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“クルマを楽しむ”がコンセプトの「東京オートサロン2024」で見つけた欲しくなる1台は

“クルマを楽しむ”がコンセプトの「東京オートサロン2024」で見つけた欲しくなる1台は

“クルマを楽しむ”がコンセプトの「東京オートサロン2024」で見つけた欲しくなる1台は

日本でもっとも高い集客力を誇る自動車ショー「東京オートサロン2024」が、2024年1月12日から14日にかけて幕張メッセで開催されました。

毎年この時期を心待ちにしているというクルマ好きが多いだけあって、24年も大盛況。日本車、輸入車、モータースポーツ、チューニングカー、パーツ、それに美女(と美男)を取り巻く観客で立錐の余地がないほどでした。

“クルマを楽しむ”がコンセプトの「東京オートサロン2024」で見つけた欲しくなる1台は

オートサロンが普通の自動車ショーと一線を画しているのは、モータースポーツをはじめ、クルマを楽しもうというコンセプトを展示車の核にしているところでしょう。トヨタはガズーレーシングとして出展するし、ほかのメーカーも同様です。

一方で、クルマを飾り立てる、いわゆるドレスアップ系の展示も源をたどれば、もともとはシルエットフォーミュラとよばれるレース車両がイメージソースだったりします。

広い会場を歩いていると“これはすごい”と思わず声が出てしまうような、大胆なコンセプトの出展車があったり、屋外ではモータースポーツ参戦車のデモランもあったりして、クルマ好きにとっては宝島であります。

ここでは、膨大な数の展示車の中から、とりわけおもしろいと感じられたモデルを紹介しましょう。

“クルマを楽しむ”がコンセプトの「東京オートサロン2024」で見つけた欲しくなる1台は

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■トヨタ/センチュリーGRMN

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2023年に追加発表されたクロスオーバー型センチュリーには驚かされましたが、さらに驚きに輪をかけたのがこのモデル。「MORIZO Garage」として、モリゾウことトヨタ自動車の豊田章男会長が愛するクルマの1台としてお披露目されました。

どこがすごいかって、ノーマルのセンチュリーのボディ剛性を上げるとともに、出力特性を上げ、かつサスペンションシステムをチューニングすることで走りを追求している点。ボディ剛性の高さはトヨタとレクサス合わせても一番だとか。

「時速150kmでレーンチェンジしても、姿勢はフラットのままですよ」。開発を指揮したトヨタ自動車の田中義和主査は、胸を張るように教えてくれました。

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いっぽうで、後席の快適性も重視。静粛性と乗り心地をうんと高めるとともに、後席用のドアには、コースターのようなバンで採用しているグライドドアと同じ機構を設計して採用。通常のスライドドアより乗降製が高くなっているそうです。

センチュリーに通暁(つうぎょう)したセンチュリーマイスターがいる販売店でオーダーを受け付ける計画が進行中といいます。価格はオーダーの内容次第となるでしょう。

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■スズキ/スーパーキャリー・マウンテントレイル

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スズキの隠れたヒット商品、スーパーキャリー(リミテッドX)をベースに、遊び心でデザインした参考出品車。

軽トラックのキャリーをベースに広いキャビンで一般にも使いやすい仕様に仕立てたのがスーパーキャリイ。モノ好きの心をくすぐるモデルでもあります。

車高が上げられるとともに、太い鋼管で組んだロールケージが車体を守っています。ドアもパイプ。インテリアをのぞくと、防塵仕様のJBLポータブルスピーカーやタブレットが装着されています。取り外し可能なので、自然のなかでも音楽を楽しめるのでは、という設定ですね。

あいにく市販予定はないとのこと。このクルマを参考に、自分で仕上げるのも楽しそうではないですか。

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■日産/Xトレイルクローラーコンセプト

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SUVのXトレイルをベースに「かつてのXトレイルのようにオフロード感を高めたらどうだろう」(日産自動車の企画担当者)という発想で仕上げられた参考出品車。

エクステリアは、北米で大人気のロッククローリングのイメージを盛り込んでいて、上げられた車高に、大径のブロックタイヤが目をひきます。市販したらヒットになりそう。

車体色も個性的です。前半分はマットなピンク系。後ろに回ると、マットなネオングリーンの組み合わせです。前後のトウバーも色が変えてあると細部まで凝っています。ピンクとグリーンって、自動車ではまず使わない組み合わせとのことですが「やってみたら大成功でした」と日産のデザイナー。ですね。

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■マツダ/マツダスピリットレーシングRSコンセプト

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街中からサーキットまで楽しく走れる、がコンセプトだそう。スーパー耐久レース活動を通して培った足回りやエアロボディを持ち、それでいて品よく仕上がっているのはマツダならでは。

