自動車

レクサスが「LC500」「RC F」を販売終了!? ひっそり姿消していた…? 自然吸気V8・2ドアクーペに何が? 英国から欧州、日本に広がるか

 2024年4月15日までに、イギリスにおけるレクサス「LC 500」および「RC F」の販売が終了していることが判明しました。

 

 そこにはどのような背景があったのでしょうか。

レクサスが「lc500」「rc f」を販売終了!? ひっそり姿消していた…? 自然吸気v8・2ドアクーペに何が? 英国から欧州、日本に広がるか

自然吸気V8を搭載するLC500は姿を消してしまうのか

自然吸気V8を搭載するLC500は姿を消してしまうのか

 レクサスの現地法人はその理由について明らかにしていません。

【画像】 超カッコイイ! レクサス新型「和製スーパーカー」の画像を見る(51枚)

 ただ、この両車は5.0リットルのV型8気筒自然吸気エンジンを搭載しているという点で共通しており、このパワートレインでは現地における各種規制を満たし続けることが難しいことが最大の理由と見られます。

 トヨタとヤマハの共同開発によって生まれた「2UR-GSE」と呼ばれるこのエンジンは、現在ではもはや絶滅危惧種となっている大排気量の自然吸気エンジンです。

 その高いパフォーマンスや官能的なサウンドは高く評価されていた一方で、欧州で主流となっているマイルドハイブリッドやダウンサイジングターボエンジンに比べると、環境面で劣るのも事実です。

 また、レクサスは2035年までにすべてのモデルをBEV化することを明らかにしているなど、電動化にもっとも積極的なブランドのひとつとしても知られています。

 さらに、イギリスは2030年までにガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出すなど、欧州における電動化推進の急先鋒でもあります。

 現在では2035年へとその期限が延期されていますが、それでも電動化に熱心であることには変わりありません。

 それにくわえて、イギリスの首都ロンドンでは2019年から「ULEZ(超低排出ゾーン)」という規制が導入されており、一定の排出ガス基準を満たさないクルマがこのゾーンを走行する場合には、数千円程度の費用を支払わなければなりません。

 2023年には対象エリアがさらに拡大しており、ロンドンのユーザーは半ば強制的にエコカーを購入せざるを得ない状況となっています。

 言うまでもなく、LC 500やRC Fはこの基準を満たしていません。

 そして、LC 500もRC Fも発売からかなりの年月が経過しており、ライバルに対して商品力で差が付きつつあるという事情もあります。

 こうしたさまざまな要因が重なり合った結果、LC 500やRC Fはイギリスで販売終了することになったと考えられます。

 2024年4月15日現在、ドイツやフランスでは両車ともに販売されていますが、各国の事情もイギリスと大差ないことから、近い将来に欧州全体でLC 500やRC Fの販売が終了する可能性が濃厚です。

電動化を加速させるレクサス。次なる「イメージリーダー」は?

 実際のところ、LC 500やRC Fは多くの販売が期待されるモデルではありません。

 しかし、LC 500のようなラグジュアリー・クーペやRC Fのようなハイパフォーマンス・クーペは、ブランドイメージをリードする存在でもあるため、販売台数だけでその真価が計れないのも事実です。

 では、今後両車の後を継ぐモデルが登場する可能性はあるのでしょうか。

 そのひとつとして期待されているのが、2021年に発表された「エレクトリファイド・スポーツ」です。

 その詳細はほとんど明らかにされていませんが、全固体電池の採用も視野にしているというパワートレインは、一充電航続距離は700km、0-100km/h加速2.6秒と、現代のBEVとしては最高レベルのパフォーマンスを発揮するものになるとされています。

 さらに、そのエクステリアデザインは、レクサスらしい高級感と機能美を兼ね備えています。

 このエレクトリファイド・スポーツが市販されれば、欧州各国の厳しい規制を満たしつつ、レクサスのブランドイメージをより一層引き上げることができそうです。

 ただ、エレクトリファイド・スポーツはLC 500やRC Fの後継というよりは、かつてレクサスのフラッグシップモデルとして君臨していた「LFA」の現代版と解釈するほうが正しいようです。

 実際にお披露目の場では「LFAの秘伝のタレを継承している」という趣旨の説明もありました。

レクサスが「lc500」「rc f」を販売終了!? ひっそり姿消していた…? 自然吸気v8・2ドアクーペに何が? 英国から欧州、日本に広がるか

自然吸気V8を搭載するRC Fは姿を消してしまうのか

自然吸気V8を搭載するRC Fは姿を消してしまうのか

 また、2024年3月にはレクサスが「RZ F」という商標を登録していることが明らかになりました。

 これは「RZ」のハイパフォーマンス・モデルであると見られ、電動化時代のレクサスにおけるイメージリーダーとしての役割が期待されています。

 しかし、4ドアのSUVであるRZがベースとなっているという点で、これもやはりLC500やRC Fの直接の後継とは言えないようです。

 これらを総合すると、現時点ではLC500やRC Fの後継モデルについての情報は皆無であり、将来的には、日本を含む世界各国のラインナップから消えてしまう可能性が高いのが実情のようです。

※ ※ ※

 日産「GT-R」は、欧州において販売終了した後、2025年モデルをもって現行モデルが生産終了となることが発表されました。

 2024年4月現在、LC500とRC Fは日本で販売されていますが、イギリスにおける現状を見ると、GT-Rと同じ運命をたどることになるのかもしれません。

アルピナD3ビターボはどんなセダン&クーペだったのか? これぞ最高の3シリーズ! 4気筒ディーゼルは5リッター級ガソリンV8ユニットに匹敵するトルクを発揮する感動エンジン!!

アルピナD3ビターボはどんなセダン&クーペだったのか? これぞ最高の3シリーズ! 4気筒ディーゼルは5リッター級ガソリンV8ユニットに匹敵するトルクを発揮する感動エンジン!!

ランボルギーニ ウルス SEは、なぜBEVではなくPHEVを選択したのか?

ランボルギーニ ウルス SEは、なぜBEVではなくPHEVを選択したのか?

“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは

“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは

横浜ゴム「GEOLANDAR X-CV」「GEOLANDAR A/T G31」がトヨタ 新型「ランドクルーザー250」に新車装着

横浜ゴム「GEOLANDAR X-CV」「GEOLANDAR A/T G31」がトヨタ 新型「ランドクルーザー250」に新車装着

ママ友の送迎車が「ヴェルファイア」で羨ましいです。かなりの収入がある証拠でしょうか?

ママ友の送迎車が「ヴェルファイア」で羨ましいです。かなりの収入がある証拠でしょうか?

【コラム】400ccクラスの輸入車がいま面白い! ハーレー、トライアンフが新規参入、KTM、ハスク、ロイヤルエンフィールドもあり

【コラム】400ccクラスの輸入車がいま面白い! ハーレー、トライアンフが新規参入、KTM、ハスク、ロイヤルエンフィールドもあり

6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは

6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは

ヤフオク7万円で買ったシトロエンのオーナー、エンジン編集部ウエダが、フランスの聖地で出会ったとびきりレアなクルマ、その1【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#36】

ヤフオク7万円で買ったシトロエンのオーナー、エンジン編集部ウエダが、フランスの聖地で出会ったとびきりレアなクルマ、その1【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#36】

マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】

マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】

韓国の現代・起亜自動車、米「最高価値EV」1~3位を席巻…第1四半期の販売量も56%増加

韓国の現代・起亜自動車、米「最高価値EV」1~3位を席巻…第1四半期の販売量も56%増加

TOP STORIES

発見・体験、日本旅行に関する記事
Top List in the World