コレクションホールみ展示された、2002年に加藤大治郎が乗ったNSR500 ロードレース世界選手権・日本GPの舞台となるホンダリゾートもてぎの「コレクションホール」では、いま、ホンダのグランプリマシンが一挙公開されている。公式ホームページの案内には、「チャンピオンマシンだけではなく、記憶に残る名シーンを彩ってきた45台を特設会場にて展示。世界へ挑んだHondaのグランプリマシンたち、それぞれの軌跡をお楽しみください」と書かれている。展示期間は、7月21日に始まり、日本GPの決勝日の10月1日までとなっている。興味ある方は、ぜひ見に行ってほしいと思う。 この展示を先日、見ることができた。コレクションホールはグランプリ期間中に多くの関係者が訪れ、そして異口同音に「ホンダの歴史に圧倒された」と感激する場所でもある。通常展示でも十分に見応えあるものだが、今回の特別展示では、グランプリを駆け巡ったGPマシンが勢揃い。まさに、ホンダの栄光の歴史が詰まっていると言ってもいい。 それだけに、この数年のホンダの低迷は、ホンダファンにとっては辛く寂しいものだろう。もう何度も書いてきたが、ホンダは昨年、コンストラクターズポイントで6メーカー中最下位。今年も10戦を終えて5番手だが、1チーム体制のヤマハと並んで同ポイントである。チームポイントでは、ホンダのワークスチーム「レプソル・ホンダ」が、昨年最下位、今年も10戦を終えて最下位と、栄光のホンダの歴史の中で「どん底」状態になっている。 一向に解決しないリアのスピニング その低迷を受けて、ヨーロッパのジャーナリストたちからは、「ホンダはパワーがない。だから、遅いのだろう」という声があがる。「いやいや、そうではなくて、ホンダはパワーを出し過ぎてバランスが狂っているからだ」と言っても、怪訝な顔をされるばかりである。 当初はホンダ陣営も何が悪いのかわかっていなかった。1番の問題はリアのスピニングで、そのため加速、最高速を得られなかった。その問題を解消するのに、本当に多くの時間を費やしてきたと思う。昨年は、モト2クラスの車体で最大勢力を誇るカレックスにスイングアームの製作を依頼し、今年はフレームの製作も依頼している。車体の剛性など、大きく変わっているのだが、その結果は、「多少の変化はあるものの大きな改善はなし」というもの。現在は、サーキットによって「ライダーの好み」でホンダオリジナルとカレックスを使い分けている状態だ。 カレックス製のフレームを使っても大きな改善はなく、電子制御(共通ECU)でいろいろトライしても改善されず。そして、後半戦のスタートとなった第9戦イギリスGPからは、ダウンフォースを増大させた新しいエアロパーツを、まずは中上貴晶のマシンに投入、第10戦オーストリアGPからは、マルク・マルケス、ジョアン・ミルのワークス勢にも投入したが、ここでも大きな改善はなかった。 ニューエアロについて、2レース連続でトライしている中上はこう語る。 「これまではコーナーの立ち上がりでウイリーが多く、加速につながらなかった。ニューエアロはダウンフォースが増えた分、ウイリーは制御されるようになったが、今度はリアタイヤのスピニングがひどくなった」 ダウンフォースが増えてウイリーが抑制された。その結果、パワーを出せるようになり、ライダーたちもアクセルを開けやすくなったが、アクセルを開けられるようになった分、今度はスピニングが増えるという“いたちごっこ”が続いている。 現在のMotoGPマシンのパワーは? こうしてホンダは、車体、電子制御、そして空力と、大きな変更にトライしてきたが、リアのトラクション不足に大きな改善は見られないし、「パワーを出し過ぎたエンジンに問題があるのではないか」という僕の推測は、ここに来てほぼ確信に変わって来ている。 エンジンのパワーについては、どのメーカーもトップシークレットであり、だれも正確には答えてくれないが、「ホンダのMotoGPマシンは300馬力を超えているのでは?」と、ことある毎に他メーカーのエンジニアなどに尋ねている。 そこでわかってきたことは、現在のMotoGPマシンのエンジンパワーは、だいたい280馬力前後ではないかということ。これでも「有り余るパワー」であり、現在のMotoGPクラスではそれをいかに使いきるかという戦いが続いている。そういう状況の中で、「遅い。だから馬力を出さなくてはいけない」という間違った方向に突き進んでしまったのがホンダではないかと思うのだ。ホンダはエンジンを速くする技術があるだけに、余計に始末が悪いということになる。 