グリップを極めるならこれ! タイヤ選びのポイント解説~カスタムHOW TO~ チューニングパーツの中でもっとも進化が著しいのがタイヤ。しかもスポーツタイヤはどんどん新しいモデルが出てきている。 自分はサーキットには行かないという人でも、スポーティなタイヤを履くと操作に対する応答性が良く、ハンドリングが楽しくなるメリットは大きい。どんな用途でどんなタイヤを選べばいいのか。 ◆タイヤ選びは超重要! 乗り心地やグリップ力は注目要素 タイヤ選びは思った以上に乗り味に影響する。路面を唯一捕まえているのがタイヤだけにその影響力は大きいのだ。スポーツタイヤとはある程度グリップが高いものを指す。 ミニバンや街乗りしかしないファミリーカーには不要かもしれないが、ある程度スポーティなクルマだったり、自分はサーキット走行はしないがワインディングでの気持ち良い走りを楽しみたい人にはスポーツタイヤをオススメしたい。しかし、そのカテゴリーごとに特徴があり、間違えるとグリップは高いが硬くて乗り心地が悪く、普段乗りが不快になりかねない。そこで使い方に合致したタイヤを選ぶようにしたい。 1:スポーツラジアル POTENZA RE-71RSやADVAN NEOVA AD09などが主なタイヤ。サーキットで高いグリップ力を発揮しつつ、普段乗りもできるタイヤだ。サーキット走行でも1回あたり30分走行としたら、車種にもよるが86/BRZあたりと想定すると10回くらいは十分に楽しめる。 普段乗りでもスポーツタイヤとしてはそれなりに静かでそれなりに乗り心地も確保されている。普段乗りで使うならここまでがギリギリといった具合。サーキットにまったく行かないなら正直不要なグリップ力。しかし、ワインディングの応答性の良さやグリップ力の懐の深さは普段乗りでも楽しめる。 2:レーシングラジアル カテゴリー名は諸派あるが、スポーツラジアルよりももっとスポーツ性が高いタイヤ。POTENZA RE-12D、ADVAN A052などを指す。上記のサーキットでの耐久性だと5~10回程度。 グリップ力は公道を普通に走行できるタイヤとしては最強レベル。溝も浅く、ゴムも柔らかいので摩耗は早め。サーキットで無理にタイヤをこじって走るとあっという間に無くなってしまうので、クーリングを入れつつ楽しみたい。 ...
サスペンションの新常識! 1G締めがもたらす驚きの効果とは?~カスタムHOW TO~ 1G(ワンジー、イチジー)締めというフレーズを聞いたことはあるだろうか。サスペンションにまつわる作業だが、これだけでハンドリングや乗り心地をグレードアップできる方法だ。 ◆ハンドリングに大きな影響が出る『1G』締めって何だ? サスペンションアームはボディやサブフレームに取り付けられている。その根本にはゴム製などのブッシュが入れられていて、それをボルト&ナットで締め付けて固定されている。ここで問題になるのが、ブッシュのよれだ。 ジャッキアップした状態でサスペンションアームをきっちりと締め込むと、そこで固定されブッシュもその位置で固定される。ジャッキから下ろすとサスペンションアームは大きく沈み込む。このときにはブッシュのボディ側は元の位置のままで、アーム側がぐるりと沈んでブッシュがよじれてしまうのだ。 このブッシュのよじれが問題で、ブッシュが戻ろうとする力が発揮される。そのためにサスペンションは沈み込みにくい方向に左右する。乗り心地としては硬く感じられるのだ。そこで行われるのが1G締めと言われる作業。 一旦ブッシュを締めているボルトを緩めてから、ジャッキから下ろす。1Gと呼ばれるクルマの重さをサスペンションが支えている状態にして、そのままサスペンションアームのボルトを締め込んでいく。こうすることで1G状態でブッシュが締め付けられるので、ブッシュによじれが発生しないのだ。 簡単なようだが、1G状態では下回りからアームを締めることができないので、台に乗せて1G状態にするなどが必要。その状態でボルトを締めることが大切なのだ。 自動車メーカーでは多くの場合でアームが伸び切った、いわゆる0Gの状態でアームを締め付けている。一部1G状態を作り上げてから締めているメーカーもあるが、多くの場合は0Gで締めているのでブッシュがよじれている可能性が高い。そこで1G締めをしてあげるだけで乗り心地がよくなったりする可能性があるのだ。 1G締めだけを行うこともあるし、アライメント調整の仕上げとして1G調整をすればさらにハンドリングを改善しやすい。新車でもアライメントは完璧というわけではなく、ある程度ズレていることもある。そのあたりをきっちりと正してさらに1G締めをすれば乗り心地もハンドリングも改善できるのだ。 チューニングのピロ化と呼ばれるものは、このブッシュを金属製のピロボールと呼ばれる関節に交換する。ピロボールは金属同士が支え合う構造でブッシュのようによじれることがない。なので、ストローク時に乗り心地に悪影響を与えることもないし、1Gで締め込む必要もないのだ。 ◆状況によってはあえての『0G』締め! 違いはどこだ? 逆にこのブッシュのよじれを活かす方法もある。ワンメイクレースではサスペンションアームのブッシュをピロボール化するのは禁止されていることがほとんど。サスペンションも指定されていて、その多くの場合がかなり柔らかめにセッティングされている。もっとバネレートを高くできれば速く走れそう……、というときに行うのがあえての0G締めだ。 それもただの0Gではなく、ジャッキアップしてからアーム類をタイダウンで地面方向に引っ張る。できるだけサスペンションアームをだらりと伸ばした状態でブッシュを締め付けることで、1G状態でより多くのよじれが発生するようにする。こうすることでブッシュによる反力でバネレートが高くなったような効果が得られて、少しでも速く走れるのだという。こうした技はかなり特殊だが、昔から行われてきたもので、ブッシュを活かしたセッティング方のひとつでもある。 ほかにもマルチリンク式サスペンションのようにブッシュが多くある構造の場合、わざと1Gで締める箇所と0Gで締める箇所を作ったりすることで、サスペンションが沈んでいくときのアライメント変化を変えることもある。このあたりもワンメイクレースで培われた技で、そういった細かい積み重ねが速さへとつながっていくのだ。 交換するパーツはなにもなく、純正のアームをいつどんな風に締めるかだけだが、これでも立派なチューニングになる。そのひとつが1G締めでプロのワザが光る作業でもある。気になる方はぜひプロショップでその効果などを相談して施工してもらいたい。
別物に生まれ変わる! エンジンスワップの世界で定番4つ~カスタムHOW TO~ チューニングで大幅なパワーアップをするには膨大な費用が掛かるし、もともとのエンジンの限界もある。そこで行われるのが異なるエンジンを載せるチューニングだ。 抵抗のある人も多いがアメリカでは人気のチューンで、とりあえずV8 5.7Lを積んだチューニングカーも珍しくない。日本でもある程度行われている定番の組み合わせもある。 1:シルビアにRB26搭載 シルビアはS13登場時はCA18エンジンを搭載。その後、SR20エンジンになり、S13後期型とS14/S15とSR20のNAもしくはターボエンジンが搭載されていた。 直列4気筒、2.0LエンジンのSR20は軽量で十分なパワーを持っていたが、もっとハイパワーを求めるユーザーも多かった。そこで目をつけられたのがスカイラインGT-Rに使われていたRB26だ。 その名の通り2.6Lの排気量がある6気筒エンジンはツインターボを組み合わせてR32/R33/R34 GT-Rに搭載。国内最強とも言われるエンジンユニットとなった。ならば、そのエンジンを積んでしまえと実践したお店もあった。 同じ日産のエンジンだが6気筒なのでスペース的には厳しい。それでも入らないことはなく、エンジンハーネスなどもコンバージョンキットを作っているお店がいたり、都度ショップで製作していたようだが比較的実践例の多いパッケージだ。 2:AE86に3S搭載 AE86は1.6Lの4A-Gが搭載されている。名機と呼ばれるエンジンではあるが、決してパワフルとは言えない。そこで5.5A-Gや7A-Gなどが製作されたが、それらは正式な名称ではなく、排気量アップをしたものをその度合いによって5.5や7と呼んでいたのである。 数百ccの排気量を上げるのにピストンを変え、シリンダーをボーリングしてという手間とコストを掛けるなら2.0Lの3Sエンジンを積んでしまえというのがこの組み合わせ。 3SエンジンはセリカやMR2から、JGTCのGT500スープラにまで搭載されるなど当時の看板的な存在のエンジン。そのスポーツユニットを積んでしまうのだ。 相応のパワーは得られるが、良くも悪くもあんまり速くないけど気持ち良い4A-Gらしいフィールは薄れるので、ハチロクファンからはそれほど支持が得られなかった印象もある。 こういった異なる車種のエンジンを乗せる例もあるが、結構大掛かりになりそれほどメジャーと言える存在にならなかった感はある。 だが、たとえば、上記のAE86の場合は後継車の同系列エンジンを載せるのは定番となった。これは制御なども比較的簡単に行うことができるし、後継車種のエンジンのほうが手に入りやすいなどに事情も関係あるだろう。 3:AE86にAE92やAE101/111の4A-G搭載 ...
