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電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

 新車を買った情報2024、私は四本淑三です。我が家の積雪深も先週ついに0となりました。MTBのタイヤもスパイクから夏タイヤ(?)に履き替えまして、冬の間に傷んだ舗装路の補修が進めば本格的ロードシーズン到来であります。

 今回の話題の中心といたしますのは電動コンポとサイクルコンピュータの連携。シマノの電動コンポは「D-FLY」と呼ばれる無線コントロール信号を持っておりまして、そのトリガーをシフトスイッチに割り当てることでサイコンを操作できます。

 使い勝手としては、自動車のステアリングホイールのスポーク部分に並んでいるサテライトスイッチのようなもの。ハンドルから手を離す必要がなく、目線の移動を極力避けながら操作できるという点で、安全面でのメリットもあります。

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

 そして、サイコン側からもDi2のシフトモード設定やバッテリーチェックができるようになり、そのためにスマホとリアディレイラーをペアリングする必要がなくなります。

 その使い勝手を試してみようというわけで、手持ちのガーミン「Edge 540」とシマノ「105 Di2」を接続して使っているのですが、これが快適。ライト類も手元で操作できるようになるので、自転車電装系の未来を垣間見た気になれてさぞ楽しかろうとガジェット好きとしては夢想はするのですが、ガーミン純正で揃えるとやはりお高い……。

D-FLYで操作できる機能

 まずD-FLYで操作できるEdge 540の機能は次の通り。

・ページスクロール 進む/戻る

・手動ラップ

・タイマースタート/ストップ

・バックライト点灯

・地図表示

・高度表示

・ラップ詳細表示

・ライトOn/Off

・ライトチェンジモード

・スクリーンショット

 こうした操作を1つのスイッチに対して、クリック(ガーミンはこれを「短押し」と呼ぶ)、ダブルクリック(同「2回押し」)、ホールド(同「長押し」)と3機能を割り当てられるのも偉いところ。関連した機能を1つのスイッチにまとめておけば「えーとアレどこだっけ?」と指をあれこれ動かさなくとも済むわけですな。

 個人的に助かっているのは液晶画面のスクロール。液晶画面の小さなEdge 540でも、表示する要素を絞って、その分だけ画面の数を多く設定すれば、文字やグラフィックの大きな老眼に優しい画面になるわけであります。

これは現代に蘇ったフライトデッキなのか?

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

 そうしたDi2とガーミンの連携を端的に示すものとして、ギアポジションを表示するグラフィックがあります。これでインナーとアウター、どこにチェーンがかかっているかが一目瞭然。しかし、このグラフィックには何か懐かしい想い出が。

 しばらく走って、ああ、これはフライトデッキの末裔なのだなと……。

 フライトデッキはかつてシマノが売っていた自社コンポ専用のサイコンです。モノクロ液晶画面には前後ギアのポジションをグラフィックで表示し、現在のギア比と速度からケイデンスを計算するという、前世紀末に開発された製品としては画期的なものでした。

 何より便利だったのはSTIレバー内蔵のスイッチで、ハンドルから手を離さず操作できること。これはDi2とガーミンの組み合わせで得られる利点と同じ。

 私はとても気に入っていたのですが、何故か知らないうちにディスコンになってしまいました。その理由は詮索しないことにして、いくばくかの時を経て似たような仕組みが現代のテクノロジーで再び可能となった。誠に慶賀の至りであります。

スイッチ不足の105 Di2で設定する方法

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

 詳しい方ならここまで読んで「105 Di2でガーミンを操作するにはスイッチ足りなくない?」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。

 廉価版電動コンポである105 Di2のシフトスイッチは、左右合計4つしかありません。右がリアのシフトアップとシフトダウン、左がフロントのシフトアップとシフトダウン。シフトだけでスイッチ4つが埋まってしまう。するとD-FLYに割り当てられるスイッチがない。

 105 Di2より上位のアルテグラ Di2やデュラエース Di2なら、、左右ブラケットフード上部に1つずつスイッチがあり、さらに拡張ポートでスイッチを2つ追加できる。つまりシフトスイッチの他に計4つのスイッチが使える。これらにD-FLYが持つ4つのチャンネルをすべて割り当てることができます。こうした機能で差別化を図ったわけですな。

 だからサイコンと接続するならアルテグラ Di2以上でなければダメなんじゃないか。そう思われているようですが、105 Di2だって大丈夫。工夫で乗り切れます。

 それはシフトモードとして「シンクロナイズドシフト」を選択すること。そうすればフロントディレイラーはギア比に応じて勝手に動きますから、フロント用のシフトスイッチが2つ余る。そこにD-FLYを割り当てたら良いわけであります。

 中にはシンクロナイズドシフトが嫌な方もいらっしゃるでしょう。でも電動コンポを使う目的がそもそもシンクロナイズドシフトだという私のような方なら問題ありません。割り当てられるのは4チャンネルのうち2チャンネルだけですが、私はこれで充分のように感じています。

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

 その設定ですが、例によってスマホアプリのE-TUBEを使い、リアディレイラーとペアリングして設定します。その設定画面の表示によると片側2つあるシフトスイッチの進行方向側はX、手前側はYと呼ぶようです。

 私は右スイッチXをシフトアップ、左スイッチXをシフトダウンに設定。自動車のパドルシフトと同じ配置ですから忘れっぽい私でもシフトミスしづらい。そして全部で2つ使えるD-FLYのチャンネルは、右スイッチYをチャンネル1、左スイッチYをチャンネル2に設定してガーミンの操作に充てています。

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

 それぞれ割り当てたスイッチでどの機能を動かすかはサイコン側で設定します。シフトも含めてまとめますと私の場合はこんな感じ。

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

・右スイッチY

 短押し=ページスクロール進む

 長押し=スクリーンショット

 2回押し=ページスクロール戻る

・左スイッチY

 短押し=ライトOn/Off

 長押し=バックライト点灯

 2回押し=ライトチェンジモード

 右は画面操作、左は照明の操作をまとめてみたわけです。そしてここで設定したライトの設定を確認するためには、対応するライトが必要です。動作に関して言えば、ボタンを押して応答があるまで若干のタイムラグはあるものの、サイコンが手元で操作できるのはやっぱり便利。

 困ってしまうのは、サイコンがスリープに入って再び立ち上がる際に、たまに接続が切れて応答がなくなること。Di2とのペアリングをやり直せば元に戻るのですが、そこにもフライトデッキの面影を感じて懐かしいというかお前またかよというか。ともかく走り出す前に応答の確認は必要です。

 もうひとつ問題なのは、設定したライトを点灯させるために対応するライトが必要であること。高いんですよこれが。

もはや後方検知レーダーがないと怖い

電動コンポとガーミンを接続して自転車電装系を快適化した結果

 清水の舞台から飛び降りる覚悟でポチってしまったのが、ガーミン純正のスマートヘッドライト「VARIA UT800」と後方検知レーダー付きテールライト「VARIA RTL515」。それぞれ税込み2万5300円、2万9700円というお値段。サイコンと合わせて10万円を超えるシステムですよ奥さん!

 正直言ってヘッドライトは800ルーメンの光量でこのお値段。トンネルに入ると自動で点灯するのは便利ですが、夜間に走るなら大人しくキャットアイの明るいやつにした方が良かろうというものです。ただし後方検知レーダー付きテールライトについては、もうこれなしで公道を走るのは怖い。検知能力は想像以上のものでありました。

 その使い勝手はまたいずれ。

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