MotoGPの2023年シーズン前半戦は、ドゥカティ陣営の圧倒的な優勢で推移した。 チャンピオンライダーのフランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)を擁し、2022年に三冠(ライダー・チーム・コンストラクター)制覇を達成したドゥカティは、今季も昨年同様の4チーム8台体制という強力な布陣を敷いている。 今シーズンからは土曜午後に決勝レースの半分の距離で争うスプリントが導入され、1回の大会につき土曜と日曜の計2レースが行なわれるようになったが、ここまでの8戦16レースでは、いつもドゥカティ陣営の誰かが必ず表彰台を獲得している。16レース全48表彰台のうち34回の登壇で、占拠率で見ればじつに70パーセントにもなる。 ホンダの「エース」マルク・マルケスも調子は上がらず 【ヤマハの2021年王者も大苦戦】 対照的に、かつてないほどの苦戦を強いられているのが、ホンダとヤマハの日本メーカー勢だ。 ホンダは、陣営を牽引するライダーのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2020年に右上腕を骨折。翌年の復活以降も数回にわたる手術と欠場を繰り返し、それ以来どうにも陣営全体の歯車が噛み合わない状態が続いている。 ヤマハも、2021年チャンピオンのファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP)が、卓越した能力を存分に発揮できないレースが続き、トップ争いから大きく引き離される状態が続いている。 上に記したここまでの48表彰台のうち、ホンダライダーの登壇は3回、ヤマハはわずか2回。ドゥカティが4チーム8台の布陣であるのに対して、ホンダは2チーム4台、ヤマハはファクトリーの1チーム2台という少人数体制とはいえ、それにしてもこの結果の乏しさは、惨状、という厳しい言葉を使わざるをえない。 振り返れば、昨年もドゥカティが強さを発揮したシーズンだったのは冒頭にも述べたとおりだ。 しかし、それでもホンダとヤマハはそれぞれ2チーム4台を擁し、スズキのファクトリーチーム2台とあわせて計10台の日本製バイクがグリッドに並んでいた。しかも、スズキが終盤2レースで優勝して大いに存在感を発揮し、ヤマハのクアルタラロも何度も優勝や表彰台に登壇していたため、今年のような目を覆いたくなる状況ではなかった。 ヤマハのファビオ・クアルタラロは前半戦ランキング9位 【スズキの株主総会で社長が…】 ...
レッドブルリンクで行なわれるオーストリアGPに先立ち、マクラーレンは今季マシン『MCL60』に大型アップデートの第1弾を投入した。 マクラーレンはシーズン開幕前からMCL60の開発で出遅れたと認識し、まず4月のアゼルバイジャンGPで新しいフロアやリヤウイングを投入してようやくスタートラインに立った。ただカナダGPを終えた時点でチームの獲得ポイントは17点に留まり、コンストラクターズランキングでは6番手となっている。 マクラーレンは中団グループ上位へポジションを上げるべく、7月の3ラウンドでアップデート版のパッケージを連続投入。オーストリアGP、イギリスGP、ハンガリーGPの各ラウンドでアップデートを行ない、空力パーツのほとんどが入れ替えられる予定となっている。 オーストリアGPではまずランド・ノリスのMCL60からアップデート。金曜日に公開されたマシンでは、フロアとサイドポンツーン、エンジンカバーが刷新された。 マクラーレンの発表によると、フルモデルチェンジされたフロアでは「フロアフェンス、エッジ部分、ディフューザー形状が刷新された」とのことだ。 フロアは必然的にその他のボディーワークと相互に作用するため、マクラーレンはサイドポンツーンやエンジンカバーのデザインも併せて変更し、整流を改善している。 マクラーレンは、ミラーとヘイローのフェアリングも変更。車両後方への気流の最適化を目指した。また、新しいエンジンカバーは、冷却ルーバーの形状に微調整を加えたモノだ。 Lando Norris, McLaren Photo by: Steven Tee / Motorsport Images マクラーレンのアップデートの目標は空力効率の向上にあり、空気抵抗の大きさに悩まされることなくダウンフォースの発生量を増やすことを目指している。 ノリスは、空力効率の悪さによるトップスピード不足が苦戦の原因になっていると語る。 「直線スピード不足が、僕らの戦いを厳しくしている」 ...
