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トヨタが新型「4ランナー」を米国で発表、ハイラックスサーフの系譜を継ぐSUV

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トヨタが新型「4ランナー」を米国で発表、ハイラックスサーフの系譜を継ぐSUV

トヨタの「4Runner(4ランナー)」は40年以上前から同社のラインナップにおける定番商品であり続けている。15年ぶりにモデルチェンジした新型の登場で、トヨタのボディ・オン・フレーム構造車のラインナップは完全に刷新されることになった。2021年に発表された3代目「ツンドラ」フルサイズピックアップを皮切りに、トヨタは「TNGA-F」プラットフォームを活用して「セコイヤ」、「タコマ」、「ランドクルーザー」、そしてレクサスの「GX」と「LX」と、次々に大型SUV・ピックアップトラックのモデルチェンジを進めてきた。第6世代の2025年型4ランナーは、少なくとも北米ではその締めくくりとなる。

初代4ランナーは「ハイラックス」ピックアップをベースに製造されたSUVとして1983年に発売された(日本では「ハイラックスサーフ」という車名で販売された)。この時代のピックアップから派生したほとんどのSUVと同様に、初代4ランナーはボディ後部に着脱可能なハードトップを備えており、これを取り外すと、前席の後ろに仕切りのないハーフオープンのピックアップとして使えるのが特徴だった。

この構造は第2世代になると廃止され、1995年に発売された第3世代では「ランドクルーザー プラド」とプラットフォームを共有するようになった。この関係は現在も続き、さらにトヨタのボディ・オン・フレーム構造車すべてにまで拡大されている。最新型のランドクルーザー(250系。日本では「ランドクルーザー250」、北米では単に「ランドクルーザー」と呼ばれる)とレクサスGXは、他の市場で販売されているプラドの実質的な兄弟車だ。

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2025年型トヨタ 4ランナー TRD Pro(Toyota)

2025年型トヨタ 4ランナー TRD Pro(Toyota)

デビューが2009年まで遡るにもかかわらず、いまだに第5世代の現行型4ランナーは驚くほどよく売れ続けている。その間に、日産エクステラやシボレーS-10など、主なオフロード志向の2列シートを持つ中型SUVはほとんど市場から脱落し、現在はジープ・ラングラーやフォード・ブロンコが4ランナーの主な競合車として残っている。

日産パスファインダーやフォード・エクスプローラーといったその他の車種は、オンロードでの通勤を主な使用目的とした大型の3列シート車に成長した。4ランナーでさえ、今や3列シートのオプションが用意されており、新型でもそれは継続されている。そうして4ランナーは発売から年月が経った旧モデルとなるにもかかわらず、比較的好調な販売を維持しているのだ。

先代と同じく新型4ランナーも、中型ピックアップのタコマの最新世代とパワートレインを含めて多くを共有している。トヨタ車でますます多く使われるようになっている2.4リッターのガソリン直列4気筒ターボは、第6世代の4ランナーのボンネット下にも搭載される。スタンダードな「i-Force」版は最高出力278hp(281ps)と最大トルク317lb-ft(430Nm)を発生する。ハイブリッドの「i-Force Max」には1基の電動モーターと容量1.87kWhのニッケル水素バッテリーが追加され、合計で最高出力326hp(330ps)、最大トルク465lb-ft(630Nm)を発揮。牽引能力は5000ポンド(約2268kg)から6000ポンド(約2722kg)に向上する。

どちらのパワーユニットも同じ8速オートマチック・トランスミッションが組み合わされる。これもタコマやランドクルーザーと同様だ。駆動方式は先代と同じく、後輪駆動、パートタイム式4輪駆動、フルタイム4輪駆動の3種類から選択できる。4輪駆動はどちらも2速トランスファー(副変速機)と、トヨタのアクティブトラクションコントロールが備わり、タイヤが空転した際に最もグリップする車輪に駆動力を配分する。オートLSDは全車に標準装備される。

新型4ランナーの「TRDオフロード」と「TRDプロ」、そして新たに設定される「トレイルハンター」モデルには、電動リアデフロックも装備。「プレミアム」仕様にはセンターデフロックも標準装備されるが「リミテッド」ではオプションとなる。

