2023年9月13日、スーパースポーツカーの輸入販売などを手がけるビンゴスポーツは、クロアチアを拠点とするハイパーEVメーカー、リマック(RIMAC)の市販モデル「ネヴェーラ(NEVERA)」を日本初公開し、受注を開始した。
量販EV最速やニュルブルクリンクのレコードなどを記録
スーパーカーのお約束ともいうべき、前ヒンジのディヘドラル式ドアを採用している。
「リマック」の名を知っている人は、かなりのクルマ好きといえるだろう。以前に当Webモーターマガジンでも、このネヴェーラの前身である「コンセプト C_Two」を紹介したことがあるが、2009年に創業者のマテ・リマックが21歳で設立したEVメーカーだ。
愛車のBMW(E30)が故障したのを機にEVに改造することからガレージビルダーとしてスタート。2011年にはフランクフルト モーターショーで「コンセプト ワン」を発表。2019年には前述の「コンセプト C_Two」を、そして2021年に市販モデルの「ネヴェーラ」を発表した。その高い技術力により、アストンマーティンやポルシェ、ピニンファリーナ、ケーニグセグ、ルノーなど、さまざまなメーカーと協業を進め、ついにはブガッティの経営権を取得している。
前後の4輪は4モーターで駆動され(インホイールではない)、システム最高出力は1914馬力!、同最大トルクは2340Nmを発生する。社内開発の120kWhバッテリーと4モーターを搭載しながら車両重量は2300kgにおさえられており、0→62mph(約100km/h)加速は1.81秒、0→184mph(約300km/h)加速は9.22秒、0→400m加速は8.25秒、最高速度は258mph(約412km/h)など、23個の世界記録を樹立している。
世界限定150台のハイパーEV、車両価格は2ミリオンユーロ!
4つのモーターで4輪を駆動するネヴェーラ。車体中央の黒いH型部分がバッテリー。
ニュルブルクリンクでも7分05秒298を記録し、「世界最速の量産EV」と呼ばれている。それでいながら、フル充電ならば490kmの航続可能距離を誇っている。充電方式は、200V普通充電から急速充電はCHAdeMO、テスラのスーパーチャージャー、ポルシェのターボチャージャーなど、さまざまな方式に対応が可能だ。
ドライブモードは、レンジ/クルーズ/スポーツ/トラック/ドリフトに加え、2つのカスタムモードを設定可能で、市街地でもハイウエイでも、そしてワインディングロードやサーキットでも、シチュエーションに応じたパフォーマンスを堪能することができる。
世界最速の量産ハイパーEV、リマック ネヴェーラは150台の限定生産で、クロアチアの工場では年産40台のペースで生産され、2022年からデリバリーが始まっている。気になる車両価格は、消費税や登録諸費用別で200万ユーロ(約3億2000万円!)。ハンドル位置は、左のみ。
まさに価格もハイパーなネヴェーラだが、それでもビンゴスポーツでは既に数名の購入検討者が商談中だという・・・!?(文と写真:篠原 政明)
ラグジュアリーな雰囲気も漂わせるインテリア。ハンドル位置は、左のみ。
●全長×全幅×全高:4750×1986×1208mm
●ホイールベース:2745mm
●モーター:交流同期電動機×4
●システム最高出力:1914hp
●システム最大トルク:2340Nm
●バッテリー総電力量:120kWh
●WLTPモード航続距離:490km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:前275/35R20、後315/30R20
●車両価格(税別):200万ユーロ〜