挑戦と革新!? 直噴エンジンにおけるチューニング技術の進化~カスタムHOW TO~ チューニングの醍醐味といえばパワーアップチューン。いくつかの種類があるが大まかに分かればECUチューン/補機類チューン/エンジン本体チューンの3つに分かれる。 ◆クルマをパワーアップさせるための方法とは ECUチューンとはエンジンを制御しているコンピュータであるECU(Engine Control Unit)の内部データを書き換えるチューニングのこと。 80年代、90年代車であれば安全マージンをたっぷり取ってあるため、そのマージンを詰めることや、燃料の濃さや点火時期を最適化することでパワーアップができた。最近のクルマであれば燃費や排ガス規制によって意図的に封じられているパワーを開放するイメージで、ECUを書き換えることで出力アップが可能。NAエンジンならノーマルの5~10%くらい。ターボ車であればそれ以上の効果が得られた。 もっとパワーを求めるならエアクリーナーやエキゾーストマニホールド、触媒や、マフラーなどのエンジンの前後のパーツをチューニングパーツに交換するのが効果的。より、吸気と排気効率を高めることでECUチューンと合わせればさらなるパワーアップが可能。ターボ車であれば、ターボチャージャー自体を交換する「タービン交換」チューニングが定番。より大きなターボチャージャーにすることで、エンジンにたくさんの空気を送り込む。それに合わせてたくさんガソリンを噴射すれば、モアパワーが可能。 それ以上を求めるならエンジン本体のチューニングになる。ボアアップやストロークアップで排気量自体をアップすればそもそもたくさんの酸素がエンジンに入り、それに合わせてガソリンを噴射して爆発させるので大幅にパワーもトルクも高めることができる。吸気や排気ポートを削って滑らかな形状にしたり、カムシャフトを交換することで効率よく燃焼室に空気を送り込むチューニングも定番だ。 ◆パワーアップのキモは空気!? 増やすためにはどうするのか とにかくパワーアップの基本はいかにたくさんの空気(酸素)を取り込み、そこに合わせたガソリンの量を噴射して爆発させるかに掛かっている。そこでカギとなるのがインジェクターだ。ガソリンを噴射するインジェクターはECUからの指令に従ってガソリンを噴いている。ECUチューンによってそのガソリンの噴射量やタイミングを合わせ込むわけだが、大幅なパワーアップとなるとインジェクターの容量が足りなくなることがある。 ターボ車ではタービン交換をするとインジェクター容量が足りなくなることがあり、大容量インジェクターに交換するチューニングが一般的。「シルビアに660ccインジェクターを装着」などというのは定番だった。 そこで問題になるのが直噴エンジンのクルマだ。直噴エンジンとはガソリンをポートではなく、燃焼室に直接噴射する方式のエンジン。近年増えていて燃焼室に直接ガソリンを噴射できるので、燃焼室の温度を下げやすい。また、圧縮行程の間は空気だけを圧縮して、そこにガソリンを噴くことができるので、高圧縮比にしてもノッキングなどの異常燃焼がしにくく、これまで以上に効率よくパワーを出しやすい。 だが、この直噴のインジェクターは、これまでのようにポートに噴射して霧化させるのと違って、ピストン形状と相まって狙った場所にガソリンを噴射。そこにピンポイントで着火させる必要がある。要するに直噴インジェクターは現在のところ大容量のチューニング品がないのである。容量の大きい車種の直噴インジェクターを使うこともできなくはないが、燃焼室内の設計などが異なるので一発でエンジンが壊れる可能性も高く、現在のところは交換は難しい。 なので、ECUチューンを行っても直噴インジェクターの容量が限界になればそれ以上にガソリンを噴くことができず、パワーアップに上限が生まれてしまうのだ。そのため各チューナーはECUチューンで燃料ポンプの圧力を上げたりして、少しでもガソリンの噴射量が増えるように調整しているが、これまでのような大幅な増量は難しい。直噴エンジンチューンはある程度までのパワーアップしかできないのだ。 とはいえ、ノーマル比で2倍や3倍のパワーアップチューンができないというだけで、一般的なパワーアップチューンは十分できる。むしろ大容量インジェクターが必要になるレベルとなると、ピストンやコンロッドの強化まで視野に入れなければならないようなハードなチューンとも言える。ストリートチューンでは直噴エンジンも十分パワーアップチューンをして楽しめるのだ。
秘密の力解放! 車両制御コンピュータの暗号を解き放つECUチューニングの真相~カスタムHOW TO~ 現代のクルマと切っても切れないのがECUチューン。エンジンを制御するコンピュータの内部データを書き換えることで、意図的に封印されているパワーを開放したりできる。 アクセルペダル操作に合わせたスロットルバルブの開き方を変えたり、ターボ車ならブースト圧を変えることで、より強い力でエンジンに空気を押し込むことができる。 ◆パワーアップは確実に出来る! 裏に潜むECUチューニングの暗部とは このECUチューンは現代のチューニングでは必須のもので、ECU書き換えができなければマフラー交換さえもできない車種もある。ECUでデータを最適化しないとエンジンチェックランプが点灯してしまったりするのだ。 だが、このECUチューンは自動車メーカー的にはNG。ECU内部にアクセスしてデータを書き換えるもので、いわばハッキングのようなもの。そこで問題になるのがプロテクトである。エンジン制御コンピュータの内部データは自動車メーカー的には触ってほしくない。そこでさまざまなプロテクトを掛けてあるわけだが、それをチューニングのプロたちはかい潜って書き換えているのである。 現代のクルマではそのプロテクトも厳しくなっていて、簡単にECUチューンができない車種も増えているのだ。そこで問題となるのがそのECUチューンができない車種。とくに最新車種ではECUチューンができない場合も多い。そこで今、注目されているのが圧力センサー割り込みコンピュータだ。 たとえば、ノーマルでブースト圧が1.0kg/cm2に設定されているクルマがあるとする。そこで圧力センサーでブースト圧が1.0kg/cm2のとき、この機械を通すことでクルマのECUには0.8kg/cm2という信号に変化させる。するとクルマ側はまだ0.8kg/cm2と認識しているのでもっとブースト圧を上げて1.0kg/cm2にしようとする。すると実際のブースト圧は1.2kg/cm2程度まで上がるというもの。 メインECUのデータは書き換えずに、圧力センサーからの信号をアレンジすることで簡易的にブーストアップがされるのだ。タービン交換のような大幅な変更はできないが、軽くブースト圧を上げるくらいならば十分に可能。データとしても純正データのままなのでトラブルが起きることもほとんどない。それでいてターボ車なら20~30psのアップが可能。コスト的には10万円以下なのでそのパフォーマンスにも優れるのだ。そして、最大の魅力はECUチューンが確立されていない車種にも対応できることだ。 もともとこういったパーツは90年代から発売されていた。その後メインECU書き換えチューンが主になり、すっかり過去の存在になっていたが、ECUチューンが難解な車種が増え、再び注目されているのだ。車種によってはメインECU書き換えとほとんど結果が変わらないこともあり、圧力センサー割り込みコンピュータチューンが主流になっている車種もあるのだ。 ◆手軽にパワーアップ出来るからこそ メンテナンスも考えないと最悪の事態が!? 気をつけたいのは手軽なチューンではあるが、ブースト圧が高まっているので、エンジン側の状態はしっかりと健康を維持しておきたい。純正プラグを新品にする。熱価はプロショップのアドバイスに従って選んでもらいたいが、無闇に熱価を上げるのもデメリットがあるので慎重に。 エアクリーナーフィルターなども新品に。汚れていると思った以上に排気抵抗になることもある。また、エアクリーナーボックスごと交換している場合などは、圧力センサー割り込みコンピュータ側が対応しているか要確認。 吸気側のレイアウトが変わると大幅にセッティングが変わることがあり、それがエンジンに致命的なダメージを与える可能性もある。その組み合わせによっても可否があるので、こっちを付けたほうが良かろうとか、パワーが出そう、などの推測ではなく、しっかりとパーツ選びをプロデュースしておきたい。 そういった基本さえ押さえておけばローリスク・ハイリターンで楽しめるのがこのチューニングのポイント。簡易的なブーストアップと侮るなかれ、きちんとした効果でもっと走りが楽しくなることは間違いない。
サーキット走行をする人やハードなチューニングカーに使われる、大容量オイルパンやオイルパンバッフルと呼ばれるパーツ。どういった意味や効果があり、どんな使い方をする人に有効なのか。 ◆車種によって変わってくるオイルパンの容量 まず大容量オイルパンとはその名の通り、オイルパンに溜まるオイルの量を増やしてある構造のもの。そもそも国産車ではシルビアなどに使われた2LターボエンジンのSR20DETでオイル容量は3.5L程度。AE86で知られる4A-Gエンジンでも同じ3.5L程度のオイルが使われている。対する欧州車ではその倍以上のオイルが使われていることが多い。メルセデス・ベンツやポルシェでは10L近くオイルが入るモデルも多い。 排気量も異なるが全体的に日本車はエンジンオイルの容量が少ない。これは長時間高速移動が多い欧州車はオイル油温の安定化やオイル性能の劣化を防ぐなどの意味で、オイル容量が多くエンジン設計がされていると思われる。 ◆オイルパンを大容量化すると何が変わるのか? 国産車でサーキット走行などするとエンジンオイル油温が高くなることがある。そこでオイルクーラーの装着となるのだが、そもそものオイル量を増やすチューニングもある。それが大容量オイルパンの装着だ。エンジン内を循環するオイルの量を増やすことで油温は必然的に上がりにくくなる。たくさんの水をお湯にするほうが時間が掛かるのと同じ理屈である。温度が上がりにくくなればオイルの劣化も防げるので、オイル交換ライフを伸ばしたりもできるのだ。 そこでオイルパンが左右に広がったりした大容量オイルパンに交換となる。とくにデメリットも無いが、気をつけたいのはきちんとしたメーカーのものを使うこと。SR20用など海外製の粗悪品が流通している。見た目には日本製のものにそっくりで遥かに安価に購入できるが、シリンダーとの間の面が出ていなくてオイル漏れが止まらないとか、内部の構造が良くなくてオイルが片寄ってしまってきちんと吸えないなどのトラブルが起きやすいという。 オイルパンチューニングといえばバッフルを入れるチューニングもある。こちらは純正オイルパンに追加するか、専用のバッフル付きオイルパンを取り付けるチューニングだ。 エンジンオイルは常にオイルパンからポンプで組み上げてエンジンの各部に供給されている。これがサーキット走行などで強い前後左右のGが掛かるとオイルがオイルパン内部の片側に片寄ってしまい、中心部にあるストレーナーがオイルを吸い上げられなくなってしまう。そうなるとエンジン内部にオイルが供給されず、油膜切れを起こしてエンジンブローに繋がってしまう。 いきなりエンジンブローはしなくとも、少しずつダメージが蓄積されていき、あるときクランクメタルがカジッてしまって異音が発生してしまうのだ。そういったトラブルを防ぐために開発されたのがオイルパンバッフル。これはオイルが偏らないようにオイルパン内部に取り付けるプレート。ただストレーナーを囲むだけではバッフルの外側に行ったオイルが内側に入れなくなってしまうので、ゴム製のバルブを付けたりしてオイルが中心部から逃げにくく、でも入ってこれるように設計しているものもある。 車種にもよるがサーキット走行を行うならオイルパンバッフルは保険の意味でも付けていても良いパーツ。しかし、気をつけたいのはこちらもきちんとしたメーカーのものを使うことが重要。一歩間違うとむしろオイルストレーナー付近にオイルが来なくなるようなものもネットオークションでは見かける。実際良かれとオイルパンバッフルを取り付けたが、メーカー不明のものをネットショッピングで購入し、その後エンジンブローという例もある。 きちんと走行中にどうオイルが動いているかを検証した上で設計することが必要で、そういった検証がされている大手メーカーの信頼性の高いものを選んでもらいたい。ワンメイクレースのGR86/BRZ Cupでは信頼できるメーカーのものを認定部品としているので、そういったものも参考にしてもらいたい。
追加メーターは保険と同じ!! 使う日が来ない方がいい!? 愛車の健康状態を追加メーターで把握することを強く推奨。もしなにかあってからでは手遅れ。むしろ追加メーターの恩恵を受けないほうがいいかもしれない。 クルマのコンディションを把握するのに欠かせないのがメーター。純正でも水温計が付いている車種も多い。スポーツ走行をするなら必須だし、そうでなくても愛車を壊さないという観点からいえば水温、油温、油圧のモニターは是非しておきたいところ。 ◆見ておきたいメーター1:水温 エンジンを冷却しているクーラントの温度のこと。エンジンはクーラントと呼ばれる冷却水で冷やしている。このクーラントの温度が高くなるとエンジンにはよろしくない。 温度が上がりすぎるとエンジン全体が熱によって歪んでしまい、それによってヘッドガスケットが抜けるとかさまざまなダメージを及ぼす。いわゆるオーバーヒートしている状態になってしまう。 このオーバーヒートは冷やせばOKではない。先述のようにエンジン自体がダメージを食らってしまい、エンジンごと交換になることもあるからだ。 純正メーター内にも水温計がついていたり、高水温になると赤いランプが光って知らせてくれるが、どちらもびっくりするような温度になってから知らせてくれることが多い。 チューニングカー乗りからすると「壊れました! って事後報告かい!!」と突っ込みたくなるようなアラートの遅さである。おそらくちょっと水温が上がったくらいでアラートすると、たくさんクレームが出るとかいろいろと事情はあるようですが。 とにもかくにも水温はもっとも重要。現代のクルマなら100°Cは全く問題なく、110°Cを超えるようであれば注意。サーキット走行などで110°Cくらいになるようならクーリング走行でエンジンを冷ましてあげたい。 通常に街乗りや高速道路で110°C付近まで上がるようなら、なにか問題が起きているかもしれないのでお店に相談してもらいたい。 低ければいいものではなく、現代のクルマだと適温は90~100°Cくらい。20年以上前のクルマだとざっくりと適温が10°Cくらい低いこともある。80~100°Cくらいが適温の目安となる。 ◆見ておきたいメーター2:油温 こちらはエンジンオイルの温度のこと。エンジン内部を潤滑し、冷却しているオイルの温度も大切。とくにオイルはその温度によって性能が変わる。 そもそもオイルは10W40のように粘度が表記されるが、左側の温度は冷間時の硬さを示す。右側の温度は100°Cのときの硬さを示すもの。 エンジンオイルの温度が分からなければ、この粘度もどれくらいを使えば適正なのかの判断もつかないのだ。 こちらも適温であることが大切で、90~110°Cくらいの適温であるときに各種の成分がきちんと働いてエンジン内部を潤滑したり洗浄したりしてくれる。 良かれと思ってオイルクーラーをつけて油温をセーブしても、オイル本来の性能が発揮できず、エンジンにはよくない影響を与えていることもあるのだ。 だが、温度が高すぎるのはオイル自体を劣化させてしまうので注意。120°Cを超えるようであれば早めのオイル交換と、オイルクーラーの設置を検討したい。即オイルクーラー設置ではないが、スポーツ走行などで120°C以上になったら毎回オイルを交換がオススメ。そうなると油温が高くなる車種でスポーツ走行をするとオイル交換頻度が高くなってしまうため、オイルクーラーを取り付けて適温で使えば交換頻度を減らすこともできるのだ。そういった判断も油温がわからなければどうにもならない。 ...
