車両サイズはデカくなった(写真)小沢コージ
【小沢コージ クルマは乗らなきゃ語れない】
ホンダ アコード
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「究極はスイッチゼロです。法的にはハザードやデフロスタースイッチが必要ですが、操作はなるべく音声で済ませたいですし、指でやった方が早いじゃん!とならないためにもスイッチを極力減らし、認識感度も上げてます」(アコード開発者)。
秘かに画期的なクルマが登場していた。11代目新型ホンダアコード。70年代に初登場した歴史的セダンで、昨今のセダン離れから月販目標は200台と少ないがクルマのデキはいいし、走りも上質。
何より凄いのは、デジタル化で国産車メーカーとして「車載グーグル」を国内初導入。簡単に言っちゃうと、純正ナビが大型のグーグルスマホになっちゃったようなもんだ。
グーグルアシスタントの日本語文字起こしは相当正確
センターの12.3インチディスプレイは各種車両設定もできるが、基本的にはスマホライクに使える。具体的には地図は「グーグルマップ」でホンダ純正ナビはなく、サードパーティーを含めてアプリを入れられる「Playストア」があり、最も重要なのは音声認識ソフトの「グーグルアシスタント」。運転中にディスプレイを見てタッチしてはいけない車載用だけに、基本的に音声操作の多用を前提に作られている。
グーグルアシスタントもスマホ用より高精度にできてるようで、日本語文字起こしは相当正確。
合わせて日本向けアコードはインパネセンターに専用のエクスペリエンスセレクションダイヤルを用意。これはスマホでいうショートカットキーのようなもので、予め個人で設定した「エアコン」「オーディオ」「アンビエントライト」設定にイッキに飛べる。乗るなり好みの涼しさ、好みのラジオ曲、好みのライティングを一発選択できるのだ。
同時にアコードが重視したのはスイッチ数。ハザードやウィンカー、ワイパースイッチなど除き、エアコンやオーディオ操作などはモニターを通じて設定させるようになっており、当然エアコン用ハードスイッチはない。
SUVに興味のない年配層にはもったいないくらいのデキ
さらに重要なのは、PLAYストアからダウンロードできるアプリで、スポティファイやアマゾンミュージックはもちろん、YouTubeも観られる。他にも海外のサードパーティー系ラジオアプリも選べるようで、このあたりは画期的。
残念なのはまだLINEやmessengerなどSNS未対応なことで、これらが音声操作で使えるとリアルな走るスマホ的になるはず。
そのほか車両サイズこそデカくなったが、走りのカッチリ感は上がり、自慢の2ℓハイブリッドのe:HEVも大幅進化して、電動スッキリ感は倍増。
先進安全も最新の全方位運転支援のホンダセンシング360を初搭載。500万円超えの価格やセダンスタイルはともかく、ホンダの凄さが終結している。SUVに興味のない年配層にはもったいないくらいのでき映えなのだ。
何より一般的注目は、今後この車載グーグルがどこまでホンダ車に搭載されるかだ。フィットや今年出るはずのコンパクトミニバン、フリードに搭載されたらマジで画期的。クルマが動くスマホのように使える日も、そう遠くないかもしれない。
(小沢コージ/自動車ジャーナリスト)