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EV失速は顕著か。ハイブリッドどころか「ガソリン車」が需要増の現実も

ev失速は顕著か。ハイブリッドどころか「ガソリン車」が需要増の現実も

電気自動車(EV)ブームが失速している ——。

テスラは4月2日、2024年1~3月の販売台数が38万6810台になったことを発表した。前年同期の実績が42万2875台だったことを考えると、前年比で約8.5%減と大きなマイナスだ。イーロン・マスク氏の言動による影響との見方もあるが、EVが「思ったより伸びない」状況はある程度市場全体に広がっているようにも見える。

2023年後半から失速のEV

JETROが発表したレポートによると、2023年のアメリカの新車販売台数は1561万6878台。このうち、BEV(バッテリーEV)やPHEV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)を含む「クリーンビークル」の販売台数は、前年比で約5割増。シェアでも9.3%に達するなど好調に推移していた。ただ、2023年後半にかけて伸びは鈍化していった。

多くの専門家は2024年もBEV市場は一定程度伸びるだろうと予想してはいるものの、その勢いについては判断しにくい状況だと同レポートではまとめている。

実際、2024年1〜3月分アメリカ市場における新車販売台数のうち、ハイブリッド車は45.1%増と引き続き好調に推移。一方、BEVを含むクリーンビークルは8.0%増の34万2146台にとどまる。BEVの新車販売台数に占めるシェアは、前年同期比で0.1ポイント減の7.1%と伸び悩んでいる状況だという。

日本も似た状況だ。日経新聞の報道によると、2023年度のEVの販売数は過去最高となったものの、下半期以降に低調に推移。前年度比2%増にとどまった。日本自動車販売協会連合会が発表している燃料別登録台数を見ても、2024年1月〜3月のEV販売実績は前年比で6〜7割と毎月下回っている。

「エンジン車が欲しい」消費者が増加

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次に購入する車両タイプの国別比較。中国、インド以外で、エンジン車の購入意向が高まっている。

消費者調査などの結果からも、BEVの販売が順風満帆ではない状況が見て取れる。

デロイトトーマツグループがこの2月に発表した「2024年グローバル自動車消費者調査」では、インド・中国以外の地域で、ガソリン・ディーゼル車(エンジン車)の購入を希望する消費者の割合が高くなっていた。

特にアメリカでは、前年の58%から67%と10ポイント近くエンジン車の購入意向が高まっていた。日本でも、エンジン車の購入意向を示す消費者が増加していた一方、BEVの購入意向は6%と前年から5%減少していた。

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日本における次に購入する車両タイプの変化。2023年から2024年にかけて、BEVが大きく減っている。その分、エンジン車やハイブリッド車の割合が高まっている。

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