速いもの大好き、スピーディー末岡です。東京ビッグサイトで11月5日まで開催中の「ジャパンモビリティショー」(以下JMS)に、初日の25日に行ってきたので、その内容から筆者が感じたことをお伝えしたいと思います。 ◆海外勢はBMW、メルセデス、BYDのみ JMSの前身は言うまでもなく、2019年まで開催されていた「東京モーターショー」です。今年から自工会(一般社団法人 日本自動車工業会)の豊田章男会長が音頭を取り、モーターショーとして自動車に限定するよりは、モビリティーとすることで様々な産業も一緒になって、来場者に「未来の日本」を体験してもらう場として開催されることになりました。 東京モーターショーといえば、ドイツのフランクフルトショー、アメリカのデトロイトモーターショと並び、世界三大モーターショーのひとつとされていました。長らく日本は世界の自動車メーカーから注目されるマーケットとして、モーターショーでは様々なメーカーが出展していました。しかし、2008年のリーマンショックの影響から、海外メーカーの出展数はどんどん減っていき、日本の経済成長も止まった結果、コロナ前の2019年はメルセデス・ベンツ、ルノー、アルピナの3社だけになっていました。 メルセデス・ベンツのコンセプトカー「EQG」。GクラスのEV版で、来年にはグローバルで発売予定とのこと そして今年のJMSです。日本のメーカーは豊田章男会長の大号令のもと、全メーカーが参加していますが、海外勢はBMW、メルセデス・ベンツ、そして初出展の中国・BYDのみでした。何度も出展していたアルピナはBMWのブランドになったせいか今回は欠席。ルノーも展示自体はあったのですが、JAIA(日本自動車輸入組合)のブースでというカタチでした。フォルクスワーゲングループ(アウディ、ベントレー、ポルシェ、ランボルギーニ、フォルクスワーゲンなど)も、ステランティス(プジョー、シトロエン、アルファロメオ、クライスラー、フィアットなど)も出展ナシ! だったのです。 JMSと名称を変更して、475社(サプライヤーやスタートアップ含む)という過去最大の出展社が集まったそうですが、輸入車は3メーカーのみ(海外メーカー全体では19社)。クルマ好きとしてはこれほど寂しいものはありません。かなり前になりますが、フェラーリを始めとするスーパーカーや、韓国のメーカーがこぞって出展していた頃が懐かしく……。ちなみに、ほかの海外メーカーは上海モーターショーには出展しているので、日本は優先的なマーケットではなくなっているのでしょう。ここまで日本市場は魅力がなくなってしまったのかと、クルマ好きとしては気分が落ち込みました。これが現実なのだと。 トヨタの新社長、佐藤恒治氏も登壇してプレゼン。スポーツカーやSUVのEVを発表した ◆コンセプトカーに心がときめかなくなった そしてもうひとつ、ガッカリポイントがあります。好みの問題もあるでしょうが、心ときめくコンセプトカーがなかったこと。たしかに昔から「俺の考えた未来のクルマ」みたいな、どう考えても市販する気ないだろというコンセプトカーはありましたが、それでもいずれ公道を走るであろうクルマが展示されていたものでした。とくにワールドプレミアとしてアンベールされるクルマはその傾向が強かったのですが、JMSでは奇抜なコンセプトカーばかりで、「どうせハリボテなんでしょ?」と、見ながら醒めていました。 今年のJMSでいえば、日産のGT-Rコンセプトもどきも、マツダのロータリーエンジン搭載のコンセプトも、「どうせ出ないんだろうなあ」というデザインで、夢のクルマではあるけれど、昔のように「うおおおお! 走ってるトコ、早く見たいぜ!」と興奮できないのは、年のせいもあるかもしれません。でも、日産「R35 GT-R」のように、コンセプトモデルから大きく変更せずに発売されたり、いすゞの「ビークロス」のようにモーターショーで好評だったからデザインそのままで出した、みたいなクルマがもっと見たいんですよね。 出す気ないだろ! と思わず突っ込んでしまった日産のコンセプトカー「Nissan Hyper Force」。タケヤリデッパみたいって、昭和の人しかわかりませんね こちらはスバルのコンセプトカー「SPORT ...
2023年のSUPER GT第6戦「AUTOPOLIS GT450km RACE」が10月14~15日に大分県のサーキット、オートポリスで行なわれた。ここが地元レースとなる「マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号」(冨林勇佑/松井孝允)は、今季ベストレースをするべく、予選から奮闘。ポイント獲得とはならなかったが、eスポーツ選手兼プロドライバーの冨林はノートラブルで長丁場のレースを走り切り、18位完走を果たした。 熊本県と大分県の県境に位置し、標高800mのところにあるオートポリス。コースの高低差が激しいうえに、タイヤにも厳しいコース。そして、昨年から導入が進められている450kmのフォーマットで開催された。 ここまで、トラブルにも悩まされながらも、粘り強く上位を目指して戦い続ける5号車。九州はチームの地元ということもあり、何としても好結果を残したいところだ。 ◆予選1回目を勝ち抜けず厳しい結果に 気温16度、路面温度18度と肌寒いコンディションで始まった土曜日の公式練習。5号車は積極的に周回を重ねていくが、ライバル勢のタイムに近づくことができず、21番手でセッションを終えた。 午後の公式予選は、松井がQ1を担当。このコースでは86マザーシャシーで優勝経験のあり、予選一発の速さを出してQ2に繋ぎたいところだ。松井も現状のベストと言える走りでラップタイムを刻んだが、1分45秒306のベストタイムでB組11位。今回も厳しい結果に終わった。 なお、ポールポジションは2号車「muta Racing GR86 GT」が獲得した。 圧倒的な速さでポールを勝ち取った堤 優威選手(左)、平良 響選手(中) 2号車「muta Racing ...