FR車でリアに太いタイヤを履かせるとか、FFならフロントを太くするなどのチューニングもある。では、実際のところは4輪共通と前後異型のどちらが良いのだろうか。 ◆絶対的な正解は無い ホイールを変える際に考えたいのが前後サイズを同じにするのか、別にするのかということ。リア駆動車だったらフロントが215幅、リアが235幅だったりすることがある。これは駆動輪であるリアを太くしてトラクション性能を高めようという狙いがある。 では、とりあえず駆動輪を太くすればいいのかというとそうとも言えないのが難しいところ。FF車の場合は多くで前後とも同じタイヤサイズ、ホイールサイズでフロントだけ太いことは少ない。同サイズにはもちろんメリットがあるし、前後異なるサイズにもメリットがある。そして気をつけるべき点もあるのだ。 ◆カスタムすると何が起きる? 前後のタイヤが同じサイズであれば外径は同じ。走行中基本的に前後のタイヤの回転数は同じ。ところが外径が変わると前後タイヤの回転数が変わってくる。これは気をつけるべき点。もともと前後のサイズが違っていて、外径も異なるクルマはそれを加味してABSや車体の姿勢制御プログラムが組まれている。また、もともと前後のタイヤサイズが異なっていても外径が合わせてあって、前後タイヤの回転数が揃えてあることもある。 ところがもともと前後が同じサイズのタイヤを履くクルマで、前後のタイヤを変え、外径が変わってしまうと問題が起きやすい。常に前後タイヤの回転数がズレてしまい、それをクルマ側が感知。トラブルの警告灯が点灯したり、不意にABSが介入してしまうこともある。 現代のクルマはABSが標準装備されているが、ABSは各タイヤにそれぞれ車輪速センサーが備えられていて、その回転数からタイヤロックを検知してブレーキをリリースしたりしている。そういった制御が入りやすくなってしまうので、安易にタイヤサイズを変えるのは危険な挙動に繋がることも多いのだ。 ◆デメリットだけではない そういったデメリットもあるが、外径を揃えたりなどの対策をすれば駆動輪を太くするメリットがあるのも事実。 FF車ではフロントタイヤを太くしてグリップをアップ。リアタイヤはある程度細めのタイヤを履かせることで意図的にグリップを落とし、アクセルオンで巻き込むように向きを変えられるようにすることで、クリッピングポイントよりも手前から加速していける。FFの速いセッティングの定番的なものだ。 FRなどのリア駆動車はリアのグリップを高めることで加速時に鋭くトラクションを得ることができ、これもまた素早い立ち上がり加速に貢献してくれる。 ◆それはスポーツ走行の話であって… だが、いずれもサーキットレベルでの話。公道ではその前後グリップの差を感じ取れるほどの領域で走行することはないし危険。となると公道ではとくに駆動輪のタイヤをわざわざ太くするメリットもあまりないのである。 ちなみに過去にスーパーGT500クラスでは、リアタイヤが17インチ、フロントタイヤが18インチを使っていたことがあった。その狙いについて聞くと、17インチタイヤの方がサイドウォールが厚くタイヤが潰れやすいのでトラクションを得やすい。加速時のグリップを得やすい。 フロントタイヤはそこまで潰れる必要がなく、むしろ18インチでややシャープな特性のほうが曲がりやすいということで、前後ホイールサイズを変え、しかもリアのホイールの方が小さいという独特なセッティングになっていたのだ。 ◆サイズ変更の良し悪しを天秤にかけて そういう点から言えば、やはりタイヤが分厚い小径ホイールの方が乗り心地はマイルドでタイヤが路面を捉えやすい。だが、挙動にダルさが現れる面もあり、シャープな切れ味あるハンドリングを目指すなら大径ホイールに低扁平タイヤの魅力も大きい。 見た目にはインチアップをすることが常套手段だが、乗り心地的には不利になることが多い。そういったデメリットも理解した上でサイズ選びもしてもらいたい。 また同時に前後で異なるサイズを履かせることは先述のようにABSなどに不具合が出ることもあるので、そのあたりのノウハウを持ったお店と相談の上でタイヤとホイールサイズを選ぶようにしてもらいたい。
走る/曲がる/止まる、そして燃費まですべてを高めてくれるのが軽量化。それでももっとも面倒でお金も掛かるのが軽量化。ならば簡単にできるところから軽量化していこう。 軽量化は最高のチューン。クルマが軽くなれば加速は良くなるし燃費も良くなる。ブレーキも良くなるし、ブレーキパッドも減らなくなる。タイヤも減らなくなる。コーナリングスピードもアップする。良いことしか無いのが軽量化なのだ。 しかし、良いことしかないというのは単純にパーツ交換などで軽くできた場合の話。タイムアタックマシンのようにパーツを外していくとトレードオフになる部分が出てくる。 たとえば、ドアをFRPやカーボン製に交換すれば20~30kgは軽くできる。しかし、横方向から衝突された場合にドライバーを守ることができないので大変危険。 アンダーコートと呼ばれるフロアに吹き付けられている防音材を剥がせば軽量化になる。これも数十kg軽くなるが、これを剥がすとロードノイズはうるさくなるし、細かな振動も感じるようになる。快適性などの部分で失うことも多いのだ。 そうなると本格的な軽量化を街乗りのクルマにするのは難しいが、それでもできる軽量化をしていけば、運動性能の向上と燃費のアップなど効果を得られるわけだ。 ◆軽量化できるポイント1:バッテリー 乗用車の場合、純正バッテリーは10~15kgほどある。それをドライバッテリーにすれば10kg程度の軽量化が可能だ。ドライバッテリーは電解水の代わりにジェルなどを用いることで軽くしたバッテリー。軽量でありながら瞬間的に大きな電流を取り出せるのが特徴で、ボディの軽さと同時にエンジンの瞬発力が高まるという意見もある。 ネックになるのは価格で10万円前後。また、バッテリー上がりを起こすと充電には専用充電器が必要になったりするので若干気をつけるべき部分もある。それでも10kg単位の軽量化をデメリットなしでできる魅力は大きい。 バッテリーはトラブルが起きた時に発火したりすることもあるので、信頼性の高い有名メーカーのドライバッテリーを選ぶのがオススメだ。 ◆軽量化できるポイント2:ボンネット 最近のクルマはアルミ製ボンネットが増えていて、そうなると数十kgの軽量化にはならない。しかし、鉄製ボンネットのクルマなら数十kg単位で軽量化になるのがファイバーボンネットだ。 カーボンやFRP製などのボンネットにすることで大幅に軽量にすることができる。ちなみにFRPとウエットカーボン製はほぼ同じ。ガラス繊維のシートかカーボン製のシートかだけの違いで、いずれもそのシートをプラスティックで固めて成形していくので軽さや強度はほとんど変わらない。 ドライカーボンはカーボンに樹脂を染み込ませたシートで、これを高温高圧の釜で焼くことで成形する。F1やスーパーGTなどレーシングカーで使われるのはこちらで圧倒的な強さ、硬さと軽さを両立するがコストが高く、値段も一気に高くなる。 ◆軽量化できるポイント3:ホイール 純正ではアルミ製ホイールが主流になっているか、それでもアフターメーカーのアルミホイールにすることで軽くすることができる。 重さ自体も軽くできるし、バネ下重量なので効果が現れやすい。足回りのサスペンションのスプリング(バネ)よりも下側のタイヤやホイール、ブレーキキャリパーやハブなどが軽くなると、路面追従性がよくなり運動性能アップに効果的。ボディの軽量化の5倍や10倍と同じくらいの軽量化効果があると言われている。 また、ホイールが軽くなると回転慣性も小さくなる。軽いホイールの方が転がりやすくжўгЃѕг‚Љг‚„гЃ™гЃ„гЃ®гЃ§гЂЃеЉ йЂџжЂ§иѓЅг‚‚гѓ–гѓ¬гѓјг‚жЂ§иѓЅг‚‚и‰ЇгЃЏгЃЄг‚Љг‚„гЃ™гЃ„гЃ®гЃ ◆軽量化できるポイント4:シート 純正シートをバケットシートなどスポーツシートにすることでの軽量化だ。最近のクルマは純正シートも軽量を意識していてかなり軽いモデルもあるが、ちょっと古めのクルマならフルバケットシートとレールに交換することで1脚あたり10kg以上の軽量化が可能。左右シートを交換すれば30kgもの軽量になることもあった。 ...
