ハイウェイウォーカー「寺坂ユミの高速道路で東日本を“あっちこっちゆみちぃ”」1回目より
昨年12月からNEXCO東日本の情報サイト「ハイウェイウォーカー」にて、ASCII.jp自動車部出張版である「寺坂ユミの高速道路で東日本を“あっちこっちゆみちぃ”」がスタートしました!(連載目次ページ)
この企画は、愛知県で生まれ育ったASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長に、東日本日帰り旅を楽しんでもらうというもの。あわせてASCII.jpでは、お借りしたクルマを使い倒しレビューをするという、1回の取材で2回ぶんの記事を作れるエコシステムです。
Honda/N-BOXファッションスタイル(写真はFF仕様・174万7900円)
というわけで、1日かけてジックリとN-BOXに触れましたので、前回の試乗記事では見えなかったところ、気づかなかったところをシッカリとお伝えしたいと思います!(日本一売れている理由を知るために、運転初心者・寺坂ユミがHonda「N-BOX Custom」と「eKクロス スペース」に試乗)
ラインナップが豊富なのもN-BOXの魅力
N-BOX(写真左)とN-BOX CUSTOM(写真右)
N-BOXは、ざっくり言ってエンジンが自然吸気のN-BOXとN-BOX CUSTOM、ターボエンジンのN-BOX CUSTOMが用意されています。それぞれに内外装に手を入れた「○○スタイル」や、福祉車両の「スロープ搭載」といったバリエーションモデルがあり、すべてにFFと4WDモデルが用意されています。その数なんと驚異の20車種!
N-BOXファッションスタイル(写真はFF仕様・174万7900円)
その中で今回お借りしたのは、N-BOX「ファッションスタイル」のFF仕様。お値段は174万7900円になります。「ファッションスタイル」と通常モデルの違いはというと、まず専用色としてオータムイエロー・パール、フィヨルドミスト・パール、プレミアムアイボリー・パールIIという、3色が用意されていること。今回はゆみちぃ部長のメンバーカラーであるアクアに近いフィヨルドミスト・パールをお借りしました。
ドアミラーカバーが白へと変更
ドアノブもホワイトへと変更
ドアミラーとドアハンドルの色が、ボディー色ではなく白にチェンジされています。ボディーカラーとあわせてオシャン度がアップしているというわけですね。
ホイールキャップもオリジナルデザインへと変更
さらにホイールキャップも可愛らしい意匠へと変更。オシャレは足元からですね。というわけで、ゆみちぃ部長は「これカワイイ! 紅葉の赤とブルーがイイ感じ!」と大満足なのでありました。ちなみに標準モデルとの価格差は約10万円。ボディーカラーで特注色〇万円というのはよくある話なので、特注色に専用パーツで10万円程度なら良心的です。
後席次第で荷室が大きく変わる
ヘッドライトの様子
もう少しエクステリアを見てみましょう。昔の人だとイカリングと言いたくなるヘッドライトは、クルマに柔らかな表情を与えて好印象。ランプはLEDでウインカーが同居するスタイルです。
N-BOXファッションスタイルの側面
バックドアを開けた様子
ボディーサイドのデザインも、今まで以上にスッキリしたラインになったように思います。バックドアはキッチリ90度開閉可能。ただバックドアが大きいため、結構スペースを開けて停めたつもりでも「開けられない」ということがあったり。
後席を前に持ってきた
シートベルトはシート側ではなく、車両側に取り付けられている
荷室側からシートを動かす機構
後席側のスライドする機構
後席は前後にスライド可能で、必要に応じて荷室量が変わります。移動は荷室側は床面のレバー、後席側からは座面にあるヒモを引っ張ります。
シートを倒す途中の様子
後席を倒した状態。元の座面よりも低い位置になっていることがわかる
後席を倒した状態
シートを倒す際は、背もたれ側のレバーを使います。後席座面が前に動き始め、床下に収納するかのように平たくなります。後席には自転車が積み込みできるくらいの広さで申し分なし。
コンビニフック
バックドアの熱線にもNのマークが
アメニティをみると、小さなコンビニフックにNのマーク。ほかにもNのマークは各所にあり、遊び心があります。個人的にはポータルバッテリーを載せることが多いので、できれば12Vのアクセサリーソケットがあればうれしかったなぁと。
使い勝手が良い車内装備
前列シート
アームレスト
N-BOXの室内は明るいグレーでクリーンな印象。シートはファブリックで座り心地が柔らか。このシートの良いところは、体が触れる部分に縫い目が出ていないというところ。ホールド感は薄いのですが、縫い目の場所によっては、長時間乗っていると痒くなるんですよね。
助手席側にあるコンビニフック
収納は思ったほど多くないのですが、それでも必要にして十分といった印象。個人的にはコンビニフックの位置が低いので、上にあった方が使い勝手がいいと思いました。
コルク調のトレー
助手席のコルク調のトレーは、結構アイデアモノ。というのも、色味が明るいからモノを見つけやすいのです。さらにザラっとした質感が、摩擦力によって小物のストッパーにもなります。
助手席のグローブボックス
ケーブルを挟むことができる
グローブボックスはかなり大きく便利。大型のティッシュケースを入れるだけでなく、ケーブルを挟むことができる工夫がなされています。ですからタブレットを充電するのに好適です。
ステアリングは上下(チルト)はできますが、前後(テレスコ)ができない
ステアリングは上下(チルト)はできますが、前後(テレスコ)ができないのはちょっと残念。テレスコができないのは、軽自動車あるあるだったりします。
