いまでは希少な初代フェアレディZのハイスペックバージョン
最近ではクルマの価格が年々高騰していますが、それは新車だけに限らず中古車にも反映されています。
とくに昭和時代に生産された国産のスポーツカーは価格が軒並み高騰し、1000万円以上の価格がつくことも珍しくありません。
【画像】「えっ…!?」これが53年前のクルマ? 極上の「フェアレディZ432」を写真で見る(51枚)
さらに生産台数の少ない限定車や年数の古い旧車はそもそも入手困難なこともあり、程度のいいクルマはプレミア価格がつくことも多いです。
そんななか、日産のスポーツカーを代表するクルマである初代「フェアレディZ」のハイパフォーマンスモデルの「Z432」が、アメリカのオークションに出品され、高値で落札されました。
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現在でも日産を代表するモデルとして人気のフェアレディZですが、初代モデルの「Z432」はどのようなクルマだったのでしょうか。
ロングノーズ、ショートデッキのスポーティなシルエットの割には、リーズナブルな価格設定ということもあって、とくに北米市場で人気を博しました。
およそ9年間にわたって販売された台数は52万台を超え、世界一の販売台数を誇るスポーツカーとして、いまだにこの記録は破られていません。
米国のオークションに出品された1971年式日産「フェアレディZ432」
その初代フェアレディZに、当時の国産車としては驚異的なスペックを誇っていた「ハコスカGT-R」のS20型エンジンを搭載したモデルがZ432になります。
S20型エンジンは、2リッターの直列6気筒、4バルブのDOHCで最高出力は160馬力、最大トルクは18.0kgを誇ります。
ちなみに車名の432とは、4バルブ、3キャブレター、2カムシャフトからとったネーミングです。
またGT-Rのエンジンを搭載するだけでなく、LSDを装備し、足元にはマグネシウムホイールを装着するなど贅沢な造りになっています。
1971年式ながら走行距離はわずか3万3000kmの極上個体
このような希少車のZ432ですが、アメリカのオークションサイト大手の「Bring a Trailer」に出品されて高値で落札されました。
米国のオークションに出品された1971年式日産「フェアレディZ432」のインテリア
今回、オークションに出品されたモデルは、1971年式のフェアレディZ432で走行距離はメーター読みでわずか3万3000kmしか走行していません。
もともとは日本市場向けに生産された約420台のうちの1台で、2014年にアメリカに輸入されました。
カラーはオレンジに再塗装され、リアスポイラー、テールパネル、フェンダーに取り付けられたサイドミラーはブラックで仕上げられています。
マグネシウムホイールもブラック仕上げになっており、タイヤは195/65R14サイズの「ダンロップ ル・マンLM702」が装着済みです。
シートはブラックビニールレザーのバケットシートが装備され、カラーコーディネイトされたドアパネルとセンタートンネルのダイヤモンドパターンが斬新です。
ほかにも、この手のクルマはチューニングされていることが多いなか、今回の個体ではアフターマーケットのパーツはステンレスマニホールドと補助オイルクーラーぐらいで、他はほとんどノーマルという珍しい状態です。
このように50年以上前のクルマとは思えないほど極上のZ432ですが、今回のオークションでは25万ドル、日本円に換算すると3500万円を超える価格で落札されました。
ここまでの高値で落札された理由のひとつに、丁寧に扱われていた個体ということがあげられます。
事実、アメリカで2015年に開催されたクラシックカーの祭典である「コンクール デレガンス オブ アメリカ」で最優秀賞を受賞したほどです。
また、走行距離が少ないだけなく、ノーマルに限りなく近い点も価格が上がった理由のひとつといえるでしょう。
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ハコスカGT-Rのエンジンとハッチバックスタイルの今回のZ432には、9件の入札が入り、大いに盛り上がりました。
また、ボンネット裏側にはフェアレディZの生みの親である片山豊氏とデザインを担当した松尾良彦氏の直筆サインが入っているのも大きなポイントといえるでしょう。