日産が「キューブ」発売、なぜ？「リフレッシュ＆レトロ」で付加価値付いた？新たな中古車ビジネスとは

日産が新たな中古車ビジネスを検討、今後の動向は？

　2024年1月19日に日産は自動車内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した「キューブ」のトライアル販売を1月22日から行うことを発表しました。

　このモデルは、東京オートサロン2023で参考展示されていた日産「キューブ」ベースの「キューブリフレッシュ＆レトロコンセプト」を再現した中古車となり、台数限定で発売します。どのような経緯でこの取り組みが行われるのでしょうか。

え？日産が新しく「キューブ」を発売？なぜ？

　日産は、初めてクルマを購入する若年層をターゲットに中古車の内外装をメンテナンスして「より良い状態にリフレッシュする」、「好みに応じてカスタマイズを行うことができる」という「魅力的な中古車プログラム」を検討してきたと言います。

【画像】これが日産が新しく発売する「キューブ」です！画像を見る！（37枚）

「東京オートサロン 2023」にて参考出品した「CUBE Refreshed & Retro CONCEPT」は、その一環として制作されたモデル。

　このクルマは新車の販売が終了した「キューブ」の中古車をベースに、内外装部品を交換してリフレッシュしたこと、さらに時代のトレンドに合わせた専用カスタマイズ部品を装着してレトロ感を演出したデザインが多くのユーザーから反響が寄せられたと言います。

　反響の中には「メーカーがこのような取り組みをやるのは良いよね」、「このクルマ売らないの？」という声があったようです。

　そうした中で日産と販売会社の奈良日産は共同で、内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した認定中古車「CUBE Retro Renovation」のトライアル販売を開始すると発表しました。

　このトライアル販売は、好みや予算に応じて新品部品への交換やメンテナンスを行い内外装をリフレッシュさせる「リフレッシュパッケージ」と個性あふれる内外装にカスタマイズできる「カスタムパッケージ」を「CUBE Retro Renovation」を奈良日産で限定販売をすることになりました。

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　●リフレッシュパッケージ

　使用過程で傷がついたり、経年劣化した部品を交換し、内外装をリフレッシュすることを目的としたパッケージ。

　消耗品の交換やコーティングバック、劣化した部品の交換等、車両の状態やお客さまの予算によって項目が選べ、ワイパーやカーペット交換などの「エントリー」、コーティングやガラスランラバー交換などの「スタンダード（エントリー内容含む）、ヘッドライト交換や運転席スイッチ交換などの「プレミアム（エントリー・スタンダードの内容含む」から選ぶことが出来ます。

　●カスタムパッケージ

　より個性的でレトロモダンな雰囲気を演出するカスタムパッケージ。

　シートカバーやホイールカバー 2トーンカラーやインテリアの専用加飾など、お客さまの好みに応じて内容を選ぶことができ、ホイールカバーやシートカバーの「エントリー」、2トーンボディステッカーとグリルの「スタンダード（エントリー内容含む）」、ステッカー2種類（リアウインドウ、ボディサイド）やインテリア加飾の「プレミアム（エントリー・スタンダード内容含む）」を選べます。

　今回の取り組みについて、日産のグローバルアフターセールスエンジニアリング部本部長・初鹿野久美氏は次のように話しています。

「昨今、SDGsを背景にエコ意識やモノを大切にする風潮が高まっているという風に思っています。

　また、新車価格を含めた物価の構造に伴い、お客様がクルマに使っていただけるお金を増やすことが難しいというのがトレンドだと認識しています。

　こういったことを踏まえまして、日産は自動車メーカーとして日産の車をより多くのお客様により長く安心安全に楽しんで乗りいただきたいと強く思っております。

　そんな中、我々は様々な取り組みを開始しており、そのひとつに『中古車の魅力向上』があります。

　この中古車の魅力向上への取り組みの事業的な期待として2つ考えております。

　1つ目は安心・安全・信頼の日産正規販売店による中古車の新しい価値の提案による「認定中古車の認知」向上です。

　もうひとつは、より幅広い顧客層。特に若年層のお客様との接点を増やし、ロイヤルカスタムはつまり日産のファンの育成を狙っております。

　若く経済的に余裕がない時期のクルマ購入に関しては、中古車というのが選択肢のひとつになると考えています。

　事実統計データでは、中古車を購入・検討いただいたお客様の半数以上が20代から30代の若い人です。

　そんな若い人と日産正規販売店との接点を増やし、アフターサービス等を通じてお客様との緊密な関係を築きたいと考えています。

　そして将来、そういったお客様が新車のご購入を検討されるステージに立った場合、日産の新車購入を検討してもらいたいと考えています」