文句のつけようがない完成度! 新型BMW X1に加わったEVのiX1、国産EVの驚くべき強敵です!!
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自慢のカーブドディスプレイ
本格的EVには専用プラットフォームが必須、というわけでもないということを証明しているのが他メーカーとはちょっと違う戦略を採っているBMWである。見た目はガソリン・エンジン車もEVも事実上同じ、ボディ・サイズも変わりなし、それでいながらどちらも文句のない完成度である。コンパクトSUVのX1はこの2月に発売された新型で3代目だが、同様にこのセグメントではBMW初の純EVモデルと2.0リッター直4ガソリン・ターボ・モデルの2本立てである。日本仕様ではそれぞれにXラインとMスポーツの2種のグレードが用意されるが、すべてxドライブ(4WD)。すなわちEVの「iX1」は前後に190psと247Nmを生み出すモーターを備える4WDである。66.5kWhのリチウムイオン電池を搭載し、WLTCモードの一充電走行距離は465kmという。
ステアリング・ホイール左のパドルはブースト用。
グリルは大きくなったものの全体的にキープ・コンセプトの外観より、インストルメントまわりの変化が目立つ。最新のBMW各車と同じくメーターディスプレイとセンター・スクリーンを一体化した、いわゆるカーブドディスプレイを装備、インターフェイスも運転支援装置も最新バージョンだ。BMWは比較的物理スイッチを残していた方だが、新型が登場する度にディスプレイ上で機能を呼び出して操作する方式に変更されており、iX1でもお馴染みのiDriveコントローラーは姿を消し、エアコンなども独立した物理スイッチではなくタッチ操作に一新されている。時代ゆえに仕方のないこととはいえ、メーター表示そのものも簡潔で見やすく、必要な情報を呼び出しやすい以前のものの方がよっぽどいいのになあ、とつい愚痴もこぼれる。ステアリング・ホイールの左側のみに備わるパドルは当然ギア・シフト用ではなく、回生ブレーキ制御用でもない。ポルシェのブースト・ボタンのように、これを引くと短時間だけ(10秒間)よりパワフルに反応するブースト・スイッチのようだ。いっぽうで回生ブレーキのコントロール(強弱に加えてアダプティプ制御も選択可)はタッチスクリーンの中に収められている。
スムーズで逞しい
文=高平高輝 写真=望月浩彦
(ENGINE2023年7月号)