女子プロゴルファー木村彩子が2年前に25歳で、高級外車「マセラティ レヴァンテ」をツアーで獲得した賞金で購入したのは有名な話だ。当時の値段で2300万円ほどだったという。木村は中学生のときにマセラティの映像を見て、「将来、ぜったいに買おう」と決心し、大金を稼げるプロゴルファーになったのだという。 今年3月にPINGが開催した「春休みゴルフデビュー体験日記」の様子をチェック!【写真】 もしかして自分の子どもや孫だって、とてつもなく大金を稼ぐプロゴルファーになれるかもしれない。そんな思いが頭の中をよぎるのは、あなただけじゃない。 とまあ、そんなたいそうな夢を持たずとも、「自分の子どもや孫と一緒にゴルフができたら、さぞかし楽しいだろうな」と思っている方は大勢いることだろう。 でも、ゴルフをやっていなければなにも始まらない。とはいえ、子どもがゴルフを始めるというのは簡単なことでもない。道具をそろえなくちゃいけないし、コーチを探す必要も出てくる。いざコースデビューともなれば、なおさらハードルは高くなる。 そこに朗報です。PINGゴルフジャパンが「夏休みゴルフデビュー体験日記~親子でゴルフを楽しもう~」を開催するという。広いコースに出てゴルフに触れてもらうことで、これからゴルフを始めるきっかけになればという趣旨のイベントである。今年3月に開催した「春休みゴルフデビュー体験日記」に続く2回目の開催だ。 対象となるのは、小学3年~中学2年の子どもたち(20歳以上の同伴者が必須)。7月22日(土)~7月31日(月)の期間、浦和ゴルフ倶楽部(埼玉県)とノーザンカントリークラブ錦ヶ原ゴルフ場(埼玉県)の2カ所のコースで行われ、ワンコイン500円(税込み)でハーフラウンドが体験できる(大人のプレーフィは、各コースに確認とのこと)。子どもたちが使用するクラブは、PINGのジュニアクラブ「Prodi G」が用意されているというのもうれしい限り。 当日は絵日記のフォーマットを用意されており、体験した感想を書いて送ってくれた参加者にはPINGオリジナルグッズのプレゼントがあるそうだ。絵日記とくれば、夏休みに宿題で出される自由研究にもなるのでは。 参加を考えている子どもたちに向けて、PING契約プロの渋野日向子は「最初は当たらなくても、いっぱい練習したら上手になるはず! 自然いっぱいの中で、ゴルフを楽しんでね!」と、今年から用具契約を結んだ蝉川泰果も「ぼくも小さい頃からゴルフをやっています。うまく当たると遠くまで飛んで楽しいよね! がんばろう」とエールを送っている。 夏休みでも家の中でゲームばかりをしている子どもたちが増えているという。そんな子どもたちにこそ、太陽の光をいっぱい浴びて芝の上で思い切り体を動かしてほしい。そんな思いを抱えている方々もうれしい、気軽に楽しめるイベントなのは間違いないだろう。 ...
Intermediate tyre on the car of Lance Stroll, Aston Martin AMR22 F1第4戦アゼルバイジャンGPから導入された新フォーマットのF1スプリント。今季からはスプリントレースでのグリッドを決めるための独立した予選セッション『スプリントシュートアウト』が設けられているが、そこでのタイヤ規則がオーストリアGPに向けて調整された。 スプリントシュートアウトは通常の予選と同じくノックアウト方式が採用されており、SQ1、SQ2、SQ3と3つのセッションが行なわれる。そしてSQ1とSQ2では新品ミディアムタイヤ1セット、SQ3では新品ソフトタイヤの使用が義務付けられていた。 ただ各チームは、SQ3に向けて必ずしも新品ソフトタイヤを温存しておく必要はないと解釈しており、チームによっては金曜に行なわれるFP1や予選で新品ソフトタイヤを使い切り、土曜のスプリントシュートアウトに臨むというケースもあった。実際にアゼルバイジャンGPでは、マクラーレンのランド・ノリスとアルファタウリの角田裕毅がそのような動きをとった。 角田はSQ3に進出できなかったため、どのみち新品ソフトが必要な場面はなかったが、一方ノリスはSQ3へと進出。結果的にノリスはSQ3をガレージで過ごして10番手でセッションを終えたが、仮に同じように新品タイヤがないドライバーが複数いた場合、マクラーレンはノリスにインターミディエイトタイヤを履かせてタイムを出させることを検討していた。これはレギュレーションで禁止されていなかったからだ。 ドライセッションで雨用のタイヤを使用する可能性があるという状況はパドックからも茶番だという声が挙がっていたが、この度ルールが見直されることとなった。 ルール改定により、SQ3はソフトタイヤであればどのセットでも使用可能になったのだ。つまり中古セットでSQ3を走れることになったため、各陣営はスプリントシュートアウトの前に新品ソフトを使い切るというギャンブルに出やすくなった。 今季から変更されたスプリントのフォーマットに関しては、2023年のレギュレーションに基づき、アゼルバイジャン、オーストリア、ベルギーという3つのスプリントイベントが終わった後の8月1日まではルールを調整できるようにされていた。 これらの調整については「2023年4月世界モータースポーツ評議会で承認された競技規則の変更によって生じた意図しない問題に対処するものでなければならない」とされており、さらに「競技の公平性を確保するため、もしくは組織上の問題を回避するためのものでなければならない」と定義されていた。 また変更には10チーム中8チームの同意が必要であり、今回は1チームを除く全てのチームがこの変更を支持したという。 ...