ホンダコレクションホールに行くと馬力がありすぎたための失敗作があり、この問題はいまに始まったことではないと思い出すことができる。例えば加藤大治郎、そして原田哲也が2002年のシーズン前半に乗った2ストローク500ccマシン「NSR500」は、パワーがありすぎて、リアにトラクションがかからずスピニングに大苦戦した代表的なマシンである。 この年は4ストローク1000ccのMotoGPマシンが登場したシーズンで、それに対抗するために2ストローク500ccマシンは「もっとパワーを」というシーズンだったが、250ccクラスでチャンピオン争いを繰り広げ、同時にホンダの500ccマシンに乗った2人のデビュー戦は悲惨そのものだった。雨になった日本GPで2人は、ともに周回遅れ。大ちゃん10位、哲ちゃん11位という信じられない結果で、2人とも「スピニングがひどくてまともに走れなかった」というじゃじゃ馬マシンに焼いた。同じくNSR500に乗ったロリス・カピロッシも周回遅れに終わっている。 この時代の2ストロークエンジンは制御が難しく、4ストロークエンジンのマシンに対抗するために「最高に馬力を狙った」マシンだったが、結果的にドライコンディションでもセッティングが難しく、ウエットではまともに走れない代物だった。 まだ見えぬ来季のマシン シーズンは早くも折り返し点を迎え、ライダーたちはすでに来季に向け動き始めている。今季、ホンダで唯一優勝しているアレックス・リンスが、来季はヤマハに移籍。そして、ドゥカティ勢で安定した走りを見せているヨハン・ザルコが、リンスの代わりにLCRホンダへ移籍すると決まった。中上の来季継続も確実となっており、ホンダ陣営のラインナップはこれで固まった。 ...
2023スーパーGTシリーズ第5戦 SUZUKA 450kmレースが8月26日(土)、27日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催された。 8月27日の決勝日は20,000人以上の観客が鈴鹿サーキットに訪れた SUBARU BRZ GT300は第3戦の鈴鹿以来、速さを取り戻しチームは明るくなっている。しかし、戦略の途中での赤旗中止や他車に接触され順位を落としたレースもあり、シリーズポイントは4戦を終えた時点で11点、と思うようには伸びていない。 レース前にドライバーの山内英輝に話を聞くと「2日間全員がミスをせず、やるべきことをやれば自然と結果につながると思います」という、やや含みのあることを言っていた。 山内英輝はGT300最多となる14回目のポールポジションを獲得した その背景には、細かなトラブルがいくつか発生していることがあるのだろう。そのマイナートラブルが原因ではないものの、山内は「勝てる時は、全てが完璧に熟せたときですよね。このレベルの高いレースで、少しでもミスがあると微妙に歯車が狂いだし、それを取り戻すことがものすごく難しいんだと思います」という。 今季のBRZ GT300は制御ECUの変更や、エアロの変更など大きなモデルチェンジを行なっているため、トラブルの可能性の芽を全て摘んでいるとは言えないのかもしれない。それがようやく第3戦から速さが戻ったということなのだ。 だから第3戦の鈴鹿予選は1位、第4戦の富士スピードウェイ予選は2位という結果を見せ、マシンはできた!のだ。あとはチーム力をあげミスのない展開ができれば優勝できると。 小さなミスひとつなく、スタッフ全員が完璧な仕事をこなした 異常に速い そして第5戦の鈴鹿。土曜日の公式練習ではいつものように山内がコックピットに座りマシンのセットアップを始める。山内は走り出しから「バランスがいい、特に問題はない」と無線でピットに伝える。 小澤正弘総監督は「この猛暑に対する対策を入れて鈴鹿に来ました。また路面も鈴鹿はグリップが高いのでタイヤへの攻撃性が高く、作戦的にもフルサービス2回のチームが多いと思います。BRZ GT300はスピードで勝てる展開にもっていけるように頑張ります」とコメントしている。 小澤正弘総監督はrタイヤ交換1回のチームに対し、ラップタイムを速くする戦略で戦う 第5戦の鈴鹿450kmレースは、ピットイン2回が義務付けられている。つまり3スティントあるが、タイヤ交換を1回だけにするチームと2回のチームがあるが、今回は多くのチームが2回行なうと予想している。それはフレッシュタイヤで走る時間が長いことを意味し、スピードがないと勝てないと予測できるわけだ。 ...
