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ホンダエンジン勢がグリッド上位を占めたスーパーフォーミュラ第6戦。苦戦したトヨタエンジン勢トムスのふたりが感じる“違い”

 富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラ第6戦の予選では、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐がポールポジションを獲得。グリッド2列目までをホンダ/M-TECエンジン勢が占めるという結果となった。トヨタ/TRDエンジン勢の最上位である5番グリッドの宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)らからは、ホンダ勢に対抗するのは容易ではないという声が聞こえてきた。

 そもそもスーパーフォーミュラでは、『NRE(ニッポン・レース・エンジン)』と呼ばれる2リッター直4ターボエンジンが採用されており、ホンダ/M-TEC製エンジン、トヨタ/TRD製エンジンの2種類が存在する。メーカー間での開発競争は基本的には存在しないものの、そのエンジン特性はメーカー間で違いがあり、燃焼効率の改善を目指す改良も適宜行なわれている。

 現在はスーパーフォーミュラを戦う22台のうち、ホンダエンジンとトヨタエンジンが11台ずつとなっているが、今回の予選富士戦でQ1を突破したのはホンダ8台、トヨタ4台となっており、トヨタ勢でトップ7に食い込んだのは宮田のみという結果に終わった。

 今季の予選では安定して上位に入っていた宮田は、予選7番手という結果に悔しさを見せていた。過去数シーズンにおいてもホンダエンジン勢が強さを発揮していたと指摘する宮田だが、今回ホンダ勢はまたエンジンの改良に成功したのではないかと述べた。 

「僕のアタックも完璧ではないにしても悪くはなかったのですが、トップタイムは見えませんでした」と宮田は言う。

「ここ2シーズン、ホンダエンジン勢はほとんどのレースで優勝してチャンピオンも獲りました。今年はトヨタエンジン勢も2勝していますが、どちらも僕たちです。簡単ではないです。第3戦鈴鹿の(トヨタ勢)1-2-3もセーフティカーに助けられた部分がありましたからね」

「前回のSUGOは(トヨタ勢の調子が)良かったと思いますが、ホンダはまたエンジンを改良してきたと思います。先月の富士テストも今回の予選も、彼らはとても強かったです。これが現実なのかもしれませんね」

 また宮田のチームメイトで、僅差のQ1敗退に終わった笹原右京も、予選前からホンダ勢が好タイムを出しているのを見て「嫌な予感がしていた」と苦笑する。

 昨年までホンダ陣営に所属していた笹原に、エンジンの特性という点でホンダエンジンとトヨタエンジンにどのような違いを感じるかと尋ねると、彼はこう答えた。

「ピックアップ(エンジンのレスポンス)ですね。低中(速からの加速)が全然違うかなという感じです。セクター3の、一度回転が落ちきってまた上がるところとかですね」

ホンダエンジン勢がグリッド上位を占めたスーパーフォーミュラ第6戦。苦戦したトヨタエンジン勢トムスのふたりが感じる“違い”  

Photo by: Masahide Kamio

「自分たちはそこの遅れをどうにか直そうと、クルマの方でもドライビングの方でも色々やってみました。莉朋も今日すごく頑張って走っていたと思いますが、一定の限界が見えているような気もしていて、その辺の塩梅がすごい難しいです」

 また宮田はホンダエンジン勢の強みについて、さらに詳細に分析した。

「ホンダはどのエンジンの回転域でもちゃんとパワーがある印象です」

「やはりターボエンジンなので、トルクバンドを外れるとエンジンが吹かなかったりと、色々な特性があると思います。その中でホンダは、これまでの2シーズンや今年、そういった領域がどこのサーキットでも強いなと思っています。予選一発もホンダが上回っている印象です」

「例えば特定の回転域以下でパワーがないとすると、その回転域に持っていくには(ギヤ)レシオで調整するか、それでも足りない場合は、その回転域以下にならないようにマシンや走りを工夫して、コーナーを高い速度で回らないといけません」

「ただそれにも限界があります。例えばあるコーナーで80km/hで曲がらないとしっかり加速しないとした場合、そこが新品タイヤでも70km/hでしか走れないコーナーであればどうすることもできません」

「ホンダは仮にそこを低い速度で曲がったとしても、そのロスが少ないし、ちゃんと適切な速度域に入ったら速い。そんな印象です」

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