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人気急上昇「中国製ロボット掃除機」って実際どうなの? 定番「ルンバ」と比べてみた【専門家が解説】

人気急上昇「中国製ロボット掃除機」って実際どうなの? 定番「ルンバ」と比べてみた【専門家が解説】

ロボット掃除機市場はここ数年で大きく様変わりしています。価格が10万円を超えるような中国メーカー製のロボット掃除機の人気が急上昇しているのです。注目を集める中国製のロボット掃除機はどのような特徴や魅力があるのか、詳しく紹介します。

ロボット掃除機の人気メーカーといえば、ロボット掃除機の“代名詞”ともいえる、アメリカ・アイロボットの「ルンバ」シリーズでしょう。しかし、最近ではECOVACS(エコバックス)やRoborock(ロボロック)、Anker(アンカー)、SwitchBot(スイッチボット)、Dreame(ドリーミー)、Narwal(ナーワル)など、中国メーカーの注目度が高まっています。

2024年3月には、ロボロックがロボット掃除機の世界シェア1位になったことを発表。多くの人口を抱える中国市場が巨大というのもあるのでしょうが、それを差し引いても、無視できないどころか要注目の存在になっているのです。

高い人気を集める中国メーカーのロボット掃除機には、どのような特徴や魅力があるのでしょうか。その実力を詳しく紹介していきます。

吸引だけでなく水拭き掃除も可能な「2in1」が当たり前

人気急上昇「中国製ロボット掃除機」って実際どうなの? 定番「ルンバ」と比べてみた【専門家が解説】

2017年には既に「2in1」タイプを発表していたエコバックス(画像はX2 Omni)

国内で人気のアイロボットは、吸引掃除ができる「ルンバ」シリーズと水拭き掃除ができる「ブラーバ」シリーズの2シリーズをラインアップ。2022年11月に吸引掃除と水拭き掃除ができる「2in1」タイプの「ルンバコンボ」シリーズを発売するまでは、「吸引専用」と「水拭き専用」のモデルのみでした。

一方、中国メーカーではエコバックスが2in1ロボット掃除機を2017年にすでに発売していたほか、最近では2in1タイプが当たり前になっている状況。また、元々は吸引掃除と水拭き掃除を同時に行えるモデルはありませんでしたが、現在は吸引掃除と水拭き掃除を同時に行えるモデルも増えており、より手軽に吸引&水拭き掃除ができるようになっています。

自動ゴミ収集、水拭きモップの自動洗浄&乾燥機能付きの「全部入り」モデルも!

最近、価格比較サイトや家電量販店で人気になっているのが、何から何まで自動で行ってくれる“全部入り”モデルです。最近のロボット掃除機のトレンドとして注目なのが「自動ゴミ収集ステーション」と「水拭きモップの自動洗浄&乾燥機能」で、全部入りというのはこの2つを搭載するモデルのことを指します。

自動ゴミ収集ステーションとは、ロボット掃除機本体のダストケースから自動ゴミ収集ステーションにゴミを収集することで、ゴミ捨ての手間を省けるというものです。紙パックがいっぱいになったら紙パックを捨てるだけでいいので、数カ月はゴミ捨てを気にする必要がありません。

水拭きモップの自動洗浄&乾燥機能というのは、水拭きモップを清水タンクのきれいな水で自動的に洗浄し、送風もしくは温風による乾燥まで自動的に行ってくれる機能です。洗浄時に汚れた水は汚水タンクに入るので、メンテナンスは清水タンクへの給水と汚水タンクの排水・洗浄だけで済みます。

どちらも腰をかがめてダストケースを取り外したり、汚れた水拭きモップを触ったりしなくて済むので、まさに“全部入り”といった感じです。

アイロボットの最新2in1モデル「ルンバコンボ j9+」の場合、自動ゴミ収集とモップへの給水を自動で行ってくれますが、モップの自動洗浄&乾燥機能はありません。このあたりに関しても、中国メーカーがリードしています。

じゅうたん上でモップを持ち上げる「モップリフト」はルンバに軍配?

