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年末年始に向けて“最強のオービス”の導入が加速。10km/hオーバーも見逃さない

◆「移動式オービス」の導入が加速

 年末年始は、交通量の増加や日没が早い時期ということもあり、交通事故が最も多い時期と言われています。また、忘年会や新年会など、呑みに関する集まりも多く行われることから、飲酒運転も多くなる傾向にあるのです。

 一年を通して交通違反・交通事故が最も多く起こる時期ということで、必然的に警察も「交通取締りに最も力を入れるシーズン」となります。

 12月中旬、読売新聞の取材によると、北海道の一般道に設置された「固定式速度違反自動取締装置」、通称「固定式オービス」(オービスはボーイング社の商標)が11月までにすべて撤去され、速度違反に関しては、「可搬式取締装置」、通称「移動式オービス」を中心とした取締りに移行する事が判明しました。

年末年始に向けて“最強のオービス”の導入が加速。10km/hオーバーも見逃さない

全国で導入が増えている「センシス MSSS」

 北海道県警で使われる移動式オービスは、ニュースによるとスウェーデンの計測器メーカーが開発した「Sensys(センシス) MSSS」です。移動式オービスの中では最もコンパクトで、警視庁が主力としている東京航空計器(株)の「LSM-310」などに比べ目立ちにくく、風景に溶け込むスタイルです。

◆最強の移動式オービス「MSSS」とは

 MSSSは現時点では最強とも言われる移動式オービスであり、性能は折り紙付きです。

年末年始に向けて“最強のオービス”の導入が加速。10km/hオーバーも見逃さない

ストロボ部とカメラ部はかなり離れて設置されている

年末年始に向けて“最強のオービス”の導入が加速。10km/hオーバーも見逃さない

東京航空計器 LSM-310 分離式だが、ストロボとカメラは上下に設置されている。

 固定式オービスで見られた「取締り予告看板」も、埼玉県警のように必ずオービスの手前に設置しているところもあれば、千葉県警のように告知すら行っていないところもあります。

◆運用方法は各都道府県によって異なる

 また、愛知県警のようにウェブサイトにて取締りエリアを告知するパターンもあり、移動式オービスの運用は、各都道府県独自の方法で行われているのです。

年末年始に向けて“最強のオービス”の導入が加速。10km/hオーバーも見逃さない

埼玉県警の事前告知看板。ライトの光でしっかり反射するので見落とすことはないだろう。

 移動式オービスは、もともと生活道路などの取締りを強化する目的で開発されました。SNSなどでは10km/hオーバーでも撮影され、後日呼び出しが来たと話題に上がったこともありましたが、メーター誤差やタイヤ交換による誤差もあるので、実際には15km/h以下のスピードオーバー程度の速度違反で、警察に呼び出しを食らう可能性は限りなくゼロに近いでしょう。

 余談ですが、LSM-310は最高速度220km/h、MSSSは360km/hまで測定が可能となっています。無論この速度以上出せば写らないといっている訳ではありませんが……。国内で許されている最高速度は120km/hなので、これ以上の速度を出すのならそれはゲームの中だけにしておいて欲しいですね。

◆設置場所をローテーションで変えるオービスも

 一般道や高速道路の固定式オービスは、どのエリアでも撤去の方向に動いていますが、一方で「半固定式オービス」と呼ばれる、移動式オービスを固定して使用するタイプも徐々に増えてきています。これは複数箇所に設置場所を設け、ローテーションで設置場所を変えるタイプのオービスです。

 2021年に大阪で初めて導入されたのを皮切りに、2022年12月現在では、熊本、長野、茨城県の計12箇所で半固定式オービスが運用されています。今後はメンテナンスや予算の関係で、固定式からこの半固定式オービスに切り替わるという話もあるようです。

年末年始に向けて“最強のオービス”の導入が加速。10km/hオーバーも見逃さない

上信越道に設置された半固定式オービス。積雪地域ということもあり雪よけの屋根が設置されている。

 スピードは控えめで安全運転を心がけ、気持ちの良い年末年始を過ごしたいものです。

文/板倉正道

【板倉正道】

テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

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