2023年8月27日、鈴鹿サーキットで「2023 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT 450km RACE」の決勝が行われ、16号車ARTA MUGEN NSX-GTが今季初優勝。ホンダ勢にとっても今季初のGT500クラス優勝となった。2位に39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra、3位には14号車ENEOS X PRIME GR Supraが入った。(文:河村大志/写真:井上雅行) 週末を通して好調だった16号車がポールトゥウィン ...
【スーパーGT】第5戦 NSXの鈴鹿ラストランを優勝で飾った“黒のARTA” 第2戦以外はすべて、雨がからんだ波乱の展開となったスーパーGT2023年前半戦。鈴鹿サーキットで行われた第5戦も猛暑、450キロのレース距離、ピットイン2回と波乱の要素は多く、すんなりとは終わらない気がしていた。 ところがGT500クラスの結果は、16号車ARTA(福住仁嶺/大津弘樹)のポール・トゥ・ウィン。3度のFCYがあったもののいずれも2周以内に解除となり、そこでGT500クラスに関しては大きなイレギュラーは発生せず、力と力との勝負となった。正直なところ“意外”ではあったが、前戦まで2戦連続で極端な波乱のレースだったゆえ実はこんな展開を望んでいた。その中で16号車が優勝したのも、ちょっとしたドラマだった。 ◆【実際の映像】灼熱の鈴鹿サーキットを駆け抜ける! 予測不能な450キロ、激アツのエンディングまでをダイジェストで振り返る ■NSX、今シーズンを有終の美で飾るか 来シーズンよりホンダのGT500クラス車両が「シビック・タイプR」に代わることが先日発表され、ホンダのホームコースである鈴鹿では今回がNSXのラストランだった。そんな舞台でホンダが今季初勝利を飾ったことが、まずは感慨深かった。ホンダのホームコースとはいえ鈴鹿は最近ニッサン勢が強く、今季不調のホンダ勢にハンデが軽いマシンが多いといっても、ディフェンディングチャンピオンの1号車インパル(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)がまだ勝っていないこともあり、ニッサンの方が有力なのではと思っていたからだ。 さらに優勝したのが、今シーズン初登場の“黒いARTA”だったことも興味深い点。3メーカーの今季参戦体制はほぼ、昨シーズンと変わっていない。そんな中で唯一“改革”といえることを行ったのが、3年間タイトルから遠ざかっているホンダ。昨年まで8号車はARTA、16号車はMUGENという別々のチームだった。それが今シーズンは、同じARTAでの2台体制となった。トヨタにはトムス、ニッサンにはニスモと、いずれも2台体制のエースチームが存在する。だがホンダにはなかった。2台体制であればデータ量も倍になる。このメリットはトップカテゴリーでは殊更大きい。トムス、ニスモの安定した強さがそれを証明している。 ARTAといえば、オレンジのマシンカラーがファンに定着している。新たに“黒いARTA”が加わったのはホンダの改革の証。それがホンダの今季初優勝を果たしたというのが、ドラマであると言った所以だ。第5戦となるとハンデ差は大きく、優勝候補は15チーム中半分くらいに絞られる。その中で16号車が一番有利だったわけではなく、ホンダ勢でいえば8号車ARTA(野尻智紀/大湯都史樹)も速かった。だが予選Q2でアタックした大湯がデグナーでミスをしたため16号車がポールを獲得。決勝では幸運にもフルコースイエローが出る直前に1回目のピットに入り30秒程アドバンテージを得られたことで、その後給油ミスにより燃料が2周分足りなくなり燃費走行を強いられながらもトップを譲ることなくチェカ―を受けた。 だが本当の改革の成果とはやはり、NSXラストイヤーシーズンそのものを有終の美で飾れるかどうか。つまりタイトルを獲れるかどうかだろう。そのために越えなければならないのは、3号車ニスモZ(千代勝正/高星明誠)と36号車トムス(坪井翔/宮田莉朋)。いずれも2チーム体制で戦う各メーカーのエースチームだ。 ◆第4戦 これが見納めか、ミシュランタイヤの圧巻パフォーマンスショー ◆第3戦 大クラッシュ赤旗終了も不可解な裁定 ファンのためにモータースポーツがスポーツであると忘れるな ◆2023開幕戦 クラッシュ、トラブル続出のレインレース、ニスモZワンツーフィニッシュの奇跡 著者プロフィール 前田利幸(まえだとしゆき)●モータースポーツ・ライター 2002年初旬より国内外モータースポーツの取材を開始し、今年で20年目を迎える。日刊ゲンダイ他、多数のメディアに寄稿。単行本はフォーミュラ・ニッポン2005年王者のストーリーを描いた「ARRIVAL ...
