3月2日に群馬県前橋市で開催されたUPDATE EARTH 2024では、会場周辺にEVバス「eCOM」が運行していた。それがこんな黄色くて可愛いヤツだった!
前橋で開催されたUPDATE EARTH 2024では会場周辺に黄色くて可愛いEVバスが運行されていた
▼ホイール内にモーターを搭載 最高速度は19km/h
▼4輪、8輪、10輪のタイプが用意されている
この電気で動くバスを開発したのは、群馬県桐生市の企業、株式会社シンクトゥギャザー。今回はUPDATE EARTHからの依頼で、タイプの異なる複数のeCOMを運行させた。
eCOMはタイヤのホイール内にモーターを搭載した、いわゆる「インホイールモーター」の電動バス。最高速度は19km/hで、ゆっくり低速で走行するのが特徴。かわいい見た目と鮮やかな黄色いボディーが目を引き、イベント参加者のみならず、一般市民の歩行者からも注目を集めていた。
会場周辺の移動用として運行されていた。子供たちも大喜び
2007年に創業したシンクトゥギャザーは、これまでに52台の低速EVバスを製造してきた実績を持つ。eCOMシリーズは「eCOM-4」「eCOM-8」「eCOM-10」と名付けられており、数字は車輪の数を表している。車輪の数はモーターの数とイコールなので、多ければ多いほどハイパワーとなる。そのぶん車体サイズを大きくでき、搭乗人数を増やせるのだ。
どのeCOMにも共通して言える特徴は、車体側面の窓がないところ。乗車した感覚は、一般的な路線バスというよりも、テーマパーク内の乗り物のほうが近い。この開放感たっぷりの車体デザインを採用しているため、今までの納車先は観光地が多いそうだ。北は北海道、南は宮崎まで全国各地で愛用されているという。
こちらは8輪の「eCOM-8」
株式会社シンクトゥギャザー代表取締役社長の宗村正弘氏
▼こだわったのはインテリア!
▼向かい合わせシートで旅が楽しくなる車内レイアウト
さらに宗村氏にeCOMのこだわりについて聞いたところ、「すべて対座シートを採用しているデザイン」とのことだ。このレイアウトの利点は、偶然乗り合わせた旅人同士がコミュニケーションを取れる点にある。旅先で観光客たちが情報交換をしたり、新たな出会いが誕生したり、観光地を周遊するバスに適している。
向かい合わせのベンチシートとなっている
eCOM-8は進行方向には横向きのロングシート
そして車体開発の苦労について宗村氏は、「創業当初は、車検の取得に苦労しました」と語った。しかし、宗村氏は自動車メーカーに勤務していた経歴を持っており、いままで培ってきた経験と知識で電動バスeCOMを開発し、現在に至っているそうだ。
現在eCOMシリーズは、4輪から10輪までラインナップしている。シンクトゥギャザーは、今後もクライアントの要望に応じて最適なEVバスを開発していく。
運転席の様子
開放感があって楽しい乗り物だ!
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