タイヤの空気圧はどれくらいにするのが正しいのか。まずはクルマの指定値に従うことだが、インチアップやインチダウンをした際にはどうすればいいのだろうか。 クルマを安全に走らせる上でもっとも気をつけてもらいたいのがタイヤの空気圧。ご存知のこととは思うがタイヤの空気圧は徐々に下がっていく。空気は少しずつ抜けていってしまうのだ。そのために2週間に1度くらいは点検をしたい。 ◆点検するたびに迷いがちな空気圧 ではそのときに空気圧はいくつにすればいいのか。まずは自動車メーカーの指定値に合わせること。指定値とはドアを開けたところなどに示されている数値で、そのクルマの標準的な空気圧を示してある。クルマの重さやタイヤサイズ、駆動輪などさまざまなことを考慮した上で自動車メーカー側で決めた数値。あらゆるテストからその数値を導いているのでまずはその数値に従うこと。 その時は基本「冷間」で合わせる。「冷間」とはタイヤが冷えているときの数値のこと。反対に「温間」もある。こちらはタイヤが温まったときの空気圧のこと。街乗りではそんなにタイヤは温まらないが、高速道路で30分も走ればタイヤは徐々に温まり、内部の空気も熱せられる。そうすると空気は膨張して空気圧が上がる。 冷間で2.0kg/cm2に合わせたとして、街乗りでも夏場なら2.2~2.3kg/cm2くらいまで上がる。高速道路で夏場に連続で走れば2.5kg/cm2くらいまで空気圧が上がる。サーキット走行をすれば2.8~3.0kg/cm2くらいまで上がってしまうこともある。 街乗りや高速道路での空気圧の上がり方も考慮した上でメーカー指定値が定められている。なのでまずはこの数値に合わせることが大前提。ガソリンスタンドで空気圧チェックをすると昔はよく「高速道路乗られるんでしたら空気圧高めますね」なんて言われたことはないだろうか。 高速道路ではタイヤが高速回転する。その時にタイヤが変形して戻るを繰り返している。空気圧が低すぎるとこの変形から戻るのが大きくなりすぎて、タイヤが壊れてバーストしてしまう「スタンディングウェーブ現象」が起きやすい。そのためそれを防ごうと高速道路=空気圧を上げると言われていたようだ。しかし、メーカー指定値はもちろん高速道路の走行も考慮もしているので、とくに高める必要はない。きちんと指定値に合わせて起きたい。 ◆タイヤサイズを変えた後の空気圧って、どうするの? そして気になるのはタイヤサイズを変えた時にどうすればいいのか。とくに多いのはインチアップ。255/40R17を255/35R18にするような、扁平率を下げた時にどうするのかということ。 基本的に扁平率が下がるとタイヤが潰れるストロークが短くなるわけで、空気圧は高める方向になる。あまり高くすると滑りやすくなったり、滑った先でピーキーになることもあるので、純正指定値から10~20%くらい高めるといいだろう。 ならばインチダウンしたり扁平率を増やしたら空気圧を下げるのかと言われるとそれも即答は難しいところ。空気圧を下げるとやはりスタンディングウェーブ現象を起こすことがあるので、基本的にはあまり下げない方が無難。純正値あたりを目安にしたい。 ◆エアゲージも信頼できるものを あとは気をつけておきたいのはエアゲージ。これは0.2kg/cm2くらいの誤差は普通。というか、それくらいは許容範囲になってしまっている。なのでガソリンスタンドのエアゲージが合っているかも疑っておきたい。筆者の経験ではエアゲージだけで0.4kg/cm2ほども違った経験もある。それは粗悪なエアゲージなんでしょと思いたいところだがどちらもタイヤメーカーのそれなりに価格のするものだった。使っているうちのズレてきてしまっているようだった。 なので信頼できるエアゲージで自車の空気圧を測り、ガソリンスタンドのゲージでも測り、その誤差を認識しておくのがオススメ。自分ではガソリンスタンドでは多めに空気圧を入れて、マイエアゲージで規定値まで抜くように調整している。 エアバルブに取り付けて室内からモニターできる空気圧表示器も安価で手に入るようになってきた。こちらも誤差がかなり大きい製品が多いので、正しい空気圧と比べてから使うようにしたい。
インチアップした際にはタイヤ外径は元のサイズに揃えるのが基本だが、外径が大きくなるサイズにするメリットもある。どんなメリットがあり、車検はどうなるのか!? ◆そもそもインチアップとは タイヤ選びの重要性と外径アップがもたらす驚きの効果~カスタムHOW TO~ ドレスアップの定番であるインチアップ。ホイールの径を大きくすることのことで、ホイールが大きくなるとスタイリッシュに見えやすい。それに合わせてタイヤサイズも変更となる。 17インチで255/40を履いていて、18インチにしたら255/35Rになるという具合だ。POTENZA RE-71RSの場合だと、255/40R17の外径は636mm。255/35Rの外径は637mmとほぼ同じ外径になる。 ◆タイヤサイズは変えても問題ない? この外径が車検に関係あるのでちょっと面倒な存在。速度計はギアのセンサーの回転数からその時の速度を算出しているが、タイヤ外径が変わると実際の速度が変わってしまうのだ。 そこで車検時では実際の速度と速度計の誤差が定められている。プラス6%~マイナス22.5%というもの。例えば40km/hを速度計が指していたとしたら、実際の速度は約42~31km/hでなければいけない。 インチアップではホイールが大きくなるので、タイヤ外径も大きくなることが多い。そうなると速度計以上にスピードが出やすいので車検NGになりやすいのだ。 とくに実際の速度より高く表示される方向では許容範囲が大きいが、実際よりも速度が低く表示され、思った以上に速度が出てしまう方向へは6%しか許容範囲がない。すなわち外径アップも元の外径の数%アップまでに留めなければならないのだ。 ◆チューニングの世界では大きければ大きいほどいい!? ところがチューニングカーのタイムアタックの世界ではタイヤ外径は大きくする方向がトレンド。究極のグリップ力を求める激しいチューニングカーでは295/30R18サイズが多かったが、今や主流は295/35R18サイズに変わった。 295/30R18の外径は635mm。295/35R18の外径は663mm。28mmも外径が大きくなっている。その理由を聞くとグリップ力だという。 これまでタイヤのグリップ力を上げるというと横方向の幅を広げるのが一般的。215から235、235から255とどんどん幅を広げ、それに合わせてホイールのリム幅も広げてきていた。 外径を大きくするとタイヤの前後方向の接地面積を大きくすることができる。ゴーカートの小さなタイヤよりも、トラックのタイヤの方がタイヤが大きく、進行方向への接地面積が大きく取れるのと同じことなのだ。 ◆扁平率が高いとどうなるか また扁平率が大きくなるメリットもある。タイヤのハイトと言われるサイドウォールが分厚くなるので、その分タイヤがたわみやすくなる。 このたわみがハンドリングをグニャグニャとさせ、シャープさに欠くことからインチアップして扁平率を下げることもあるが、究極のグリップを得ようとするとある程度タイヤが潰れやすい方がこれまたタイヤの接地面積を増やすことができ、グリップ力を得やすいのだ。 ...
もうちょっとエンジンをパワフルに、クルマを速くしたい!! なんて思っても本格的なエンジンチューンはコストも時間も大変掛かる。ならば、手軽にできる方法でパワーを高めて走りを楽しみたい。 エンジンパワーはあるに越したことはない。そんなに必要ないという人もいるが、パワーの余裕が走りの余裕に繋がる。いざ加速が必要になる合流などの場面では、余裕がある加速ができれば合流もスムーズにできる。だからこそ、高級車はすべからくエンジンパワーが十分にあるもので、アンダーパワーなコンパクトカーのような走りの高級サルーンはないわけだ。 すでに乗っているクルマにもう少し力があればいいなぁと思うとしても、エンジンチューンとなると大掛かりな話になる。排気量アップとか、カムシャフト交換のような話になるとトータルで100万円以上は普通に掛かる。ターボ車でタービンを大きくするのも20万や30万円では難しい。そこでここでは、そこまで必要としない手軽で効果的なエンジンパワーアップを可能にするカスタムをご紹介していく。 1:スロットルコントローラー装着 アクセルペダル付近などのコネクターに差し込んだりするだけのパーツがスロットルコントローラー。アクセルペダルを本来踏んだ量よりも、もっとスロットルを開くことでパワーアップさせたと思わせるパーツだ。そもそも、現代のクルマはワイヤーでアクセルペダルがスロットルを開いているのではなく、スロットル・バイ・ワイヤとか、フライ・バイ・ワイヤと呼ばれる仕組み。 足元のアクセルペダルを踏むとどれだけ踏んだかがクルマのコンピュータに信号が入力され、ドライバーがどれくらいの加速を欲しているかを予測して、それに合わせてモーターがスロットルを開閉する。そしてスロットルから入った空気の量に合わせて、ガソリンを噴射して走っているのだ。なので、実際にアクセルペダル踏んだ量とスロットルを開く量がまったくリンクしていない。アクセルを床まで踏んでもスロットルは80%しか開いてなかったり、またその逆もある。 そこでその信号を補正するのがスロットルコントローラーの役割。基本的には実際に踏んだ量よりもたくさんスロットルを開くようにして、強い加速をさせている。実際のエンジンパワーは変わらないが、体感としてはちょっと踏んだだけでもグイグイ加速したように感じられ、ドライバーからのフィーリングがかなり変わるのだ。 2:ECUデータ書き換え エンジンは先述のアクセルからの信号に合わせて最適なガソリンの量の噴射し、バルブタイミングを調整し、スパークプラグで点火している。そのデータを書き換えるのがECUチューンだ。なぜデータを書き換えるのかというと、自動車メーカーでプログラムしたデータはまだ余力があるから。もっとパワーを出せるが排気ガスの観点や、燃費などからパワーを絞ってある。それらを最適値にすることで開放するのがECUデータ書き換えチューン。 手軽なものではHKSのフラッシュエディターがある。OBDコネクターに接続することでECUデータを書き換えるシステム。データはある程度パワーアップするものがすでにフラッシュエディターに入っているので、それを流し込むだけなのだ。ターボ車であれば20~30ps向上も可能。NA車でも10PSくらいはパワーアップが可能になる。それでいてコストは7万円ほどと本格的チューニン比べれば遥かにリーズナブルだ。さらにデータをノーマルに戻すこともできるので、ディーラーでの点検時などはノーマル戻しをしておくことが無難。そういった使い方ができるのだ。 3:ECUデータ現車合わせ こちらは先程のECUデータ書き換えを1台ずつ合わせ込むチューンのこと。プロショップ限定でできるサービスで、シャシダイでパワー計測したり実際に走らせながらECU内部のデータを微調整していく。1台ずつクルマの個体差もあるし、使っているマフラーやエアクリーナーに合わせてデータをアジャストしていくことで、さらなるパワーアップが可能なのだ。 コストは1台あたり15万円くらいが主流。ECU書き換えのみは10万円で、現車合わせならさらに5万円とかそういった方式で販売されていることが多い。プロショップでのサービスが一般的だが、量販店でもECU書き換えフェアなどを開催しているときは現場でチューナーが現車合わせでデータを合わせ込んでくれることも多い。
