(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年10月14日に「CAR and DRIVER」で公開された「【復刻版カタログ】1989年の日本カー・オブ・ザ・イヤー/トヨタ・セルシオの肖像」を一部編集し、転載したものです。 ■トヨタ・セルシオ(UCF10/11型) セルシオは世界に向けたトヨタの挑戦。良質な大衆車作りで磨いた技術を武器に、欧米のプレミアムブランドが独占していた高級車のジャンルにチェレンジした処女作だった。日本ではセルシオのネーミングだったが、海外ではレクサスのフラッグシップとなるLSを名乗った。欧米のライバルに対するセルシオの武器は、圧倒的な静粛性。全速度域で実現した静けさは、各部の精度向上と機構の見直しで実現していた。たとえばエンジン/駆動系の加工精度を格段に引き上げ、残留アンバランスを低減、その上ドライブトレーンの直線配置や冷却ファンへの油圧モーターの採用、ボディパネルに制振鋼板を積極採用するなど従来にない「源流主義」と呼ぶ徹底した作り込みを実施していた。滑らかで静けさに満ちた走行フィールは、世界中に衝撃を与えるに十分なレベルだった。エンジンは新開発の4リッターV8DOHC32V(260ps)。ドライバーズカー的な性格が濃厚だったレクサスLSに対し、日本仕様のセルシオはショーファードリブンとして最適なC仕様Fパッケージを用意していたのが特徴だった。初代セルシオは1992年8月にマイナーチェンジを実施し完成度を高め、1代で世界の高級車と肩を並べるスタータスを確立する。写真のカタログは1989年10月版(原寸299×246mm/16ページ編集) ※資料提供/ブックガレージ Writer:カー・アンド・ドライバー編集部、Photo:TOYOTA (提供:CAR and DRIVER)
脱炭素社会の実現に向け、国内外の自動車メーカーがEVシフトへ力を入れている。政府も、EV購入者の補助金の増額はもとより、EV向け充電インフラを2030年までに現行の3万基から30万基に増やすロードマップを策定し、普及の足がかりを作ろうと取り組んでいる。 日産自動車株式会社 日本マーケティング本部 CMMオフィス チーフマーケティング マネージャーの寺西 章氏 そうした背景のなか、国内におけるEV販売台数が12年連続No.1を誇るのが日産自動車。“EVの先駆者”として市場を開拓し、現在までに「リーフ」「アリア」「サクラ」の3車種をラインナップするなど、着実にビジネスを成長させている。 これまでのEV市場開拓における取り組みや、日産が描くEV戦略の未来について、同社 日本マーケティング本部 CMM(Chief Marketing Manager)オフィス チーフマーケティング マネージャーの寺西章氏に話を聞いた。 ◆当初は「環境に優しいエコカー」と打ち出していた 2010年に世界初の量産型EV「リーフ」を発売した日産。他社メーカーに先駆けてEV市場を切り拓いてきた。なぜ、いち早くEVの開発に乗り出したのか。 「最初は、環境に優しい“エコカー”と打ち出し、ガソリン車やハイブリッド車に次いで主流になるのがEV車だと捉えていた」 そう語る寺西氏は、さまざまな切り口でEVの魅力を訴求してきたと説明する。 ◆マイナーチェンジで不安や不満を解決 ...
◆新車の新型軽自動車vs中古の高級ミニバン N-BOX公式ホームページより 激安中古車大好き、腕時計投資家の斉藤由貴生です。 これまで私は、38万円のセルシオに乗ったり、50万円で買ったクラウンを55万円で売るなど、高級車をお得に楽しんできました。そんな私が以前から主張しているのは、「新車の軽自動車を買うなら、中古の高級車を買ったほうが良い」という点であります。 昨今、軽自動車は「普通車ユーザーが乗り換える」ほどメジャーな乗り物となっているわけですが、商品力が上がった結果軽自動車は以前と比べれば高級になり、価格も上がっています。多くの人が軽自動車を選ぶようになったのは、軽ハイトワゴンのような商品が出たことによって「普通車以上の室内空間」を「安い維持費」で楽しむことができるからだと思います。 つまり「安い維持費で快適」が良いのでしょう。しかし、それに対して私は思うことがあります。それこそが、高い新車の軽自動車を買うならば、安い中古の高級車を買ったのほうが「より快適で安いのでは?」