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モップを約1.5センチリフトアップするエコバックス「DEEBOT X2 OMNI」のモップリフト機能(画像出典:プレスリリースより)

最近のロボット掃除機のほとんどは、カメラかレーザーセンサーを使って部屋の間取りや家具の位置を検知し、自分の位置を把握しながら最短距離で部屋中をくまなく掃除するナビゲーション機能を搭載しています。このナビゲーション機能によって、特定の部屋だけを掃除するといった使い方もできます。

こういった機能の中でも、2in1タイプで特に注目したいのが「モップリフト」機能です。これは床の種類を検知して、じゅうたんやラグの上を通る場合には水拭きモップを上に持ち上げるというもの。これにより、モップでじゅうたんやラグを汚さずに済みます。

畳ではモップリフトしてくれない場合もありますが、ナビゲーション機能で「進入禁止」もしくは「水拭き禁止」に設定することで回避することが可能です。

中国メーカーのモップリフト機能はモップを1~1.5センチ程度持ち上げるものなので、毛足の長いじゅうたんやラグの場合は少し濡れてしまう危険性があります。その点、アイロボットの「ルンバコンボ」シリーズはモップパッドを本体上部に格納するので、じゅうたんやラグが濡れる危険性が全くありません。

高いじゅうたんやラグを使っていて絶対に濡らしたくないのであれば、「ルンバコンボ」シリーズの方が安心できそうです。

カメラを搭載するモデルなら衝突回避機能や見守り機能も

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カメラ映像から障害物の種類を分析して賢く回避する障害物回避機能(画像出典:プレスリリースより)

ナビゲーション機能を搭載するモデルは、カメラもしくはレーザーセンサーを搭載しています(両方を搭載するモデルもあります)。カメラを搭載するモデルの中には、AI(人工知能)で映像を分析し、障害物の種類を認識して回避する機能を搭載するモデルもあります。

カメラを搭載しないモデルでも、センサーで障害物を検知して衝突を回避する機能を搭載するモデルはありますが、カメラの場合、ペットの糞など絶対に衝突してほしくない障害物を避けてくれるのが魅力です。

障害物を見分ける機能は、中国メーカーの製品のみならず、アイロボットが2022年に発売した「ルンバj7」シリーズ以降の上位モデルにも搭載しています。ペットを飼っている家庭ではかなり助けになる機能でしょう。

さらに注目したいのが、本体前面に搭載するカメラを「見守りカメラ」として使う機能です。一般的な見守りカメラの場合、設置した場所でカメラの角度を変えることはできるものの、カメラそのものを動かすことはできません。

しかしロボット掃除機の見守りカメラ機能の場合、スマホアプリで見たい場所までロボット掃除機を動かしてカメラで見ることが可能です。

アイロボットのルンバシリーズはカメラを搭載するモデルでもこの機能は利用できません。監視カメラ的な使い方もできるため、あえて搭載していないのでしょう。ただ、留守中のペットの様子を確認するという用途にはぴったりの機能です。

吸引力の公表も中国メーカーの特徴

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中国メーカーのロボット掃除機の多くは吸引力の数値を公開しています(画像出典:プレスリリースより)

キャニスター型掃除機の時代は、掃除機の吸引力を「W(ワット)」で表示していましたが、コードレスになると表示されなくなりました。しかしロボット掃除機の場合、中国メーカーは吸引力を「Pa(パスカル)」で表示する製品が多くあります。

吸引口の構造や位置、ブラシやサイドブラシの性能など、吸引力の数字以外にも性能差が出るものはあるため、数字が大きければ掃除性能が高いと言い切れるものではありません。しかし2500パスカルと7500パスカルを比較すると3倍にもなるので、より頼もしいのは間違いないでしょう。製品選びをする上で参考にしてみてください。

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