トヨタ/プリウス(写真・取材のグレードはZ・2WD、車両本体価格370万円、オプション込みで409万9300円)
世界初の量産ハイブリッド自動車として1997年に誕生したプリウス。「21世紀に間に合いました。」のCMから25年が経ち、今やハイブリッド車の代名詞に。そんな21世紀においてプリウスが果たす役割、目指すところは何なのでしょう?
そこで、「純情のアフィリア」の7枚目となるシングル「この盾に、隠れます。」の衣装を着た寺坂ユミさん(別名:ASCII.jp自動車部・ゆみちぃ部長)とともに探ってみました
◆新型プリウスはスーパーカーのような見た目
「プリウス、もちろん知っていますよ!」と語る知多半島出身部長。さすがトヨタのお膝元(ちょっと遠いけど)という土地柄、物心付いた頃には、街のあちらこちらでプリウスが走っていただけのことはあります。
全長4600×全幅1780×全高1420~1430mm
そんななじみのあるプリウスですが、新型を見るのは初めての様子。近未来SF映画に出てきそうなスポーティーな見た目は、従来のプリウスとは大きく異なります。「なんか形がすごい……」と、大きな目を大きく見開いた部長は、形容する言葉を失ってしまいました。
このエクステリアが、プリウスが目指すハイブリッド車の新しい道のひとつを指し示していることを、この時の同行スタッフ一同は知る由もなかったのでした。
赤だからカッコよく見えるのでは? とゆみちぃ部長
しげしげとプリウスを観察するアイドル服部長。「最近よく思うんですけれど、クルマの色って重要ですよね」と思わぬ事を口にします。「今日のプリウスは赤でカッコいいと思うんですよ。でも白だったら商用車に見えて、あまりカッコいいとは思わないかも」と、“推しの子”から、歯に衣着せない“恐ろしい子”な発言が飛び出すではありませんか。白の方が下取りは高いんですけれどねぇ……。
ちなみに今回お借りしたクルマは「エモーショナルレッドII」というオプションカラーで、お値段5万5000円。「え? お金がかかるんですか?」と、お財布ガチガチ部長は驚いた表情をみせました。
ホイールアーチにより、力強さを印象づける。タイヤはADVANのブルーアース
オシャレは足元からということで、ホイールまわりをチェック。「SUVっぽい雰囲気ですね」というように、ホイールアーチ周辺に加飾を設けて、力強さマシマシです。
プリウスといったらハイブリッド。ということで、パワーユニットをチェックしましょう。アイドルがエンジンルームをのぞき込む写真を掲載するのはASCII.jpだけです。
パワーユニットは2.0Lハイブリッドシステムと1.8Lハイブリッドシステムの2種類。システム出力は2.0Lハイブリッドが2WDで196PS、4WDモデルで199PS。1.8Lハイブリッドシステム車(2WD)が140PS。先代は1.8Lハイブリッドのみの設定で122PSでしたので、上位グレードは馬力が1.6倍! 「あまりアクセルを踏まなくていいのですね」と、アイドル部長は笑顔です。
アイドル衣装を来た寺坂ユミさんが荷室をチェックするのはASCII.jpだけ
バックドアを開けた様子
荷室の様子
段差が少しあり、荷物の出し入れに難がある、と指摘するアイドル部長
助手席側にAC100Vアウトレットが用意されている
運転席側
背もたれを倒した様子
背もたれを倒した時の後席の様子
パワーゲートに対応する
一方、AC100Vアウトレットがオプションで用意されており、電源部長のココロをハートキャッチプリウス。「あるとないでは大違いです! ヘアアイロンとか使えますからね」と髪型を気にするボブカット部長にとっては重要なようです。
◆後部座席はちょっと狭いがアームレストや100V電源もあって便利
ドアを開けた様子
ドアは思ったよりは開かない様子
アイドル姿のゆみちぃ部長がプリウスの後席に座ります
リアシート
AC100Vコンセント
アームレスト部
サンルーフ
サンルーフを占めた状態
室内灯
ドア内張
ドアノブまわり
サイドシルは結構高め
