小沢コージがスーパーカーのエンジンを積むマセラティ・グレカーレ・トロフェオに乗って思わず叫んだ本音がこれだ!「ほどよくドイツ系よりエロい」ところがいい!!
530馬力を発揮する3リッターV6ネットゥーノ・エンジンを搭載するマセラティの高性能SUV、グレカーレ・トロフェオに塩見智さん、小沢コージさんが試乗! その本音やいかに? 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗!
「絶妙にイタリアン」小沢コージ
「最近国産(レクサス)からの乗り換えが増えているんですよ」(マセラティ関係者)というグレカーレ。ご存知最強プレミアムSUV、ポルシェ・カイエン・キラーだが、最近徐々にその魅力を拡大している。それは乗れば歴然だ。
インパネは、中央に縦に並ぶ大きな2枚のディスプレイの間にシフト・スイッチがある以外、物理スイッチはない先進的なもの。中央部の時計やメーター・パネルの表示もフル液晶で、さまざまなデザインに変更できる。
リッチで光沢ある本革シートや、スポーティかつイマドキデジタル性能が高いインテリアも満足度高し。
なにより走り味だ。中でも今回乗ったトロフェオはスーパーカーMC20譲りの3リッターV6ターボ搭載。多少デチューンされているとはいえ、530ps&620Nmのパワー&トルクは暴力的。
しかも乗って驚くが、足回りの硬さは期待通りのスパルタンさだが、サウンドやふけの良さはドイツ系よりおとなしめ。この当たりの慎ましさがほどよく日本人の心を捉えているのだ。見た目はエロく乗るとちょっと控え目。絶妙なイタリアンなのだ。
「実に刺激的」塩見智
上下2分割のセンター・ディスプレイは上半分が地図表示などを担い、下半分はエアコンなどを操作するためのタッチパネルになっている。その中間にボタンが4つ横に並んでいて、P、R、N、D/Mと表示されている。グレカーレにシフトレバーはなく、ボタンで操作する。こってりした外観とは裏腹に、インテリアは先進的だ。
グレカーレにはGT、モデナ、トロフェオの3グレードがあって、GTとモデナは2リッター直4ターボエンジンを搭載した今どきのプレミアムSUV、すなわち華やかなルックスとは裏腹にパワートレインは高効率でパワー控えめ(といっても実用上は十分以上)の仕様だが、トロフェオだけはスーパースポーツのMC20も搭載する3リッター V6ターボエンジンを積んだ、欲望むき出し仕様だ。なにしろ最高出力530ps、最大トルク620Nm。アクセル・ペダルを深く踏み込むと、車重2トンをものともせず、フロントをやや浮かせた姿勢でかっ飛んでいく。
実に刺激的で、この日担当したクルマのなかで最も元気をもらえた。
写真=小林俊樹(メイン)/茂呂幸正(サブ)
(ENGINE2024年4月号)