エンジンパワーを測ることができるシャシーダイナモによるパワーチェック。それはなにがわかってどんな効果があるのか。パワーチェックを活かしてできるカスタムとは!? ◆全開時の出力を計測することができる パワーチェックとはクルマの馬力を計測すること。大きく分けて2種類。ローラー式とハブ式がある。ローラー式はクルマごとそれぞれのタイヤの下がローラーになっている場所に乗せ、そこで走ってパワーを計測する。ハブ式はタイヤを外して、そこにパワーチェックするための計測機を取り付けるタイプだ。 ローラー式は簡単に計測しやすいメリットがある反面、エアロパーツを装着していたり、車高が低いクルマはそもそもローラーに入れることができず、パワーチェックができないことがある。ハブ式は取り付けがやや面倒だが、車高やエアロパーツに関係なく計測できるのと、実際にタイヤで走っているわけではないので飛び出し事故が起きないというメリットがあるのだ。どちらも計測できるのは最高出力と最大トルク。3速や4速などに入れてアクセルを全開にしたときにどんなパワーとトルクがあるかを数値化することができる。 ◆細かいエンジンECUセッティングができる そのメリットは細かいECUセッティングをしてこそ真価を発揮する。低回転から高回転までパワーチェックをしながら、燃料噴射の量や点火時期を調整することで細かく煮詰めていくことができる。昔はそういった機械がなく、ほとんどのチューナーが公道でセッティングしていた。大きな声では言えないが高速道路で全開域のセッティングまでしていたのが事実。とはいえ、実際4速、5速、6速の高回転域のセッティングはできず、煮詰めきれていないということもあった。それがシャシーダイナモと呼ばれる機械が登場し、走行状態に近い状態を再現できるようになったことで、しっかりと高回転域までセッティングができるようになったのだ。 実際チューニングショップでもほぼシャシーダイナモ上でECUセッティングを詰め、仕上げは公道で普通に走った時のアクセルに対する反応やアイドリング付近の操作のしやすさ、冷間時のエンジン始動の確認などをしていることが多くなったのだ。ショップがシャシーダイナモを導入するのはパワー計測というよりも、セッティングを細かく煮詰めることが主目的なのだ。 また、エンジンECUセッティングの開発にもシャシーダイナモは欠かせない存在になっている。いわゆるECUの解析と呼ばれる作業でそれを行っているのは大手パーツメーカーや、一部のECUを得意とするショップだけになるが、ECUマップのどの数値が燃料の量で、どの数値が点火時期かなどを探っていく。数値を書き換えて、パワーチェックをして変化があればどんな領域の数値なのかを予測して読み解いていくのだ。膨大な手間のかかるこの作業をしていくことで、ECU内部データがどのあたりはどんな領域かが分かり、ECUチューンが可能になるのだ。 そのため解析作業では数日から数週間もシャシーダイナモにクルマは乗せたまま、ECUを書き換えてはパワーチェックを繰り返していく。多くの場合、データを書き換えてインストールをして、それからパワーチェックして、再び書き換えてパワーチェックをする。書き換えには数十分かかることも多く、1日に何度も変更できないこともあり、大変な時間と労力が掛かっているのだ。 ◆健康診断的にパワーチェックしておくのも手 パワーチェックを健康診断的にしておくのもあり。新車時やカスタムしたときにパワーチェックしておけば、その後なんとなく調子が悪いとか、遅くなった気がすると思ったときにも、それが気のせいなのかをデータでチェックできる。 徐々に経年劣化で落ちてくるかもしれないし、新車時にパワーチェックすると数千キロ走行後には慣らしが進んでパワーが上がるという話もある。そういう意味でも定期的にチェックしてデータを把握しておくのもアリなのだ。もちろん、チューニングするたび計測しておけば、その効果も数値として把握することができるのだ。 気をつけたいのが係数。これは計測した数値を補正するためのもので、100psのクルマに10%の係数をかければ110psとなる。これがやっかいでA店では係数なし、B店は係数1.1となると、同じクルマでも10%のパワーの差が出てしまう。係数を把握していないと同じ車種で同じようにECUチューンを施工したとしても、「B店のECUはすごいパワーが出るらしい」なんて言われることになるのだ。係数を掛けること自体は悪いことではないが、どんな目的でどれだけ係数を掛けているかを把握して、その上での数値だということを理解しておきたい。
パワーアップチューンにも手軽なものからエンジン本体をいじるようなハードなものまでいろいろある。ならば、簡単にパワーアップができるパーツでサクッと春のドライブを楽しんでみてはどうだろうか ◆圧力センサー系チューンなら 多くの車種でサクッとパワーアップ エンジンパワーを増やすには、燃やす空気の量とガソリンの量を増やさなければ、そもそも爆発力は強くならない。そのためパワーアップといえばボアアップなどの排気量アップがされてきた。エンジンの排気量を増やすことでたくさんの空気を取り込んで、それに合わせてガソリンを噴射することで爆発力を大きく強くする。それによって加速力をアップさせるのだ。 ほかにもエンジンに空気を送り込むカムシャフトを交換することで、バルブを長い時間開いたり、バルブを大きく開かせることでエンジンにたくさん空気を入れる方法もあった。いずれも物理的に手を加える必要があり、大きなコストと時間が掛かるチューニングだった。 そこで普及したのがターボ車に於けるブーストアップだ。エンジンに空気を強制的に送り込むターボの圧力を高めることで、エンジンにより多くの空気を押し込むことができるのだ。もっとも簡単なチューンとしては、この圧力センサーの数字を変えるタイプのECU装着チューニングだ。HKSの「パワーエディター」などがそれで、圧力センサーとECUの間に割り込ませるタイプのチューニングパーツ。 クルマ側に本来よりも低いブースト圧を認識させることで、ノーマルよりもブースト圧引き上げることができる。しかし、大幅なブーストアップはできないが、それでも車種によっては数十馬力の向上が見込める。サクッと取り付けてパワーアップが可能。 ECU書き換えチューンが確立されていない車種でも施工できることが多い。GRヤリスなどはその典型で、まだECU書き換えチューンが浸透していないが、パワーエディターで手軽に最高出力を高めることができるのだ。 ◆ECU書き換えによるチューンが 王道でありコスパに優れる 可変バルブタイミング機構が普及してからは、エンジン制御コンピュータを書き換えることで、バルブがたくさん開くようにして空気をたくさん入れるチューニングが流行した。これがECU書き換えである。ターボ車であればブースト圧を高め、それに合わせて噴射する燃料を調整する。それによって飛躍的なパワーアップが可能なのだ。 NA車でも可変バルブタイミング機構をコントロールし、点火タイミングや燃料の噴射量などを調整することでパワーアップが可能。ざっくり言えば10~15万円ほどのコストで10~15%ほどの出力アップが可能なのだ。しかも、施工は最短で数十分。ECUデータを書き換えるだけで済む。そこから1台ずつ合わせ込む「現車合わせ」という作業をすると数時間から数日掛かることもあるが、それでもその程度。金額もECU書き換え+5万円程度のことが多いのだ。 このECU書き換えをもっとも手軽に可能にしたのがHKSの「フラッシュエディター」だ。これは車種別データの入ったフラッシュエディターを車両側のOBDコネクタに接続。そこでECUデータの書き換えを行うというもの。速度リミッターを外すだけのデータや、チューニングデータが入れられていて、ユーザー側でもその入れ替え作業も可能なのだ。 メリットは10万円以下という手頃な価格で、ECUチューンが可能なこと。いわゆるターボ車のブーストアップや、NA車のECU書き換えチューンであれば、十分な効果を持つ。さらにフラッシュエディターがあればリーズナブルな価格での現車合わせも可能。パワーライター店というHKS認定ショップではフラッシュエディターを使って、各車に合わせたデータに変更することができ、最大限のパフォーマンスを引き出すことができるのだ。 またノーマル戻しができるメリットも大きい。ディーラーに入庫の際、通常は問題ないがディーラー側でいろいろとチェックをしたりする。そのときにECUチューンが問題になることもある。フラッシュエディターであれば、入庫前にユーザー自身でノーマルデータに戻して入庫。クルマが返ってきたら再びチューニングしたデータに戻すということもできるのだ。 パワーアップチューンには手軽なものもある。しかし、根本的にクルマが正しく健康な状態でないとハッキリとした効果は現れないし、不調になることもある。まず、オイルは当然適正な距離で交換することはもちろん、エアクリーナーフィルターは新品に。プラグもできれば新品に。下手に熱価を上げると不調になることもあるのでノーマル熱価でOK。最低限でもそれくらいのメンテナンスを行ってからパワーアップを楽しんでもらいたい。
ターボ車の利点はパワーを引き出しやすいこと。とくにタービン交換は大きくパワーを出せる。しかし、いろいろと面倒だったこともあるが、最近の純正交換タービンならサクッとパワーアップも可能なのだ。 ◆ターボ車はパワーアップしやすい せっかくだからその利点を楽しむのも手 排気ガスの力を使って、エンジンに空気を押し込んでパワーを出すターボ。最近では小さなエンジンにターボエンジンを組み合わせたダウンサイジングターボエンジンが多い。そうでなくても、大排気量NAよりは、低中排気量エンジンにターボを組み合わせていることが多い。ターボエンジンのチューニング的なメリットはパワーが引き出しやすいこと。ノーマルのブースト圧を20%ほど高めるだけで20~30psは引き上げることができる。もともと3.8LエンジンのGT-Rであれば、このブーストアップと言われるチューンだけで50ps程度は上げることができる。しかも、それが最近のクルマではECU(エンジン・コントロール・ユニット)の書き換えだけでできることが多い。昔はブーストコントローラーを取り付けたが、最近はECU内でそういった制御ができる車種も多く、より手軽にパワーアップが可能になっている。 そして、その上に位置するのがタービン交換だ。これは排気ガスを受けてタービンを回し、エンジンに空気を押し込むターボチャージャーそのものを交換することを言う。大きな羽を持つタービンほど、より大きな風量を持ちエンジンにたくさん空気を押し込むことができるのでモアパワーが狙えるのだ。その引き換えとしてデメリットも存在する。それがタービンが回りにくくなること。タービン自体が大きく重くなっているので回りにくい。なので、これまで例えばノーマルタービンでは2000rpmから過給していたとして、交換した大きなタービンではそのブースト圧が掛かり始める回転数が2500rpmや3000rpmのように高い回転でないと過給できなくなってしまうのだ。 そうなると街乗りではターボによる恩恵がなかなか使えず乗りにくい。高速道路でも少し回転が落ちたらギアを下げないと過給を得られず乗りにくくなる。ターボエンジンは一般にNAエンジンよりも圧縮比が低い。