- 電気自動車(EV)の購入を検討している人々は、テスラ以外の選択肢を求めている。
- EVに関する最近の調査結果は、テスラの成長にとって問題になる恐れがある。
- これはEV需要の減速がイーロン・マスク氏にも迫ってきているサインだ。
電気自動車の購入を検討している人たちは、テスラにうんざりしている。
さらに、アメリカの客が電気自動車を購入する可能性は、テスラ以外のブランドで高まることも分かった。
これらの調査結果とEV市場全体の低迷の兆しから、UBSはテスラの短・中期的な成長計画が危機に瀕していると見ている。
今回の調査では、EV購入者は明らかにより多くの選択肢を望んでいるものの、テスラは依然として検討対象のブランドとしてはトップで、アメリカの購入者による支持は伸びたという。
UBSのアナリストであるジョセフ・スパック(Joseph Spak)氏は、中国でBYDの支持がテスラを上回ったことを踏まえ、テスラの支持が伸びたのはアメリカで最近、旧来ブランドのEVへの取り組みが低迷しているためだと分析している。
テスラが抱える新たなトラブル
テスラは4月初めに第1四半期の納入台数を発表し、2020年以来初めて前の年の同じ時期に比べて減少した。
これまでその高い利益率のおかげで可能だったテスラの積極的な”値下げ”キャンペーンは、質素で実用的な買い物をするようになったEV購入者の変化についていくのに十分だった。
ただ、EVの需要が弱まり続ければ、単に価格を下げるだけでは不十分かもしれない。また、EVの購入を検討している人々はその維持費を重視し、電気自動車とハイブリッド車やガソリン車を比較するようになっている。
テスラが売っていないハイブリッド車への関心の高まりは、もう1つの脅威になるかもしれない。
ボストン・コンサルティング・グループの最新調査は、ハイブリッド車への関心の高まりはテスラが得意とする大衆車やプレミアム・セダン、クーペ、クロスオーバーでピークに達するだろうと予測している。