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ASF2.0(RWD)/ヒョンデ・コナ ラウンジ(FWD)/メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス ステーションワゴン(4WD/9AT)【試乗記】

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ASF2.0(RWD)/ヒョンデ・コナ ラウンジ(FWD)/メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス ステーションワゴン(4WD/9AT)【試乗記】

ASF2.0(RWD)/ヒョンデ・コナ ラウンジ(FWD)/メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス ステーションワゴン(4WD/9AT)

お客さんが待っている!

新時代の電動軽商用バン「ASF2.0」と韓国からやってきた小型クロスオーバーSUV「ヒョンデ・コナ」、名前がとても長い「メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス ステーションワゴン」に試乗。三車三様の魅力をリポートする。

プロフェッショナルの魂 ASF2.0

ASF2.0は日本企業のASFが佐川急便と共同で開発した電気自動車(BEV)である。生産は中国だが、何かをベースにカスタマイズしたわけではなく、日本の軽自動車規格に収まるように一から設計。配送用途を想定した軽商用バンだ。

ASF2.0は最高出力41PS、最大トルク120N・mのモーターで後輪を駆動する。フロア下に積まれた駆動用リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの総電力量は30kWh。「日産サクラ/三菱eKクロスEV」の1.5倍もの大容量でありながら、車重は1130kgに抑えられている。WLTCモードの一充電走行距離は243km。CEV補助金の対象となるのが185km以上であり、佐川急便からの要請は200km以上だったという。ちなみにASF2.0の車両本体価格は237万円だが、国からの補助金は黒ナンバーの場合で116万円。場合によっては地方自治体からの補助金も受けられる。

配送用に特化されているだけあって、リアシートは潔く取り払われている。シートはなくても左右ともきちんとスライドドアが備わっており、積み荷へのアクセスは容易だ。車体右側のスライドドアを開けると、フロアの側面に大穴が開いている。ここには折りたたんだ台車が収納できるようになっていて、左側を開けると今度は引き出しがある。積み荷のためのスペースを侵食することなく普通充電のケーブルやタイヤチェーンなどをしまっておけるのが心強い。

何やら順序が逆になってしまったが、運転席のドアを開けてみると、まずはこうした商用車としては異例に大型のセンタースクリーンが目に入る。望めばマップデータをインストールすることもできるそうだが、基本的にはスマートフォンを接続して使うことになる。カメラの映像はクラスの壁を超越した美しさだ。シートは座面がちょっと薄いのが気になるが、運転席が440mm、助手席が420mmと横幅を変えているところにこだわりを感じる。運転席はシートヒーター付きで、ステアリングホイールのボトム部分が不自然な形状になっているのは脱着式のテーブルを差し込むためだ。

聞けば佐川急便からの要請は何よりも予防安全装備の拡充だったという。衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報はもちろんのこと、前後の障害物警報機能も標準装備。先に書いたカメラ映像がきれいなことに加えて、ミッキーマウスのように巨大なドアミラーもすべては安全のためである。さらにはDレンジに入れたままシートベルトを外してドアを開けると自動的にPに入るという独自の機能もある。まさに一分一秒を惜しんで業務にいそしむドライバーと向き合った結果生まれたアイデアといえるだろう。

運転してみるとリアのアクスル付近からのメカニカルなノイズが少々気になるものの、660ccの軽バンで同じくらいのスピードを出せば、キャビンはもっとにぎやかなはずだ。何しろ全高が1950mmもあるのでカーブの手前では肝を冷やしたが、大容量バッテリーの重さのおかげもあってスムーズに曲がれる。ダッシュ力はまあこんなものかという感じだが、ルーティーンの200kmを走れずに電欠するようなセッティングでは仕事には使えない。

ASF2.0は積載性と安全性に特化した本物のギアである。ドアハンドルの操作感はペナペナだし、とんでもないところに鉄板がむき出しになっていてギョッとすることもある。ただし、目の前の仕事に集中している人にとってそれは取るに足らない問題である。何しろ次のお客が荷物を待っているのだ。

【スペック】

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1950mm/ホイールベース:2430mm/車重:1130kg/駆動方式:RWD/モーター:交流同期電動機(最高出力:41PS、最大トルク:120N・m)/一充電走行距離:243km(WLTCモード)/交流電力量消費率:–Wh/km(WLTCモード)/価格:237万円

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魅惑の赤いコナ ヒョンデ・コナ ラウンジ

2022年に日本再進出を果たしたヒョンデの第3弾がコナである。売れ筋のCセグメントのクロスオーバーSUVであり、この「ラウンジ」グレードはフロントに最高出力204PSのモーターを搭載し、駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は64.8kWh。WLTCモードの一充電走行距離は541kmである。価格は500万円を切っている。