パイオニアは10月10日、AI搭載通信型オールインワン車載器「NP1」を大型アップデートし、Apple CarPlay/Android Auto対応やオービス/取締り情報の通知機能追加を実施した。 NP1は次世代通信型ドライブレコーダー、スマート音声ナビ、クルマWi-Fiなど多彩な機能を搭載し、運転中のさまざまな場面で会話を通してドライバーをサポート。また、サービスや機能の追加・更新を通信で行い、購入後も継続的にユーザーの使い勝手や体験価値を高めていく。 今回の大型アップデートでは、NP1のスマートフォン専用アプリ「My NP1」がApple CarPlay/Android Autoに対応。My NP1の地図画面や誘導・案内画面をUSBケーブルまたはワイヤレスで接続したApple CarPlay/Android Auto対応のカーナビやディスプレイオーディオなどの大画面に表示でき、タッチパネルで直感的に操作できる。 また、オービス/取締り情報の通知機能を追加。全国359か所(2023年10月現在)の最新オービスポイント(固定式/半固定式)や、各都道府県の警察が公開している情報をもとにした取締り実施地点をNP1の音声を通じて知らせる。さらにスマート音声ナビの音声検索機能も向上。これまでMy NP1で行っていた住所検索や電話番号検索などを、NP1本体に話しかけることでも行えるようになった。
BMW は今秋から欧州で、スマートフォン向けの「My BMWアプリ」に新機能を採用すると発表した。2024年3月からは、Androidスマートフォンを持つユーザーがMy BMWアプリを使用して、遠隔操作による車両の自動駐車が可能になる。 My BMWアプリは、車両と直接つながっており、車両のカスタマイズや、毎日の移動をより簡単にするためのさまざまな機能を提供する。My BMWアプリを使えば、車両の状態や機能をすぐに確認できる。BMWサービスへの直接アクセス、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)の充電状況、航続に関する情報がユーザーのスマートフォンに転送されるほか、車両の位置確認、ドアの施錠や解錠、空調のコントロール、車両周辺のモニタリングなどの機能にリモートアクセスできる。 また、My BMWアプリを通じて充電に最適なルートを計画したり、スマートフォンから車両のナビゲーションシステムに目的地の住所を送信したりすることもできる。2023年秋からは、このプロセスの一環として、ドライブの途中での休息地点を入力することも可能になる。 さらに2024年3月からは、対応するAndroidスマートフォンを持つユーザーがMy BMWアプリを使用して、オプションの「パーキング・アシスタント・プロフェッショナル」と「BMWデジタル・キー・プラス」で利用可能な「リモート・コントロール・パーキング」の機能を操作することもできるようになる。これまでは、AppleのiPhoneのみで可能だった。 車内での制御と車外からの制御を切り替えることで、パーキング・アシスト・プロフェッショナルに含まれる「パーキング・マニューバ・アシスト(駐車経路自動誘導)」機能を利用して、より幅広い操作を行うこともできる。ドライバーは車外からパーキング・マニューバ・アシストを操作し、スマートフォンで自動駐車の進行状況を監視することもできる。 自動駐車の間、ドライバーは車両から6m以上離れている必要がある。パーキング・マニューバ・アシストは、異なる場所で最大10の操作を記録し、保存できる。それぞれの操作は、最大200m、合計で最大600mの距離をカバーする。 車両が出発地点に戻ると、システムは必要なすべての運転操作をフル自動で実行する。アクセルやブレーキ、ステアリングをはじめ、ギアチェンジも含まれる、としている。
「アドベンチャーシリーズ」の3製品 パイオニアは、カロッツェリアブランドより、車を使ってキャンプなどのアウトドアレジャーを楽しむ人に向けた車載スピーカーの新シリーズ「アドベンチャーシリーズ」を12月に発売する。チューンアップツイーター「TS-T440AS」とパワードサブウーファー「TS-WX400AS」、サテライトスピーカー「TS-STX710AS」をラインナップし、価格はサブウーファーが37,400円。ほか2製品はオープンプライスで、店頭予想価格はツイーターが8,000円前後、サテライトスピーカーが17,000円前後。 「アウトドアレジャーをライフスタイルとして楽しむ方に向けたニュースタイルギア」と位置づける。荷物の積み下ろしなどでも傷つきにくいストーン調塗装で、さまざまなアウトドアシーンにマッチするというライトベージュカラーを採用した。 チューンアップツイーター「TS-T440AS」 チューンアップツイーターは、ハイレゾ音源再生に対応する。低歪みで指向性に優れた2.9cmバランスドドームダイアフラムを採用し、クリアな高域再生を実現。専用のハイパスフィルターも同梱し、純正スピーカーを活かしたシステムアップ接続ができる。台座は可動式で、設置後もツイーターの角度を上下に調整できる。 再生周波数帯域は1.4kHz~58kHz、出力音圧レベルは88dB、インピーダンスは6Ω。瞬間最大入力は160W、定格入力は35W。外形寸法は42×46×52mm(幅×奥行き×高さ)、重さは0.1kg/1個。 パワードサブウーファー「TS-WX400AS」 パワードサブウーファーは、スピーカーユニットを下向きに設置するダウンファイヤリング方式と24×12cmの大口径ウーファーにより、コンパクトサイズながら高出力と重低音再生を両立した。外形寸法300×200×100mm(幅×奥行き×高さ)のコンパクトサイズで、ラゲッジスペースやシート下など、さまざまな場所に設置できる。