Luca Marini, VR46 Racing Team
MotoGPの車両重量に関するレギュレーションについて、VR46のルカ・マリーニは、今すぐにでも変更することを望んでいる。
マリーニは身長184cmと長身であり、現役のMotoGPライダーの中でも最も背の高いひとりである。そして背の高い分、体重も重い。チームメイトのマルコ・ベッツェッキは61kgなのに対し、マリーニは69kg。体重の面でも、現役の中で最も重いライダーのひとりだ。
現在MotoGPのバイクの最低重量は157kgと規定されている。しかしこれは、ライダーの体重のことは考慮されておらず、体重が重ければ重い分、つまり身長が高ければ高いだけ、不利になるということを意味する。
マリーニはこれまでも、ライダーの体重を車両の最低重量に含めるべきだと主張してきた。実際に重量の不利がどれほどラップタイムに影響しているかということについて言及するのは不可能であるとしつつも、体重の重いライダーはリヤタイヤに負荷をかけており、レース終盤に不利につながっていると語る。
「確かに、体重が増えればタイヤを多く使ってしまうということを示すデータも存在する」
マリーニはmotorsporrt.comの取材にそう語った。
「例えば体重が10kg増えても、加速は問題にはならない。でも、同じ加速力を得るためには、より多くのエネルギーとパワーをかける必要がある。つまり、よりタイヤを使う必要があるということなんだ」
「最終的な問題はここにある。タイヤが減った状態でレースの終盤に突入することになる。レースの最も重要な段階で、オーバーテイクするのが難しくなるんだ」
「いくつかのレースではタイヤを温存することができても、かなり使ってしまうレースもある。つまりこういう時には、もっと考える必要があるんだ」
「(ライダーの体重も含めた)最低重量を定める必要がある。それは、小さいライダーを不利にしようということじゃない」
「最低重量を引き上げたいという人はいないと思う。でも僕らは、物事をもう少し平準化したいんだ。不利な状況からスタートすることはなく、勝利のために戦える可能性を、全ての人に等しく与えることができるルールを望んでいる」
体重を減らすために、より厳しいトレーニングを課せばいいだろうという考えもあるかもしれない。しかしマリーニは、すでにMotoGPに乗れる体力の限界のところまで体重を落としているという。
もし最低重量がライダーの体重も含めたモノとなれば、より筋力をつけ、自身のエネルギーのレベルを向上させることができると、マリーニは主張する。そしてそれでも、小柄なライダーはさらに筋力を増すことができるため、彼らにとってもメリットになるはずだと考えている。
そうマリーニは言う。
「なぜMotoGPでそうしないのか理解できない。僕はこれ以上減量するのは不可能だ。なぜなら筋力が足りず、レースを戦うエネルギーも足りなくなってしまうからだ」
「何も食べないようにして準備することはできるけど、MotoGPのマシンに乗るには、100%の準備が必要なんだ」
「例えば、僕は70kg以下に下げるのは不可能だった。そうしてしまうと、レースを走り切るだけのエネルギーがなくなってしまうんだ」
「つまり、体重が1kg軽ければ、4%パフォーマンスを増加できるかもしれない。しかしレースを完走することができず、最後の10周で大きく失ってしまうことになるんだ」
「だから今よりも体重を落とすことはできない。タイヤを使わないように、加速を良くするために、誰もが体重を減らそうとしている。そういう意味では、小柄なライダーにとっても、体重を増やすことができるのでいいことだと思う」
「最低重量に体重も含まれていれば、誰もがもっと体力をつけることができ、より強さを持って、レース中により多くのエネルギーを使うことができるはずだ」
「つまりバイクを重くするのではなく、身体を重くすることができるわけだ。そういう意味で、小柄なライダーたちにとっても不利になることはないと思う」
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