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走りも楽しくて実用性も高いHonda「FIT RS」は優等生モデル

走りも楽しくて実用性も高いhonda「fit rs」は優等生モデル

FIT RS(234万6300円)

 Hondaのコンパクトカー「FIT」がマイナーチェンジ! さらに待望のスポーティーグレード「RS」がラインアップに加わりました。ということで、スポーツカー大好きのモデルでタレントの新 唯(あらた・ゆい)さんと、ホットハッチ大好きのASCII.jpスタッフが、FIT RSの実力を峠でチェックしてきました!

初登場から約3年

ようやくRSグレードが登場

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東京モーターショー2019でお披露目されたFITたち

 現行の4代目FITが登場したのは2020年のこと。前年2019年の東京モーターショーでは「あなたに合わないFITはない!」といわんばかりに、最廉価のシンプル仕様「BASIC」、コンフォート仕様「HOME」、スポーティー仕様「NESS(ネス)」、SUVライクな「CROSSTAR(クロスター)」、最上位仕様「LUXE(リュクス)」の5タイプを一堂に展示し、多くの人を驚かせました。ですが、そこには従来あったRSの姿はなかったのです。

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FIT Modulo X(販売終了)

 月日は流れ、2021年6月に、ホンダアクセスのコンプリートカーとして「FIT Modulo X」が登場。RSに変わるスポーティーモデルとして注目を集めたのは、記憶に新しいところです。これでFIT関係は落ち着いたのかと思いきや、2022年8月に突如ホームページでマイナーチェンジを発表! さらにRSグレードを復活させてきたというから驚きです。そして今回のマイナーチェンジによってFIT Modulo Xは終売。あまりの展開の速さに目が回りそうです。その理由はよくわかりませんが、とりあえずFIT RSに話を移しましょう。

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フロントバンパーに取り付けられたRSのロゴの意味は?

 まずはFIT RSのRSとは何かについて。とあるメーカーは「純粋なレーシングモデル」というレン・シュポルトを意味し、またあるメーカーは、モータースポーツ部門「ルノー・スポール」の頭文字だったりと、様々な自動車メーカーがスポーツグレードにRSの名を冠します。それはRSとみてクルマに詳しくない人でも「ロード・スポーツ」の意味では? と思えるから。

 ではHondaは? というと古くから「ロード・セーリング」の略として使っています。というのも、ガチのスポーツモデルには赤いバッジをつけて「TYPE R」の名を冠しているから。Hondaの中で「ガチスポはTYPE R、ゆるすぽはRS」というすみ分けがキチンとできているというわけ。ちなみに、トヨタも最上位はGRMNやRZで、RSは「適度なスポーツモデル」につけられています。どうやら日本と海外ではRSに対する捉え方が異なるようです。

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エンジンフードを開けた様子

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パワーユニットe:HEVは、基本的にはモーターで駆動。エンジンのパワーはジェネレーターのチャージと高速道路などの高負荷時における動力として使用される。よってモーターとエンジンの両方が駆動することはない

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FIT RSのみに搭載するドライブモードスイッチ

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SPORTモードの表示。小さくSPORTと記載されるのみ

 まずは気になるパワーユニット「e:HEV」から。マイナーチェンジ前よりモーターの最高出力を14PSアップの123PSになったほか、エンジンと発電用モーターの発電能力もアップさせました。これは他のFITも同様なのですが、NOMAL/ECON/SPORTと3つの走行モードを設けているのは、このFIT RSのみ。

専用装備で従来モデルと差別化

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FIT RSのフロントマスク

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メッシュのフロントグリルで精悍さアップ

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グロスブラックのサイドスカートが設けられている。ホイールサイズは16インチ

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リアビュー。マフラーエンドは専用装備品

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専用ホイール

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専用サイドスカート

 エクステリアに目を向けると、ピアノブラック仕上げの前後バンパーとサイドシルガーニッシュ、16インチホイール、ブラック塗装ドアミラーカバー、エキパイフィニッシャーなどの専用装備が目を惹きます。今回の試乗車が、クリスタルブラック・パールとRS専用色のスレートグレー・パールということもあってか、かなり精悍な印象で、優しい印象を受けるレギュラーモデルとの差別化がしっかりとされています。ちなみにサスペンションも専用設計。