という点です。 ということで今回は、今月新型が発表されたばかりのホンダN-BOXと中古ヴェルファイアを比べてみたいと思います。 ◆シミュレーションの前提にしたもの 前提として、どの車両も買ってから5年5万km乗る想定。N-BOXは新車、ヴェルファイアは20系の中古を買うシミュレーションをしてみます。 なお、ヴェルファイアには2.4Lのモデルと3.5Lのモデルが存在するため、660ccのN-BOXと2.4L、3.5Lのヴェルファイアをそれぞれ比較することとしました。 そして、想定消費額は「本体代」、「ガソリン代」、「維持費」となっています。 「本体代」は、購入時の価格から、5年後に売却する際の想定買取額を引いたもの。これが実質消費額だといえます。 想定買取額についてですが、例えばN-BOXの場合は新車を買う条件であるため、想定買取額は、現在から5年前、すなわち2018年式の走行距離5万km程度の車両の業者AA相場を元としています。 「ガソリン代」についてですが、これは現在のガソリン価格(レギュラー:170円、ハイオク:180円)がベース。燃費については、各車、ネットで個人が公開している実質燃費をベースとし、カタログ値と比較して計算。都内下道を使用する前提で厳し目に出しています。 「維持費」については、車検の法定費用、任意保険代、自動車税が含まれています。オイルやワイパーといった消耗品は、誤差ともいえる範囲であるため、あえて含んでいません。 ◆現在購入できる100万円以下ミニバン 3.5VLエディション(カタログより) 今回、新車N-BOXとの比較対象を20系ヴェルファイアとしたわけですが、総額100万円以下で購入可能なミニバンは以下の通りです。 【アルファード(&ヴェルファイア)】 ・初代(2002年デビュー)=約60万円ぐらい ...
2023年10月5日、コスモ石油マーケティングはコスモMyカーリースのビジネス向けプランの車両、「ASF2.0」の試乗会を実施した。EVリース/電力プラン/充電設備投資がセットになった「ゼロカボプラン」は、商用軽EVのリースを考えているユーザーにはかなり魅力的なものと言えそうだ。 前提となるコスモMyカーリースについて コスモはガソリンスタンド以外にも様々な事業に取り組んでおり、モビリティサービス領域ではコスモMyカーリースを展開している。国産の全メーカーから全車種が選択可能でオプションも自由に選択できることに加え、税金やメンテナンスも全て込み込みのシンプル設定であることにより、累計契約台数10万台以上という人気商品となっている。こうしたことから、コスモMyカーリースでは一般消費者が占める割合が全体の85%に達している一方で、ビジネス向けのリース展開には課題があったという。 カーリース・充電器・電力プラン・整備がセットのゼロカボプラン そこで今年5月、B to Bのテコ入れとしてMyカーリースの1プランとなる軽商用EV「ASF2.0」を追加し、合わせてカーリース/電力プラン/充電設備がセットとなった「ゼロカボプラン」を発表していた。 気になるリース金額はEV補助金込みの場合、黒ナンバーで2万円台、黄ナンバーでは3万円台を想定、リーズナブルな価格設定にするという。 ASF製商用EV「ASF2.0」 このプランでは資本業務提携関係にある日本のEVスタートアップ、ASF株式会社の商用EV「ASF2.0」が使用される。ちなみに、ASF2.0という車名は、ASFの2号機という意味ではないそうで、開発中の超小型EVが「ASF1.0」、それより大きな商用EVが「ASF2.0」と命名されている。 また、自動車業界で一般的な「プロダクトアウト」ではなく、ユーザーのニーズに合わせた「マーケットイン」スタイルでの開発が徹底されているため、日々の業務で役立つ車内装備を数多く持っている。 運転席・助手席頭上にある書類入れはティッシュを垂らせる穴が空いている たとえば、さっと取り出しやすい頭上の書類入れとティッシュ入れ、アプリを通じたスマホの画面ミラーリング機能、巨大なサイドミラーに100VのAC電源など細かなところまで配慮された設計となっている。 肝心の乗り心地やいかに 試乗会場はお台場で、15分程度走行した。加速フィールやハンドル操作へのレスポンス、突き上げに関しては非常に良くできており、毎日業務で使用しても疲れにくい設計になっていると感じた。