重さは4.1kg。 DSPイコライザー「DIGITAL EQ」でチューニングした2つの低音モードを搭載しており、階調豊かで深みのある低音を再生する「DEEP」と力強い低音を再生する「DYNAMIC」を、手元のリモコンで切り替えられる。 再生周波数帯域は20Hz~100kHz、出力音圧レベル(車室内音圧)は100dB。最大出力は250W、定格出力は100W。 サテライトスピーカー「TS-STX710AS」 サテライトスピーカーは、ラウンド形状の密閉式エンクロージャーを採用した高音質設計で、スピード感のあるクリアな中高域再生とタイトな低域再生を実現したという。取り付けにも配慮した本体形状とアタッチメントにより、居住性や後方視界を確保しながら幅広い車種のピラー部、ユーティリティーナットに取り付けられる。 フルメッシュグリルを採用し、積み込んだ荷物が当たってしまった場合などにスピーカーユニットの破損を防護性を確保。グリル周りを切り出すなど、デザイン性にもこだわった。 再生周波数帯域は90Hz~30kHz、出力音圧レベルは81dB、インピーダンスは4Ω。最大入力は100W、定格入力は20W。コード長は7m。外形寸法は77×128×98mm(幅×奥行き×高さ)、重さは0.64kg/1個。
商用超小型EVの試作車概要を都筑製作所が発表 METAxが開発 株式会社都筑製作所(以下、都筑製作所)は9月26日、試作中の超小型EV「Micro Utility Vehicle(クロスケ)」の概要を発表した。クロスケは、同社らが2022年10月に設立した超小型EV技術研究組合(以下、METAx)が開発しているものだ。 同組合では、「車両の電動化」と「ラストワンマイルの配送やデリバリーサービスにおける新たなソリューション」を目標に掲げている。同社は、3輪バイクより大きな積載量を持ち、軽バンより短距離移動に重点をおいた軽自動車未満の手軽な超小型EVを開発。これにより、EVのさらなる普及に向けた選択肢の多様化に貢献していくという。試作車両の製作・評価・実証実験を行い、2025年頃の量産を目指すとのことだ。なお、クロスケの詳細は、以下で公開されている。 https://metax.or.jp/wp-content/uploads/2023/09/XK%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%89_v.1.2.pdf (出典:都筑製作所 Webサイトより)
トヨタ/プリウス(写真・取材のグレードはZ・2WD、車両本体価格370万円、オプション込みで409万9300円) 世界初の量産ハイブリッド自動車として1997年に誕生したプリウス。「21世紀に間に合いました。」のCMから25年が経ち、今やハイブリッド車の代名詞に。そんな21世紀においてプリウスが果たす役割、目指すところは何なのでしょう? そこで、「純情のアフィリア」の7枚目となるシングル「この盾に、隠れます。」の衣装を着た寺坂ユミさん(別名:ASCII.jp自動車部・ゆみちぃ部長)とともに探ってみました ◆新型プリウスはスーパーカーのような見た目 「プリウス、もちろん知っていますよ!」と語る知多半島出身部長。さすがトヨタのお膝元(ちょっと遠いけど)という土地柄、物心付いた頃には、街のあちらこちらでプリウスが走っていただけのことはあります。 全長4600×全幅1780×全高1420~1430mm そんななじみのあるプリウスですが、新型を見るのは初めての様子。近未来SF映画に出てきそうなスポーティーな見た目は、従来のプリウスとは大きく異なります。「なんか形がすごい……」と、大きな目を大きく見開いた部長は、形容する言葉を失ってしまいました。 このエクステリアが、プリウスが目指すハイブリッド車の新しい道のひとつを指し示していることを、この時の同行スタッフ一同は知る由もなかったのでした。 赤だからカッコよく見えるのでは? とゆみちぃ部長 しげしげとプリウスを観察するアイドル服部長。「最近よく思うんですけれど、クルマの色って重要ですよね」と思わぬ事を口にします。「今日のプリウスは赤でカッコいいと思うんですよ。でも白だったら商用車に見えて、あまりカッコいいとは思わないかも」と、“推しの子”から、歯に衣着せない“恐ろしい子”な発言が飛び出すではありませんか。白の方が下取りは高いんですけれどねぇ……。 ちなみに今回お借りしたクルマは「エモーショナルレッドII」というオプションカラーで、お値段5万5000円。「え? お金がかかるんですか?」と、お財布ガチガチ部長は驚いた表情をみせました。 ホイールアーチにより、力強さを印象づける。タイヤはADVANのブルーアース オシャレは足元からということで、ホイールまわりをチェック。「SUVっぽい雰囲気ですね」というように、ホイールアーチ周辺に加飾を設けて、力強さマシマシです。 プリウスといったらハイブリッド。ということで、パワーユニットをチェックしましょう。アイドルがエンジンルームをのぞき込む写真を掲載するのはASCII.jpだけです。 パワーユニットは2.0Lハイブリッドシステムと1.8Lハイブリッドシステムの2種類。システム出力は2.0Lハイブリッドが2WDで196PS、4WDモデルで199PS。1.8Lハイブリッドシステム車(2WD)が140PS。先代は1.8Lハイブリッドのみの設定で122PSでしたので、上位グレードは馬力が1.6倍! 「あまりアクセルを踏まなくていいのですね」と、アイドル部長は笑顔です。 アイドル衣装を来た寺坂ユミさんが荷室をチェックするのはASCII.jpだけ バックドアを開けた様子 ...