Franceso Guidotti レプソル・ホンダからMotoGPに参戦するマルク・マルケスは、近年の苦戦からホンダとの契約を破棄し、KTMへ移籍するのではないかという噂があった。しかしKTMのチームマネージャーであるフランチェスコ・グイドッティはそういった噂を否定した。 マルケスは現在ホンダと2024年までの契約を結んでいる。しかし2023年シーズン前半戦で大苦戦している中、彼が契約を破棄してホンダを早期離脱することを選ぶのではないかという憶測が広まっていった。 戦闘力で劣ると見られるホンダのマシンを懸命にプッシュし、度重なる転倒で怪我も負ってしまっている。そんな状況にマルケスもついに我慢の限界にきているのではないかと考えられたのだ。 マルケスが移籍する可能性のあるメーカーとしてはドゥカティとKTMが候補に挙げられてきた。既に交渉が行なわれたという報道も見られるが、KTMのチームマネージャーであるグイドッティは、マルケス加入の噂を否定した。 「マルケスは我々のライダーではないし、我々が話し合うトピックスでもない」 グイドッティはSky sportに対しそう語っている。 「我々のエネルギーは全て、バイク開発と我々のライダーの能力を引き出すことに注がれている。KTMはMotoGPの中でも他に例を見ないほどの育成プールを持っており、そこから将来に向けた選択を行なっている」 「ジャーナリストの皆さんから様々な方法で我々にマルケスの獲得が提案されてきたが、我々は現時点でそれが実現可能な選択肢ではないと様々な形で理解してもらおうとしてきた」 「彼は我々のライダーではないため、どんな理由であれ我々が話すことはできないんだ」 一方でグイドッティは「2025年については、マルケスにとってもまた別の問題だ」としており、「2024年で契約の切れる他のライダーと同じだ」として、獲得の可能性を否定しなかった。 なおレプソル・ホンダのチームマネージャーであるアルベルト・プーチは第8戦オランダGP時に行なわれたインタビューで、マルケスのチーム離脱はいつでも可能だという発言を行なっている。 「我々には契約があるが、誰もが人生で、やりたいことを自由に行なうことができる」 プーチはそう語った。 「そしてホンダは、ホンダにいることについて満足していない人を受け入れたいと思うような会社ではない」 「もちろん契約はあり、ホンダはマルクのことをとても尊敬している。契約に基づいて(彼は残ってくれるだろうと)考えたいが、私には魔法の杖はない」 Follow @MotorsportJP関連ニュース:ホンダMotoGP、夏休み期間だけで改善はムリ? 「2ヵ月間で修正するのは簡単ではない」とチームマネージャーは厳しい現状認識マーベリック・ビニャーレス、故ルイス・サロムが乗り表彰台も獲得した125ccマシンを買い取って家族へ寄贈レプソル・ホンダ、マルク・マルケスの離脱を容認? プーチ代表「人生では誰もがやりたいことをやれる」アレックス・リンス、右足骨折の手術が無事成功し退院。復帰は早くても第10戦オーストリアGPに?ホンダ、鈴鹿8耐の参戦体制発表。連覇狙うTeam ...
WRTはBMWとタッグを組み、来季から“BMW MチームWRT”として世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスへ参戦予定。それに向けてチームは、5月末にLMDh車両『MハイブリッドV8』をミュンヘン北東ディンゴルフィングにあるBMWファクトリーにてロールアウト。そして先週、スペイン・アラゴンにて初テストを完了した。 3日間のテストでは、BMWのファクトリードライバーであるイェッセ・クローン、シェルドン・ファン・デル・リンデ、ドリス・ヴァントールがドライブした。 ただ、BMWはテストでの走行距離を明かしておらず、アラゴンテスト後にはダン・ハーパーとマックス・ヘッセが非公式の機能テストを追加実施している。 チームWRTのヴァンサン・ボッセ代表は、アラゴンでのテストを「チームにとってのマイルストーン」と表現した。 「これは大きな一歩であり、我々全員がこれに向けて懸命に取り組んできた」と彼は言う。 「みんなはマシンの組み立てと準備において素晴らしい仕事をしてくれた」 「ロールアウトも上手くいったし、テストでは何の問題もなく、良いフィードバックが得られた」 BMW M Team WRT Photo by: BMW また、BMW Mモータースポーツの責任者であるアンドレアス・ルースは、アラゴンでのテストを「WEC準備プログラムにおいて非常に良いスタート」と評価し、次のように語っている。 「BMW MハイブリッドV8は、初テストの走行でスムーズに機能した。それにより、エンジニアとチームは最初から豊富な知見を得る経験を得た」 MハイブリッドV8は既に今季のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に投入済み。先週末のワトキンスグレン戦ではレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが走らせるMハイブリッドV8が初勝利を挙げており、WRTのロールアウトを担当したニック・イェロリーとコナー・デ・フィリピは今回のアラゴンテストには参加できなかった。 ...
