富士スピードウェイで行なわれるスーパーGT第4戦富士。8号車ARTA MUGEN NSX-GTは、野尻智紀、大湯都史樹のレギュラードライバーふたりに加え、木村偉織が第3ドライバーとしてエントリーされている。
木村が登録された理由は何を隠そう、先月鎖骨を骨折した大湯の回復具合が不透明であるからだ。大湯は富士のパドックで元気な姿を見せており、そこには7月中旬のスーパーフォーミュラ富士戦のように、腕を三角巾で吊った痛々しい姿はない。本人の出場意欲も十分なようだが、やはり“乗ってみないと分からない”部分が多いのは否めない。
今回はドクターストップが下ることもなく、レースにエントリーしている大湯
Photo by: Masahide Kamio
したがって、大湯は土曜日午前に行なわれるフリー走行でひとまずマシンに乗り込んで走行する予定。そしてその状況次第では、以降のセッションで木村がサポートすることになるようだ。木村はあくまで、大湯に“もしも”のことがあった時のためのバックアップという立場だ。
「トップカテゴリーのトップチームに乗れるということでプレッシャーも感じていますが、出来る準備もしてきているので、もし乗ることになればしっかり走れるように頑張ります」
そう語る木村。GT500デビューの可能性があるとはいえど、気負ってはいないのかと問うと、こう答えた。
初めてドライブすることになる(かもしれない)GT500車両に関しても「なんとかなるとは思っていますし、プロドライバーの皆さんはなんとかさせてきたのだと思うので、自分もそうしないといけません。そのくらいできて当たり前だと思っています」とのこと。つまり自信はあるということかと尋ねると、「色々と分からなさすぎるので……自信もないし不安もないです」とサバサバ。「シミュレータなどで雰囲気は掴めています。アウトラップやカーボンブレーキ(の温まり)は多少不安要素ですが、温まってしまえば……」と話した。
今季はスーパーフォーミュラ・ライツでタイトル争いを繰り広げる木村。GT500やスーパーフォーミュラといった最高峰カテゴリーにステップアップする上でも、今年は勝負の年と言える。本人は今回の富士戦をアピールの場とは考えていないが、もし出番がやってきて堅実な仕事ぶりを見せれば、ホンダ陣営からの評価も得られるに違いない。
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