一方、ブレーキは一度踏んで、さらに踏み増して止まるようなフィーリングだった。 車体のカラーリングは白とシルバーの2色、ホイールキャップ・サイドミラー等が青と黒の2色の計4パターン。 基本的にEVのブレーキフィールは、ガソリン車とは異なり回生ブレーキとうまく組み合わせてスムーズに止めることを意識的に行わなければならないものが多い。ただ、この車両は商用EVであるため、荷崩れなどを防止するためにも、よりよいスムーズなフィーリングになると有り難い。 静粛性に関しては、急な加速時にはモーター音が車内に入ってくるが、それ以外は非常に静かでストレスフリーだった。また、サイドミラーは大きく抜群の視認性を誇っていた。道幅の狭い路地を走行する際には気を遣うこともあるだろうが、安全性向上に大きく貢献してくれるように感じた。 ホンダが軽商用車のEV「N-VAN e:」を2024年春に発売。目標だった100万円台はありうるのか ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年9月30日に「CAR and DRIVER」で公開された「ヤリスクロス9カ月連続首位をハスラーがストップ! 8月SUV販売ランキング(23年8月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)」を一部編集し、転載したものです。 先月まで8カ月連続の首位を維持してきたトヨタ・ヤリスクロスだったが、8月のSUVセグメント首位に立ったのはKカー、スズキ・ハスラー。先月、前年同月比150%の販売で2位に浮上していたが8月の販売で先月同様に同154%、7,000台以上と好調な販売で1位を奪取した。 また、3位にはトヨタ・ライズが先月の7位から、4位にはKカーのタフトが同じく18位からランクアップ。コンパクトカーの伸長が目立った8月のSUVマーケットとなっている。 先月4位になり5,600台を登録したランドクルーザーは今月も5位、4,111台登録と好調。また、SUBARUクロストレックが1,335台を販売し、19位にランクインした。 いわゆる3ナンバーモデル、普通乗用車は先月に引き続き好調で、前年同月比で124.5%、120,052台の販売となった。(小型乗用車は同109.2%、軽乗用は121.8%) 普通車の中心となるSUVマーケットは引き続き好調で、同118.1%(本誌調べ)。 ■カー・アンド・ドライバー調べ (※SUVモデルはヤリス、カローラ、クラウンなどシリーズとは別ブランドとしてカウント) Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年9月19日に「CAR and DRIVER」で公開された「誕生50周年を祝う日産キャラバンの特別仕様車が登場」を一部編集し、転載したものです。 日産が人気1BOX車のキャラバンの早寿を記念する特別仕様車「50th Anniversary」を発表。ボディカラーに専用色のカシミヤグレージュを設定し、ブラックのアクセントパーツを随所に採用。販売は2024年3月までの期間限定 日産自動車は2023年9月13日、人気1BOX車のキャラバンに特別仕様車の「50th Anniversary」を設定し、本年10月10日より発売すると発表した。 車種展開および車両価格は以下の通り。 50th Anniversary バン2WDロングボディ ガソリン:348万3700円 50th Anniversary バン2WDロングボディ ディーゼル:415万1400円 50th ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年9月16日に「CAR and DRIVER」で公開された「電気自動車のジャガー・Iペイスの2024年モデルがオンライン限定で日本での受注を開始」を一部編集し、転載したものです。 よりエレクトリックでスタイリッシュな外観に刷新したフルバッテリー電気自動車(BEV)のジャガー・Iペイスの2024年モデルがオンライン限定で予約受注をスタート。グレードはR-DYNAMIC HSEのみの設定で、ボディカラーはアイガーグレイ、サントリーニブラック、オストゥーニパールホワイトの3色を用意 ジャガー・ランドローバー・ジャパンは2023年9月7日、フルバッテリー電気自動車(BEV)に位置するジャガー・Iペイス(I-PACE)の2024年モデルの受注を、オンライン限定で開始した。