2月10日、アルファロメオは2023年用のニューマシンC43をカタルニア・サーキットでシェイクダウンした。これにより、2023年用のマシンを走らせた最初のチームということになった。
しかしバルテリ・ボッタスのドライブにより初めて走り始めた際、その数日前に公開されたレンダリング画像とは全く異なるフロアを搭載していた。
アルファロメオがこの急進的なデザインのフロアを実際に使用しなかったのは、数日間ライバルたちの目を欺くための囮だったのか、あるいはデザインの初期段階で検討されたものの、その後放棄された”案”のひとつにすぎないのか……議論が巻き起こった。
真相は、バーレーンでの合同テストで、アルファロメオの技術責任者に問うしかないだろう。しかしレンダリングで見られたギザギザのフロア端は、F1マシンの基準からは外れているようにも見えるものの、実際にはレギュレーションに対処するためのアプローチになっている。
このギザギザフロアは、フロアの本体の上に垂直に立てられたフェンスの外側に、9枚のウイングレットが取り付けられたモノだ。これが、マシンの左右に一組ずつ取り付けられている。ただこのデザインは、レギュレーションで定められたフロア端とエッジウイングに関するレギュレーションに準拠しているように見える。
ひとつ目は、サイドポンツーンの下を流れる気流が、しっかりと確保されているということだ。C43のサイドポンツーンの下は、鋭く抉られている。ここに気流の通り道が確保され、リヤタイヤの内側を通ってディフューザーの上まで気流を導くようになっている。その際、ギザギザのフロア端を構成する垂直のフェンスが、ガイドとして機能している。
ギザギザを構成するウイングレットが、フロア本体よりも高い位置に取り付けられているという点も興味深い。これにより、気流がフラップの外側を流れるようになるはずで、これによりフロア下の気流をサポートしたり、あるいは前述のサイドポンツーン下を流れる気流を守る、そんな役目が持たされているようにも想像できる。
シェイクダウンでは、このフロアはマシンに実際に搭載されることはなく、変わりに2022年に使われたモノと共通点が多いように見える、ある意味コンサバなフロアが使われた。
このエリアはマシンのパフォーマンスに実に敏感に影響を与える。そのため昨シーズンから、様々なソリューションが登場してきた。そして2023年には、フロア端の高さが15mm引き上げられるなど、レギュレーションが変更……デザインに関するアイデアがかなりたくさんあるのは確実だと言える。そういう意味では、アルファロメオが見せたレンダリング時とシェイクダウン時のデザインの違いは、我々に多くのことを考えさせる一端になっていると言えよう。
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