横浜ゴムは2023年6月26日、アドバン・レーシングタイヤ装着車が6月25日にアメリカ・コロラド州で開催された「第101回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」で2年連続の総合優勝を果たしたと発表した。 2年連続の総合優勝を果たしたアンリミテッドクラス、ロビン・シュート選手の「2018 Wolf TSC-FS」 今回、優勝マシンはサステナブル素材を使用した「アドバン A005(ドライ用)」を装着して2年連続での優勝という快挙を遂げた。 総合優勝したのはアンリミテッドクラスに出場したロビン・シュート選手の「2018 Wolf TSC-FS」でタイムは8分40秒080を記録。シュート選手は2022年もアドバン・レーシングタイヤを装着して総合優勝を果たしており、2連覇となった。 エキシビションクラスで優勝したターナー・フォウスト選手の「2023 Radford Type 62-2」 今回装着した「アドバン A005」は、全日本スーパーフォーミュラ選手権にワンメイク供給しているものと同スペックで、従来タイヤと同等のグリップ性能を維持しながらサステナブル素材比率33%を実現している。 また、サイドウォールにバイオマス由来のゴムを使用し、再生可能原料比率を高めた「アドバン A005」を装着してエキシビションクラスに参戦したランディ・ポブスト選手の「2021 Tesla Model S ...
2023年6月26日 発表 2023年FIA世界ラリー選手権 第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」の表彰台 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは6月25日(現地時間)、WRC(2023年FIA世界ラリー選手権)第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」にて、GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が優勝。 また、69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合2位、33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合3位でフィニッシュして表彰台を独占。さらに、TGR WRCチャレンジプログラムのサポートにより出場した18号車の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が総合4位を獲得した。 トヨタでは1993年にセリカGT-FOUR(ST185)で初めてサファリ・ラリーで1-2-3-4フィニッシュを達成しており、そして、2022年に続いてGR YARIS Rally1 HYBRIDによる2年連続となる1-2-3-4フィニッシュを達成。同一のWRCイベントで、同じマニュファクチャラーが1-2-3-4フィニッシュを3回獲得するのは史上初という。なお、トヨタは今回の勝利によりサファリ・ラリーでの通算優勝回数を11に増やし(うち10勝はWRC開催イベント)した。 ...
コバライネン選手のファビア。鋭角的に向きを変えて修正舵を当てながら危なげなく旋回していった。さすがです さて前回はYUHO RALLY TANGOを見学に行き、国内ラリーを紹介したが、そのときにギャラリーステージで外からの各選手の走りを見せてもらった。 サービスポントからほど近いSS9と12、Tsunotsuki Reverseという名前がついている。SSはそれぞれネーミングされているので、参加者はイメージしやすく、ギャラリーもなじみやすい。距離は約12kmのターマック(RALLY TANGOはオールターマック)で観戦ポイントは森林公園スイス村にある下りのWヘアピン。朝この観戦ポイントに入ると、ラリー終了までこの地点から出られず、1日ここに陣取る形になるが、熱心なギャラリーはアウトドア装備で場なれた格好をしてラリーを楽しんでいる。屋台も出て、トイレもあるので長居にも困らないように配慮されている。 天気は曇り空だが午前のSS9の路面は夜の雨でウェットが残っている。タイヤは全車ドライ用を選択しているようだ。 10時過ぎに特徴のある排気音と共にコバライネンがやってきた。ワイドな左コーナーのあと短いストレートがあり、左ヘアピン、その直後に右ヘアピンとなるライン取りが難しいコーナーだ。コース幅は片側1車線ぐらいの広さがありライン取りは自在それぞれのドライバーの個性が出る。 迫る右コーナに向けて短時間でも直線的に加速していく。速い! ドライビングセオリーは昔も今も変わらないはずだが、レースでもラリーでも走らせ方はずいぶん変わっている。特にドライではタイヤグリップを最大限に使うような走らせ方になっている。 友人の三好正巳さんが昨年ヤリスレースにチャレンジしたが、ドライでは歯がたたなかったと言っていた。走る編集長として有名だった三好さんはワークスのサポートを受けていたこともあるほどの腕達者だが、それでも現在のスペシャリストとは全くクルマの走らせ方が異なり、走り終わったあとのタイヤ摩耗が全く違うと言っていた。そういえばロードスターのメディア対抗4時間耐久でも同じことが起こっており、タイヤを限界まで使えるドライバーが速い。 話がそれてしまった。さて、ラリー2特有の音を響かせてファビアが表れた。速い! 緩い左コーナーを抜けてきたファビアはアウト側からヘアピンに向けて直線的に入ってきた。強いブレーキで減速する。ブレーキを使いながら姿勢をヒョイと変えて、インぎりぎりをとらえ、カウンターで姿勢を整えヘアピンに向けて鋭く修正して、また直線的に加速する。右ヘアピンはコーナー出口のアウト側に余裕があるようで、アウト・イン・アウトのセオリーは取らない。クルマの行きたい方に走らせながら、クリッピングはコーナーの頂点ぐらいに取っていた姿勢変化はやはりシャープだ。見とれてしまいコーナリング中にブレーキを使っているのかも分からなかった。記憶の映像には少し点灯したような気もするが。とにかくシャープで無駄がない。 若干19歳。JN5のヤリス5MTで全日本に参戦する木内秀柾選手のコーナリング。コ・ドライバーは加勢直毅さん JN2で快調な奴田原ADVAN号は対照的にスムーズ。コーナーは滑らかに速度を落とさないような走り方。こちらはコーナーを余すことなく使い、タイヤのグリップ力の最大値を引き出している。立ち上がり速度はパワーのあるラリー2のファビアが速いものの、コーナリングスピードはGRヤリスの方も速そうに感じた。DAY1をタービントラブルでリタイアしたKYB号の石田雅之さんもベテランらしく危なげのない走りだ。 ADVAN カヤバ KTMS GRヤリスの奴田原/東組は総合3位。走りも無駄がなく流れるようなコーナリングでした ...