続いて後席をチェックしましょう。リアガラス近くにあってオシャレ度の高いドアノブを開けて車内へ。と言いたいところですが、ドアは思ったよりは広く開かない様子。そしてサイドシルが少し高めなので、お年寄りだと足を結構上げないといけないため困ってしまうかもしれません。
車内に入ると「やっぱり足元が狭いんですね」と、SUVと比べて狭いフットスペースにご不満の様子。そして「ASCII.jp的に大変です! USBがありません!」と再び不満。ですが、AC100Vを見つけると「ココにあるのはすごく便利ですね!」と笑顔部長。乙女心と秋の空とはよく言ったもので、ホントに喜怒哀楽がコロコロと変わります。
取材車両にはオプションのパノラマルーフ(13万2000円)が装着されており、手動で開閉します。運転席側と後席側で分割されているので、後席だけグラスルーフを開けることもできます。
プリウスの運転席に座る寺坂ユミさん
プリウスの室内
プリウスの内張
ETC車載器は運転席ドア側に用意
室内全景(24mmレンズで撮影)
室内全景(16mmレンズで撮影)
メーターパネルとインフォテインメントディスプレイの位置関係
ペダルまわりの様子。トヨタ車にしては珍しくオルガン式を採用
インテリアも未来的。ゆみちぃ部長は「外観と内観の世界観がそろっていてイイですね」とにこやか。最近老眼になってきた部員Kは、ナビとメーターパネルの位置がかなり違っていることが気になりました。そしてメーターパネルの文字やアイコンの小ささに、「また眼鏡を作り直さないとダメかも」とも。カッコいいんですけれどね。
老眼とは無縁のゆみちぃ部長が気になったのは、フットスペースが狭いこと。どうやらアクセルペダルがオルガン式を採用しており、ブレーキペダルとの幅と高さに違和感を覚えるようです。これは部員Sも同じ印象を抱いた模様。一番足が大きい部員Kは「そうかなぁ」と鈍感力を発揮。足の幅が広い人にはちょうどよいのでしょう。
◆USBはすべてType-Cを採用! ワイヤレス充電はスマホのサイズ次第
ステアリングホイール
ステアリングリモコン左手側
ステアリングリモコン右手側
ステアリングヒーターのボタンは右手側にある
パーキングアシストは左手側に用意
ステアリング周りは、イマドキのレーシングカーのごとくボタンがいっぱい。特に混乱するのが右手側のクルーズコントロールまわり。通常のクルーズコントロールとレーダークルーズコントロールを選択する「走行支援モード選択スイッチ」に、速度設定の「走行支援スイッチ」にプラスとマイナスの「車速調整スイッチ」、前走車との「車間距離切りかえスイッチ」、そして「キャンセルスイッチ」。その下にはカーオーディオの「ソース切り替えスイッチ」が並びます。
それ自体はほかのクルマも似たようなものですが、クルーズコントロールとレーダークルーズコントロールの違いがよくわからず。さらにメーターパネルのアイコンが小さいことから「これはどっちのモードなのか?」と少し混乱しました。
USB端子はType-Cを採用
フタを取ると、さらに小物入れが姿を現す
大型のスマホを置いた状態
ケーブルをつなげると、スマホが浮いた状態になる
アームレスト内もUSB Type-C
ASCII.jp自動車部名物のUSB/スマホトレイ徹底チェックです。まずUSB端子はダッシュボードに2個、アームレストの中に2個あり、すべてType-Cに。部員たちはType-Aは時代遅れ、iPhoneだってType-Cになったんだから、これには大満足。
逆にスマホトレイは横置きタイプでちょっと不満。さらにケーブルをつなげると、6型以上の大型端末ではケーブルが浮いてしまうので、さらに不満です。ちなみにスマホトレイは取り外すことができ、ケーブルやヘソクリを隠すのに便利そうでした。
センターコンソールまわり
スマホを差し込んだ様子
ワイヤレス充電ボタンとLED
感心したのが、ドライブモードセレクターの隣に設けられたスマホトレイ。ワイヤレス充電(Qi)対応で、縦に差し込むタイプです。Qi充電のスイッチが小さいのでわかりづらく、スマホのサイズはケースを選びそうなところと、ケーブルを挿した状態で差し込むのは難しそうなのは難点ですが、ドリンクホルダーのようにしっかりホールドするので、運転中にあっちこっち動かないのは実にイイ!
