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そろそろ電気自動車、本気で考えないと! 個性豊かで注目すべき3車種はこれだ!

100年に一度といわれる大変革期を迎えている自動車業界。それは地球環境の保全を見据えたモビリティのあり方、具体的には二酸化炭素の削減を目的とした車両の電動化が急がれているところにある。

最近では動力源をガソリンやディーゼルエンジンといった内燃機から電動モーターに改めた電気自動車(EV)の躍進が目覚しく、セダンはもちろんのことコンパクトカーからSUVまで、さまざまなジャンルのEVが日々誕生している。今回はそのEVのなかでもちょっと気になるモデルを紹介しよう。

■EVに和モダンのスタイルを——ニッサン・アリア

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SUVスタイルながら泥臭さをまったく感じさせないクリーンなエクステリアデザインが特徴のニッサン・アリア。

国産車メーカーとして、広くEVを普及させようと比較的手の届きやすい量産型EVの開発に積極的な姿勢を見せているのが日産自動車だ。

その第1弾として送り出されたリーフは、5ドア・ハッチバックのパッケージに電動モーターとバッテリーをきっちりと収めた、使い勝手のいいEVとして人気を得てきた。そんなリーフに続く日産製EVの意欲作が「アリア」である。

SUVタイプのボディ形状を基本路線としつつ、これ見よがしな装飾のないクリーンなエクステリアデザインが注目の的だ。

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インテリアもシンプルモダンな仕立て。センターコンソールは扱いやすい位置に動かせる電動スライド機構付き。

インテリアには格子模様の加飾パネルや枯山水を想起させるフロアマットなど、落ち着いた和のテイストがそこかしこに散りばめられている。そんな空間の静謐さを強調するのは物理スイッチが最小限に留められているところだろう。

水平基調のシンプルなダッシュボード上には12.3インチのディスプレイが2枚並べられ、映像や音楽、ナビゲーションなどの機能がこのタッチ式モニターに集約される。その直下の木目調パネルには空調操作のスイッチが内蔵され、触覚によるフィードバックを行うハプティックスイッチが用いられた。

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カメラ映像やレーダー、ソナーなどで道路の白線や標識などを認識して“ハンズオフ”走行も可能な運転支援システム「プロパイロット2.0」が備わる。

加えて音声認識による操作も可能で、先述のモニターに備わるエンターテインメント機能のほか、AmazonのAlexaにも対応してスマートホーム機器の遠隔操作ができるなど、最新のコネクティッド技術が用いられている。

また、カメラやレーダーによる自動での車間維持や車線保持、追い越しなども可能にする運転支援システム“プロパイロット2.0”を装備するなど、クルマとの新しい付き合い方を示してくれるのが、ニッサン・アリアである。

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アリアにはバッテリー容量の異なるB6とB9の2グレードが用意され、それぞれに1モーターのFFと2モーターの4WDモデルが設定される。

 

■愛されキャラは健在——フィアット500e

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愛くるしい2代目フィアット500のテイストを現代的にうまく落とし込んだデザインの500e。

先進性に溢れるアリアとは対照的に、既存のデザインテイストを踏襲しながら独特の個性をアピールしているのがコンパクトEVの「フィアット500e」だ。

元ネタのフィアット500といえば「ルパン三世」にも登場した歴史的名車であり、そのデザインを現代的に解釈したガソリン版の現行型500は2007年に登場。小変更を繰り返しながらいまも根強いファンに支持されている。この流れをみると500eはパワートレインを置き換えただけのものと勘違いされがちだが、実際はEV専用の車台をいちから開発したブランニューモデルである。

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インストルメントパネル周りも2代目500に倣ったシンプルなレイアウト。7インチの液晶メーターに様々な情報が表示できる。

コロッと丸っこい大福のようなデザインのボディは、長さや幅ともガソリン車にくらべて数cmずつ大きくなってはいるが、それでもサイズは全長約3.6m、全幅約1.7mと依然としてコンパクト。