ホンダ 鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会のチーム体制を発表 本田技研工業株式会社は、鈴鹿サーキットにて2023年8月6日(日)に決勝レースが行われる「2023 FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会」に参戦する主なHondaチームの体制を発表した。昨年8年ぶりの優勝をもたらした「Team HRC」はもちろん、今年も選手たちの走りに注目だ。 2023 FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会参戦体制について Hondaは、鈴鹿サーキット(三重県)で8月6日(日)に決勝レースが行われる「2023 FIM※1世界耐久選手権(以下、EWC)“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会(以下、鈴鹿8耐)」に参戦する主なHondaチームの体制を決定しました。 <以下、敬称略> 昨年Hondaに8年ぶりの優勝をもたらした「Team HRC」は、今年もHondaのワークスチーム※2として「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」をベースとしたワークスマシンで参戦します。今年は、FIMスーパーバイク世界選手権(以下、WSBK)のライダーのイケル・レクオーナとチャビ・ビエルゲが参戦します。この2人に加え今シーズンはMFJ※3全日本ロードレース選手権ST1000クラス(以下、ST1000)に参戦している高橋巧も参戦します。高橋巧は昨年の優勝ライダーであり、連覇をすれば通算5回目の優勝となり、鈴鹿8耐の最多勝に並びます。 2022年のEWCシリーズチャンピオンを獲得した「F.C.C. TSR Honda France」は、レギュラーライダーのジョシュ・フック、マイク・ディ・メリオ、アラン・テシェの3名で参戦します。今シーズンは開幕戦のルマン24時レースで優勝し、現在ポイントランキングでは首位と1ポイント差の2位(第2戦終了時)につけており、シリーズチャンピオン連覇に向け、より多くのポイント獲得を目指していきます。 「SDG Honda ...
Ai Ogura, Honda Team Asia MotoGP第8戦オランダGPがTTサーキット・アッセンで開催された。Moto2クラス決勝は、Inde GASGAS Aspar Teamのジェイク・ディクソンが優勝した。 全22周の決勝レースは、ポールシッターのアロンソ・ロペス(Beta Tools SpeedUp)が好スタートを切って先行。3番手スタートの小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)はディクソンを追い抜いて2番手に浮上した。 ロペスは1周目を終えた時点で0.7秒と大きく2番手小椋以下を引き離すスタートダッシュを決め、小椋とディクソンが第2集団となって、ロペスを追いかける形のレース序盤となった。 ただロペスが逃げを打つ展開にはならず、2番手以下とは0.5秒差前後の安定した状態でしばらくラップを消化していった。 小椋とディクソンらは6周目時点で、ロペスと0.3秒差まで接近。徐々に射程圏内に収めつつあった。さらにハイペースで走るペドロ・アコスタ(Red Bull KTM ...
Jaume Masia, Leopard Racing TTサーキット・アッセンでMotoGP第8戦オランダGPのMoto3クラス決勝レースが行なわれた。サマーブレイク前最後のレースを制したのは、Leopard Racingのジャウマ・マシアだった。 変わりやすいダッチウェザーで有名なオランダGPだが、今年はレースウィークを通じて天候が保たれ決勝日も快晴が広がった。Moto3クラス決勝開始時の気温は28度、路面温度が38度というコンディションだった。 全20周のMoto3決勝がスタートすると初ポールポジションのダビデ・ムニョス(BOE Motorsports)がホールショットを奪い、ジョエル・ケルソ(Angeluss MTA Team)、リカルド・ロッシ(SIC58 Squadra Corse)、佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)、マシアといった予選上位勢が順当に先頭集団を形成した。 トップ集団ではマシア、佐々木に加えてデニス・オンジュ(Red Bull KTM ...
