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アイドルはFIAT 500との甘い生活を夢見るか? FIAT 500 TwinAir Dorcevitaレビュー

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FIAT500 TwinAir Dorcevita(324万円)

 アイドルユニット「純情のアフィリア」の寺坂ユミさんを、ASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長としてお招きし、様々なクルマに乗っていただく当企画。今回は2007年に登場した3代目「FIAT 500」です。発売から15年が経過したロングランモデルは、アバルトをはじめ、様々な仕様が登場していますが、基本はあまり変わらず。それだけ偉大なクルマなのです。

電気自動車やスポーツモデルと改めて比較する

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アバルト500コンペティツィオーネ(写真はAT仕様/486万円)

 ゆみちぃ部長とFIAT 500シリーズの付き合いは、ちょっと変わったものでした。最初はFIAT 500のスポーツグレード「アバルト 500」。その中でも、最もホットなコンペティツィオーネでした。イタリア語で「競技」という名は伊達でも何でもなく、かなりハードな乗り心地と、車内に響き渡るエキゾーストノートに、ゆみちぃ部長は完全に沈黙。アバルトという名とサソリのエンブレムにトラウマを覚えてしまったのでした。

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FIAT 500e(473万円)

 次に試乗したのは、FIAT 500eという電気自動車。今度は上質な乗り味と、高い静粛性に大満足。ですが、取材時は急速充電に対応できていたかったのが、ちょっぴり残念。「この形で、ガソリン仕様のクルマってないんですか?」というわけで、ようやく「普通のFIAT 500」とご対面する運びとなりました。

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全長3570×全幅1625×全高1515mm

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 「可愛いですね。それに小さいから街乗りによさそう」と、声を弾ませるゆみちぃ部長。ボディーサイズは全長3570×全幅1625×全高1515mmで、車両重量1050kg。軽自動車とあまり変わらない大きさで、イマドキ珍しい5ナンバー車です。

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エンジンフードを開けた様子

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ツインエアと呼ぶ0.9リットル2気筒ターボエンジン

 今回試乗するモデルは、2021年6月に従来の1.2ポップとラウンジの両グレードに代わって登場した、カルトとドルチェヴィータという2車種のうちのドルチェヴィータ。カルトはクローズドボディー、ドルチェヴィータはカブリオレモデルになります。FIAT 500が搭載するエンジンは1.2リットル直4とツインエアと呼ぶ0.9リッター直列2気筒ターボの2種類。

 カルトには1.2リットル直4エンジンとツインエアの2種類が用意されていますが、ドルチェヴィータはツインエアのみです。「0.9リットル2気筒って、あまり聞かないですね」と、エンジンルームをチェックする部長。ツインエアは2010年7月に登場、日本には2011年3月に上陸しました。最高出力は85PS、最大トルクも14.8kgf·mと、軽自動車よりちょっと大きい程度。ですが1.2リットルの直4エンジンよりも高出力だったりします。

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 「ドルチェヴィータって、どういう意味ですか? お菓子みたいな名前ですね」と、純情なゆみちぃ部長は部員Kに尋ねます。「イタリア語で甘い生活という意味ですよ」と答える部員K。すると「……は?」と、長年取材してきても、見たことのないの真顔で切り返すではありませんか。……話を先に進めましょう。

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ラゲッジドアを開けた様子

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ラゲッジスペース内の様子

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 リアのラゲッジスペースは、日本の軽自動車よりも小さめ。さらにオープンカーゆえに、開口面積も狭かったりします。SUVを見慣れた部長から「小さい!」と言われるかなぁと思っていたのですが「十分ですね」と意外な返答。「リアシートの裏にカーペットとか貼っていないんですね。それが逆に面白いです!」と、なんかツボっているご様子。ちなみにフルオープン時はラゲッジドアを開くことができないようです。

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後席の様子

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後席の座面。小さいけど4人乗り

 続いて車内へ。後席は当然ながら狭いのですが「(純情のアフィリアで同期の)カナは後席に座れるけれど、カオリは助手席で……」と、友人たちとのドライブを妄想している様子。「インテリアが可愛いですよね。色使いもオシャレ」と、ラゲッジ同様に気にならないようなのです。どうやら外観が気に入れば、多少のデメリットには目をつむるようです。すなわち「カワイイは正義」なのです。ゆみちぃ部長と一緒ですね。

