしょうか。個人的にもかなりカッコいいイケてるモテSUVだと思います。
正式な発売日は未公表ですがHP上のアナウンスは「2023年秋以降発売予定」。次に控えるとされるクラウン・セダンの「2023年秋頃発売予定」とどう違うのか? って疑問は置いといて、気になるクラウン・スポーツの価格予想、そしてライバル車比較をやってみます。
事前情報によれば価格的にバリューな2WDの設定はなく全車AWDを採用。パワートレーンはクラウン・クロスオーバー同様に、2.4Lターボハイブリッド車、2.5Lハイブリッド車を設定すると予想されます。ちなみにクロスオーバの場合で前者605万円~640万円、後者435万円~570万円というお値段。
後の追加モデルとなるPHEVの価格は予想しませんが、ハイブリッド2機種に関してはクロスオーバーの10%増しは覚悟した方がよさそう。というのもクロスオーバーは先行して発売されたので、大元となる原材料の価格や工場のランニングコストなどいまより安いと判断できます。
クラウン・スポーツ発売後は最低1年程度は価格改定したくはないと思うのは日本的心情(コストが下がれば値引きで対応可能)。もしクロスオーバーと同程度なら現状を鑑みるとクロスオーバーの販売減につながることは間違いなし。容易に想像できてしまうのでした。

■CROWN SPORT(2023年秋以降)
ボディサイズ:全長4710×全幅1880×全高1560mm
ホイールベース:2770mm
パワートレーン:HEV / PHEV
駆動方式:AWD
価格:未定
ライバルの筆頭は同胞ハリアーか、それとも上位ブランドのレクサスNXか? 大いに悩むことになりそうです。ではこの2車でシミュレーションしてみましょう。
いわずと知れたトヨタの人気SUVであるハリアーの存在感は別格です。トヨタ内ヒエラルキーの元にクラウンブランドより格下と位置付けるのは早計です。つまり、ハリアーはハリアーであり、ニッチなモデルというべきか、歴代ハリアーを乗り継ぐような指名買いモデルという側面も併せもちます。

そんなハリアーの買いやすさは、エンジン車の2WDならエントリー価格312万8000円から用意されること。クラウン・スポーツに照らし合わせ2.5Lハイブリッドの4WD車(E-Four)を選んだ場合、なんとエントリー価格は393万8000円であり、上を見ても514万8000円で最上級モデルが買えてしまうのです。
■HARRIER(発売中)
ボディサイズ:全長4740×全幅1855×全高1660mm
ホイールベース:2690mm
パワートレーン:ICE / HEV / PHEV
駆動方式:2WD / AWD
価格:312万8000円~620万円
価格的にもっともお安いのが2.5L直4エンジンを搭載したNX250です。2WDで455万円、AWDなら482万円と、もっともバリューにレクサスを所有する近道です。2.5LハイブリッドのNX350hで比較すれば、2WDなら520万円、AWDなら547万円というお値段。市場原理に基づきクルマも資産と考えるならば、クラウン・クロスオーバーを買う理由は限りなくゼロかもしれません。
ただし、レクサスNXには2.4Lターボハイブリッド(レクサスの場合はRXに搭載)の設定がありません。パワーが欲しければ2.4Lターボ∔AWDの純エンジン車(ICE)であるNX350Fスポーツ(最高出力279ps)を選ぶことに。
■LEXUS NX(発売中)
ボディサイズ:全長4660×全幅1865×全高1660mm
価格:455万円~729万5000円
ハナシは前後して恐縮ですがNX350hを買う場合、人気を考慮すれば同じNX350hでもFスポーツを買う必要に迫られます(下取りを考えた場合)。こちらの価格は2WDが617万6000円、AWDが644万6000円です。ちょっとお高い印象ですが装備内容やコーディネイトされたインテリアは格別であり、付加価値分のバリューはあります。
まとめます。ライバル車はどうあれ第一印象でクラウン・スポーツに惚れちゃったら初心貫徹。ハンマーヘッドの最新デザイン、マッシブな動的フォルムはこのクルマの持ち味です。プロトタイプの評価はまちまちですが、正式発売日までにはトヨタ開発陣が上手くまとめてくると思います。事前商談予約の開始はいつになるのやら。好機が訪れたら再び最新情報をお届けしたいと思います。
Text:Seiichi Norishige
トヨタ