Brad Binder, Red Bull KTM Factory Racing, Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing MotoGP第8戦オランダGPのスプリントレースは、多くのライダーがトラックリミット違反の警告を受ける中、3番手でチェッカーを受けたブラッド・ビンダー(KTM)がペナルティを受けて5位に降着することとなった。 ビンダーはレース終盤に右コーナーのターン8立ち上がりで、わずかに縁石外側の”グリーン”ゾーンに乗ってしまい、ロングラップ・ペナルティを科せられた。これをフィニッシュまでに消化できなかったため、ビンダーはフィニッシュ後にロングラップ・ペナルティに相当する3秒のタイム加算を受けたのだ。 そしてスプリントを上位で終えたライダーたちも、トラックリミットを違反しないように走ることが難しかったと語っている。 スプリントを優勝したマルコ・ベッツェッキ(VR46)は、舞台のアッセンはトラックリミットの点で難しいサーキットなのかと尋ねられ、次のように答えた。 「僕にとっては常に難しいサーキットだ。トラックリミットを超えてしまうのは、いつもターン8と最終コーナーなんだ。通常、コーナーを抜けるときはまっすぐ立ち上がるんだけど、あそこは(縁石が)内側にカーブしているんだ」 「マシンをコントロールするのは難しいけど、コースの特性だから適応するしかない。プラクティスでは何度もグリーンに入ってしまった! だからレースではコントロールが難しかった」 ベッツェッキに次ぐ2位でスプリントを終えたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)も、「高速コーナーなので、このスピードでマシンの動きをコントロールするのは難しい」と語り、次のように続けた。 「ターン8では、できるだけストレートに脱出しようとするが、マルコが言ったように縁石が自分のラインに向かってくるんだ」 ...
鈴鹿8耐でも活躍!世界耐久で栄冠への躍動を伝え続けたRKのチェーンをすべてのバイクに 【brand pickup】 耐久レースで鍛え抜かれたシールチェーンをそのまま市販車に バイクレースは車両メーカーだけでなく、パーツメーカーにとっても技術の開発&テスト現場としての役目を持っている。 これまで、サーキットで生まれてきた新技術は枚挙にいとまがなく、それが今日のバイクの高性能化へとつながってきた。 しかし、レーシングマシンとそのまま同じパーツが市販車用として販売されるのはレアケースだ。 サーキットを走るレーシングマシンと公道を走る市販車とでは、速度域やエンジン回転域が違うし、レース用パーツはコストが高い傾向があり、量産市販車向けとしては適さないのである。 だが、RKの市販車向けシールチェーン「XXW Series」は、FIM世界耐久選手権を戦うレーシングマシンにも同じものが使われているのだ。 FIM世界耐久選手権に参戦するCBR1000RR-Rに採用されるRKチェーン FIM世界耐久選手権(EWC: Endurance World Championship)は、最高峰の耐久レースで、全4戦が行われるシリーズ戦となっており、鈴鹿8耐もそのひとつに含まれている。 レースは8時間もしくは24時間で行われる過酷なもので、マシンに対して「速さ」はもちろんのこと「耐久性」が強く求められるレースだ。 そんなFIM世界耐久選手権において、2022年のシリーズチャンピオン、今シーズンも現在ポイントランキングトップに君臨しているのが「F.C.C. TSR Honda France」であり、同チームのマシンであるCBR1000RR-Rに使われているのが市販品と同じ「XXWチェーン」なのである。 ...
Alonso Lopez, Speed Up Racing TTサーキット・アッセンで開催中のMotoGP第8戦オランダGP。Moto2クラスの予選が行なわれ、アロンソ・ロペス(Beta Tools SpeedUp)がポールポジションを獲得した。 Moto2クラスに参戦する日本人ライダーだが、羽田太河(Pertamina Mandalika SAG Team)がQ1からの出走となり、小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)はQ2へのダイレクト進出となった。 Q1出走の羽田は走行を通じてタイムを改善していったものの、後半にかけて自己ベストを更新できず。最終的に13番手となりQ1敗退で予選を終えた。 予選Q2からの参加となった小椋は、他の多くのライダーとはタイミングをズラしてアタックを実施。FP3でトップだった小椋は他の上位陣に匹敵するペースを見せており、Q2折返し時には1分36秒301の暫定トップタイムをマークしてみせた。 その小椋を超えるペースを示したのがペドロ・アコスタだった。ただ後半セクターで速さが足りず、0.25秒差の3番手タイムに留まった。 小椋の暫定トップがしばらく続いたが、残り3分を前にジェイク・ディクソン(Inde GASGAS ...
David Munoz, Boé Motorsports TTサーキット・アッセンでMotoGP第8戦オランダGPのMoto3クラス予選が行なわれた。ポールポジションを獲得したのは、BOE Motorsportsのダビデ・ムニョスだった。 Moto3クラスに参戦する日本人ライダーの予選Q1とQ2の振り分けは、山中琉聖(Valresa GASGAS Aspar M3)、鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)、古里太陽(Honda Team Asia)の3名がQ1スタートで、佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)のみがQ2へのダイレクト進出となった。 山中はQ1前半時点では1分42秒843を記録して、Q2進出圏内の4番手に入った。ただ5番手以下との差がごく僅かであり、余裕はない状況だった。 ラストアタックでタイムシートは大きく動くこととなったが、最速タイムを記録したのは古里だった。また鳥羽も4番手タイムを記録し、この2人がQ2へ駒を進めた。一方で山中はタイムを更新できず、11番手までポジションをダウン。Q1敗退となった。 ...
