Hideki Yamauchi, #61 SUBARU BRZ R&D SPORT
鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーGT第5戦で、GT300クラスのポールポジションを獲得したのは61号車SUBARU BRZ R&D SPORTだった。井口卓人と山内英輝のコンビがピット前で喜びを分かち合う光景はここ数年何度も見られた光景だが、今回は特別。山内にとっては、GT300でのポールポジション獲得回数で単独トップとなる14回目のポールだったのだ。
山内はそう語り、おもむろにこう続けた。
「自分自身、昔(全日本F3で)チャンピオンを獲ってからレースができない期間が2年あって、そこから復帰して今のパッケージを手に入れてからのこの記録です。僕自身、非常に苦い経験をした過去があった中での記録なので、本当に嬉しいですし、スバルのみんなと記録を出せたということが心から嬉しく思います」
「みんなの声援があったから、みんなの力があったから取れたことだと思うので、感謝の気持ちしかもう言葉が出てこないです」
「元々僕はゲイナーで走ってたんですけど、予選後にゲイナーのみんなが出迎えてくれました。その瞬間に『昔色々あったなあ』というのをちょっと思い出してしまって。ポールを14回獲るまで努力してきた時間がすごく長かったいうところもあって、ちょっと解放されたなあという気持ちと、あと戻ってくるときに拍手をしてくれるお客さんたちの気持ちがあまりにも嬉しすぎました」
「観客席には”おめでとう”とか書いてくれている人たちも結構いました。恵まれた環境で走らせてもらってるなと思って、井口選手を眺めて涙が出てきました(笑)」
「本当はあのタイミングで泣くべきではないとは思ってたんですけど、(僕は)感情で走る人間なのでありのままで行きたいなと思うので、泣いてしまったということですね。ただやっぱり明日が大事なので、しっかり切り替えて頑張りたいなと思います」
そんな山内のポールの裏で、Q1を担当して山内にバトンを繋いだ井口は、練習走行で2番手以下に1秒以上の差をつけてトップだったことに触れ、「かなり余裕に見えたと思うんですが、逆にそのギャップによってQ1に対して緊張感が増してしまいました」と話した。このことについて詳しく聞くと彼は「あれだけ(練習走行で)ぶっちぎっておいてQ1を通れなかった時の、その“ダサさ”に対するメンタル面の心配がかなり負担がありました。でもうまく走れてよかったです」と苦笑した。
また、山内の持つ速さについても改めて称賛した。
「山内選手の走りはやっぱり異常な速さでしたし、こんなにすごい人と組めてありがたいなと思ってます。ありがとうございます」
Follow @MotorsportJP