外装のデザインは好みが分かれるかもしれないが、シルバーとブラックでまとめた内装は極めて落ち着いた雰囲気だ。今や各社が採用しているため大きな2つのスクリーンを並べたダッシュボードに新鮮味はないが、だからといって古くささも感じない。ヒョンデの場合はセンタースクリーンに操作系を詰め込みすぎていないのがいいところで、エアコンやシートのヒーター/ベンチレーターなどはすべてプッシュスイッチで機能する。レザーシートは車格に対してだいぶサイズに余裕があるのがうれしい。後席の座面くらいの高さまでリクライニングできるのも特徴で、出先で充電するときにリラックスして過ごせるようにという配慮だろう。

以前にもどこかで書いたが、スマートフォンを接続したときに「Apple CarPlay」や「Android Auto」を使うか、それとも充電のみにするかをスイッチ操作で選べるのがいい。家族でドライブ中に「またお店来てね(ハート)」などという通知が表示されてトラブルになるのは避けたいところだ。後ろ暗いところのない私はいつでも堂々と「Apple CarPlay」を使っているが、そうでない人もいることだろう。

ASF2.0から乗り換えたこともあって、加速はスムーズだし、スピードを上げても室内は静かなまま。タイヤは同じ韓国の「クムホ・エクスタPS71」を履いていた。山道で攻めた走りを試したわけではないが、足まわりはしっかりしていて乗り味は上質だ。

真っ赤な車体に黒い屋根を組み合わせたこのボディーカラーは「アルティメットレッドメタリック×アビスブラックパール」。大仰な名前の2色の組み合わせなのだが、本当は白に乗りたかった。「白いコナの誘惑」とか「白いコナの魔の手」とか、そういう記事を書きたかったのである。

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4355×1825×1590mm/ホイールベース:2660mm/車重:1770kg/駆動方式:FWD/モーター:交流同期電動機(最高出力:204PS、最大トルク:255N・m)/一充電走行距離:541km(WLTCモード)/交流電力量消費率:137Wh/km(WLTCモード)/価格:489万5000円

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懐に680PS メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス ステーションワゴン

フロントに積まれる2リッター4気筒ターボエンジンは最高出力476PS、最大トルク545N・mを発生。リアに積まれるモーターのピーク性能は204PS、320N・mで、システムトータルでは680PSと1020N・mをうたう。0-100km/h加速のタイムは3.4秒だ。「Garrett」と刻まれたタービンは排気流が高まる前でも過給圧を確保するために電動化されている。つまり走りだした瞬間から豊かなトルクが感じられるということだ。

……しかしながら、ちょっと試乗ステージを間違えてしまった。与えられた時間はわずか30分足らずであり、走れるのは制限速度70km/hの高速道路とそこに至るまでの一般道のみ。ドライブトレインについて感じ取れたのは「走りだした瞬間の豊かなトルク」だけだった。車両本体価格1711万円の171万円分くらいしか味わっていない(根拠なし)。

でもこれは私だけが特殊なわけではなく、サーキットに行かなければ誰だって条件は同じだ。制限速度120km/hの高速道路でも味わえるのは342万円分くらいだろう(同じく根拠なし)。

だからかもしれないが、このメルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス ステーションワゴンは動かさなくても結構楽しめる(罰当たりだが)。例えばステアリングホイールの右スポーク下のダイヤルでドライブモードを変えられる。道路では怖くて試せない「スポーツ+」だって気軽に選べる。メーター表示の変化を楽しんだり、不穏な排気音を楽しんだりするのも自由だ。左のダイヤルを押したり回したりするとサスペンションの硬さやトラクションコントロールの介入度合いなどを個別にセッティングできる。ドライブトレインのセッティングは一番ハードなのが「レース」、サスペンションの場合は「スポーツ+」で、トラクションコントロールは「プロ」の上にさらに「マスター」がある。夢は膨らむばかりだ。

同じことはすべてタッチスクリーンでもできるわけだが、スクリーンでしかできないことももちろんある。一番は画面に大写しになるIWCの腕時計だ。盤面にはきちんと「SCHAFFHAUSEN」(IWCの本社所在地)の表記があり、「SWISS MADE」とも書かれている。何よりラップタイムを計測するストップウオッチとしても機能するのである。

あ、70km/hが上限でもドライブはとても楽しかったです。静かで快適、しかも懐にはいざというときのための680PSを隠し持っているというゆがんだ満足感。オレはいつでも臨戦態勢だぜ、という豊かな気分にひとしきり浸らせていただきました。

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4835×1900×1475mm/ホイールベース:2875mm/車重:2200kg/駆動方式:4WD/エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ(最高出力:476PS/6750rpm、最大トルク:545N・m/5250-5500rpm)/モーター:交流同期電動機(最高出力:204PS/4500-8500rpm、最大トルク:320N・m/500-4500rpm)/トランスミッション:9段AT/燃費:10.2km/リッター(WLTCモード)/価格:1711万円

(文=藤沢 勝/写真=田村 弥、峰 昌宏/編集=藤沢 勝)

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