父親の猛反対も内緒で免許取得 “バイク女子”YouTuberがバイクに目覚めたキッカケ

父親の猛反対も内緒で免許取得 “バイク女子”youtuberがバイクに目覚めたキッカケ

バイクに目覚めたキッカケを明かしたアッキー【写真：伊藤賢汰】

ツーリングで世界が激変「楽しみ方が変わった」

今でこそ浸透してきた“バイク女子”というフレーズ。YouTubeチャンネル「独ヲタ女子【＊アッキーch＊】」のアッキーはそのさきがけとなった女性といえるだろう。バイク動画を中心にアップし続け、現在の登録者数は57万人超（2022年12月25日時点）。そんなアッキーの“バイク女子”としての素顔に迫った。（取材＝伊藤賢汰／文＝中村彰洋）

きっかけはバイク乗りの父親の影響だった。しかし、当の父親からは「危ない乗り物だからダメ」と免許の取得すらも禁じられていた。というのも父親は実際に大きな事故に遭い、大けがを負った過去があったからだった。

しかし、諦めきれないアッキーは、ある日、父親には内緒で免許取得を決断。YouTubeでは、父親に免許取得を告白した瞬間の動画も公開されているが、「めっちゃびっくりしてましたね」と振り返る。

一方で、人気ゲーム「ファイナルファンタジー」ファンのアッキーにとって、「VII」に登場するキャラクターのクラウド・ストライフが好きだったことも影響していた。「クラウドのバイクに乗りたい！」というのもバイクへの憧れに拍車をかけた。

現在所有しているバイクは合計4台。初購入したSUZUKI・GSX250R、HONDA・CT125 ハンターカブ、SUZUKI・レイダーJ クロスオーバー、ハスクバーナ・スヴァルトピレン401となっている。GSX250Rのみ現在は手元にはないため、現在は3台を乗り分けている。

中でもひときわ異彩を放つバイクがレイダーJ クロスオーバーだ。独特なフォルムでなかなか街中でも見ることのない1台だ。

操作性などは「ハンターカブに近い」としながらも、購入のきっかけは「なじみの店長にうまく言いくるめられたんです」と笑う。一方で、「オフロードにツーリングしに行くことに、ハンターカブを買ってから興味が出始めていたんです。でも、ハンターカブでも行けない場所もあって、もうちょっとガッツリと倒れても気にせず乗れるバイクが欲しいなと思っていたんですよ」としっかりとした理由も説明する。

独特なボディーだが、「見た目が気持ち悪いじゃないですか」とバッサリ。「一度見たら忘れられないみたいな。クセが強いのってハマるとすごい好きになっちゃうじゃないですか」と笑いながらも、今ではお気に入りの様子だ。

現在、手元にあるのは小排気量の2台とスヴァルト。「高速に乗れるのがスヴァルトしかないので遠出するときは基本的にスヴァルトに乗っています」と乗り分けについても明かす。

当初は何台もバイクを購入する予定はなかった。「初めてのバイクGSXを買ったときは2台、3台も買うなんて思ってませんでした。1台あれば十分じゃないですか。でも、こうやって使い分けていくと、行ける場所の幅が広がるなと思い、複数台持つ人の気持ちが分かりました。デザインも違うので、同じ場所でも違う風景に見える、そういった楽しみもありますね」と熱弁する。

お世辞にも運転がうまいとは言えない点もアッキーの魅力の1つ。叫びながら運転する姿も動画のハイライトだが、「よく“動画用”と疑われてしまうんですけど、本当なんです。撮っていないときもめっちゃうるさいです」と笑う。また、いまだにカーブでバンクができない。「私、直角走りなんで通常姿勢のまま曲がれるんです。逆にみんなにすごいって言われます」と複雑な表情を浮かべる。

安全運転にも人一倍気を遣っている。ツーリング仲間からは、「めちゃくちゃ安全運転すぎてうるさい」と言われることも。「私が警察の人みたいになっちゃってますね。『危ない！信号変わるから止まって！』といつも警告してます」。

そんなアッキーだが、バイクの魅力は「1人でも楽しめるし、誰かと一緒でも楽しめること」を挙げる。「元々部屋に閉じこもり気味だったので、外に出るのがゲーセンに行くときぐらいだったんです。でも、バイクに乗ったことによって、きれいな景色をただ見たいと思うようになりました。バイクだと車よりもダイレクトに景色とか匂いを感じられるんです。楽しみ方が変わりましたね」としみじみだ。

「いつかは本当に大型の黒いイカついやつに乗ってみたい」と野望を掲げる。そのために、まずは大型免許取得が目標であるとした。

バイクに乗り始めたことで広がった世界、バイクがつなげてくれた交友関係。今後も「独ヲタ女子【＊アッキーch＊】」でありのままの姿を発信し続け、その世界の裾野を広げていく。中村彰洋