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FIT RSの室内

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グレー基調で重苦しさは薄い

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ドア内張

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FIT RSのダッシュボード。視界は広く良好

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各所にイエローのステッチが入る

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FITの美質である収納はそのまま

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USBはType-Aを2系統

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アームレスト

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天井にはSOSボタン

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バイザー裏側

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インフォテインメント画面

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運転席に座った様子。天井は高い

 車内にお邪魔しましょう。スポーツモデルというと、黒を基本に赤のステッチという印象が強いですが、本モデルはグレーを基調に、イエローのステッチがアクセントを添えています。口の悪い筆者は「RSでイエローって、どこかのフランス車みたいだな」と思ったのですが、唯さんは「明るくていい雰囲気ですね」と好印象。

 RS専用の本革巻3スポークステアリングホイールは質感十分で、さらにシフトパドルが用意されています。これはCVTで疑似MTをするのではなく、回生量を変更する減速セレクター。峠のダウンヒルは、これを駆使しながら走行すると楽しい、というわけです。

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後部座席に着座した様子

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後部座席

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USBはType-C

 そのほか、基本的には従来のFITと同様。ですが従来にはなかったアームレストが新設されているなど、細かな部分がモディファイされています。さらに細かい点を申し上げるなら、後席のUSBがType-AからType-Cに変わっていました。

本格スポーツモデルではないが

走りの良さはしっかり伝わる

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 それでは、走らせてみることにしましょう。ステージは御殿場の峠道。まずはノーマルモードからスタートです。「足がいいですね!」と唯さんは開口一番、専用サスペンションのデキの良さを褒めます。「柔らかい、という言い方をしてもいいかもしれませんが、とにかく衝撃の収束が早いんです。だから目線が上下しづらいんですね」とご満悦。そして「FITって視界がとても広いんですよ。だから運転していて、とてもラクなんですよね」。

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 14PSアップのパワーユニットにも高評価。「他車のコンパクトカーと比べて静かですね」というように、坂道では相応にうなり音はするものの、静粛性は比較的保たれているのです。ちなみに低速域ではモーター、高負荷時ではエンジンと動力が切り替わるのですが、その時の切り替えショックだったり、フィールの違いを感じることはありませんでした。

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 お楽しみはスポーツモード。アクセルレスポンスが俄然よくなります。「こっちですね!」と唯さんは満面の笑み。「乗り心地の良さも相まって気持ちよい走りが楽しめますね。速度を出さなくても楽しめるんです」。

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 これにはホットハッチ好きのASCII.jpスタッフも同意。ドーパミンがドバドバ出るラテンのノリで酔わせたり、純粋な速さはないかもしれません。だけれど、節度を失わない中で楽しいと思わせる、気負わずにリラックスして運転が楽しめる1台なのです。そして日常の中での使い勝手のよさ、乗り心地のよさがあり、乗車した誰もがハッピーになれる、そんなクルマに仕上がっています。

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FIT RSのデキのよさにキュンです!

 「前のFIT RSのようにMTがあれば、操る楽しさがあっていいんだけどなぁ」という思いもありますが、「誰が乗っても気持ちよく運転できて楽しいと思えるクルマ」であるからこそ、今回のFIT RSには不要なのかなとも。さらにいえば「本当にいいクルマというのは、エンジンとかハイブリッド、EVといったジャンルを超越する」。そんなFIT RSのお値段は234万6300円と、イマドキのコンパクトカーにしては、かなり頑張った金額設定です。

 「FITを買うなら、RS一択ですよね」という唯さんの言葉に嘘偽りナシ。今、コンパクトカーを検討されているのなら、スポーツやRSという言葉に惑わされずに、一度FIT RSに触れることをオススメします。試乗した後、楽しさ、乗り心地のよさ、使い勝手の良さでハンコを押さずにはいられないかも!?

■関連サイト

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

走りも楽しくて実用性も高いhonda「fit rs」は優等生モデル

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。

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