何も足さない、何も引かない運転席

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 運転席に座ると「どこかレトロな感じですね」というのが第一印象。そしてハンドル周りを見て「日本車と違い、結構アッサリしていますね」というように、ボタン類の少なさが新鮮のようです。ちなみに「運転支援はバックセンサーのみ」「バックカメラはルームミラーに小さく映る」「ヘッドライトは非オート」でして、「アラウンドビューモニターって何ですか?」「高速道路での同一車線云々って何それ美味しいの?」と、イマドキの軽自動車では当たり前となりつつ機能は一切ありません。普通なら「ないの?」と選択肢から外れるのですが、FIAT 500だと「別にイラナイよね」と思えてしまうから不思議。そう、カワイイは正義なのです。

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 ナビはスマホをつなげてのディスプレイオーディオ方式。簡単につながりますし、機能面で大きな不満はありませんでした。画面はちょっと小さいように思えますし、文字が見づらい時もありましたが、画面を見続けながら運転するわけではないので、これでよいと思います。それに大きなディスプレイは、このクルマの世界観と合わないような気がします。

独特の操作性に戸惑うものの

2気筒エンジンの走りは爽快

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 それでは、ゆみちぃ部長に乗ってもらいましょう。まずはシートポジションの設定から。ですが「どこにあるんですか?」と右往左往。通常右側にあるのですが、クルマの中心部分にあります。それがパーキングブレーキと近くてちょっとやりづらそう。続いてエンジンを始動させようとしますが、「あれ? ボタンはどこですか?」と車内を見回します。そして「え? 鍵を回すんですか?」と驚いた表情をみせます。

 次に戸惑ったのがシフトレバー。「これ、どうなっているんですか?」というわけで、日本車で見かける「P」と「D」と書かれたポジションがないのです。これは何かというと、セミATで、オートマで動かすこともできるのですが、基本的には手でシフトをした方がスムースに走れるというもの。「なんですか? それ」と言いながら、とりあえずシフトを左に倒して発進。

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 バイクに乗ったことがある人なら「2気筒エンジンってこうだよね」という、特有のパルス感を伴なう乗り心地とサウンド。一方、マルチシリンダーしか知らない方からすると「なんだコレ?」という感覚。EV大好きのゆみちぃ部長にとっては、対極に位置するのですが「これはコレでいいかもですね」と、これまた意外と好反応。そう、カワイイは正義ですから。パルス感のある振動がお好みでない方は、1.4リットル4気筒エンジンが用意されていますので、こちらをどうぞ。

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 パワー不足を感じることは少ないものの、ガンガン踏んで飛ばすクルマではありません。トコトコと走るのが良い感じ。ゆみちぃ部長はATのまま走らせますが、ギアが変わる度にシフトショックが。これはセミATを駆使し、さらにシフトアップ時にアクセルを抜くなどの動作をすると、かなり低減されます。「なんか……、昔のクルマみたいですね」と親のクルマを思い出したかのようなゆみちぃ部長。

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 乗り心地は、欧州車らしく国産車と比べると硬め。街乗りしている時、道路工事など道が荒れている場所では、耐えられないほどではありませんが、ドライバーに強いインパクトを伝えてきます。ボディーは今の水準からすると、ちょっと緩めの印象ですが、それゆえ「車全体で衝撃をいなしているのでは?」とも感じました。なんでも硬ければイイ、というものでもないのです。そして車体が軽いので、ハンドリングは軽快そのもの。街乗りで、ちょっとしたゴーカート気分が味わえるのです。

 意外に思ったのは高速道路での安定性。エンジンを回すと「大丈夫なの?」と少し心配になる音が聞こえるのですが、新東名120km/h区間では「これ、ちょっとスゴいかも」と驚くほど。考えてみたら、日本よりも車速の高い道路がある欧州なのだから当然なのですが。

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 折角なので、ゆみちぃ部長にオープンカー体験をしてもらいました。ルーフはフルオープンとルーフ部のみのセミオープンの2段階が選択可能。髪が乱れる、日焼けするという理由から、オープンカーは苦手という女性は多く、ゆみちぃ部長もその一人。でも街乗りでは風の巻き込みはそれほど多くありません。これなら楽しんでもらえると思ったのですが「あの……雨が降ってきてませんか?」という事で取材終了。「楽しいかもしれませんが、今日はダメでしたね」というわけで、ゆみちぃ部長のオープンカー体験は、また別の日にしましょう。

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 「今のクルマの方が機能面で優れていると思いますが、可愛くてオシャレなので気にならないですね」とFIAT 500に好印象を抱くゆみちぃ部長。「なんか、一生懸命に走っているような感じがしますね。それが見た目とあっていて、愛おしく思えます」と、多少の欠点もポジティブに捉えられるほど気に入ったご様子。そして何度も「カワイイ」とFIAT 500を見回したのでした。やっぱりカワイイは正義なのですね。

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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

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 1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していなかったが、最近ペーパードライバーを脱出。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、お気に入りの1台を探す予定。

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