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エネオスHDが「EV向けバッテリー全自動交換ステーション」の実証実験を開始

2024年3月28日、ENEOSホールディングス(以下、エネオスHD)とAmple(以下、アンプル)は、EV向けバッテリー全自動交換ステーションの運用を開始し、実証実験をスタートさせた。MKタクシーや京都府などが活用する。

エネオスhdが「ev向けバッテリー全自動交換ステーション」の実証実験を開始

さまざまな車種に対応するバッテリーの全自動交換ステーション

バッテリー残量が減ったら、充電してまた使う。EVに限らずスマートフォンやノートパソコンなど、充電式バッテリーを搭載する電化製品では当然のように行われる行為である。一方で長時間撮影するビデオカメラや電動工具などにおいては、「バッテリー交換してまた使う」という方法を採るケースもある。

こうした「交換」によって再使用する手法はモビリティ業界にも存在する。例えば電動シェアモビリティを提供するLuupは有名なところとして知られ、またホンダは電動二輪車用のバッテリー交換ステーション「ホンダ パワーパック エクスチェンジャー e:」の販売を開始し、実際に稼働もしている。

このほかにも、二輪車メーカーのホンダ・カワサキ・スズキ・ヤマハの4社とエネオスHDは電動二輪車の普及拡大に向けて2022年にGachacoを設立し、搭載バッテリーの規格を共通化して交換インフラ構築による利便性を高めようという動きもある。

海外に目を向けると、中国の新興EVメーカー「NIO」はバッテリーメーカー最大手であるCATLと組んで交換ステーションの設置に巨額の投資を行い、すでに1000以上のステーション数を運用している。ユーザーが交換する二輪車向け施設とは違って、EV向けのサービス運用はコスト面やスペースの確保など課題はあるものの、給油と同等の時間でバッテリーを交換・再出発できるようになることで、電動モビリティの利便性は格段に高まるはずだ。

こうした中、エネオスHDは同社が出資する北米のスタートアップ企業 アンプルとともにEV向けバッテリー全自動交換ステーションを構築、京都での実証実験をスタートさせた。今回の開所式では、現行の日産リーフを改造した車両が登場して交換作業を自動で行ったが、専用の改造とバッテリー交換はリーフだけでなくさまざまな車種に対応するという。

実際の交換作業は、自動洗車機のような形の施設に車両が入ってリフトアップされるとフロア下からバッテリーを抜き出して充電済みバッテリーに交換するというもの。作業時間はおよそ5分で、急速充電するよりも格段に短く、ガソリンを給油するのと大きく変わらないという。

本実証は、MKタクシーで知られる京都のハイヤー・タクシー会社 エムケイホールディングスをはじめとして、京都府や京都市、三井住友銀行などが協力して行われる。エネオスHDはガソリンやLPG補給施設にならぶ経済性・効率性を維持しながら、運送業界をはじめとするモビリティ関連企業の電動化を支援する仕組みづくりを加速していくとしている。

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