◆メルセデスのEVにフラッグシップSUVが追加! カーボンニュートラルな世界を目指す今、次世代自動車の中心的な存在として、世界中の自動車メーカーが注力しているのが、電気自動車(BEV)だ。その中で、積極的にラインアップの拡大を図っている自動車メーカーのひとつが、ドイツの老舗「メルセデス・ベンツ」。現在、セダンとSUVを展開しているが、なんと人気のSUVに関しては、コンパクトからラージまでフルラインに近いラインアップを誇る。そのフラッグシップSUV「EQS SUV」が、日本上陸を果たしたのでレポートしよう。 「EQS SUV」は、メルセデス・ベンツのEV「メルセデスEQ」のSクラス級SUVで、最上位モデルに相応しい快適性と機能性、そして高いEV性能が挙げられる。それを可能としたのが、大型EVを想定したEV専用プラットフォーム「EVA2」の存在だ。ベンツEVの上級モデルのみに使用され、広い室内空間と大容量バッテリーの搭載を可能としている。 最上位SUVだけに、ボディーサイズは、全長5130×全幅2035×全高1725mmという堂々たるもの。ホイールベースも、3210mmと長い。エンジンを持たないEVは、専用設計ならばボンネットを短くでき、その分ホイールベースを拡大できる。その結果、車室が広がるだけでなく、鼻先が短いので見切りも良くなるのだ。 スタイリングでは、フロントマスクの開口部を最小限とし、巨大なブラックグリルパネルを採用することで、EVであることを強調。そのパネル面には、巨大なエンブレムの周囲に、ベンツの象徴であるスリーポインテッドスターが散りばめられている。まさに一目でベンツと分かるデザインだ。さらに前後ライトに採用される水平基調のランプデザインも、EQのアイコンのひとつであり、エンジン車のベンツとの差別化を図っている。デザイン面でも、エネルギー効率が意識されており、アルミホイールは、開口部を最小化したパネルが組み合わされ、ドアハンドルは電動格納式に。さらに各部のエアロパーツの働きもあり、Cd値(空気抵抗)は、0.26に抑えられている。また、静かなEVだけに走行中の風切り音を抑える対策も万全だという。 ロングホイールベースが生む広い車内空間では、なんとEVでは珍しい3列7人乗りを実現しているのも、同車の強みのひとつ。特に2列目シートは、VIP送迎車に使えるほどの広さだ。3列目シートは、ミニバンほどの空間的ゆとりはないが、乗降性を高めているほか、シートヒーターも内蔵するなど機能性も追求されている。またラゲッジ容量は7人乗り時で195Lとなるが、5名乗車時なら最大880Lを確保。後席をすべて倒せば、最大2100Lまで拡大するので、かなり使い勝手は良い。 運転席周りでは、EQの上位モデルのみに採用される「MBUXハイパースクリーン」に驚かされる。なんとダッシュボード全体が、画面になっているのだ。まるで未来の宇宙船のコクピットである。正確には、液晶メーターパネル、中央のインフォメーションディスプレイ、助手席専用モニターの3つで構成されている。 特筆すべきは、助手席専用モニターで、機能の操作に加え、走行中にTVを見ることもできる。助手席の人の楽しみは増えるが、それだとドライバーも、ついTVに気を取られてしまうのではと思うだろう。しかし、安全対策は万全。なんとクルマが、ドライバーの視線を検知し、助手席側モニターを見ていると判断すると、即時に映像がオフになる仕組みなのだ。つまり、走行中にドライバーはTVを見ることができない。また先進的なコクピットを演出すべく、スイッチ類は最小限となっており、操作系はステアリング周りに集約。詳細な車両設定は、画面上でできる。 ◆新世代大容量バッテリーで約600kmの航続距離を実現 試乗したのは「EQS 450 4MATIC SUV」。前後に電気モーターを搭載する4WD車で、最高出力265kW(360ps)、最大トルク800Nmを発揮する。107.8kWhのリチウムイオン電池をフロア下に搭載しており、航続距離は593km(WLTC)を実現。充電については、200V普通充電と急速充電に対応する。参考まで主な充電時間を挙げると、10%から80%までを回復させる場合、普通充電だと6kW出力で約14時間。急速充電では150kW出力で約49分、50kW出力で約100分となる。 巨大なEQS SUVだけに、運転には少し気を使うと思ったが、意外なことに運転しやすい。これはSUVによる視界の良さに加え、EV特有のボンネットの短さと電気モーターによる動きの良さなどが挙げられる。同車の車両重量は、2.9tもあるのだが、その重量を忘れさせるスムーズな走りは、発進時から最大トルクを発揮できるEVならではのもの。 その加速力に不足はないが、EVらしいロケット的な瞬発力はない。ただ、エアサスペンションによる穏やかな乗り心地と適度な加速力がマッチしており、まるで地上を駆けるクルーザーといった心地よさがある。もちろん、車内はかなり静かなので、移動中に走行音による疲れもなく、快適な移動が楽しめる。特に広々した2列目シートでは、移動時間をしっかりと休息に使えそうだ。 ◆Sクラスの名に恥じない性能と走り、そして価格 マニアックな話題だが、大きなEQS ...
GM傘下のCruise、車いすで利用できる自動運転車「WAV」を発表 General Motors(GM)傘下で自動運転車を手がけるCruiseは、車いすで利用できる自動運転車「WAV」を発表した。サンフランシスコで米国時間9月14日に開催したイベントで、完成形として走行可能なプロトタイプを披露した。10月から一定のコースでのテストを開始し、2024年に少数のユーザーを対象としたパイロットプログラムを始める計画だ。 WAV(「ウェーブ」と発音する)の目標は、障害がある人にとって利用しやすい交通手段を提供することだ。米国勢調査局の2021年のデータによると、米国人の約4250万人が障害を抱えている。 GMのアクセシビリティー担当チーフエンジニアCarrie Morton氏は、パネルディスカッションで次のように述べた。「アクセシビリティーも、当社が自律走行車に投資している重要な理由だ」「モビリティーにおけるこの変革は、世界中で人々の移動手段を大きく変える可能性を秘めている」 車両はスロープに加えて車いすを固定する仕組みを備え、車いすの利用者1人と同乗者1人が乗れるスペースがある。 Cruiseによると、WAVの開発においては障害者コミュニティーと密接に協力し、デザイン、ユーザー体験、車いす固定システムに関するフィードバックを集めた。また、BraunAbilityやQ’STRAINTなど、アクセシビリティーに優れた車両や製品を手がけるメーカーとも協力したという。 この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
マツダ/MX-30 Rotary-EV マツダは9月14日、ロータリーエンジンを発電機とするプラグインハイブリッド「MX-30 Rotary-EV」(エムエックス サーティー ロータリー イーブイ)の予約を開始するとともに、11月に発売することを発表しました。価格は423万5000円~491万7000円。ASCII.jpでは、今秋、話題を集めること間違いナシのMX-30 Rotary-EVを最速でチェックしていきます! ◆ロータリーエンジンは完全新設計の1ローター仕様 MX-30 Rotary-EV MX-30 Rotary-EVのドアを開いた様子 MX-30 Rotary-EVのベースモデルとなる「MX-30」はマツダの新世代商品群の第3弾として位置づけられているハイブリッドクロスオーバーSUV。全長4395mm、全幅1795mm、全高1565mmのサイズで、観音開きのフリースタイルドアを特徴としています。同社としては初の女性主査を起用し「わたしらしく生きる」という、従来のマツダではあまり掲げることのなかったコンセプトと、マツダにおける「電動化技術」のベースモデルとして2020年10月に販売開始しました。 当初はマイルドハイブリッドモデルのみでしたが、2021年1月に同社初の量産電気自動車(EV)として「MX-30 EV」をラインアップに追加。そのMX-30 EVの発表会でマツダは「ロータリーエンジンを搭載したハイブリッド車を出す」と明言し、初のBEVとともに大きな話題を巻き起こしました。あれから2年、待望にして本命といえるプラグインハイブリッド仕様がラインアップに加わりました。 エンジンフードを開けた様子 8C型ロータリーエンジンを搭載したPHEVユニット ...
