●走りも居心地も諦めないプレミアムSUV車中泊初体験記
「車中泊をしてみたい」という思いは、クルマを遊びに使うドライバーの多くが抱いたことがあるはず。ですが、「自分の愛車は宿泊には向いてない」などと思いこんで車中泊を諦めていないでしょうか?
そこで今回は、「スポーティなSUVでも快適な車中泊を楽しむことができるんです」と話すバンライファーのrui(るい)さんが、ホンダの最新プレミアムSUVの「ZR-V」で気軽に始められる車中泊スタイルを提案。記者が一晩車中泊を体験させてもらうことになりました。
【画像】バンライファーruiさんが提案するプレミアムSUV「ZR-V」車中泊スタイルを画像で見る(9枚)
サーマレストのマットレス「Zライトソル」や尾上製作所の「マルチスタンドM」など、キャンプ用ギアを有効活用
「ZR-Vはシティ派SUVでありながら、リアシートを倒したときのフラット性能が高い。そこで、旅先でふと『きょうは帰りたくないな』なんて気分になったときに快適に睡眠がとれるような、DIYをしない気軽な“車中泊お試しパック”を提案しました」(ruiさん)
今回の「ZR-V」の車中泊コーディネートのテーマは「車中泊“も”楽しめるSUV」。気軽だけど快適、実用的だけどおしゃれで、“ここにいつまでもいたくなる”ような空間を目指したのだそうです。
●フラットな床面を確保する
「車中泊でもっとも大切なのは“平らな寝床”と“プライバシーの確保”のふたつ。最初はこの2つだけに気を使えば十分快適な車中泊仕様になるんです」と話すruiさん。
「まず、二列目シートを倒して、助手席を前にスライドさせます。そして、後席の足もとにギアを収納できるボックスを置き、クッションなどでフラット面と高さを合わせて床面を確保します。ヘッドレストを外さなくてもフラットになるZR-Vは、車中泊しないのがもったいないほど便利です」(ruiさん)
倒したシート背面とラゲッジフロアの段差がほぼないZR-V。車中泊ビリティ高すぎです
そして、断熱用の銀マットをしきつめ、お気に入りのラグやブランケットを掛ければおしゃれで快適な居住空間が生まれます。寝具は、必ずしも車中泊マットのような本格的なアイテムでなくても、手持ちのアウトドアギアを活用すればOKとのこと。
「たとえばサーマレストのZレストのように、すぐに展開できて撤収も楽なマットレスならドライブ中も邪魔になりません。走りも存分に楽しませてくれるプレミアムSUVの車中泊なら、これくらい手軽なスタイルで試してみるといいでしょう」(ruiさん)
●一枚の布が生み出す“部屋感覚”
お次はプライバシーを確保するための目隠し。ruiさんは、「今後専用アクセサリーも登場するかと思いますが、まずは吸盤やマグネットで固定できるシェードで十分外界からの視線を遮断してくれます」と説明。
●一晩寝てどうだった?
というわけで、シンプルですがruiさんの知恵がつまったZR-Vで一晩過ごすことに。ロケは春の嵐が近づくキャンプ場で行われましたが、「こんなにフラットになるのか」などと寝心地のよさに感心しているうちに爆睡してしまい、あまり覚えていません。
ですが、翌朝目を覚ましたときに感じた「ここってどこだっけ?」という、車中泊ならではの新鮮な気分を味わうことができました。ドライブにでかけ、その場の気分でお気に入りの場所で寝泊まりできる車中泊が人気の理由がわかる気がします。
今回ruiさんが車中泊仕様にカスタマイズしてくれたのは、ホンダの「ZR-V Premium Style」(車両本体価格335万9400円、消費税込)
気になったのは、目隠しのシェードが微妙に長く、寝返りをうつと足に引っかかるのがストレスだったこと。そうなんです、一晩寝るだけで「次はこうしたい」と、自分のスタイルが見えてくるのが車中泊の深みのようです。
テントのように微妙に地面が傾いていたり、小石があったりするより確実に睡眠の質は高め。当たり前ですが、運転席を倒してとる仮眠とは体力回復の次元が違います。
「フィッシングやサーフィンなど、アクティビティの前泊にも車中泊は便利です。渋滞のない時間帯に移動し、目的地で休めば遊びのための体力も時間も温存できます。SUVならカーサイドタープを組み合わせても面白そうですよね」(ruiさん)
「これなら眠れる」から「ここで眠りたい」と思わせてくれるポテンシャルがZR-Vにはありました。シンプルなスタイルで車中泊を楽しみながら、自分仕様に発展させていくのもSUV車中泊の醍醐味なのかもしれません。