■GT300クラスはFCY直前にピットインしてトップに立ったUPGARAGE NSX GT3が優勝 ■SUPER GT第5戦鈴鹿、GT500クラス決勝結果(トップ10) ■SUPER GT第5戦鈴鹿、GT300クラス決勝結果(トップ10) 三重県・鈴鹿サーキットで27日、SUPER GT第5戦 鈴鹿GT450kmレースの決勝レースが行われ、#16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)がポールトゥウィンを飾った。 全8戦で争われる今季のSUPER GTは、5戦目を迎え後半戦に突入。チャンピオン争いは#3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が46ポイントでトップに立ち、5ポイント差で#36 au TOM’S ...
大津弘樹, 福住仁嶺, #16 ARTA MUGEN NSX-GT スーパーGTの第5戦が鈴鹿サーキットで行なわれ、GT500クラスは16号車ARTA MUGEN NSX-GTがポールポジションからスタートし、そのまま逃げ切って優勝を果たした。 16号車ARTAのスタートドライバーを務めた大津弘樹は、先頭のポジションをキープ。FCY(フルコース・イエロー)のタイミングにも助けられ、福住仁嶺にバトンタッチした後も盤石のリードを築いていた。そして福住は後続に約10秒の差をつけてトップチェッカー。今季初優勝を手にした。 大津としては、今回がGT300クラスも含め、スーパーGTでの初優勝。「ようやく勝つことができた」と喜びを噛み締めた。 「スーパーGTには2018年から参戦し、これまで2位や3位はあったものの、勝つことができていませんでした」 大津はレース後の会見でそう語った。 「直近3年はGT500クラスに参戦して、2位はあったんですがなかなか上位に絡むことができませんでした。しかし今年からチームを移籍し色々とトラブルや噛み合わないことはあったんですが、今回ようやくみんなの意識やミスしないということなど、全集中して臨むことができました。だからこその結果だと思います」 「スタート直後、タイヤのウォームアップが悪いかもしれないと予測していたんですが、1周目をなんとか抑え切ることができました。2周目以降、タイヤに熱が入った後は後続に対してかなりギャップを築くことができました。そのままのペースで維持していたところでFCYが出て、絶妙なタイミングでピットに入ることができました」 大津が言う通り、GT300クラスのマシンがストップしたことによってFCYが宣言させる直前にピットに飛び込み、1回目給油義務を消化することができた。これも、勝因のひとつだったと言えよう。ただ、予定よりも給油量が少なかったようで、燃費走行をしなければいけなかった。 「ピットから出た後はマージンもすごくあったんですが、燃料が想定よりも入っていなかったということで、燃費走行をして2周分以上燃料を稼がないとゴールまで辿り着けないという状況でした。でもマージンもありましたし、その貯金を切り崩しながら、後続に14秒差くらいになったところで福住仁嶺選手に交代しました」 「僕がすべきことは、できたかなと思います」 バトンを引き継いだ福住仁嶺は、大津が築いたギャップがあったため、落ち着いて走ることができたという。 「大津さんとチームと僕とで、良いクルマを仕上げることができました。予選がトップで、レースでもずっと前を走ることができたというのが、大きな勝因だったかなと思います」 ...