グレードはR-DYNAMIC HSEのみを設定する。 車両価格は以下の通り。 R-DYNAMIC HSE ボディカラー・アイガーグレイ:1623万8000円 R-DYNAMIC HSE ボディカラー・サントリーニブラック:1517万1000円 R-DYNAMIC HSE ボディカラー・オストゥーニパールホワイト:1517万1000円 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年9月10日に「CAR and DRIVER」で公開された「京商、KYOSHO MINI CAR & BOOK 第16弾「TOYOTA SPRINTER TRUENO」全国のファミリーマートで9月7日(木)より発売!」を一部編集し、転載したものです。 本格R/Cモデルやミニカー等、ホビー製品を製造・販売する京商が、京商CVSミニカーシリーズである『KYOSHO MINI CAR & BOOK No.16』 TOYOTA ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年9月6日に「CAR and DRIVER」で公開された「【最新イタリア車試乗】名門の卓越。アルファロメオのSUV、ステルヴィオの完成形は超美味だった!」を一部編集し、転載したものです。 ■ジョルジョ・プラットフォームの完成形登場 アルファロメオのSUV、ステルヴィオに仕様変更が実施された。エクステリアではフロントグリルならびにテールライトのデザインを微調整し、フルLEDマトリックスヘッドライトを新採用。インテリアは、メーターパネルを12.3インチのフルデジタル仕様としたほか、インフォテイメントシステムを新型に切り替えた。 今回は、全3グレードをラインアップする新型ステルヴィオの中で、中心的な存在となるガソリンモデルの2.0ターボQ4ヴェローチェに試乗した。 アルファロメオ初のSUVとして開発されたステルヴィオは、2016年に鳴り物入りで誕生した。何しろ、フィアット・クライスラーの一員となってから基本的に前輪駆動ベースのモデルだけを世に送り出してきた同社が、前年デビューしたジュリアに続く「後輪駆動ベースモデル」の第2弾として、このステルヴィオを発表したのだ。 その基盤となったのはジョルジョ・プラットフォームと呼ばれるアーキテクチャー。「打倒BMW3シリーズ」を目標に掲げられたジョルジョ・プラットフォームは、一説には数千億円ともいわれる巨額の開発費が投じられ、グループ内で広く採用されることが決まっていた。 高い目標を実現するため、「ジョルジョ」はアルミを主体とする軽金属で構成されるとともに、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンクを採用。何から何まで贅沢に作り込まれたこのプラットフォームは、前述のようにまずはアルファロメオ・ジュリアに採用され、続いてこのステルヴィオ、そして最近はマセラティ・グレカーレにも用いられるという広がりを見せている。 私の「ジョルジョ初試乗」はジュリアだった。その恐ろしく高いボディ剛性に圧倒されたほか、サスペンションの動きが驚くほどスムーズで、静粛性もバツグンに高いことに舌を巻いた。 続いてデビューしたばかりのステルヴィオにも試乗。こちらは「やりすぎ」な感じがなきにしもあらずだった。何よりサスペンションがガチガチに固められていたうえ、ステアリングの反応が敏感そのもの。相当ていねいにステアリングを切り込まないと、コーナリングではギクシャクしてしまう場面さえあった。 ジョルジョ・プラットフォームのポテンシャルの高さを身をもって知っていた私にとって、これは何とも残念なことだった。 しかし、いまから2年前に設定された新グレード「ヴェローチェ」は、初期型からガラリと足回りのセッティングを変更。スポーティなプレミアムSUVとして理想的ともいえるハンドリングを手に入れた。今回試乗したヴェローチェも、基本的にこれと同じ足回りセッティングである。印象をご紹介しよう。 ■アルファらしい絶品ハンドリング。熟成のドライバーズSUVである 最新のヴェローチェも、サスペンションの感触は決して「ヤワ」ではない。