Photo: JBL フラッグシップの興奮が、すぐそこに。 名門オーディオブランド「JBL」による、オーバーイヤーヘッドホンのフラッグシップモデル「TOUR ONE M2」が発表されました。 JBLといえば、今年3月に発売された完全ワイヤレスイヤホン「TOUR PRO 2」が大ヒット。画面を搭載したケースの革新性が話題を呼び、音質を含む完成度の高さが評価されたのは新しいところですよね。 そんな上り調子にシンクロするように、「TOUR ONE M2」からは「JBLによる現代のオーディオシーンへの回答」とでも言いたくなる気合を感じます。注目ポイントは以下の通りで“「TOUR PRO 2」をヘッドホン化した製品”と考えても差し支えないかも。 ・自分に合ったサウンド体験を可能にする進化したパーソナライズ機能 ・ハイレゾ対応の高性能なサウンドテクノロジーで絶対音質を実現 ・上質な静寂を生むリアルタイム補正付きノイズキャンセリング機能 ・Bluetoothバージョン5.3 LE Audioに対応予定 ...
ハイエンドモデル2種、エントリーモデル6種を新発売 JVCケンウッドは2023年9月13日、KENWOODブランドから、市販向けカスタムフィット・スピーカーのハイエンドモデル「XSシリーズ」の新ラインナップとして、3Wayセパレートタイプの「KFC-XS175S」「KFC-XS165S」の2モデル、エントリーモデル「RSシリーズ」の新ラインナップとして、セパレートタイプ2モデルおよびコアキシャルタイプ4モデルの計6モデルを10月中旬に発売すると発表しました。 ハイエンドモデル「XSシリーズ」 ハイエンドモデル「XSシリーズ」 「XSシリーズ」は、「アーティストが伝えたい音を車内空間に届ける」ために、国内最高峰クラスの設備・技術を誇る「ビクタースタジオ」との共同チューニングを行ったハイエンドモデル。ツィーターおよびウーファーの振動板とディフューザーにおいて、スタジオエンジニアの細かい音質調整を反映した新設計を採用しており、高解像サウンドにさらに磨きがかかっているとのことです。 【画像】ハイエンドモデルの「XSシリーズ」とエントリーモデルの「RSシリーズ」を画像で見る(19枚) 通常のツィーターに加え、スーパーツィーターを内蔵した新設計の「2Wayツィーター」は、振動板の素材から見直した「新25mmソフトドームツィーター」が採用され、高解像度でありながらワイドレンジで豊かなハイレゾ音源の再生が可能に。同じく新設計の「グラスファイバー振動板」は、ウーファーの振動板を硬く調整することにより、ボーカル帯域を含む中低域で厚みと明瞭感のあるサウンドを実現しています。また、ディフューザーは、中央のくぼみ形状を変更し、スピン加工面積を増加させることにより、臨場感が向上しています。 「RSシリーズ」はエントリーモデルでありながら、全6モデルがハイレゾ音源に対応。セパレートタイプの2モデルは、新設計のツィーター振動板とディフューザーを採用し、より鮮明でワイドレンジなサウンドを楽しめるとのことです。またコアキシャルタイプの4モデルは、新設計の「2段階Rツィーター振動板」の採用により、ハイレゾ帯域のパフォーマンスが高く、鮮明なサウンドが楽しめるとしています。 今回発表された「XSシリーズ」計2モデルと「RSシリーズ」計6モデルは、10月中旬発売予定。いずれもオープン価格で、市場推定価格(税込み)は「XSシリーズ」の2モデルが3万9700円前後、「RSシリーズ」が8200円〜1万8700円前後です。
プリンストンは9月下旬より、URBAN ARMOR GEAR製のiPhone 15シリーズの各種ケースおよびスクリーンシールドを発売する。 URBAN ARMOR GEARは南カリフォルニアで設立された、耐衝撃機能を持った独特なデザインのモバイルケースをメインとして開発しているブランド。 iPhone 15、iPhone 15 Plus、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max用のケースおよびスクリーンシールドをそれぞれ用意。 いずれもケースは、以下シリーズの各種ケースがラインアップされる。 ・MagSafe対応 CIVILIANシリーズ ・MagSafe対応 ...