#23 MOTUL AUTECH Z 鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーGT第5戦鈴鹿で暫定2位として表彰台に登った23号車MOTUL AUTECH Zの松田次生、ロニー・クインタレッリ組。しかし彼らはレース後の再車検に不合格となり、失格に終わった。 6月に同じく鈴鹿サーキットで行なわれた第3戦で、宙を舞う大クラッシュに見舞われた23号車だったが、2ヵ月のインターバルの間に怪我を負った松田次生も、全損となったマシンも復活を遂げ、8月の第4戦富士のグリッドに並んだ。 そして今回の第5戦で23号車は2番グリッドから順調なレース運びを見せ、2番手でフィニッシュ。暫定2位として表彰式に参加し、復活をアピールしていたが、一転して失格となった。 再車検で違反が認められたのが、車体の底面にあるスキッドブロック。そこが規定以上に削れてしまっていたようだ。 NISMOの監督兼エンジニアである中島健氏によると、車高に関しては特段アグレッシブにしたということではなかったものの、何らかの原因でスキッドブロックが削れてしまったとのこと。原因はこれから調査するとして、「ドライバーには大変申し訳ないことをしたと思います」と話した。 これにより39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが2位、14号車ENEOS X PRIME GR Supraが3位に繰り上がり。ポイントランキングでトップと9点差の3番手に浮上するはずだった松田、クインタレッリ組は、トップと24点差の7番手に転落となった。 ...
#16 ARTA MUGEN NSX-GT 8月27日、鈴鹿サーキットでスーパーGT第5戦の決勝レースが行なわれた。GT500クラスは16号車ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)、GT300クラスは18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が優勝した。 2023年のスーパーGTは既に4戦を終え、後半戦に突入した。8月のレース開催は第4戦富士に続いて2度目だが、前戦は雨に振り回されるレースとなった一方で、今回の鈴鹿戦は真夏らしい灼熱のコンディションでスタートし、77周のレースは最後までドライコンディションが保たれた。スタート時の気温は33℃、路面温度は50℃に達した。 ■GT500クラス GT500のポールポジションは、16号車ARTA MUGEN NSX-GT。今季から2台体制となったARTAが今季初ポールを手にした。2番グリッドには日産陣営の23号車MOTUL AUTECH Zがつけたが、2列目には17号車Astemo NSX-GT、64号車Modulo NSX-GTとホンダ勢が続いた。 スタートでは上位陣のオーダーに変化はなく、16号車ARTAを駆る大津弘樹は首位をキープした。そしてピットイン義務の消化が可能となる5周目に突入し、GT300車両のトラフィックが発生しはじめる頃、大きな動きが。10番グリッドからスタートした3号車Niterra MOTUL ...
GT500:ポールポジションからスタートした16号車 ARTA MUGEN NSX-GT。FCYを味方につけて優勝 激しい争いが繰り広げられたが、16号車 ARTA MUGEN NSX-GTが序盤に築いたリードを活かして優勝 GT300クラス:18号車 UPGARAGE NSX GT3がFCY直前のピットインで得たリードを活かして逃げ切り SUPER GT第5戦を優勝した16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹、BS)。大津選手は初優勝 SUPER GT 第5戦鈴鹿が、8月26日~27日の2日間にわたって鈴鹿サーキットで開催された。14時45分から始まった450km/77周の決勝レースでは、ポールポジションからスタートした16号車 ...
#16 ARTA MUGEN NSX-GT スーパーGT第5戦鈴鹿:決勝暫定順位 ■GT500クラス 1. #16 ARTA MUGEN NSX-GT 2. #23 MOTUL AUTECH Z 3. #39 DENSO KOBELCO ...