メニュー画面
Apple CarPlay
Apple CarPlayで音楽再生をしている状態
Bluetooth認証画面
ワイヤレスApple CarPlay状態
Android Auto画面
Android Autoを使っている状態
ワイヤレスAndroid Autoは非対応
Android Autoはケーブル接続しなければ使えない
音声認識でエアコンを操作してみた様子
ASCII.jp自動車部名物、インフォテイメントとスマホの関係について。Apple CarPlayはワイヤレスApple CarPlayに対応しますが、Android Autoはケーブル接続でなければ使うことができません。最近ワイヤレスのAndroid Autoが解禁されましたが、対応機種(カーナビ側)がほとんどないのです。
さて、プリウスの音声認識を試したところ、こちらの認識率はかなり高く、ナビはもちろんエアコン操作なども可能。ただ声はシッカリと発音した方がよさそうで、Googleマップのようにはいかないようです。
バイザー裏側
室内灯まわり
室内灯とバイザー裏のミラーもチェック。バイザー裏は最近はやりつつある、照明とミラーが別の場所にあるタイプ。室内灯の中央部にはSOSボタンが用意されていました。
◆エコだけじゃなく運転も楽しいプリウス
プリウスというと、多くの方はエコカーのイメージを持たれるのでは? スタッフ一同、走りよりも「燃費はどれだけ行くのか」という点に興味を抱いていました。ですが、ステアリングを握った誰もが良い意味で混乱。いわゆるエコカーでイメージする「ただの動く乗り物」ではなく、「積極的に運転を楽しむ」クルマに仕上げられていたのです。
セダンのような、少し柔らかな乗り心地の中に、スポーティーさが垣間見える。言い換えるなら、スポーツセダンほどガチじゃなく、コンフォートとスポーティーの間、というと伝わるでしょうか。そのあんばいが実に見事。
それは演出面でもいえて、普通に走っている時は静かなのですが、踏めばパワーユニットからイイ音が聞こえてくる。スポーツモードにセットすると、さらに楽しさ倍増。「プリウスって、こんなに奥深いクルマだったのか」と、舐めてかかっていたことを猛省した部員たち。ゆみちぃ部長も「これイイクルマですね」と賛辞を送ります。
トヨタのハイブリッドは、とかく燃費がイイという印象です。期待の燃費ですが、リッター20km程度と、同クラスのほかのハイブリッド車と同程度でした。走り方や高速道路の比率などで大きく変わるので、あくまでもご参考までに。ちなみにカタログをみるとWLTCモードで26.0km/L~32.6km/Lということなので、ASCII.jp自動車部の面々は、かなり環境に優しくない走りをしていたのかもと反省。
逆にいえば、アクセルを踏みたい気分にさせるクルマなのです。それはクルマの形状にも表れているようにも。そのカッコいい形は単なる見た目だけでなく、高速道路の風切り音が少なく、車内での会話がしやすいところに魅力を感じた次第です。
「プリウスのイメージが変わりました」というアイドル部長。新型プリウスの登場は、ハイブリッドを「環境に優しいエコカー」から「環境性能はそのままに、もっと楽しいクルマ」にシフトさせたように思います。真の意味で「21世紀に間に合いました」というのは、このプリウスで到達したような、そんな気がしました。
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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール
1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近は自動車にも興味を抱く。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、当連載で、お気に入りの1台を探す予定。