◆ロードスターで、東京‐青森往復。本州最果ての地で愛を叫ぶ!
JR五能線の驫木(とどろき)駅。五能線は青森県川部駅と秋田県東能代駅を結ぶローカル路線で、驫木駅は目の前が日本海の無人駅。まるで映画のワンシーンのような場所です。
そんな青森観光をロードスターで堪能したわけですが、本題は青森出身の担当Kとの「ロードスター買うなら何代目か?」であります。
MAZDA ROADSTER
永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
◆中古車を買うならオススメは何代目?
マツダ・ロードスターは日本の誇り! 特に現行ロードスターは傑作中の傑作! そんなロードスターの真価を改めて体感すべく、東京から青森まで、ロードスターでドライブしてみた!
担当K(以下K):クルマで行く青森は遠かったでしょう?
永福:往復約1600㎞。ロードスターはちっちゃいから、運転しっぱなしは疲れるかなと思ったけど、乗り心地もシートもドラポジもいいから、意外と疲れなかったよ!
K:ロードスターの名機990Sで行ったんですか?
永福:いや、タイプSのAT。一番マニア度が低いグレードだけど、ロードスターの楽しさは全然変わらなかったね。ATのロードスターなんて邪道だと思ってたけど、逆にハンドリングに集中できて、すんごく楽しかったんだよ!
現行ロードスターといえば、990S(MT車のみ)がベストだけど、長距離を走ってみると、やっぱATってラクチンだし、運転の楽しさもそんなに変わらなかった!
K:せっかくのロードスターなのに、ATなんてありえないと思ってるんですが……。
永福:いや、ロードスターはATでも全然イイ! そりゃMTのみの990Sは歴史に残る名作だけど、「現行ロードスターであればすべて良し!」の境地だね。
K:僕は素直に同意できませんねえ。現行ロードスターってカッコよすぎて引いちゃうんですよ。カッコでいえば初代が断然ベストです!
永福:初代が原点であることは確かだけど、現行ロードスターはついに初代を超えた! もちろん初代にこだわる人はそれでいいんだけど、初代の中古を今さら買うのって、それなりの覚悟がいるでしょ。何しろ25年はたってるからね。
◆中古のハードル
K:確かに初代の中古はハードルが高いです。だから僕の狙いは2代目の中古です!
永福:え、ええっ!?
K:2代目の微妙にダサい感じが愛おしいんです。しかも一番安い! 本体価格20万円台からありますから!
価格は最安ライン
◆確かに2代目が一番安いけど…
永福:20年前の中古車を、安い順に並べて考えるのはやめようよ! シアワセになれないよ! 確かに2代目が一番安いけど、それでもまあまあの個体は70万円くらいする。なら90万円でまあまあのが買える3代目がいいんじゃないか? さらに言うと、150万円でピカピカの美少女が買える現行モデルがベストだ。さらにさらに言うと、300万円で新車を買っちゃったほうがコスパいいんじゃない?
K:永福さんはカネがあるからそんなこと言うんですよ! 一般ピープルは金欠に物価高でヒーヒー言ってるんですから! 20万円台でオープンスポーツカーに乗れる2代目で十分なんですよ!
永福:20万円台のポンコツ2代目と、300万円の現行新車を並べてみなよ。あまりの差に悲しくなるから。死んだ魚と広瀬すずくらい違うよ!
ATでもいい! 中古でもいい! ロードスターを買うなら、とにかく現行モデルがオススメ!
K:それはごもっともなんですが、一般ピープルが道楽グルマに300万円出せれば苦労しないですよ! 庶民の僕の予算は常に50万円です!
永福:残価設定ローンを組めば、月々4万円くらいで新車が買える! カーマニアたるものローンを怖がるな!
K:残価設定で手に入れたクルマは好きにいじれないじゃないですか! そんなのカーマニアとして絶対ダメです!
永福:あっ、そう……。
◆【結論!】
ロードスターの乗り味は、34年間あまり変わっていないけど、やっぱり現行モデルがベストだ! ATでも中古でも新車でも何でも良し! 普段乗りからロングドライブまで、涙が出るほどスバラシイ!
◆【おまけ】青森県のドライブスポット
日本海を一望できる驫木(とどろき)駅、日本一の大イチョウ、岩木山とりんご畑、そして弘前城を堪能し、十和田湖を経て三沢基地でF35A戦闘機の離着陸を満喫。ロードスターS(スペシャルパッケージ・AT)で、雪が降る前の青森で最高のドライブができました。
弘前城
岩木山
十和田湖
日本一の大イチョウ
弘前りんご
初代 50万円~
2代目 20万円~
3代目 40万円~
現行 120万円~ 価格はそれぞれの最安ライン。初代から3代目でマトモなのが欲しければコミコミ100万円前後と思うべし。対する現行モデルは、コミコミ200万円でピカピカの一台が買える。100万円違うけど実物の差は歴然。ベストチョイスは約300万円の新車ですが
【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com