フェラーリは来る2024年シーズンに向けて、新マシンは2023年のSF-23が抱える弱点を考慮したモノになると語っている。 今シーズンのフェラーリは、予選では速さを発揮する一方で、レースではペースが維持できないことが多くみられ、それらはタイヤの過度な摩耗とレースペースの安定性という問題として彼らの課題となってきた。そしてコンストラクターズランキングでは4番手とメルセデスとアストンマーチンの後塵を拝する状況となってしまっている。 カルロス・サインツJr.が「凄くピーキーなクルマ」だと指摘しているSF-23。フェラーリとしてもここ数ヵ月で問題の調査を進めてきたため、今では抱えている弱点がどこからあるのかをかなり明らかにできたという。 「我々としても、マシンの何が間違っていたのか、どこが弱点なのかを極めて明らかにすることができた」 フェラーリのシャシー責任者であるエンリコ・カルディーレは、オランダGPでそう語った。 「これは明らかなことだが、何をすべきかを理解することが問題なのではない。将来のため、我々の目標を達成するためにしっかりとしたプロダクトを供給することが大事なんだ」 「我々はどこか“知らない場所”にいるわけではない。我々がしなくてはならないのは行動することだ。クルマの適切な内容や、目標の達成のために適切なアーキテクチャーを見つけることが重要だ」 なおカルディーレは、2024年向けの新マシンは、大幅に刷新されると語った。 「今年のクルマは、アーキテクチャーにいくつか正しくない選択があったことが分かったため、(2024年のマシンは)非常に異なるものになるだろう。開発に制約を受けすぎていたんだ」 「来年のマシンだが、SF-23が昨年のマシンと比較されるのとは違い、今年のマシンの進化というものではない」 「目標達成のためにより良いマシン開発を可能とすべく、異なる設計のシャシーやリヤエンドの全く新しいマシンになるだろう」 Charles Leclerc, Ferrari SF-23 Photo by: Sam Bloxham / ...
#16 ARTA MUGEN NSX-GT スーパーGT第5戦鈴鹿:公式予選タイム結果 ■GT500クラス 1. #16 ARTA MUGEN NSX-GT 1’46”385 2. #23 MOTUL AUTECH Z 1’46”422 3. #8 ...
大津弘樹, 福住仁嶺, #16 ARTA MUGEN NSX-GT 8月26日、鈴鹿サーキットでスーパーGT第5戦の公式予選が行なわれた。GT500クラスは16号車ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)、GT300クラスは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がポールポジションを獲得した。 全8戦で行なわれる今季のスーパーGTは前半4戦を終え、この鈴鹿戦から後半戦に突入する。ランキング上位のチームは既にかなりのサクセスウエイトを課されていることもあり、ここまで結果を残せていないチームにとっては、軽い車重を活かして大量得点を稼ぐチャンスとなる。 予選日は真夏らしい暑さとなり、予選開始時は気温33℃、路面温度52℃というコンディション。FIA F4のレース進行が遅れたこともあり、当初の予定から10分遅れの15時20分からセッションがスタートした。 ■GT500クラス 午前の練習走行では全15台が0.778秒差以内に収まるという僅差のセッションとなったGT500。予選Q1も白熱したセッションとなった。 Q1はまず17号車Astemo NSX-GTがターゲットタイムとなる1分47秒176をマークすると、38号車ZENT CERUMO ...
GT500のポールポジションを獲得した16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹、BS) SUPER GT 第5戦鈴鹿が、8月26日~27日の2日間にわたって鈴鹿サーキットで開催されている。27日午前中に公式練習、午後にノックアウト予選が行なわれ、27日に行なわれる決勝レースのグリッド順が決定した。 GT500のポールポジションは16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹、BS)、2位は23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ、MI)、3位は8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹、BS)。 トヨタ勢の最上位は38号車 ZENT CERUMO ...