スポーティな走りにはなにより軽量化が重要とするマツダでは、エンジンも1.5リッターにこだわってきました。しかし今回のロードスターには新開発の2リッターエンジンが用意されるそう。

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内装をのぞいても、いかにも軽そうなフルバケットシートなど、操縦してみたいと強く想わせる説得力が感じられます。「市販化のためにまだまだやることがあります」(マツダスピリットレーシング前田育男代表)とのことですが、がんばって、と応援したくなるモデルです。

マツダはこれからクラブレースなどにも力を入れていくとのこと。同時に、CO2を出さないカーボンニュートラルの代替燃料のパワートレイン開発の手をゆるめない、と毛籠勝弘代表取締役兼CEOは、記者会見の場で発言。やっぱり、がんばれ、です。

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■スバル/WRX S4 STI Sport#

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モータースポーツに力を入れるSUBARUは、ブースもかなりスポーティ。ニュルブルクリンク24時間レース参戦予定のWRX NBRチャレンジ2024(写真左後方)とともに置かれたWRX S4 STI Sport#(スポーツシャープ)が目を惹きました。

WRX S4 Sport R-EXをベースにしたスポーツモデルで、内容は凝っています。開発責任者を務めたスバルテクニカインターナショナル(STI)の高津益夫開発副本部長は、「フレキシブルパフォーマンスホイール」採用を強調。

BBS製鍛造ホイールで、このSport#専用設計。リム形状が前後で異なるのが特徴です。「フロントは内輪の設置面積最適化、リアは横グリップ力を向上させコーナーからの立ち上がりを早くする働きをもたせています」と言います。

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加えて、フレキシブルドロータワーバーや、フレキシブルドロースティフナーなど、装備がおごられています。

エンジンは、2.4リッター水平対向ターボ。最高出力は202kW、最大トルク375Nm。ベースモデルと同一です。8段のマニュアルモード付きスバルパフォーマンストランスミッションと、AWDシステムも搭載しています。

モノグレードで、623万7000円。限定500台の販売です。24年1月12日から28日のあいだに、抽選エントリーを受け付けるそうです。

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■三菱/トライトン

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三菱自動車のブースは、テレビのスポット広告でかわいいデリ丸。が目をひく「シャモニースノーギア」仕様のデリカミニやデリカD:5が置かれるとともに、ディスプレイでウインタースポーツ的な楽しさを強調していました。

最大の目玉は24年2月に日本で発売されるトライトン。ダブルクルーキャブ(4ドアで2列シートのキャビン)のピックアップです。高い機能性で、1978年のデビュー以来、世界の約150カ国で愛されてきているモデルであります。

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力強さとともに洗練性を感じさせるフロントマスクを持ち、エンジンは2.4リッターのターボディーゼル。スーパーセレクト4WD-Ⅱ、7つのドライブモード、アクティブヨーコントロールなど、三菱らしい先進技術搭載です。「トライトン・スノーシュレッダーコンセプト」(写真上)という提案もかなり魅力的。

価格は498万800円から。1ナンバー仕様となります。トヨタのハイラックスと真っ向勝負になりそうです。日本でもこんなピックアップが増えてくるのはおもしろいことで健闘を祈ります。

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■トヨタ/ランクルBASEカスタム「ブラッククルーザー70」

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“クルマを楽しむ”がコンセプトの「東京オートサロン2024」で見つけた欲しくなる1台は

東京オートサロン2024に出展したランクル40×70の完成形、といいうのが謳い文句。マットブラック塗装がかなり似合っています。

ユニークなのは、ランクル70の海外仕様純正部品を組み込んでいること。「海外仕様を見かけて同じパーツが欲しいというお客さまもけっこういらっしゃっるので、海外への出荷前に、パーツを日本で販売できれば入手も容易になるし価格も抑えられるのでは、と社内で話しています」(トヨタ車体の企画担当者)

あいにくこのままの形での販売はすぐに考えてはいないそうですが、ランクルBASE(ランクルの製造を手がけるトヨタ車体が愛知県に持つランクル専門店)のブースには、需要の高いメッキバンパー、ウインチ、スノーケル、アルミホイールなど「年央に販売を検討している」ランクル70の海外仕様の純正部品も展示されていました。

ちなみに先に触れたランクル40×70とは、23年のショーでお披露目されたレストアモデルで、70のシャシーに、40のボディを載せた仕様です。あいにく「高すぎる価格がつきそうなので」(担当者)いまのところ販売実績はないそうです。

* * *

なにはともあれ、ブースには、関東一円(とアジア諸国)から熱心なファンが訪れており、なんとも楽しい雰囲気でした。

<文/小川フミオ>

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オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

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