これは過給を前提に下げてあるので、過給が掛からない低回転ではただの低圧縮エンジンになってしまい、NAエンジンよりもむしろ遅く感じられる。 つまり低回転はスカスカ。中回転もスカスカ。高回転でやっとタービンが回りだしてエンジンに過給。すごいパワーを炸裂させるが、あっという間にレッドゾーンに近づいてしまいシフトアップを余儀なくされる。美味しい回転はほんの1500rpmしかない! というようなことも起きるのだ。 そんな乗りにくさを解消するためにカムシャフトを交換してもっとパワーを引き上げ、排気量アップしてタービンが低回転から回るようにする、というような大掛かりなチューニングが行われていた。そのイメージからタービン交換といえばとんでもないコストが掛かり、玄人だけが納得できるチューニングだと思われていた。 ◆近年は純正交換サイズのタービンが増えてきている しかし、そんな苦労をせずともモアパワーが引き出せる。それが最近増えている純正交換サイズのタービンだ。大きさは純正タービンに比べて少し大きい程度。あまり大きくなると取り付けスペースにも困ってしまうが、純正とほぼ同サイズなのでそのまま取り付けられる。それでいて内部の羽などは大きくなっているので、ブーストアップチューニングでは到底無理なピークパワーを実現するのだ。スイフトスポーツを例にするとノーマルで140ps。これがブーストアップで160~170psまで高められる。純正交換サイズのタービンで180~190psくらい。さらに大きなビックタービンで210~220psほどが狙えるのだ。 いずれも取り付けとECUのセッティングで出せるパワーなので、コストパフォーマンスが高いのが特徴。ブーストアップで約10~15万円。タービン交換では約10~15万円のECU書き換え+タービン代約20万円でトータル30~35万円ほど。それでノーマルの1.5倍のパワーが狙えるのはターボ車だけに許された特権とも言えるリーズナブルさなのだ。 気になるエンジンライフもこの程度のパワーアップであればほとんど変わらない。実際にタービン交換車でコンロッドが強度不足で折れたなどのトラブルはまず起きない。きちんとメンテナンスしておけば、ノーマルタービンと変わらないエンジンライフが期待できる。 とはいえ、オイル交換のみで50万kmや100万kmを目指す方にはオススメできない。そういったライフを期待される方はノーマルエンジンとタービンがオススメ。どこでそんなパワーを使うんだ、そんなパワーは素人には扱えないという方もノーマルのまま乗るのがオススメ。パワーアップはその扱いきれないパワーを楽しむ大人の嗜みなのだ。
リミテッド・スリップ・デフは左右のタイヤへ駆動を伝えるための装置のひとつ。使い方ひとつで乗りにくくなるので、そのイメージを持っている人も多いが、直進安定性のアップや悪路の走破性など普段乗りのメリットもある。 ◆LSDは左右タイヤの回転差を吸収する装置 クルマは曲がるときに左右のタイヤで回転差が起きる。とくにタイトなカーブを曲がったり、交差点を曲がる時は外側のタイヤはたくさん回転し、内側のタイヤの回転数は少ない。その回転差を吸収するために「デファレンシャル」が存在する。この「デファレンシャル」は左右の回転差を吸収してくれるシステムで大変画期的な装置なのだ。 しかし、デメリットが存在する。それがアクセルを踏んでいるときに片側のタイヤがスリップすると、駆動力がすべてそちらに伝わってしまうこと。サーキットではコーナーからの加速中に、荷重が抜けやすい内側タイヤがスリップしやすい。そこでタイヤが空転しだすと外側タイヤには駆動力が伝わらず失速してしまう。ダートなど悪路でも同様で左右どちらかのタイヤが滑り出すと、そちらにだけ駆動がいってしまい、失速どころかスタックしてしまうことさえある。 そこで生まれたのがLSD。リミテッド・スリップ・デフの略で左右のスリップを制限する装置だ。いくつか構造にも種類があるが、アフター品の主流は機械式と呼ばれるもので鉄板同士の摩擦で回転差を抑える方式。簡単に言えば右側タイヤから伸びた鉄板と左側タイヤから伸びた鉄板が擦れ合う仕組みになっている。擦れ合うことで左右の回転数の差を摩擦させて吸収する。タイヤがスリップし始めるとLSDを通して、反対側のタイヤに駆動力が伝わる仕組みになっている。 ほかにも純正採用されることが多いトルクセンシング式やビスカス式などがある。機能は同じだが、効果には差があり一般的に機械式がもっとも高い効果を発揮する。矛盾しているのだが左右の回転差を減らす方向に機能する。ならば、ゴーカートのように左右のタイヤを(リアのみ)1本のシャフトでつないでしまえば左右の回転差は起きないので、駆動力が抜けてしまうことがない。しかし、そうなるとタイトコーナーで回転差を吸収できないので、極めて曲がりにくくなりブレーキングしたように強く減速してしまうこともあるのだ。なのでLSDは駆動力が抜けないようにしたいが、普段の曲がりやすさはデファレンシャル並みにしたいという欲張りな要求に応えなければならない。そこでセッティングが重要になるのだ。主なセッティングは作動方式、イニシャルトルク、カム角の3つ。 作動方式は加速中に効くのか、減速中に効くのかのこと。一般的には加速中に効き、減速中は弱く効くか、効かなくすることが多い。どちらも同じように効くことを2WAYと呼び、加速中に効いて減速中に効かないものは1WAY。加速中に効いて減速中に弱く効くものを1.5WAYと呼ぶ。が、減速中に少しでも効けば2WAYと呼ぶこともあり、1.1WAYや1.4WAY、1.8WAYなどと言う人もいるが明確なルールはなく、効きのイメージを勝手に名付けているだけとも言える。イニシャルトルクは直進時など回転差のないときからどれくらい効くかをバネで調整しておくこと。カム角は回転差が起きたときにどれくらいの力で摩擦板を擦るかと決める角度のこと。 ◆サーキット以外にも効果を発揮する場面とは!? これまでLSDが使われるのが多かったのはサーキットだ。加速しようと思っても駆動がイン側タイヤに抜けてしまって加速ができないのだ。そこでタイムを出すためには必須だし、タイヤの空転を防ぐのでタイヤの摩耗を抑えられる。 しかし、近年採用が増えているのがハイエースなどのワゴン車だ。高速道路を走ると車高が高くフラフラしやすい。それがLSDを入れることで左右タイヤに起きる微妙な回転差を抑えてくれるので直進安定性がアップして走りやすくなる。また、フラフラしにくくなることで同乗者が酔いにくくなるメリットもあるという。 それから昨今のキャンプブームのその後押しをしている。不整地に入った際にそのままスタックしやすい。そこでLSDが入っているとある程度スタックしにくくなるのだ。そういったメリットからサーキット派のスポーツカーだけでなくLSDが浸透し、近年売り上げを伸ばしているという。 適切なセッティングでパーツメーカー指定のオイルを使えば、今どきのLSDでは「バキバキ」とチャタリング音がして乗りにくいことはまずない。表面処理なども進み、スムーズで乗りやすいLSDが今どきのセッティングなのだ。
ハイグリップタイヤはどんな効果!? グリップ力だけじゃない魅力とは~カスタムHOW TO~ 本格的なサーキット走行でSタイヤ並みのタイムが出せて普段乗りもできる。ハイグリップラジアルタイヤが人気。その秘密はグリップだけじゃないライフにもある。 ◆サーキットも街乗りも楽しめるタイヤ タイヤにはさまざまな種類がある。その中でもスポーツ派に人気なのがハイグリップラジアルだ。サーキット走行から普段乗りまでこなせるタイヤとして多くの人から支持されている。 ひと昔前はサーキットといえばSタイヤが主流だった。Sタイヤとはセミレーシングやセミスリックタイヤと呼ばれていて、一応公道走行も可能。だが極端に溝が少なく、雨天時の一般道の走行は決してオススメできない。走行会の日だけは家から履いてきてしまうという人もいたが、基本的に公道走行ができるタイヤではなかった。消耗も激しく、高速道路を数時間走ってサーキットまで往復するというのもちょっともったいないほどだった。 そこに現れたのがハイグリップラジアルというジャンルのタイヤ。サーキットでもそこそこのグリップ力を発揮しつつ、溝も十分にあって普段乗りもできる。ウエット路面もまったく問題なく使えて、普段から履きっぱなしでそのままサーキットを走れるタイヤとして人気を集めた。これまでサーキットに着いてからSタイヤに履き替えて、走行後はまたタイヤを戻してから帰るという手間を繰り返していた人からするとまさに天国のような存在なのだ。そういった人が減って、ハイグリップラジアルを履きっぱなしなった背景にはホイールの大径化&重量化が激しいこともある。90年代や00年代まではスポーツタイヤといっても14インチか15インチが主流。16インチとなると「お~、すげー!!」なんて言われていたが、今や純正で17や18インチが普通。19インチや20インチでサーキットを走る人もいるほどである。 そうなるとタイヤ+ホイールの重量がとんでもなく重い。18インチホイール+265/35R18サイズともなると1本当たり20kg近い重さになる。これを積み下ろしして、現地で朝晩履き替えるというのはかなりの負担になる。だからこそ、履きっぱなしで良いハイグリップラジアルが支持を伸ばしているのだ。 ◆タイムなんか気にしていない人にも ハイグリップタイヤがオススメの理由 しかし、エンジョイでサーキットを走るからハイグリップタイヤが不要という意見もある。タイムを出したいわけではないので、下手にグリップ力が高いとクルマに掛かる負担が大きいという。たしかにそういった面もあるが、そういった人にはセカンドランクのハイグリップラジアルをオススメしたい。ブリヂストンでいえば、アドレナリンRE004。横浜ゴムではアドバン・フレーバなどがそれにあたる。「グリップ力が低いほうが練習になる」と、あえてエコタイヤなどで走る人もいるがこれは微妙。たしかに繊細な操作と荷重コントロールが求められ、ドライビングに対する精度が求められる。なので、それなりにスキルがあるドライバーが運転を見つめ直す意味でローグリップなタイヤを履くのはアリ。 しかし、これからスキルアップをしようというドライバーだと、アンダーステアやオーバーステアでコースから飛び出しそうになったときに、ローグリップタイヤではグリップの回復が遅く、そのままコースアウトすることが多い。いざという時のリカバリーが効きにくいので、クラッシュや大スピンなどのリスクが高まってしまうのだ。 また、サーキットでローグリップなタイヤを履くと異常に減る。それはまさに異常摩耗。そういったシチュエーションを想定していないタイヤなので、減るというよりもゴムがちぎれて飛んでいってしまうことも多い。そうなるといくら安いローグリップタイヤでもあっという間に使い捨てになってしまいむしろコストが掛かることもある。 その点、ハイグリップラジアルはセカンドグレードでもトップグレードでも耐摩耗性は高い。極端なアンダーステアや空気圧を3.0kg/cm2以上で連続周回など、異常に負荷がかかる条件でなければサーキットを数十回楽しむことができる。 ◆レーシングラジアルという 新カテゴリーは速さと短命さを覚悟するべし 公道走行を安心してできるハイグリップタイヤでありながら、極限のタイムを求めているのがレーシングラジアルなどと呼ばれだしている新カテゴリーのタイヤだ。POTENZA RE-12DやADVAN A08Bなどがそれにあたるもの。 ...