Getty Images ■キミワクイーン 【中間調整】古馬重賞初挑戦だったオーシャンSこそ外めから速い流れを追走する強気の競馬が裏目に出て12着に終わったものの、その後リステッドの春雷Sがクビ差2着、前走の函館スプリントSでは外後方から鮮やかに突き抜け重賞初勝利をモノにしている。前が止まらないとされる開幕週の馬場状態を考えれば、3/4馬身差という額面以上の評価を下していいだろう。これで洋芝戦は2戦2勝。前走後放牧先で目立った反動はないことから、予定通りキーンランドCへの進出が決まった。 ◆【キーンランドカップ2023予想/追い切り診断】GI2着馬が辛口評価「B」 「最終追いを札幌芝で行いたかったはず……」 7月28日に札幌入り。丹念なケアを施されたのち、8月10日にダートコースで14-14を出したのが初時計だった。1週前追いには横山武騎手が騎乗し、芝コースで併せ馬。仕掛けられてバタつく先行馬をアオり、最後はスパッと切れて2馬身の先着を果たしている。 【最終追い切り】レース当週も横山武騎手が騎乗。先週の併せ馬で猛時計を出しているので、今回は鞍上との意思疎通をさらに深めるような終い重点の単走追いだった。序盤から単走とは思えない集中ぶりで進み、直線半ばの見せムチへ機敏に反応し、しっかり加速。なめらかな脚の回転に好感が持てる。 【見解】脚元なのか精神的なものか、入厩してから初時計までに時間を要したのは気になるが実際に時計を出し始めてからの動きは秀逸。最終追いも単走とすれば上々の動きだった。その最終追いで完全な馬なりではなく、見せムチが必要だったあたり鞍上・横山武騎手が「前走ほどではないかな……」と吐露した要因かもしれないが、なんにせよ動きそのものは前走時と遜色なく、ここでしっかり気合いを入れられたことで本番までの良化も見込めそうだ。重賞連勝があって驚けない。 総合評価「A」 ◆【キーンランドカップ2023予想/追い切り診断】ナムラクレアを上回る「S」の最高評価 「それにしても今回の動きは圧巻」 ◆【キーンランドカップ2023予想/追い切り診断】ウインマーベルを超える高評価「A」 「前哨戦としては十二分の仕上がり」 著者プロフィール 西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1オランダGP初日を16番手で終え、予選Q3進出は難しいかもしれないと語った。 今回、FP1ではフェラーリのリザーブドライバーであるロバート・シュバルツマンがサインツJr.に代わってFP1を担当。サインツJr.はFP2からの走行となった。 しかしチームメイトのシャルル・ルクレールも含め、上位に食い込むことはできず。両ドライバーは課題となっているハイダウンフォースサーキットでの改善をチームに要求した。 サインツJr.は、ライバルよりも大きなリヤウイングを使っているにも関わらず、ライバルよりもダウンフォースが少ないとして、予選11番手に終わったハンガリーGPを例に挙げた。 サインツJr.は「残念ながら、僕たちに競争力があるとは思えない」とF1 TVに語った。 「今日はチームにとってタフな1日だった。ラップタイムやダウンフォース、バランスを見つけなければならない」 「ハンガリーでも似たようなことがあったと思うが、ダウンフォースの大きいサーキットに行って大きなリヤウイングを使うと、なぜか他のマシンと比べてダウンフォースが少ないんだ」 「もし予選でトップ3、決勝で表彰台争いをしたいのなら、パフォーマンスを大きく向上させる必要がある」 Carlos Sainz, Ferrari SF-23 Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images ...
#16 ARTA MUGEN NSX-GT スーパーGT第5戦鈴鹿:公式練習タイム結果 ■GT500クラス 1. #16 ARTA MUGEN NSX-GT 1’48”271 2. #24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 1’48”332 3. #39 ...
左から「APEX CB」「APEX PRO」「APEX MB」のラインアップ キャロウェイゴルフ株式会社(東京都港区)は、上級者向けの「APEX(エーペックス) PRO」シリーズを9月1日に発売する。ラインアップは飛距離とコントロール性能を両立した「APEX PRO アイアン」、打感と操作性を追求した「APEX CB アイアン」、安定した抜けが得られる「APEX MB アイアン」の3モデルとなる。 「APEX PRO」は中空構造で、前作のステンレススチール鍛造とは異なる軟鉄鍛造ボディが採用された。ヘッドサイズはよりコンパクトに設計され、ロフト別にフェースの素材や作り方を最適化。4・5番では飛距離とスピンのバランスを重視した弾きの良いフェース素材を使用しつつ、強度が高く薄肉設計が可能なフェースカップ構造を組み合わせた。6番以降では打点位置を厚く設計したフェースプレートを搭載し、マッスルバックと同様の打感が得られる仕様となっている。 「APEX CB」は、同社の「APEX TCB アイアン」(2021年)を参考に開発された軟鉄鍛造モデルで、1ピース構造ならではのソフトな打感が得られる。「PRO」よりもさらにコンパクトで、オフセットが少なくデザインされており、高い操作性を発揮するヘッドに仕上がった。バックフェース上部にはキャビティがあり、上級者が求めるやさしさ、ミスヒットへの強さに優れている。バックフェース下部とトウ側内部に搭載されたタングステンは、番手ごとに重心位置を最適化しており、それぞれに適した弾道の高さやスピン量を実現するという。 「APEX MB」は3モデルの中で最もコンパクトで、シャープな見た目のマッスルバックモデル。深いラフからのショット時でもフェースの急激な返しや芝に負けないように、ソール面にはシャープさと角張りを設けることで安定した抜けを提供する。バックフェースには前作のスクリューウエートに代わってタングステンプレートが採用され、ロングアイアンでは球の上がりやすさや寛容性、ショートアイアンでは高いスピン性能をもたらす。 ...
