「東京国際カスタムカーコンテスト2023」で表彰された「VeilSide FFZ400」。横幕宏尚氏の自信作だ【写真:ENCOUNT編集部】
VeilSide横幕宏尚代表による会心の出来 新型フェアレディZ(2022年式・RZ34)がベース車
VeilSideと言えば、ハリウッド映画「ワイルド・スピード」だろう。シリーズ3作目「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」で、人気キャラクターのハンが乗っていたのが、VeilSide RX-7 Fortune。オレンジ×黒のカラーリングが印象的だ。
ワイスピ車両ファンが「盛り上がりがすごいと思います」と、東京オートサロンの“イチオシ”として教えてくれた今回の新作。そのハンを演じている俳優サン・カンから、なんと直接オファーを受けて、今回、新型フェアレディZ(2022年式・RZ34)をベースに、このFFZ400が製作されたというのだ。
横幕氏は「去年の7月にオファーが来て、ぜひコラボを実現させたいと思ったんだ。どの車体がいいのか、どのようなカスタムにしようか、彼と話し合って、未来のある新しいクルマにしよう、と。スピード感と繊細さ、躍動感を表現できればと思って、それでフェアレディZに決まったんだ」と、いきさつを教えてくれた。
流麗なボディーデザイン、鮮やかなオレンジカラー……。その魅力は書き切れないぐらいだが、製作者ならではのこだわりポイントが。後輪の上部のボディー部分が独特の立体的スタイルになっており、「この筋肉美がいいでしょう」。内装も徹底。「シートやハンドルの生地・アルカンターラの一部に、レーザー刻印でVeilSideのモノグラム調のデザインを入れてね。こういったところにも注目してほしいですね」とアツく語る。
会場では、外国からのファンを含めて、展示ブースの前には黒山の人だかり。世界の注目度がひしひしと伝わった。
オートサロンの会場で行われた表彰式で横幕氏は「未来のムービーカーとして依頼を受けて作りました。ワクワクしながら作ることができました」と喜びの思いを語った。
30年以上、カスタム業界に身を置いているレジェンドは「いつもはつなぎを着て、1日ずっと作業しているんですよ。何でも自分1人で作ってる。この仕事が天職だからね」。これからも世界を驚かせるつもりだ。
車両コンセプトの説明文には「2024年世界同時公開予定映画のサン・カン氏が搭乗するムービーカーのために製作」と書いてあった。珠玉の1台がスクリーンでどのような雄姿を見せるのか。今から楽しみだ。吉原知也