クルマを軽くする軽量化カスタムは運動性能の向上にかなり効果的。しかし、実はもっともお金が掛かって、費用対効果の難しい部分だけにポイントをしっかり抑えて行いたい。 ◆軽さはほとんどのことに良い方向に作用する 軽量化は運動性能の底上げに直結するチューニング。軽くなれば加速が良くなり、ブレーキもよく止まるようになる。曲がるときも軽快になるし、ブレーキパッドもタイヤも減りにくくなる。サーキットでタイムを出すような走りに効くのはもちろん、一般道の走行でも燃費が良くなる。 では、軽量化をどんどんしたいところだが、これが実は難しい。自動車メーカー側でももちろん、クルマを軽くすることで燃費が良くなり、カタログ上に表記できる燃費の数値が良くなることは分かっている。そこで最近のクルマはかなり軽量に作られている。それでも昔のクルマに比べれば重くなっているが、それは衝突安全性を高めるためにボディが大きくなったり、衝撃を吸収するための構造物が増えているから。そういったボディが重くなる要素と相反する軽量化を実現するためにあらゆる部位に気を配っている。 最近のクルマでは軽量なアルミボンネットが増えている。素材を変えることによる軽量化がまず行われているのだ。例えばGRヤリスでは、ボンネットに加えて、ドアとトランクリッドまでをアルミ製にしてある。さらにルーフをC-SMCと呼ばれる炭素繊維に樹脂を含ませたカーボン素材とすることで大幅に軽量化している。そういった素材置換による軽量化がメーカー側で行われている。 カスタマイズの世界でも古くから軽量化は行われてきた。こちらでも素材置換による軽量化は定番で、カーボンボンネットなどが定番。鉄製ボンネットから交換すると10kgくらい軽くなることが多い。わずか10kgであるがボンネットはクルマの中でも比較的高い位置にあるので、ここが10kg軽くなるだけでもコーナリング時のロールが減る。意外と体感しやすい部分でもある。しかし、ボンネットがアルミ製のクルマの場合、ほとんど重量が変わらないのが正直なところ。なかなか軽量化も難しくなってきているのだ。 ちなみにカーボンボンネットでもウエットカーボンとドライカーボンがある。新品を10万円~15万円ほどで購入できるものはほぼ間違いなくウエットカーボン。このウエットカーボンはFRPとほぼ同じもので、カーボンのシートに樹脂を流し込んで固めるか、ガラス繊維のシートに樹脂を流し込んで固めるかの違い。強度や剛性にもほぼ差はなく、見た目の差がメインとなる。 対するドライカーボンはカーボンに樹脂を染み込ませたシートを高温高圧で焼くことで作るもので、レーシングカーなどに使われている。圧倒的な軽さと強さを実現できるが、ウエットカーボン製の2倍~4倍ほどの価格が一般的。こうした素材置換による軽量化がしにくくなっていることと、かなりのコストが掛かることを考えるとちょっと厳しい。 ◆手を出しやすい軽量化としてバッテリー交換がある。 バッテリーは大きさの割にすごく重い。古くからBMWでは重量バランスを最適化するためにリアトランクにバッテリーを置いていた。GRヤリスでもトランクにバッテリーが設置されている。そうでないクルマでも少しでも重量物を車体の中心に近づけたほうが運動性能への影響が小さくなるので、最近のクルマではバッテリーがエンジンルームの後方にあることが多い。とくにストラットタワーよりも車体中心に置かれていることが多いのだ。それでも軽くなれば効果はあるし、比較的簡単に軽量化できるのがバッテリーなのだ。 過去にはバッテリーサイズを小さくするチューンも流行したが、単純にそれでは容量的に不安が増す。そこで最近はドライバッテリーが増えている。ドライバッテリーは通常のバッテリーだと電解液が満たされているが、これをゲル状にしたり、シートに染み込ませることで軽量にしたもの。サイズにもよるが1/3ほどの重量になる。86/BRZでテストしたところ15kgから5kgと約10kgもの軽量化になった。 ◆シート交換で軽くなるのは現代のクルマでは難しい ほかに軽量化しやすい部分としてはシートがある。純正シートからフルバケットタイプにすると15~20kgは軽くなり、運転席と助手席の両方をフルバケにすれば40kgも軽くなるのも夢ではなかった。しかし、最近のクルマは純正シートが軽く、昔ほど効果がないことが多い。フルバケットシートにしても同等の重量だったり、セミバケットシートに交換するとむしろ重くなることさえある。 それでも電動パワースライドシートなどであれば数十kg単位での軽量化も可能なので、軽量化の手段のひとつとして検討の余地はある。
ダウンサイジング時代に復活! ブーストアップの魅力とは!?~カスタムHOW TO~ ターボエンジンだけに可能なのがブーストアップチューン。手軽でコストを抑えて最大限のリターンを得られるブーストアップはコストパフォーマンス最高のチューニングなのだ。 ◆エンジンに空気を押し込むブースト圧を上げる ターボエンジンは排気ガスの勢いでプロペラを回し、その回転力でエンジンにプロペラで空気を押し込む。排気ガスの勢いという自然吸気エンジンなら排出するだけのエネルギーを活用する画期的システムなのだ。難しくいうとエネルギーを回収するとか言われるが、簡単に言えば排気ガスの勢いでエンジンに新しい空気を送り込むわけである。そのときにどれだけの圧力で押し込むかがブースト圧と呼ばれる数値のこと。より強い力で押し込めば燃焼室内にはたくさんの空気が入り、その分ガソリンをたくさん噴射できるので強い爆発力を得られるのだ。 ならばどんどんブースト圧を上げればそれだけパワーが出せるのだが、そうもいかない。強い力で空気を圧縮すると空気は熱を持つ。どんどん空気の温度が上がってしまうので、燃焼室に入って圧縮する前にガソリンが発火してしまう。これがいわゆるノッキングと言われるもので、ピストンがしっかりと上死点に来る前に爆発してしまう異常燃焼のこと。エンジンには多大なダメージを与え、ピストンが溶けたりしてしまう。 最近のエンジンではノックセンサーが付いているので、素早くノッキングを察知してリタードする。意図的にパワーダウンさせることでエンジンは壊れなくなったが、リタードすればどんどんパワーダウンして遅くなっていってしまう。そこでノーマルの状態ではブースト圧が0.6kg/cm2とか0.8kg/cm2とか、控えめな数値に設定されていた。 ◆ブースト圧を上げるのがブーストアップ とはいえ、ブースト圧はかなりマージンを持って設定されている。それはパワー的な面でもそうで、これまでのチューニング界の実績と常識からいうと、純正比1.5倍のパワーまでは大丈夫。2倍となるとエンジン自体の強度が不足してくる車種が出てくる。というのが定説だ。 また、余裕という面では使い方もそうだ。国内仕様といっても猛暑の40度を超える渋滞から、-20度を下回る極寒の北海道までに対応できるように設定されている。そういったオールマイティな条件を考慮しているのが純正のブースト圧であり、パワー&トルク。 たとえば、関東に住んでいてある程度使用条件が限られるユーザーであれば、もう少しブースト圧を上げてもとくに問題は起きない。ならば問題のない範囲でブースト圧をあげようというのがブーストアップなのである。実際、ブースト圧は10~20%ほどアップさせるのが定石。パワーも10~15%ほど上がることが多く、NA車のECUチューンに比べて、その効果は大きく誰でも体感で絶対にわかるほどの違いが出る。 ◆ECU書き換えなら10~15万円ほどでブーストアップできる ECUチューンでブースト圧アップとそれに対応した燃料や点火のマップに入れ替えるのが一般的。そうなるとコストは10~15万円ほど。実際にショップで1台ずつの個体差に合わせて、データを合わせ込む「現車合わせ」を行っても20万円ほどが目安となる。 そこにブーストコントローラーを組み合わせることもある。これがあると、手元でローブーストとハイブーストの切り替えができる。普段はブースト控えめで、たまのサーキットはハイブーストで楽しむなんてこともできる。 ZC33Sスイフトスポーツなどはブースト圧の制御方式がこれまでと異なっているので、ブーストコントローラーが取り付けできないこともある。そういった場合はECU内で設定したブースト圧で楽しむことになる。 ◆直噴エンジンはブースト圧を上げやすい!! 近年増えているのが、燃料をインテークではなく直接燃焼室に噴く直噴エンジン。これまでの問題だったノッキングは混合気を圧縮していく途中で早期着火していたのが原因だが、直噴ならそれが解消できる。ピストンが上死点に来るまでただ空気を圧縮し、そこにガソリンを噴くのでノッキングが起きにくい。だからこそ、これまで以上にブースト圧を高くできる。 ノーマルでもこれまでのターボエンジンよりも20~30%ほどブースト圧が高く設定され、その分だけ小排気量で大きな出力を発揮できる。これがいわゆる直噴ダウンサイジングターボエンジンの特徴だ。 そして、そのブースト圧もまた高めやすい。直噴ゆえに結構上げることができる。例えばスイフトスポーツなら瞬間的に1.6kg/cm2近く掛け、1.2kg/cm2付近で安定させてもエンジン的なダメージはない。ひと昔前のレース用エンジンのようなブースト圧なのである。そこまでのパワーはないが、それでも効率よくパワーを出せて楽しめるオススメチューンがブーストアップなのだ。
ECUгЃЁгЃЇг‚Ёгѓіг‚ёгѓігѓ»г‚ігѓігѓ€гѓгѓјгѓ«гѓ»гѓ¦гѓ‹гѓѓгѓ€гЃ®гЃ“гЃЁгЂ‚гЃ“гЃ®дёиє«гЃ®гѓ‡гѓјг‚їг‚’ж›ёгЃЌжЏ›гЃ€г‚‹гЃ®гЃЊECUгѓЃгѓҐгѓјгѓігЃ§гЂЃзЏѕд»ЈгЃ®г‚Їгѓ«гѓћг‚’йЂџгЃЏд№—г‚Љг‚„гЃ™гЃЏгЃ™г‚‹гЃ«гЃЇеї…й €гЃ®гѓЃгѓҐгѓјгѓігЃЁгЃЄгЃЈгЃ¦гЃ„г‚‹гЂ‚г‚Ёгѓіг‚ёгѓігЃ®еЇїе‘ЅгЃЊгѓ€гѓ¬гѓјгѓ‰г‚Єгѓ•гЃ«гЃЄг‚‹гЃ®г‚‚йЃЋеЋ»гЃ®и©±гЃ ◆ECUチューンこそが現代チューンの真髄 エンジンは吸い込む吸気の量、吸気温度、アクセルの量から推測するドライバーの欲しがっているパワーなどに応じて、ECU内で計算。スロットルバルブをモーターで開き、バルブが開くタイミングを調整し、適度な量のガソリンを噴射して、最適な点火時期にプラグに電気を流して着火している。それらすべてはECUに設定されたマップによって決められている。昔はエンジン回転数とアクセルの量によるマップがあり、その中に設定されたガソリンの噴射量をインジェクターから噴射していた。現在でもそういったマップがあるにはあるが、外気温が高い時、低い時とか、負荷が強く掛かっているときとか、さまざまな条件で読むマップが変わるようになっていて、その数は軽く数百マップあるという。 さらにトルクが出過ぎでクルマが壊れないように細かく制限を掛けるための「リクエストトルクマップ」なるものもあり、いくらチューニングしてもその数値を上げておかないとパワーが出すぎと判断して、車両側で自動的に絞られてしまう。