Miguel Oliveira, RNF MotoGP Racing 2023年シーズンのMotoGPは、ドゥカティが上位を席巻する展開が続いている。一方で日本メーカーのチャンピオン経験者がかなり苦戦してしまっているが、ミゲル・オリベイラ(RNF)は今のMotoGPではライダーが違いを生み出すことが難しいと主張している。 開幕から7戦を終えた現在、タイトル争いはドゥカティ陣営内で繰り広げられている。ランキング首位は現王者のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)で、4番手までドゥカティのサテライトチームライダーが続いているのだ。 一方でひときわ苦戦が目立っているのが、ホンダとヤマハの日本勢だ。その中でもヤマハの2021年王者であるファビオ・クアルタラロは57ポイント獲得で8番手、6度の王者マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)は転倒続きでわずか15ポイントの獲得に留まっている。 日本メーカーのチャンピオン経験者の苦戦は今季注目のトピックとなっているが、現在のMotoGPではライダーがマシン以上に違いを生み出すことが難しいとオリベイラは考えている。 「バイクの能力を上回ることのできるライダーはひとりもいない」 オリベイラはそう語る。 「このスポーツはライダーとバイクのふたつの関係によって成り立っている。そして最終的に、マシンを最も理解して最大限の力を引き出したライダーが、先頭に立つんだ」 「今はエアロダイナミクスの開発が決定的な役割を果たしている。必然的にバイクの性能が以前よりも少し大きな割合を占めるようになっている。今のバイクでは、ライダーが違いを生み出すのが難しくなっているんだ」 Follow @MotorsportJP関連ニュース:いまやMotoGPは”ドゥカティの春”……その鍵は『サテライトへのサポート戦略』とバニャイヤ。「毎回トップが話を聞きに行くんだ」バイクに文句言い過ぎ? KTMミラー「黙って仕事しろ」とライバルの姿勢を批判「マルケスのクラッシュ後は、正直怖かった」中上貴晶、ホンダMotoGPマシンが抱える“不安定さ”に限界示唆ロレンソ、MotoGPの高速化と空力開発過熱に警鐘「時速400kmまでやるのか? 空力も制限した方がいい」新幹線も置き去り!? バイク世界最高峰MotoGP、KTMが史上最高速記録『366.1km/h』を樹立
時速285キロから“一瞬で追い抜き”の凄技 日本最速レースの鮮やか首位交代劇「リトモキター」「ナイスりとも」と大反響 【スーパーフォーミュラ】第5戦(決勝・6月18日/スポーツランドSUGO) 他車に追い抜きをかけるオーバーテイクは、レースの大きな見どころ! 国内最速の「スーパーフォーミュラ」第5戦でも痺れるようなオーバーテイクを何度も見ることができた。 【映像】超高速で“一瞬の追い抜き”一部始終 そのなかでも特に印象的だったのは、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が大湯都史樹(TGM Grand Prix)をオーバーテイクしたシーン。予選は、大湯に惜しくも0.031秒差で敗れた宮田。その悔しさを晴らすように、決勝ではトップの大湯を追い詰めた。 12周目に宮田はチームに「大湯はOTS使った?」と確認。OTSとは、一時的にエンジンをパワーアップする「オーバーテイクシステム」のこと。OTSは、レース全体を通して200秒間使うことができるが、SUGOでは一度使用すると110秒のインターバルタイムが必要になる。 宮田は、大湯がOTSを使用済みでしばらく使えないことを知ると、12周目の後半セクションからOTSを使用して一気に加速! そのままストレートで大湯を抜き去ることに成功した。 ストレートで記録された宮田の最高速は、なんと約285km/h! OTSが使えなかった大湯は約275km/hだったので、その速度差は約10km/hもあった。「なんだ、10km/hしか違わないの?」と思うかもしれないが、最高速が10km/h違えば、レースの世界ではラップタイプは圧倒的に開いてしまう。0.1秒、0.01秒の差で争うSFでは、ガラッと戦況が変わってしまうというわけだ。 鮮やかな首位逆転劇に「リトモキター」「ナイスりとも」とABEMA視聴者も大絶賛。これからも宮田の快進撃から目が離せなさそうだ。 (ABEMA『スーパーフォーミュラ2023』/(C)JRP)