4人乗りの必要最小限なパッケージでモーターの出力自体は118PSと特別に強力ではなく、一充電あたりの航続可能距離(WLTCモード)も335kmと控えめではあるものの、シティコミューターとしての性能は十分であり、扱いやすさは抜群。

その快活な走りやデザインの可愛らしさはある種のビタミン剤のようでもあり、ドライブするたびに元気をもらえるキャラクターはEVでも不変なのである。

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インテリアは廃プラスチックから生まれた特殊なポリエステルを使用したシート表皮やエコレザーを用いるなど。サステナブルな精神が息づいている。

実際、500eは本国での登場から2年が経っているが、日本での発表直後にはすでに世界累計販売が6万台を超え、今年中には10万台到達も見込まれているというから、その人気の高さがわかるだろう。

日本での販売方式は車両価格や税金、整備点検費用などがパッケージとなったサブスクリプションを始めとするリース販売のみで、月々約5万円から手に入れられる点など、クルマのキャラクターはもちろん、新しい所有のかたちを提案しているところも魅力のひとつである。

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500eには通常の3ドアハッチバックのほか、ファブリックルーフを用いたオープン仕様も用意される。リアウィンドー部分まで折り畳めるため開放感は抜群。

 

■クルマ作りの巧さを堪能——BMW i4

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BMW伝統のキドニーグリルが大胆な造形となる新型EVセダンのi4。クーペライクなフォルムながら居住性・実用性は上々。

スポーティセダンの名手として知られるBMWも積極的にEV開発を進めるメーカーだ。EV開発の実質的な歩みは約10年前に始まり、「BMW i」という電動車専用のサブブランドを立ち上げて、第1弾となる電動車のi3とi8をリリース。以降、既存の内燃車をベースに電動モーターを追加したハイブリッド車を充実させ、電動化技術を磨いてきた。

そんなiシリーズが第2章に突入。昨年のiXやiX3に続いて、スポーティセダンの「i4」が発売された。

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EVとなってもドライバーズカーであることは変わらず。運転席に向けてディスプレイやスイッチを配置し、操作しやすい環境作りがなされている。

i4はそのモデル名からも想像できるとおり既存の4シリーズをベースとしたEVセダンだ。もっともその車台はベースモデルの開発の段階から電動化を見据えた作りのため、モーターやバッテリーの搭載に関しても決して無理のないものとなっている。

デザインそのものは4シリーズ・グランクーペと同様に、クーペの流麗なスタイルを取り入れつつ、リアにハッチゲート備えた実用的なスタイルを取る。

居住空間を犠牲にせず、バッテリーをきっちりと床下に収めて低重心化を図ったことによるダイナミック性能はもとより、モーターや回生ブレーキの制御による効率的なエネルギーマネージメントなど、走りへのこだわりはEVであっても変わらない。BMWのクルマ作りの巧さが感じられる一台がi4と言えるだろう。

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i4はテールゲートを備えた5ドアハッチバックとなるため、荷室開口部は大きく荷物の出し入れもしやすいのが美点。

公称される一充電あたりの航続距離(WLTCモード)は、最近のEVのなかでも特に長い604kmを標榜。熱の影響によるエネルギー損出を加味しても500kmは軽く走れるはずだから、これまでのガソリン車と同じような感覚でロングドライブも不安なくこなせるだろう。各社から多数リリースされるEVのなかでも特に“使える”モデルとして高い評価を得ている一台だ。

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ハンズオフが可能な運転支援機能ももちろん充実。基本モデルは1モーターの後輪駆動で、2モーターで4輪を駆動するM50グレードも用意される。

この他にも魅力的なEVは盛りだくさん。もちろんどれも独自の味付けで個性をアピールしてはいるものの、地球環境を守りながらクルマを楽しむ未来を作っていくという方向は皆同じ。ならばユーザー側も食わず嫌いは止めにして、積極的にEVを楽しんでみてはいかがだろうか。そうすれば自ずとライフスタイルの幅も広がってくるはずだ。

Text:Tsuneharu Kirihata

Photo:Nissan、Stellantis、BMW

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