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「最も安全な乗用車」2024年版、米道路安全保険協会が評価 日本車も多数

「最も安全な乗用車」2024年版、米道路安全保険協会が評価 日本車も多数

「最も安全な乗用車」2024年版、米道路安全保険協会が評価 日本車も多数

バカでかいピックアップトラックや、さまざまなサイズのSUVが、米国中の車道を支配しているように見えるかもしれないが、マーク・トウェインなら「乗用車が死んだという報道は大幅に誇張されている」というだろう。

確かに、この数十年の間に消費者の嗜好が変化したことで、多くの歴史的に名高い車名がスクラップ置き場に追いやられてしまったが、それでも伝統的な乗用車は、トヨタ・カムリを筆頭に、米国で最も売れている25車種のうち5車種を占めている。

それらの名誉のために言っておくと、乗用車は概して、より大きな箱型のSUVよりも、購入価格が安く、操縦性が機敏で、乗り心地が良く、燃費に優れる傾向がある。

残念なことに、これまでの自動車の安全性における進歩は、大きさと重さに関する物理の法則を意味のないものにするまでには至っていない。他の条件がすべて同じであれば、フルサイズSUVのような大きくて重い車両は、より小さくて軽いセダンのようなクルマよりも、衝突時に有利であることが多い。

ゆえに、(巨大なSUVではなく)乗用車を購入しようとする人で、安全性を新たなクルマ選びにおける優先順位の最上位かまたはそれに近いところに置いている人は、衝突事故の際に乗員を最も粘り強く保護し、最も危険な衝突を防ぐために必須の技術、特に前方自動緊急ブレーキを装備しているモデルを選びたいと思うだろう。

試験の方法

そこで我々は、米国の保険業界が助成する非営利団体の米国道路安全保険協会(IIHS)によって実施された安全性評価の最新結果を参照し、その広範な衝突試験と評価プログラムに基づいて、乗員保護と事故回避に関して、小型車、中型車、大型車の各セグメントから、どの乗用車が最も安全であるかを確認した。

2024年は17車種の乗用車が、IIHSによる高評価の称号「トップセイフティピック(TSP)」または要件がさらに厳しい「トップセイフティピックプラス(TSP+)」を獲得した。

「最も安全な乗用車」2024年版、米道路安全保険協会が評価 日本車も多数

スバル・アウトバックは見直された側面衝突試験で「Good(優)」の評価を得た(IIHS)

スバル・アウトバックは見直された側面衝突試験で「Good(優)」の評価を得た(IIHS)

IIHSが実施する衝突安全試験には、前面および側面衝突試験、木や電柱に衝突することを想定した運転席側および助手席側のスモールオーバーラップ前面衝突試験などが含まれており、TSPを獲得するには、これらすべての試験で高い評価を得なければならない。なお、IIHSが最近、側面衝突試験を見直し、Tボーンクラッシュと呼ばれる側方から衝突された事故の際に、後部座席の乗員をどれくらい保護できるかを明らかにしたことは注目に値するだろう。

「+」なしのTSPと評価されたクルマは、上記のほとんどの試験で最高点の「Good(優)」を獲得したものの、最近見直された側面衝突試験で、いくつかの項目が2番目に良い「Acceptable(良)」評価だった。

また、TSPやTSP+を獲得するためには、日中と夜間走行時の両方で、他の車両だけでなく歩行者との衝突回避も支援する高評価の前方自動緊急ブレーキを装備していることも条件となる。

さらに、上位評価を獲得するクルマは「Good」または「Acceptable」と評価される性能のヘッドライトを標準装備していなければならない。道路の前方を明るく照らすことは、見落とされがちだが、自動車の安全にとって重要な要素である。交通死亡事故の約半数は暗闇で、その4分の1は照明のない道路で発生しているからだ。

この項目で評価が低かったヘッドライトの多くは、直線道路を55mph(約89km/h)で走行しているドライバーが、進路上に障害物を発見してから停止して衝突を避けるために十分な照度がなかった。

これらの車種は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が実施した衝突試験でも、乗員保護性能に関して満点評価の5つ星を獲得している。

試験の限界

残念なことに、IIHSもNHTSAも、評価対象を業界で最も売れている車種に集中させる傾向があり、価格帯の上位に位置する高級車や生産台数の少ないスポーツカーは除外されがちだ。さらに、新型車や最近モデルチェンジした車種はまだ試験されていない場合もあるが、評価は継続的に更新される。

なお、前述した物理の法則によって、前面衝突試験の結果は同サイズの車両同士でないと正確に比較できない。つまり、衝突試験で最高評価を得たコンパクトカーが、衝突事故に遭った際に、最高評価を得られなかった大きくて重いクルマよりも、乗員を保護できるとは限らないということだ。一方、側方衝突試験の結果は、やり方によって、車両のサイズや重量の区分を超えて問題なく比較することができる。

現行モデルおよび過去のモデルで、衝突試験を受けたすべての車種(今回ご紹介した乗用車以外にSUVやミニバン等も含む)はIIHS(www.IIHS.org)とNHTSA(www.nhtsa.gov/ratings)のサイトで確認できる。

IIHSによる2024年の安全性評価でTSPおよびTSP+を獲得した乗用車は以下のとおり。

小型車

アキュラ・インテグラ(TSP+)

マツダ・マツダ3 セダン(TSP+)

マツダ・マツダ3 ハッチバック(日本名:マツダ3 ファストバック)(TSP+)

トヨタ・プリウス(TSP+)

スバル・インプレッサ(TSP)

トヨタ・プリウス プライム(日本名:プリウス プラグインハイブリッド)(TSP)

ヒョンデ・エラントラ(TSP)

中型車

ホンダ・アコード(TSP+)

ヒョンデ・アイオニック6(TSP+)

スバル・アウトバック(TSP)

トヨタ・カムリ(TSP)

メルセデス・ベンツ Cクラス(TSP)

大型車

ジェネシス・エレクトリファイド G80(TSP+)

トヨタ・クラウン(TSP)

BMW 5シリーズ(TSP)

ジェネシス G80(TSP)

ジェネシス G90(TSP)

(forbes.com 原文)

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