走行モードセレクターはレバー式
走行モードセレクターは、わかりやすく使いやすいレバー式。ボタン式ではないのでスッキリ感は薄いのですが、誰もが使うクルマゆえに、これが正解な気がしました。
助手席側Aピラーの様子
フロントタイヤ側の真下を見られる
助手席Aピラーの近くには縦列駐車に便利な小さなミラーが用意されています。これは前モデルでも用意されていたのですが、それまでは2つだったのが、今回は1つになり大きく見やすくなりました。幅寄せをする時にとても便利です。ミラーの取り付け部分には後輪側が確認できる小さなミラーも用意されています。
天井面
天面にはSOSボタンが配置されています。万が一の時でも安心です。
バイザー裏
バイザー裏はスッキリデザイン。バイザー裏に駐車券を入れる筆者的としては、クリップのような機構(スリット)があったらいいのに、と思ったりしました。
運転席のドアノブ
ドアノブにネジ穴が見えていたのは、少し残念な気持ちに。
メーターパネル
純正ナビゲーションを取り付ければ、ナビ画面表示もされます
メーターパネルはフルLCD化されスッキリした印象。エンジン回転計はないのですが、速度表示が大きく見やすいです。純正ナビを組み合わせれば、ナビ画面の表示もできます。
純正ナビゲーションは高精細で綺麗な画面。使いやすく文句ナシです。最近「ひらがな入力」の「あ」が左上にあるクルマを散見しますが、右上にあっていい感じです。
これはいいな、と思ったのが純正オプションのドライブレコーダー。単体ドラレコの画面で動画を探そうとすると結構面倒だったりするのですが、ナビ画面から確認ができるのは実に便利です。
ナビには車内Wi-Fi機能も用意されていました。気になる価格は1GBあたり300円のようです。
USB端子はType-CとType-Aの2つを用意。Type-Cは車両に最初からついているもので、充電専用。Type-Aは純正ナビを取り付けた際についてくるもので、充電のほか通信にも用いられます。
後部座席のテーブルは使い方次第で便利に
後席に話を進めると、ドリンクホルダーの多さが印象的。座席あたり内張りに2つ、テーブルに2つあります。テーブルの耐荷重は2kgで奥行きも狭いことから、ノートPCを載せてゴリゴリ仕事するというのは難しいですが、お弁当を食べる時などには便利です。
チルトアップ機能もHonda車らしい装備。後席を荷室として使う時に助かります。
プライバシーシェードも用意。足元は広いですし、装備も充実していることから「ちょっとしたSUVよりも快適では?」と。
合流や追い越しは厳しいが高速巡航は不満なし
軽自動車で気になるのは「高速道路での巡行はどうなの?」ということ。これは前回の試乗では首都高だったこともあり、速度はそれほど出していなかったのですが、今回は湾岸線やアクアラインを走ります。ということで、試してみることにしましょう。
やはり自然吸気エンジンの辛さは感じざるを得ません。特に合流時などは、アクセルをベタ踏みしても、なかなか車速が上がらず。何よりエンジンから結構な音が聞こえます。加速に関してはドライブモードセレクターをSにすれば、かなり改善するという印象。
巡行に関しては意外と安定しており、法定速度の範疇なら快適そのもの。さらにHonda SENSINGの「渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)」と「車線維持支援システム(LKAS)」の組合せで左側車線巡行もラクラクで、まったりのんびりにピッタリです。
また、高速道路には渋滞がつきもの。渋滞でもHonda SENSINGならラクラク、とクルーズコントロールボタンを押すも、「渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)」は動くも「車線維持支援システム(LKAS)」は動かず。どうやら低速時に「車線維持支援システム(LKAS)」にオンしても機能しないようす。高速走行中にオンにするとそのまま渋滞でも動いているようなので、高速道路に乗った時は常にクルーズコントロールをオンにしておいた方がよいかもしれません。
スマホで車内の操作ができる
快適さをアップさせるのが、スマホでの各種機能です。
スマホからエアコンなどの操作ができるほか、エンジンを始動させることもできます。これがロケ先で実に便利。車内を温かく(涼しく)しておくといったことができるのですから。この手の機能は電気自動車や普通車では見かけていますが、ついに軽自動車にまで、と思うと感慨深いものがあります。
ただ、惜しむらくはHondaユーザーならおなじみの「Total Careアプリ」とは別というところ。さらに「インターナビ・リンク」をスマートフォンで利用するためのアプリ「Intarnavi Pocket」もあったりします。これらはできれば統合してほしいですね。
確かに軽自動車らしくエンジンは非力ですが、それを除けば不満が少ないクルマというのが正直な感想。N-BOXは幾年にもわたり日本でイチバン売れたクルマですが、それを納得するデキ栄えでした。
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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール
1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近は自動車にも興味を抱く。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、当連載で、お気に入りの1台を探す予定。