Jake Dixon, GASGAS Aspar Team 現在Moto2に参戦中のトニー・アルボリーノとジェイク・ディクソンは、共に来季もMoto2クラスで走ることが決まった。 アルボリーノはとディクソンは、2024年シーズンからMotoGPクラスに昇格する可能性があるのでは指摘されていたライダーだ。しかしオーストリアGPの際にアルボリーノは、ELF Marc VDS Racing Teamとの契約を1年間延長することで合意。ディクソンも24日にGASGAS Aspar Teamに残留することが明かされた。つまり、いずれも来季もMoto2を戦うことになった。 特にディクソンはMotoGPクラスに不在の英国人ライダーということもあり、TV中継の視聴者数を増やすという意味でも、MotoGPに昇格することとなればプロモーターからも歓迎されたことだろう。しかしディクソンは最終的に、アスパーへ残留することを選んだ。 アルボリーノもヨハン・ザルコの離脱によって空いたプラマックの後任候補として引き合いに出されてきたライダーの1人だ。しかしMarc VDSとの契約延長を選んだことで、その可能性はなくなった。 なおザルコの離脱によって空いたプラマックの後任は、マルコ・ベッツェッキ(現VR46)が最有力と見られてきた。ベッツェッキはVR46では得られない最新のファクトリーマシンを欲しているとされていたからだ。しかしVR46のオーナーであり、ベッツェッキの師匠でもあるバレンティーノ・ロッシが引き留めにかかっており、VR46残留の可能性が大きくなってきたと見られている。 ベッツェッキがプラマックに加入しない場合、ヤマハを離れるフランコ・モルビデリが次の候補者であると見られてきた。今回アルボリーノのMoto2残留が決まったことで、モルビデリのプラマック加入の可能性が高まったと言えそうだ。 Follow @MotorsportJP
Laurent Mekies, Racing Director, Scuderia Ferrari, Robert Shwartzman, Reserve Driver, Scuderia Ferrari フェラーリは、今週末に行なわれるF1オランダGPのフリー走行1回目で、リザーブドライバーのロバート・シュバツルマンを走らせることを決めた。フェラーリはこれで、シーズン中2回のFP1で若手ドライバーを走らせなければならないという義務のひとつを消化することになる。 全F1チームは、シーズン中に2度のグランプリのFP1で、F1決勝レースへの参加数が2戦以下のドライバーを走らせなければならないと義務付けられている。フェラーリはこれで、2回のうち1回の義務を消化することになる。 シュバルツマンは昨年も2回のFP1(アメリカGPとアブダビGP)に登場し、フェラーリのF1マシンを走らせた経験がある。 なおシュバルツマンは、全チームを通じて今季初めてFP1を走る非レギュラードライバーということになる。ただ、今季ルーキードライバーをデビューさせたマクラーレン(オスカー・ピアストリ)とウイリアムズ(ローガン・サージェント)、そしてフル参戦デビューとなったニック・デ・フリーズを起用したアルファタウリは、義務を消化したとカウントされている。 今季はここまで、前述の3チーム以外はまだルーキードライバーの起用義務を消化していないことになる。そのため、シーズン後半にこれを消化することになるが、F1スプリントが実施予定だったり、F2が併催されたり、あるいはストリートコースだったりタイヤの割り当て数が特殊だったりするイベントが多く、ルーキーを起用するのが難しい状況にある。現役のF2ドライバーを傘下に抱えるチームであればなおさらだ。 シュバルツマンはF2に参戦していないため、フェラーリとしては比較的柔軟に対応することができるはずだ。なおシュバルツマンは、オランダGPのFP1でカルロス・サインツJr.のマシンを走らせることになる。 フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、オランダGPのFP1でシュバルツマンを走らせるという決定は、サインツJr.との相談の上で下されたという。 「ロバートがカルロスのクルマでザントフールトを走る。そしておそらくアブダビでは、シャルルのマシンを走らせることになるだろう」 ...