布団乾燥機車の技術を転用した「サウナ付きキャンピングカー」とは
北海道・当麻町のカスタムキャンピングカービルダー「Touma Auto Project」が作ったのは日本初のサウナ室付きキャンピングカー「当麻町ととのえBUS」。
2022年秋より一般レンタルがはじまり、好きな場所でサウナ&キャンプを楽しめます。
トヨタ「コースター」をベースにしただけあり、広々としたリビングスペース。町内産の木を多用しています
トヨタ「コースター」をベースにしただけあり、広々としたリビングスペース。町内産の木を多用しています
旭川市の隣に位置する小さな町「当麻町」にはサウナ室が付いたキャンピングカー「当麻町ととのえBUS」があります。
【画像】キャンピングカーの内部はサウナでした…! 本格的な移動できるサウナキャンパーの実車を見る!(20枚)
2021年、町内の資源と技術を総動員してご当地ビルダー「Touma Auto Project」(以下T.A.P)が製作しました。
内装には町内産トドマツを使用。核となるサウナ室には地元の世良鉄工が作ったステンレス製サウナストーブを設置しています。
ストーブの上には地元キャンプ場スタッフが掘り出したサウナストーンが載っていて、ロウリュも楽しめる本格的なサウナ室となっています。
素人考えでは「キャンピングカーに小さな部屋を作ってそこにストーブを置くだけでいいのでは?」と思いますが、ここは冬になると-20度まで下がるのも珍しくない極寒の地。
断熱性の高いキャンピングカーであっても、サウナ室の温度を安定させるのはおいそれとはできません。
この課題はT.A.Pが製造しているホテル向けの布団乾燥機車の技術を使うことで解決しました。
布団乾燥機車とは耳慣れませんが、いわゆる動く乾燥室。
ホテルから布団を集めて乾燥室に持っていくのではなく、ホテルを巡り車内で乾燥させるというものです。
「当麻町ととのえBUS」は普通免許(平成29年3月12日以降の免許取得者は準中型自動車免許以上)で運転できます。
イベント時やふるさと納税の返礼品として利用できるほか、スケジュールが空いていればレンタルOK。
優に全長6mを超えますが、バックアイカメラを搭載しているので方向転換や駐車もアシストしてくれます。
レンタルの際にはサウナ室の薪ストック棚にあらかじめ薪が入っています。
じゃらんからの予約では基本、日帰り(宿泊したい場合は要相談)。薪の購入に時間がかかるのはもったいないのでこれはうれしいサービスです。
サウナ室には大きな窓がついていて、景色を眺めながら過ごせるので飽きることはありません。
快適に過ごすために必要な装備は万全! サウナの後もみんなでリラックス出来る空間とは
T.A.Pによると、当初は町から「トレーラーをサウナにした”サウナトレーラー”を作れないか」と相談されたそうです。
けれどもサウナの後にみんなとリラックスできるスペースがほしいし、移動中もゆったりしたいとトレーラーではなくバスをベースとした日本初のサウナキャンピングバスにしたといいます。
サウナ室の木のベンチは「キャンピングカーの椅子には見えないから」と定員に含められなかったといいます。
そのため当初予定していたシャワールームを廃して乗車定員を確保しています。
シャワールームが無いのは少々残念ですが、シャワーホースを伸ばして後部ドアのそばでシャワーを浴びられるほか、そもそも長時間駐車して薪ストーブを使うのでキャンプ場やRVパークを利用することが想定されているため、そうした施設はシャワー付きの可能性大です。
シャワールームはなくなりましたが、屋外でシャワーを使えます
シャワールームはなくなりましたが、屋外でシャワーを使えます
それにシャワールームを諦めたことでリビングはバスの広さを最大限に生かせ、圧迫感がありません。サウナ後に手足を伸ばしてくつろげます。
電子レンジやテレビ、ポータブル冷蔵庫など快適に過ごすために必要な装備は万全。
サウナ後、すぐに運転する気にはなれませんからそういった意味でもキャンピングサウナバスは理にかなった作りといえます。
北海道にも通年営業のキャンプ場やRVパークが増えています。
雪の森を眺めつつサウナで汗を流し、雪にダイブなんてことも夢じゃありません。
この冬、「当麻町ととのえBUS」で北海道の自然に触れながらサウナを楽しんでみてはどうでしょう。