ヤマハ、ネットワークレシーバー「R-N600A」。税込8.8万円で10月上旬発売 ヤマハは、ネットワークレシーバーのエントリーモデル「R-N600A」を10月上旬より発売する。価格は88,000円(税込)。 R-N600A IFA2023で発表が行われたヤマハのネットワークレシーバー新製品。製品ラインナップの中ではエントリーモデルに位置付けられ、Hi-Fiコンポーネントづくりで培った高音質技術やノウハウ、厳選した音質パーツの投入などにより、アーティストの想いや表現を余すことなく伝える「TRUE SOUND」を追求したという。 ヤマハ伝統のピュアオーディオ設計思想「ToP-ART」に基づき、シンメトリカル&ダイレクトにこだわった回路レイアウトと、不要振動を吸収・遮断するという独自の特殊樹脂フレーム「アートベース」搭載の制振・高剛性シャーシを組み合わせて設計。 シングルプッシュプル出力段を搭載したディスクリート構成のアナログパワーアンプを採用。また、カスタムメイドの大型EIコア電源トランスやブロックケミコン、ローインピーダンスを徹底した大容量パワーサプライなどを搭載することで、スピーカーを素直に力強く鳴らしきるドライバビリティを実現したとアピールする。定格出力(20Hz – 20kHz、6Ω、0.07%THD)は70W+70W、実用最大出力(1kHz、6Ω、10%THD)は110W+110W。 既存モデルの「R-N800A」ではDACにESS社の「ES9080Q」を採用していたが、本機では「ES9010K2M」に変更。同DACを電流モードで使用し、専用の独立電源やグラウンドを採用する。さらにヤマハ独自のモジュールと組み合わせてジッターノイズの大幅な低減と高いS/Nを実現し、ハイレゾ特有のデリケートな音の違いやニュアンスを忠実に描き分ける優れた音質性能をかなえたとする。フォーマットは最大PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzのネイティブ再生に対応する。 DACに「ES9010K2M」を搭載 音声入力はアナログ×5(CD×1、フォノ×1、ライン×3)やデジタル×4(光×2、同軸×2)、USB-A×1を装備。出力はアナログ×2、サブウーファー×1、ヘッドホン×1、スピーカー端子を装備する。加えてWi-Fi/LANでのネットワーク接続、AirPlay、Bluetooth、AM/FMラジオ再生にも対応。Bluetoothのバージョンは4.2、コーデックはSBC/AACをサポートする。 ヤマハ独自のネットワーク機能「MusicCast」に対応しており、専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」からの操作が可能。これによってSpotifyやAmazon Music HDなどのストリーミングサービスも再生可能だ。 また、音質向上をはかる「ピュアダイレクト」機能を搭載。同機能をオンにすると、EQコントロールや後段バッファーアンプなど使っていない機能の回路をバイパスし、電源供給を停止。これによって余計なノイズを低減し、全入力ソースでストレートかつ高音質な音楽再生を楽しめるとのこと。 フロントパネルはアルミヘアライン仕上げ ...
「Devialet Gemini II」(Matte Black) デビアレは、アダプティブ・ノイズキャンセリング機能やアクティブ風ノイズ低減(AWR)機能などを盛り込んだ第2世代の完全ワイヤレスイヤフォン「Devialet Gemini II」を9月28日より順次発売する。価格はMatte BlackとIconic Whiteが64,800円。パリ国立オペラとコラボレーションした「Opera de Paris」エディションのみ10月発売で、99,800円。 第2世代のために開発したというアダプティブ・ノイズキャンセリング機能「Devialet Adaptive Noise Cancellation」を搭載した。最大40dBのノイズ低減が可能。ハイブリッド・デュアルマイクロフォン構造と、既存の独自技術「Internal Delay Compensation(IDC)」を使ったデジタルフィルターを活用した機能で、ひとりひとりの耳の形状に動的に適応し、耳の形を問わず、あらゆる環境でさらに優れたノイズキャンセリングを確実に機能させるという。 AWRは、外出先でのリスニング中に風の影響を抑えるもの。各内蔵マイクロフォンは、防風性のある素材の層に包まれた設計で、空洞がイヤフォンの表面に当たる風からマイクの膜を保護する。ソフトウェア面では、風検知アルゴリズムが周囲の環境に応じて、アダプティブ・ノイズキャンセリングとともに外音取り込みモードの強度を制御する。 「Devialet Gemini ...
バイク整備からDIYまで幅広く対応したコードレスラチェットレンチがTONEから登場 TONE株式会社から、エアーホースや電源コードを気にせず作業できるコードレス製品、大型キャビネットが登場。コードレスラチェットレンチは、スタンダードとロングの2機種をラインアップ。コードレスベルトサンダーは、アームの角度が4段階に調整可能でブラシレスDCモータを採用。いずれもスイッチの引き具合で無段階の出力調整が可能で、滑りにくいソフトグリップにより安定した作業を行うことが可能だ。引出し全17段を有するTONE最大収納容量のキャビネットは、移動時に不意の引出しの飛び出しを防止する引出しロック機構を採用、広い天面スペースは作業台として使用が可能である。ロック機能付きキャスターと破損に強い八万錠のキーロックも搭載されている。 コードレスラチェットレンチ【CR3120/CR3120L】 エアーホースや電源コードを気にせず作業できるコードレスラチェットレンチ。 スタンダードとロングの2機種ラインアップ。 スイッチの引き具合で無段階の出力調整が可能。滑りにくいソフトグリップにより、安定した作業をサポート。 コードレスラチェットレンチ 製品番号:CR3120 差込角:9.5mm[3/8″] 無負荷回転数:450 rpm 最大トルク:電動時 / 61 N・m 手動時 / 62 N・m 全長:302mm ...
