◆たった850万円で、タワマン気分。抽選でもいい! そのレクサスください
トヨタと言えば世界の超優良企業。言うなれば、学校で一番勉強ができてスポーツ万能。性格も家柄も良い。非の打ちどころがないナイスガイです。そんなトヨタの“ちょいワル”がIS500。EVだ、水素だ、ハイブリッドだといろいろやっておりますが、おっさんは優等生の“ちょいワル”な一面にメロメロです!
LEXUS IS500
永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆5リッターV8にメロメロ!
またしても、買いたくても買えないクルマの話題です。昨年、5リッターV8エンジンを搭載した「レクサスIS500」が発売になり、一部マニアが熱狂いたしました。まずは「ファーストエディション」が500台限定で販売され、6000件以上の応募が殺到。競争率12倍の抽選販売となりました。
ただ、近所のレクサス店に聞いたところ、IS500はスタンダードモデルもずーっと抽選になるみたいで、2回目の抽選も締め切っているとのこと。「3回目の抽選に応募させてください!」と言い残すことしかできませんでした。タワマンの抽選販売みたいなもんでしょうか。タワマン買ったことないけど。
◆なにがそんなにイイのか?
ところでこのIS500、なにがそんなにイイのか。
まずカッコイイ。スポーティな4ドアセダンボディを、適度に武装したこの雰囲気は、中高年カーマニアのストライクゾーンど真ん中だ。乗り心地もハンドリングも最高。優雅な気持ちで首都高を流せる。まさにタワマン気分。
そして、なによりも5リッターV8自然吸気エンジンが猛烈にイイ。最高出力481馬力、最大トルク535Nmは世界最速級ではないけれど、官能性は世界一レベル。ターボ化された現在のフェラーリV8より断然気持ちイイ。やっぱり自然吸気だぜ!
◆フェラーリローマよりも価値がある!
カーマニア的見地に立てば、レクサスIS500は、BMW M3よりも、フェラーリローマよりも価値がある! 850万円なんて本当に安すぎる!!
◆燃費テストの結果は…
ドライブモードを「エコ」にセット。料金所手前で燃費計をリセットし、ソロリと加速して本線に合流。そのままクルマの流れに淡々と乗り、25㎞ほど走って出た数字は、リッター14.5㎞!
し、信じられん。4.5リッターV8自然吸気のフェラーリ458イタリアは、どんなにゆっくり巡航してもリッター6.4㎞しか走らなかった。その2倍半近くイイ! さすがはトヨタ! しかもIS500のエンジンは、ゆっくり走ってもほのかに「ドルルルルルッ……」と唸って気持ちイイ! フェラーリをゆっくり走らせても単なる宝の持ち腐れだけど、IS500はゆっくりもステキだ!
もちろんアクセル全開にすればアドレナリン全開。タワマン最上階に女優と住むようなゼイタクを満喫できる。あ~、抽選が楽しみだなあ。
◆【結論!】
億を超えるタワマンが大人気なのは、買ったときより、高く売れるからという面もある。レクサスIS500も、たぶん高く売れる。つまり、買えればゼイタク気分を、タダで味わえるのだ!
インテリアは古くさいが、タッチパネルではなくボタン操作なのは、おっさんフレンドリー
スポーツ+モードでは、タコメーターがスポーティに変身! レッドゾーンが近づくと、タコメーターがオレンジ色に変わってシフトアップを促すところもカッコイイ!
IS500のエンジンは力感に溢れ、ストレスなく高回転まで吹け上がり、官能的なエキゾーストノートを奏でる
【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com