2022年11月28日、日産自動は6世代目となるミドルクラスミニバンの新型「セレナ」を発表。ガソリンモデルが今冬から、e-POWERモデルが来春より発売が開始される。
「プロパイロット2.0」を最上級モデルに標準装備
1991年のデビュー以来、激戦区のミドルクラスミニバンのマーケットで着実にファミリー層の心をつかんできた日産「セレナ」。今回のフルモデルチェンジで6世代目となった新型「セレナ」は、これまでの「ビッグ」、「イージー」、「ファン」をコンセプトとする 室内空間の広さや利便性をそのままに、移動時の快適性を追求した車内Wi-Fiなどの「コネクト」の充実が図られている。
「プロパイロット2.0」が最上級グレードの「ルキシオン」に標準で装備される。
まず注目したいのが、先進運転支援技術「プロパイロット」の全車標準装備だ。特に、最上位グレード「 e-POWER ルキシオン(LUXION)」には、全車速域でハンズオフが可能な「プロパイロット 2.0」が標準装備となる。これは日産のミニバンとして初の試みだ。
そして、前方障害物に対する操舵回避の際、ドライバーのステアリング操作を支援する「衝突回避ステアリングアシスト」や、一度駐車した場所を駐車枠として記録することが出来る、メモリー機能付きの「プロパイロット パーキング」の日産車初採用も行われている。
加えて、「 e-POWER ルキシオン」には、リモコン操作で車の出し入れが可能となる「プロパイロット リモート パーキング」も搭載される。
第2世代へと進化した「e-POWER」。エネルギーマネージメント技術を採用
日産のハイブリッド技術の核となる「e-POWER」も第2世代へと進化している。新開発の1.4L(98ps/123Nm)「 e-POWER」専用エンジンを組み合わせることで、エンジンの作動音を抑制するとともに、よりパワフルで気持ちの良いモーター(163ps/315Nm)による加速性能を実現しているという。
第2世代へと進化した「e-POWER」。高出力モーターと1.4Lの発電専用エンジンとで、静かで滑らかな走りが期待できる。
車両状態や走行環境に加え、ナビと連携しながらエンジ動タイミングを制御する世界初のエネルギーマネジメント技術にも注目したい。これはエンジンの作動頻度を低減するとともに、静粛性を高める効果を狙った技術だ。
ロングドライブで気になるクルマ酔いへの対策も行われている。第2世代 e-POWERと高剛性サスペンションが車体の動きをなめらかにするとともに、新開発のシートが車体の揺れの伝達を抑え、クルマ酔いにつながる乗員頭部の急な動きを抑制するというものだ。
加えて、見晴らしがよく開放的な視界と最適なモニター配置により、視覚的にもクルマ酔いの低減も図られている。ミニバンNo.1の運転席の視界の広さ(全高1.8m以上の 1.2〜2.0Lクラス 7/8人乗りミニバン-2022年 11月現在日産調べ-)は、運転のしやすさへの貢献だけではないのだ。
日産初のスイッチタイプ式電制シフトを採用
エクステリアは親しみやすさを感じさせながらも、より上質でモダンな要素が取り入れられたところが特徴で、すべてのランプがLED化された。さらに「e-POWER ルキシオン」と「ハイウェイスター」には、ダイナミックで力強い走りを想起させる印象的なデザインが盛り込まれている。
中央パネル部に「スイッチ式電制シフト」が組み込まれている。
ボディカラーは、 2トーン 4色(ターコイズブルー/スーパーブラック、リキュウ/スーパーブラック、カーディナルレッド/スーパーブラック、プリズムホワイト/スーパーブラック)、モノトーン 10色(ターコイズブルー、リキュウ、プリズムホワイト、インペリアルアンバー、ダイヤモンドブラック、カーディナルレッド、ダークメタルグレー、ビリリアントシルバー、アズライトブルー、ホワイト)の全 14色がラインアップされる。
インテリアは、先進的で上質な広々とした空間を意識しながらも、細やかなこだわりを感じさせる。視界を遮るオウトツを減らすことで、視界が開け、運転のしやすさを向上させる運手席がその代表例だ。
シートは素材の高級感と、お菓子などの食べかすが隙間に入り込みにくく、飲み物などをこぼしてしまったときもふき取りやすいなど、機能性を両立させた家族思いの仕様とされている。操作系では、日産として初めての「スイッチタイプ式電制シフト」が採用されている。
3列目にもシートスライド機構を標準装備
ミニバンクラスNo.1を誇る室内の広さ(全高1.8m以上の 1.2〜2.0Lクラス 7/8人乗りミニバン-2022年 11月現在日産調べ-)は、運転席の足の通過スペースを先代モデルから 120mm拡大し、運転席と助手席の間の移動をよりしやすくされている。シートスライド機構が 3列目にも標準装備され、座り心地の改善も図られている。
シートスライド機構が3列目にも標準装備。ロングドライブでの強い味方となりそうだ。
そして、7人乗りしかなかった「e-POWER」モデルに 8人乗りが追加された。先代で好評のマルチセンターシートを進化させることで、7人乗りや8人乗りへとアレンジが自由に行えるところもメリットだ。
利便性向上では、まず挙げられるのがバックドア全体を開けずに荷物の出し入れが可能な「デュアルバックドア」のリファイン。開口時のサイズを見直すことで、より狭い駐車スペースでも使用できるようになった。ハンズフリーオートスライドドアのセンサー感度アップも行われている。
他には、エアコンは運転席、助手席、後席で別々に温度設定ができる独立温度調節機能を持備えたタッチパネル式オートエアコンの採用や「e-POWER」モデルへのアウトドアにおける家電製品の稼働や災害時等の非常用電源として使える 100V AC電源 (1500W)のオプション設定。
そして、全席にスマートフォンや財布などを置ける小物置き場の設置、500mlの紙パックが入るカップホルダー、 USBの設定、車内Wi-Fiや乗る前エアコンなどとなる。
日産セレナ ラインナップ&プライス、主要諸元
■新型日産セレナ ラインナップ&プライス
e-POWER X(FF/8人乗り):319万8800円
e-POWER XV(FF/8人乗り):349万9100円
e-POWER ハイウェイスタV(FF/8人乗り):368万6100円
e-POWER ルキシオン(FF/7人乗り):479万8200円
X(FF/8人乗り):276万8700円
XV(FF/8人乗り):308万8800円
ハイウェイスターV(FF/8人乗り):326万9200円
*4WD「ガソリン」モデル の価格、発売については後日
■日産セレナ e-POWER ルキシオン(7人乗り)主要諸元
●全長×全幅×全高:4765×1715×1885mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:2235kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1433cc
●最高出力:72kW(98ps)/5600rpm
●最大トルク:123Nm/5600rpm
●モーター最大トルク:315Nm
●トランスミッション:-
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー ・52L
●WLTCモード燃費:18.4km/L
●タイヤサイズ:205/65R16
●車両価格(税込):479万8200円
■日産セレナ ハイウェイスターV(8人乗り)主要諸元
●全長×全幅×全高:4765×1715×1870mm
●車両重量:2130kg
●エンジン:直4DOHC
●総排気量:1997cc
●最高出力:110kW(150ps)/6000rpm
●最大トルク:200Nm/4400rpm
●トランスミッション:CVT
●燃料・タンク容量:レギュラー ・54L
●WLTCモード燃費:13.0km/L
●車両価格(税込):326万9200円