新型ロータリーエンジン8Cの主要部品 2012年6月22日の夜、ロータリーエンジンを搭載したRX-8の最終モデルがラインオフしました。その11年後となる2023年6月23日、マツダは今秋登場予定のMX-30 Rotary-EVの生産を開始し、再びロータリーエンジンの生産に踏み切りました。今回、マツダ本社と隣接する本社工場の取材を慣行! 新型ロータリーエンジン「8C」の詳細について紹介したいと思います。 ◆11年間、ロータリーの火が消えたわけではなかった RX-Vision ロータリーエンジン不在の11年間、マツダはコンセプトカーの「RX-Vision」や水素ロータリーエンジンの研究など、様々な形でことあるごとにロータリーを復活させたいというメッセージを我々に伝えてきました。ですが世の流れは「自動車の電動化」。内燃機関そのものが否定されつつある時代です。その次代において新規で内燃機関を開発するのは、世の流れから反しているようにも見えるでしょう。 2030年、マツダは世界販売のうち最大40%をBEVになると想定している マツダも自動車の電動化は避けられないものと認識しています。ですが2030年に100%電動化を予定している欧州メーカーに対し、マツダは2030年の世界販売のうち25~40%をBEVにするという、やや慎重な姿勢をとっています。この話だけをみれば、エコノミストや環境保護団体から「遅れている」と糾弾されるかもしれません。ですが電動化は自動車メーカーが頑張ったところで、インフラを含めた充電機器、バッテリー容量などの蓄電技術の課題が大きく残っています。さらに2023年3月に欧州連合(EU)が、e-fuel(イーフューエル、CO2とH2で製造する燃料)や水素などカーボンニュートラル燃料を利用するエンジン車に限り、2035年以降も新車販売を容認。販売されるクルマすべてがBEVになるわけではありません ガソリンのほか、カーボンニュートラル燃料、水素、LPGも燃料にできるロータリーエンジン とはいえ、今度はメジャーとなるカーボンニュートラル燃料の何が主流になるのかは現在不透明。その状況において、ガソリン、カーボンニュートラル燃料、水素、LPGを使える「燃料を選ばない」ロータリーエンジンはとても魅力のある選択肢となるのです。何よりロータリーエンジンはマツダ独自の技術。世界市場に対して独自の魅力や存在感をアピールできるというわけです。 今回マツダはPHEVユニットのコンパクト化のためロータリーエンジンを復活させましたが、インフラによっては、以前のように駆動用途として使うことも考えられます。ロータリーエンジンを再び製造するのは、そのような時代背景があるようです。 ◆エンジンは発電、モーターは駆動に使われる 8C型ロータリーエンジン MX-30 Rotary-EVのPHEVユニット構造図 実際に組み込まれた様子 それでは今回復活したロータリーエンジン「8C」を見てみましょう。8Cは前出のとおり、PHEVユニットの発電用として完全新規設計されたエンジンで、動力はジェネレーターの発電用に用いられます。いわゆるシリーズハイブリッド動作のため、エンジンから生まれた動力が駆動輪に伝わることはありません。 8Cの説明スライド 8C型は、排気量830ccの自然吸気1ローターで構成。最高出力は53kW(71馬力/4500回転)、最大トルクは112N・m(4500回転)を発生します。マツダが市販車で1ローターのエンジンを搭載するのは初めてのこと(軽自動車の排気量が360ccだった頃に1ローターの3Aエンジンを開発していたことはあるようです)。一方で、1ローターあたり830ccという排気量もロータリー搭載市販車では過去最大。ついでに申し上げると、ロータリーエンジンを横置きにマウントするのも初のこと。まさに「異例づくし」であり、それゆえ「新時代のロータリーエンジン」といえます。 ...
車内での、音楽の聴かれ方や映像コンテンツの楽しまれ方が変わってきた。当特集ではその最新事情を分析している。今回は、「市販AV一体型ナビ」の“ソースユニット”としてのポテンシャルを検証する。 ◆最新「市販AV一体型ナビ」はスマホ連携力が高い。買い換えは今がチャンス!? 昨今は、車内でもスマホにて音楽を聴くドライバーが増えている。また、同乗者のためにスマホにて動画再生が成される頻度も高まってきた。なのでこれまでは主にはスマホについて説明してきたが、今回は本来の本命である「市販AV一体型ナビ」の“ソースユニット”としての実力を検証していく。 なおその前に、最新の「市販AV一体型ナビ」のスマホ連携力について触れておきたい。各カーエレクトロニクスメーカーともにスマホが車内で“ソースユニット”として活用されることが多いことを踏まえ、スマホ連携力をますます磨き込んでいる。 例えばBluetoothは、一部の超ベーシック機を除いたほとんどの機種で対応済みだ。またスマホのミラーリングが可能となる「HDMI入力端子」も、スタンダード機にまで装備が広がっている。 なのでもしも愛用の「市販AV一体型ナビ」がある程度古かったら、最新機種へと買い換えるのはアリだ。そうすればある程度リーズナブルなモデルを選んでも車内でスマホが一層使いやすくなり、エンタメ環境がアップする。そうしてさらには地図も新しくなり、操作レスポンスも速くなり、画質も高くなる。総合的にドライブの快適性が向上するはずだ。 [システムの“最上流”に何を置く?]「市販AV一体型ナビ」のソースユニットとしての実力を検証! ◆「ハイレゾ音源」をたくさん所有していたら、最新の「AV一体型ナビ」は使える! ではここからは、最新の「AV一体型ナビ」自体の“ソースユニット”としての能力をみていこう。 まず着目したいのは、「ハイレゾ音源」への対応力だ。かつては車内で「ハイレゾ音源」を聴こうとすると、「DAP」を持ち込むしか手がなかった。しかし今では中級機から上級機の中に、これの再生を可能とするモデルがいくつか存在している。なのでたくさんの「ハイレゾ音源」を所有しているというのなら、最新の「市販AV一体型ナビ」の中の「ハイレゾ音源」対応機は、“ソースユニット”としても存在感を発揮する。 というのも「ハイレゾ音源」をSDカードやUSBメモリーに入れて車内に持ち込めば、「DAP」にて「ハイエレゾ音源」を再生するよりも快適に楽しめる。「市販AV一体型ナビ」なら画面上にて、さらにはステアリングリモコンでも選曲等の基本操作を実行できる。「DAP」と比べて車内での操作性が高いのだ。 ところで、“ソースユニット”として特別な力を発揮する機種が2つある。まず1つ目は、カロッツェリアの『サイバーナビ』だ。『サイバーナビ』には他にはないスペシャルなエンタメ機能が2つ搭載されている。 その1つ目は、「ストリーミングビデオ」だ。当機にはブラウザが搭載されていて、これにてYouTubeを観られる。