スーパー耐久開幕戦に登場した直列3気筒1.6リッターターボ搭載のGR86
これまでTOYOTA GAZOO Racingは、スバルとのガチンコ勝負などのほか、よりコンパクトなエンジン搭載もあって、GR86に新開発の直列3気筒 1.4リッターターボエンジンを搭載してスーパー耐久で公開開発を行なってきた。
2024年シーズンは、その開発目的や評価をこれまで行なえたことから、より大排気量のG16E-GTS型エンジンに変更。新たな目標に対しての開発を行なっていく。
より正確に言えば、これまで開発してきた直列3気筒 1.4リッターターボエンジンは、直列3気筒 1.6リッター DOHC 直噴ターボエンジン G16E-GTS型エンジンをショートストローク化したもの。GRヤリス用G16E-GTS型エンジンのボア×ストロークは87.5×89.7mmであるが、それを1.4リッターとするため87.5×77.0mmに変更。ショートストロークタイプのエンジンとして開発してきた。
正面から見たところ。コンパクトな3気筒エンジンであることが分かる
エンジンには、SHIMOYAMA 匠マークが貼られている
TOYOTA GAZOO Racing 高橋智也プレジデントは、「技術的に去年まで試したいことのデータ取れたので、今年は市販している1.6リッターのエンジンでいろいろな使い方をしてみたい」と説明。GRカローラ、GRヤリスに搭載され、すでに名機とも言われている最高出力224kW(304PS)/6500rpm、最大トルク400Nm(40.8kgfm)/3250-4600rpmのG16E-GTS型エンジン、縦置きとしつつレースフィールドでテストしていく。
また、この縦置きG16E-GTS型エンジンには、新開発の縦置き6速MTと組み合わせる。この新しい6速MTは、欧州のレクサスIS 2.2リッターディーゼル向けをベースに新開発。従来の6速MTは、アルテッツァ時代のものを改良しつつ使っていたが、従来の倍程度のトルク容量を持つものになるという。G16型エンジンの最大トルクは400Nmのため、それ以上の数値であることは間違いないだろう。
実際にGR86に搭載されたG16型エンジンを見てみると、ボンネットの奥深くに位置しているのが分かる。実際に走行してのバランス、カーボンニュートラル燃料の燃焼性、そしてトランスミッションの耐久性などをレースで確認していくものと思われる。