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2025年型トヨタ 4ランナー (Toyota)

4ランナーに新採用となったのが、スイッチ操作でフロントのスタビライザーの結合と分離を切り替えられる「SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)」だ。舗装路ではスタビライザーを結合させて操縦安定性を高め、悪路走行時には切り離すことによって、前輪の接地性を向上させることができる。

新型4ランナーは、先代と比べて、ホイールベースが2.4インチ(約60mm)伸び、全長は4.7インチ(約120mm)長くなった。オーバーハングが長くなったということは、アプローチアングルとデパーチャーアングルがわずかに下がるということだ。先代の4輪駆動モデルがそれぞれ33度/26度だったのに対し、新型は32度/24度となっている。しかし、それでもタコマと比べると新型4ランナーのホイールベースは20インチ近く(500mm)も短いため、ランプブレークオーバーアングルはずっと大きく、オフロードでは有利になる。

トヨタの他のオフロード車や近年発売されたほとんどの競合車と同様に、4ランナーも走行路面に合わせてドライバーがモードを切り替えることができる「マルチテレインセレクト」システムを搭載する。MUD(泥濘路)、SAND(砂地路)、DIRT(未舗装路)などの各モードは、それぞれ路面の状況に合わせて駆動力制御が最適化される。この機能は4輪駆動トランスファーがハイ(4H)とロー(4L)のどちらでも作動する。「クロールコントロール」は悪路走行時にエンジン出力とブレーキを自動的に制御し、ドライバーは凹凸の多い場所を走破する際に障害物を避けるためにステアリング操作に集中できる。

デザインは新型タコマとの血縁的な類似を強く感じさせるものの、日本ではハイラックスサーフと呼ばれた初期の世代も思い起こさせる。リアのルーフトップは着脱できないが、リアのクオーターウインドウは初代のようにルーフに回り込んでいる。テールゲートのガラスは先代までと同じくゲート内部に下げて開けることが可能で、サーフボードのような長尺物を車体後部から突き出して積むことができる。

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テールゲートのガラスは開閉可能(Toyota)

インテリアも多くをタコマと共有しており、車載インフォテインメントスクリーンは標準の8インチとオプションの14インチから選択できる。どちらもトヨタの最新のインフォテインメントソフトウェアが採用され、先代から大幅に使い勝手が改善された。Apple CarplayとAndroid Autoの双方に対応し、スマートフォンをワイヤレス接続できるほか、Qi(チー)ワイヤレス充電パッドも標準のUSB-Cポートに加えて用意されている。

android, トヨタが新型「4ランナー」を米国で発表、ハイラックスサーフの系譜を継ぐsuv 他のすべての最新モデルと同様、4ランナーにも運転支援パッケージ「トヨタセーフティセンス3.0」が全車に標準装備される。この中には、後側方の車両を検知する「ブラインドスポットモニター」や、先行車との最適な車間距離を保つ全車速追従「レーダークルーズコントロール」、車線からはみ出しそうになるとステアリング制御が働く「レーントレーシングアシスト」、道路標識を車載ディスプレイに表示する「ロードサインアシスト」、危険を先読みして運転操作をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」などの機能が含まれる。

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2025年型トヨタ 4ランナー トレイルハンター(Toyota)

トヨタのピックアップトラックやSUVに通常設定されているすべてのトリムに加えて、新型4ランナーには「トレイルハンター」という新しい仕様も用意された。4輪駆動車用アクセサリーで有名な豪ARB社の「オールドマンエミュー」サスペンションのリモートリザーバー付き2.5インチ鍛造ショックをリアアクスルに装備し、同じくARBとともにデザインしたという専用ルーフラックも装着される。トーヨータイヤの「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」33インチオールテレーンタイヤを装着することで、最低地上高も前2インチ(約50mm)、後1.5インチ(約38mm)引き上げられた。

トレイルハンターには、20インチLEDライトバーが組み込まれたブロンズ仕上げのグリルとともにロックレールと高強度スチール製スキッドプレートも標準装備される。さらにトヨタは冒険旅の最中に電気器具が使えるように2400WのACインバーターも装備した。

2025年モデルの新型4ランナーは、米国では2024年秋に発売される予定だ。

(forbes.com 原文)

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