なのでスマホのミラーリングより快適にYouTube動画を楽しめる。まるでタブレットを操作しているかのように、ナビの画面上で観たい動画を検索したり次の動画に切り替えたりできるのだ。 ◆『サイバーナビ』なら、BSやCSの番組のリアルタイム視聴も可能!? 『サイバーナビ』に搭載されているもう1つのスペシャルな機能とは、「レコーダーアクセス」だ。当機能を活用すると、自宅のブルーレイレコーダーと繋がれるので、それに録り溜めたテレビ番組を車内で観られるようになる。さらにはそのレコーダーでBSやCSが観られるのであれば、『サイバーナビ』でもそれらのテレビ番組をリアルタイムで視聴できる。 そして“ソースユニット”として特別な力を発揮するもう1つの「AV一体型ナビ」とは、パナソニックの『ストラーダ』のフラッグシップ機だ。まずそれではブルーレイディスクの再生も可能だ。昨今はミラーリングにて映像コンテンツが楽しまれることが増えてはいるが、自宅にブルーレイディスクをたくさん保有していればそれらを車内でも楽しみたくなる。そうであれば『ストラーダ』は力を発揮する。 また最新機種には、「レコーダーリンク」という機能も搭載されている。これが装備されているモデルでは、自宅のレコーダーに録り溜めた番組やBSやCSの番組のリアルタイム視聴も可能となる。 YouTube試聴や自宅のレコーダーとの連携に興味があれば、『サイバーナビ』と『ストラーダ』にご注目を。 今回は以上だ。次回は、「市販ディスプレイオーディオ」の“ソースユニット”としての実力を検証する。お楽しみに。
ヤマハは、アコースティックピアノづくりのノウハウとデジタル技術を融合させることで、グランドピアノの演奏感と先進的な機能を備えた「ハイブリッドピアノ」の「AvantGrand(アバングランド)」シリーズに、新モデル「NU1XA」を追加した。2023年11月10日の発売予定で、希望小売価格は、黒鏡面艶出し仕上げの「NU1XA」が473,000円、ホワイト鏡面艶出し仕上げの「NU1XAPWH」が539,000円。 ハイブリッドピアノ「AvantGrand」の新モデル「NU1XA」 今回発売となる「NU1XA」は、アコースティックのアップライトピアノと同様のアクション機構と木製鍵盤を、最新のセンサーや音響技術と組み合わせることで、グランドピアノさながらの演奏感を実現している。アクション機構内のパーツ形状を最適化することで、タッチ感が改善され連打性を向上させた。また、「グランドタッチペダル」の搭載により、グランドピアノのペダルの踏み心地を再現している。 アクション機構内のパーツ形状を最適化することで、タッチ感を改善 鍵盤とハンマーの動きを感知するセンサーは、細かな演奏表現をより正確に検出できる「アーティキュレーション・センサーシステム」を採用。ハンマーセンサーを新たに搭載することにより、ハンマーが弦を打つタイミングと強さを正確に読み取る。鍵盤部にもセンサーを搭載しており、音を止める時のタイミングとニュアンスをも正確に捕捉し、弾き手の繊細な表現を余すところなく汲み取れる。 細かな演奏表現をより正確に検出すできる「アーティキュレーション・センサーシステム」を採用 新設計の音響システムでは、グランドピアノのような奥行と立体感を感じられる放射構造を採用。本体上部のスピーカーは、高域の音を楽器の前後に響かせる新設計のホーン構造を採用し、音を前後方向に放射する。足元にもスピーカーを装備し、上方向に放射することで音を楽器全体で響かせる仕組みになっている。これらの構造的な改良に加えて、ピアニスト評価に基づいた音質や響きの細かなバランス調整により、音が立体的に広がるグランドピアノのような音響空間を実現した。 脚部は曲線のデザインを導入 鍵盤が反射する鏡面もグランドピアノさながらの外観を演出 デザインは、グランドピアノの優美な要素を盛り込みながら、圧迫感がなく洗練されたコンパクトな仕上げを追求。脚部は曲線のデザインを取り入れ、鍵盤が反射する鏡面もグランドピアノさながらの外観を演出している。 カラーは、黒鏡面艶出し仕上げとホワイト鏡面艶出し仕上げの2種を用意。サイズ/質量はW1,501×D462×H1,024mm/108kg。本体のほか、電源アダプター (PA-500)、電源コード、キーカバー、ヘッドホンハンガー、ヘッドホンハンガー取り付けネジ、フェルトセット(本体高さ調節用)、高低自在椅子、楽譜集「クラシック名曲50選」などが付属する。
DEVIALET、ノイキャンを強化した新設計ドライバーの完全ワイヤレス「GEMINI II」 DEVIALET(デビアレ)は、完全ワイヤレスイヤホン「GEMINI II」を9月28日(木)より発売する。また、特別カラーモデル「オペラ・ドゥ・パリ(Opéra de Paris)エディション」の10月中旬発売を予定している。価格(税込)は通常モデルが64,800円、オペラ・ドゥ・パリが99,880円。 「GEMINI II」 2020年に発売された同社初の完全ワイヤレスイヤホン「GEMINI」の後継機。特徴的な本体デザインは踏襲しつつ、新しいドライバーや進化したノイズキャンセリング機能など、あらゆる性能がアップグレードしている。通常モデルにはマットブラック/アイコニックホワイトの2色を用意する。 全3色のカラーラインナップ 本機のために特別開発された「デビアレ・アダプティブ・ノイズキャンセリング」を搭載。一人一人の耳の形状に動的に適応し、耳の形を問わずにあらゆる環境で最大40dBの優れたノイズ抑制を実現するとアピールする。人為的ノイズやホワイトノイズも低減する。 独自の内部遅延補正技術「Internal Delay Compensation(IDC)」を採用。特許を取得した独自のアルゴリズムにより、ノイズキャンセル効果に起因する音声信号処理の遅延を完全に補正することで、ノイズキャンセル性能がより向上するという。 新たに風の音を軽減する「Active Wind Reduction(AWR)」機能を採用。内蔵マイクが防風性のある素材の層に包まれる設計で、空洞がイヤホンの表面に当たる風からマイクの膜を保護する。また、風検知アルゴリズムが周囲の環境に応じて、ノイズキャンセリングや外音取り込みモードの強度を制御する。 ノイキャン性能やドライバーがアップグレード! 独自開発したチタンコーティングを施す10mmドライバーユニットは、新たにaptXコーデックにも対応し、「一層深い音響体験をもたらす」とアピールする。 通話面では、再設計された音声通話アーキテクチャーと上述したAWRとの組み合わせによって、より鮮明でクリアな通話が行える。新たに採用した骨伝導センサー、ビームフォーミングマイク、防風技術などにより、通話中も途切れることなくハッキリと聞き取ることができる。 ...