Paddock, Dunlop trucks motorsport.comの調べによれば、2024年からMotoGP世界選手権のMoto2クラスおよびMoto3クラスの単独タイヤサプライヤーを、ダンロップに代わってピレリが務めるようことになるようだ。 Moto2とMoto3のタイヤ供給はMotoGPクラスとは異なり、10年以上にわたってダンロップが支えてきた。しかしダンロップとMotoGPのプロモーターであるドルナ・スポーツとの現行契約は今年限りで終了する。 motorsport.comの調べによると、イタリアのタイヤメーカーであるピレリが、2024年からMoto2とMoto3の単独サプライヤーとなることが分かった。ピレリは長年スーパーバイク世界選手権(WSBK)のサプライヤーを務めており、トップレベルのモーターサイクルレースでの存在感をさらに高めることになる。 ピレリは、2011年にブリヂストンからF1のオフィシャルタイヤサプライヤーを引き継いだほか、現在は世界ラリー選手権(WRC)の単独サプライヤーを務めている。 一方MotoGPクラスでは、2016年からブリヂストンに代わってミシュランが独占契約を結んでいる。この契約は2026年まで続くものであり、2027年にはテクニカルレギュレーション変更が控えている。 ピレリは、ジュニアGP世界選手権、アジアン・タレント・カップ、そして最近創設されたラテンアメリカ・タレント・カップといった選手権にもタイヤを供給することになる。 ピレリがタイヤサプライヤーとなることは、Moto3クラスにおいては2012年の創設以来、Moto2クラスにおいてはトライアンフが2019年にエンジンサプライヤーに就任して以来の大きな変化となるだろう。 F1では、2025年以降のタイヤサプライヤーの入札プロセスが進んでおり、ピレリはブリヂストンとその座を争っているものと見られている。 Follow @MotorsportJP関連ニュース:MotoGP、2024年からフォーマットを一部変更か。予選Q1&Q2振り分けは初日午後プラクティス2“のみ”で判断へ2025年からのF1タイヤサプライヤー入札、ブリヂストンが参加の噂。ピレリとの競争になる?”ウォーマーなし”新インターミディエイトタイヤの今季導入をチームが拒否。ピレリは「ウエットは受け入れたのに」と困惑ピレリのF1新タイヤ導入で、勢力図の変化は起きない? レッドブル「今のところ影響は小さいと予想」F1のタイヤウォーマー廃止にドライバーから懸念の声。テスト参加のラッセル「クラッシュが起こるのは間違いない」
Marco Bezzecchi, VR46 Racing Team TTサーキット・アッセンでMotoGP第8戦オランダGPが開幕。初日のプラクティス1では、VR46のマルコ・ベッツェッキが最速タイムを記録した。 全戦ドイツGPは不安定な天候となったが、オランダGPは初日から快晴。気温26度、路面温度35度のコンディションで最初の走行がスタートした。 カザフスタンGPが中止となったため、オランダGPは今シーズンのサマーブレイク前最後のレース。終了後は5週間の夏休みに入るため、ライダーとしては良い形で締めくくりたいであろうグランプリだ。 ベッツェッキはプラクティス1の序盤から1分33秒298で暫定トップタイムに。チームメイトのルカ・マリーニも2番手に続いた。 ドイツGPのウォームアップで転倒して左親指骨折と肋骨にヒビを負ったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)は、フィジカル面が厳しいのか、開始からコースインしたもののゆったりとした走りが続いた。 関連ニュース:欠場のまま夏休み入りも噂されたマルケス、オランダGPでの復帰は「ホンダへのコミットメント示すため」 なお、ヤマハのファビオ・クアルタラロもオランダGP直前のランニング中に転倒。左足親指を骨折してしまったが、プラクティス1には参加した。ただガレージに戻って来た際には左足をかばう歩きで、医師と会話を交わす場面も見られた。 セッション開始から約15分、アウグスト・フェルナンデス(GASGAS)がターン10でフロントを滑らせて転倒。ひとまず自力でコースを後にしている。ミゲル・オリベイラ(RNF)もターン1で転倒を喫しているが、こちらも自力でコース外へ向かった。 なおターン10では残り19分というところで、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)も転倒してしまっている。フェルナンデス同様にフロントのグリップを失ってのスリップダウンだったが、マシンがグラベルで大回転し、大きく破損してしまった。 プラクティス1は転倒が多く、残り15分頃にターン15でヨハン・ザルコ(プラマック)がこのセッション4人目の転倒者となった。ザルコはピットレーン入り口でジャック・ミラーの”KTMバイクタクシー”を拾ってピットへ帰還している。 続発する転倒を尻目に、ベッツェッキは暫定トップタイムを1分32秒725まで更新した。 そしてプラクティス1の最後に各ライダーがタイムアタックに入ると、ここでもベッツェッキが好調だった。彼は1分32秒246まで自己ベストを更新し、2番手以下に0.3秒の差をつけてプラクティス1をトップタイムで終えた。 2番手はマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)、3番手はアレックス・マルケス(グレシーニ)となった。 怪我をおして参戦した兄のマルク・マルケスは1分34秒111で21番手だった。”怪我仲間”のクアルタラロは、1分32秒762で5番手と奮闘を見せた。なおクアルタラロはセッション終了後に医療チームの診察を受けることになっており、診察内容によっては午後以降のセッションに影響してくるだろう。 日本人ライダーであるLCRホンダの中上貴晶は、1分32秒981で7番手タイムとなった。 ...