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テスラの自動運転モード解禁直後に玉突き事故

テスラの自動運転モード解禁直後に玉突き事故

Image: shutterstock(写真はイメージです)

急に暗いところに入る魔界で起こったファントムブレーキ。

昨年11月、サンクスギビングの日にサンフランシスコとオークランドを結ぶベイブリッジで玉突き事故が起こりました。

解禁直後の完全自動運転(FSD)モードで走行中のTesla Model Sが追い越し車線に突然車線変更して急ブレーキをかけ、後続の7台が次から次へと衝突してこんな風に折り重なってしまったのです。

2歳児を含む9人が負傷、橋が1時間以上通行止めとなってけっこう大きなニュースになったので、ご記憶の方もいるのではないでしょうか。

以下は事故発生後のベイブリッジ。

何がどうしたらこうなる?と首をかしげていたら、The Interceptに事故発生前の様子を捉えた映像が初公開されました。以下がその映像です。

ご覧のように、衝突回避用ブレーキの誤作動が引き金となって後続のクルマが次々衝突していくのがわかります。後方からの映像のほうが目くらましになる状況は見やすいかもしれません。

これを見るまでは「十分な車間距離をとらない後ろの車も悪い」「スピード出しすぎ」という声にも一理あるなと思っていましたが、すぐ後ろのSUVは割とすぐ減速してカッツンという柔らかい当たり。そのSUVに突っ込んでいく車もみなそんなにギリギリに詰めて煽ってるようには見えません。急に暗くなると視界が戻るまで若干かかるので、視界が戻ったときにはぶつかっていた、ということみたいですね。

事故報告書には「11月24日12時39分発生」とあって、イーロン・マスクCEOが北米地域でFSDベータ版の利用解禁を発表してから半日ちょっとで事故が起こった計算。「自動運転のないテスラなんて、なんの価値もない」(マスクCEO)という熱い思いに現実がついていってない感じです。

ドライバーは警察の調べに対し、FSDの完全自動運転で走行中、「左折ウィンカーが灯って」「ブレーキが作動」して左に車線変更し、「後続車の進路方向に直接減速して停止」した、と供述しています。前方の何かを障害物と誤認して、左車線を路肩と勘違いして止まってしまったんでしょうか…。

ファントムブレーキが急増?

北米地域のテスラ車計28万5000台余りに全自動運転が解禁になる前からテスラは事故が多く、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に報告されるオートパイロット使用時のテスラがらみの事故は2021年7月からの1年で273件にのぼります。今や高度運転アシストシステム関連の事故の7割近くはテスラ。

そのなかでも多いのが高速走行中に急停止する「ファントムブレーキ」です。これは、半導体供給不足から2021年5月にModel 3、Model Yへのレーダー搭載をやめてから急に増えだしました。

そのことをWashington Postが昨年2月に報じたら、そういえばうちのテスラも! とNHTSAのもとには2週間で約250件もの苦情が殺到。その前は3か月で107件、そのまた前は22か月で34件だったことを考えると異様な増え方を示しています。

にもかかわらずテスラは同じ2月の中旬、レーダーに頼らないカメラオンリーの「Tesla Vision」のほうが安全性に優れていることが欧米で確認されたとして、2022年内に高級セダンのModel S、高級SUVのModel Xも「Tesla Vision」に切り替える方針を明らかにしました。

そんなわけで昨今のFSDは当初考えられていたFSDとは違う構成になっていて、レーダーにも依存しなければ、超音波センサ(SSD)にも依存しません。

レーダーを実装したテスラ車の自動運転についてはNHTSAも前方衝突警告、緊急自動ブレーキの評価を終えていますが、レーダー抜きのテスラ車についてはまだ評価が終わっていません。

そんな様子見の段階で起こったベイブリッジの事故。これもファントムブレーキなのでしょうか…。くわしい事故原因についてはNHTSAが調査中です。

Sources: The Intercept, WP, Car and Driver, ABC, KTVU

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