しかし、むやみに上限値を上げておくと、本当になにかトラブルが起きた時にエンジン保護をできなくなってしまうので、エンジンが物理的に壊れてしまう。そういった速度リミッターやエンジン回転リミッターのほかにも、さまざまな制限が掛けられている。ECUの内部にはそういったデータが入っているが、もちろんそれを書き換えられないようになっている。そこでそのECU内部にアクセスして、パワーアップするための領域を書き換えるというのがECUチューンなのだ。 ◆そもそも解析とはなんなのか そこで出てくるのが解析という言葉だ。内部データはびっしりと数字が並んでいる。その数字のどこからどこが点火のマップ、どこが燃料噴射量のマップで、どこがリミッターになっているかというのを探し出すことを解析するという。この解析は大変な作業で、古くはチューナーが何ヶ月も試行錯誤してきた。過去にエンジンデータを触ってきた勘から、こういった数字の推移は点火マップに違いない!ならば、書き換えて測定してみよう=パワーチェックするとどうにも変化がないので、違う領域だったのかなぁ、という膨大な作業の繰り返しで解析がされていた。 最近ではマップが複雑すぎて、そういったコツコツとした解析は厳しく、国内はもちろん、海外の解析業者がそのデータを読み解き、その辺りがどういったマップかを示した定義ファイルというものを販売するようになった。同じ車種でもこの解析のやり方によって若干異なり、A社の定義ファイルだと回転リミッターの場所が不明なので回転リミットは変更できないが、B社の定義ファイルにはそこが記されているので回転リミッターを解除できた、ということもある。 ◆セッティングと解析は別の話 どこそこのチューナーは自社で解析しているので速い。なんて昔は言われたものだが実はほぼ関係がない。たしかに、解析によって多くの内部データを読み解いたほうが、より幅広いセッティングができる。しかし、だからといってその解析できる業者が速いマップを作れるわけではない。解析した領域を元に、どれだけ乗りやすく、壊さずにパワーを出すかは、未だにチューニングショップのスキルに掛かっている。どれだけガソリンを噴いて、点火時期とバルブタイミングをどうして、どんなパワーの出し方をしようかというのはソフトを使う側の問題。解析はいわばパソコンメーカーのようなものでハードを作る側なので、ハードが作れるからといって最適なソフトが作れるわけではないのだ。チューナーは試行錯誤しながら、最適なパワーとトルクが出せるデータを作っていく。キャブレターの時代は高回転での伸びを重視して、いかにギリギリまで燃料を絞って空燃比を薄くするかという流れがあり、それゆえに詰めたエンジンセッティングはブローと紙一重だった。 しかし、現在はまったく違う。燃費問題などによってリミットが掛けられている部分をいかに開放してあげるかが大切で、現代のECUチューンでエンジンの寿命が縮むというのは迷信。少なくともきちんとした技術を持つ有名チューナーでECUチューンを行った場合、10万キロや20万キロでECUチューンによる負荷によってエンジンが壊れるということはないので、安心して楽しんでもらいたいがそのチューナーが本物かを見極める眼がユーザー側にも要求されるようになっている。
スポーツラジアルタイヤはここ10年でもっとも進化し、その栄枯盛衰も激しいカテゴリー。どんな用途にはどんなスポーツタイヤを履けば楽しめるのか、最新カテゴリー分けを解説。 ◆昔はラジアルとSタイヤだった スポーツタイヤといえば、10年ほど前までは大きく分けて2つのカテゴリーに分かれていた。それがスポーツラジアルタイヤとSタイヤだ。スポーツラジアルタイヤはその名の通り、普通のタイヤでグリップの高さが特徴。普段乗りから使えて、そこそこグリップも高い。当時で言えばPOTENZA RE-01Rとか、ADVAN Neova AD07などがそのカテゴリー。さらにグリップを追求したSタイヤというものもある。ADVAN A048などがそれに当たるもので、現在でもADVAN A050が販売されている。 SタイヤのSはセミレーシングの頭文字だとか諸説あるが、とにかくグリップに特化したタイヤ。溝も最小限しか存在しないが、一応公道走行可能なので普段から履くこともできる。履いてもうるさいし、燃費も悪い、本格的な雨では滑りやすくあまり良いことはないが、サーキット走行会の日だけ家から履いていくということは可能。レースなどで使われるスリックタイヤは公道走行は禁止。家から履いていけるだけSタイヤは使い勝手が良いのだ。多くの人は現地で履き替えているが、ロードスターやS2000、フェアレディZなどそれが叶わない人もいて、そういった人には公道走行可能というのは魅力でもある。 そして、長らく主にこの2カテゴリーのタイヤが存在していたが、その間とも言えるタイヤが生まれて、その構図が大きく変わってきたのだ。 ◆レーシングラジアルなのか、中間カテゴリーの誕生 近年、そのラジアルとSタイヤの中間的な存在のタイヤが増えている。呼び名はいくつかあるが、レーシングラジアルと呼ばれるカテゴリーだ。代表的なものがADVAN A052やPOTENZA RE-12Dといったモデル。新品時のグリップ力はひと世代前のSタイヤに匹敵するほど。それほどのグリップを持ちながら、耐摩耗性はそこそこあり、サーキット走行会なら1回あたり20分×2回くらいなら5~6回は使えるイメージ。大排気量大パワー車ではそうもいかないが、Sタイヤよりは長持ち。 もちろん公道走行も可能。普段乗りはSタイヤよりは遥かに快適。ステアリングインフォメーションを重視しているので、普通のラジアルタイヤよりも溝がもともと浅い。なので、荒天時の走行には不向きだが、そういった場面さえ気をつければ、普通に雨でも晴れでも使えるし、高速道路を走ってもそれほどうるさくはない。そのへんを走って減ってしまうほどでもない。 この中間的なカテゴリーが生まれたことでややこしくなっているのも事実。正直スポーツラジアルほどの耐摩耗性はない。普段乗りから何万キロも使えるほどではないのだ。しかし、サーキット数回でツルツルになってしまうほどのSタイヤのような減り方でもない。Sタイヤには勝てないが、スポーツラジアルには圧倒的なアドバンテージを持つのだ。 ◆では、どんな使い方でどれを選べばいい!? サーキットで究極のタイムを求めるならSタイヤの一択だ。スリックタイヤは一般に購入するには扱いも少なく、サイズも特殊なので結構ハードルが高い。また、スーパー耐久シリーズで使われているような耐久レース向けスリックタイヤだと、意外と対してグリップが高くない場合もある。総合的にはSタイヤを選ぶのがベストなチョイスだろう。走行会を楽しむなら、オススメはスポーツラジアルだ。DIREZZA ZlllやPOTENZA RE-71RS、ADVAN ...
ATFのメンテ&カスタムしてますか!?~カスタムHOW TO~ オートマチックフルードは10万km無交換などで交換しないことが多いが、オイルは確実に劣化していく。最新の全量交換ならスラッジも含めてリフレッシュが可能だ。 ◆ATFは無交換で良いと言うけれども…… オートマチックトランスミッションのオイル(フルード)は多くの場合、10万km無交換など、ほぼノーメンテナンスで使える、ことになっている。たしかに使えるが、オイルなので徐々に劣化する。とくに新車時はスラッジが発生するので、オイルは汚れやすい。フィルターやマグネットで鉄粉や異物は一応除去しているが、抜いてみると真っ黒になったオイルが出てくるのが普通。オイルが黒いだけならいいが、その性能をスポイルしているのも事実。オイル交換をすると確実にシフトショックが少なくなり、伝達性能も上がってクルマは速くなり、走りやすくなる。燃費もよくなる。そして、壊れにくくなるとメリットしかないのだ。 しかし、交換が大変なのがATFの特徴。オートマチックミッションはいわゆるマニュアルミッションのように、釜の中にオイルが溜まっていて、そこにギアが浸かっている構造とは異なる。オイルパンのほかに、迷路のような複雑な油路が多数存在して、そこをオイルが満たしている。なので、オイルパンのオイルを抜いても全量の半分ほどしか抜けないのである。 そこでATF交換ではオイルを抜いて、抜けた分を補充してしばらくエンジンを掛けてオイルを回し、またオイルを抜いて、新油を入れてエンジンを掛けてオイルを回しを繰り返して、徐々に交換していく。複数回繰り返すことでほぼ新油に交換することができる。逆に言えば、すべてのオイルを交換することは構造的に難しいのだ。 ◆オイル交換時にスラッジが舞うという意見もある この交換時にオイルを抜いて、上からオイルを足していく。このオイルを足した時にオイルパンの中に堆積した汚れ(スラッジ)が舞い上がってしまい、それが油路に流れていって不具合を起こすことがあるという。そういったことがあるので、過走行車ではATFは交換しないほうが良いという意見もある。10万km近く走ったクルマでは、ATF交換作業を見送る整備工場も少なくない。とりあえず動いているならトラブルが起きるよりはいいので、そのまま乗りましょうという判断だ。 それによってトラブルが起きてしまっては確かに損である。だが、それほどまでに汚れてしまったオイルほど交換したいわけで、効果も大きいだろう。そこで最近増えているのが圧送による全量交換作業だ。これはオートマチックの油圧ラインの途中に機械を割り込ませることで、その交換専用機械から新油を送る。エンジンを止めた状態で油路の中に新油を送り、古いオイルはその機械に回収されていく。圧力でオイルを送り込むことで、理論的に全量交換が可能なのだ。 そして、ある程度圧送交換して、すべてが新油になったら、今度は圧送してATから出てきたオイルを回収して循環させる。回収したオイルをしばらく圧送し、フィルターを通して循環させていくのだ。これを行うことで。油路に残ったスラッジなどを時間を掛けてフィルターで回収する。全量交換に加えて、内部をすすぐようなイメージでスラッジを回収してトラブルを防ぎつつ、オイル交換ができるのだ。このシステムは「トルコン太郎」と呼ばれる機械で行われることが多く、そういったATのメンテナンスを推奨するショップが増えてきているのだ。 ◆ATFにもチューニングオイルも存在する 基本、オイル交換には純正オイルを使う。ATFは細かく指定されていて、適合しないオイルを使うと不具合が起きることもあるのだ。しかし、そういった適合を取得した上で、カスタマイズされたATFも存在する。たとえば、伝達力がアップしたものでは、加速性能がダイレクトになって加速がよくなるなど、そういったスポーツATFもある。使い方にマッチしたオイルにすることで、その特性を変化させることもできる。そういったチューニングも可能になってきている。今や、ATだからといってスポーツ走行できない時代ではなく、2ペダルでも十分にスポーツできる。ならば、チューニングで使う用途に合わせ込むのは当然のことである。そういったカスタマイズも可能になっているのだ。