もっとも、それはアルファロメオを名乗るからには、「このくらいのソリッドさ」は必要でしょうというレベル。耐えられないほど硬いわけではない。しかも、路面から多少の突き上げがあっても、ジョルジョ・プラットフォームの強靭極まりないボディがこれを受け止めてくれる。ショックはたちどころにして吸収され、不快な印象をほとんど残さない。むしろ「引き締まった乗り心地」として、多くのアルフィスタから歓迎される種類の味わいだ。 この、しなやかさが増した足回りのおかげで、ハンドリングのレスポンスはまさに「ちょうどいい」範囲に仕上がった。とくに意識することなく自然にステアリングを切り込めば、ステルヴィオのノーズは期待したとおりの速さでイン側を向き、ステアリングを戻せば落ち着いたマナーで直進を始める。それは、ドライバーのイメージとノーズの動きが一体化したような心地よい反応である。コントロール性は極めて高いと評価できる。しかも、ステアリングから伝わるインフォメーションは実に豊富。今回、ステルヴィオでワインディングロードを訪れた日はあいにくの雨模様だった。だがそんな悪条件でもタイヤが滑り始めるかどうかの感触が克明に伝わってくるので、安心してコーナーを攻めることができた。 排気量2リッターの4気筒ターボエンジン(280ps/400Nm)は、まるでマイルドハイブリッドが組み合わされているのではないかと思うほど低速域でトルクのつきがよく、そのままフラットなトルク特性を保ったまま5500rpm付近のレッドゾーンまでスムーズに到達する。アルファだったら、エンジンがもう少し官能的でもいいように思うが、本格的な電動化時代が間際に迫ったいま、それは望みすぎというものだろう。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年9月1日に「CAR and DRIVER」で公開された「7月の輸入車市場は前年比115%と好調!フォルクスワーゲンがランクアップ(2023年7月・輸入乗用車販売TOP20)」を一部編集し、転載したものです。 6月は前年比3.0%増と大人しかった輸入車市場だったが、7月の外国メーカー・乗用車の輸入車登録台数は前年同月(15712台)と比べ14.9%増(18054台)と好調な実績となった。1月からの累計でも前年比6.4%増だ。 首位は変わらずメルセデス・ベンツ。しかし、先月4位だったVWが前年同月比160%、3578台を販売し、126台差の2位に。 その他、ランキングで大きな変動はないものの、ポルシェ、ランドドーバーがそれぞれ前年比2倍、3倍の販売と好調だ。 また、下図のランキング外ではあるが、BEVの本格進出が進む中国のBYDが78台で21位まで上がってきている。(韓国ヒョンデは15台) 国産ブランドでは、タイ生産のマーチが販売終了となったものの、代わってキックスが1570台と輸入増となった日産が先月比5ランクアップの5位に上昇している。マツダもタイ工場からの輸入増で前年比10倍の輸入増だ。 Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年8月23日に「CAR and DRIVER」で公開された「ランボルギーニの電動GTカーのコンセプトモデル「ランザドール」が初公開」を一部編集し、転載したものです。 ランボルギーニがピュアEVの新世代GTカーとなる「ランザドール」のコンセプトモデルを発表。前後アクスルに搭載した高性能の電気モーターはシステム総出力1メガワット(約1360hp)超を発生。市販モデルの登場は2028年を予定 伊アウトモビリ・ランボルギーニは2023年8月18日(現地時間)、ピュアEVの新世代GTカーとなる「ランザドール(Lanzador)」のコンセプトモデルを発表し、米国カリフォルニア州ぺブルビーチで開催されたモントレー・カー・ウィーク2023において世界初公開した。 今回公開されたランザドールは、ランボルギーニが2021年に発表した、持続可能性への道程を示した「Direzione Cor Tauri(コル・タウリに向かって)」戦略の一環として開発されたコンセプトモデルで、“グランツーリスモ2+2”の創出をテーマに、ランボルギーニのDNAである妥協なきカリスマ性とスポーツ性を受け継ぎつつ、迎合しない未来志向の内外装デザインや、最新テクノロジーを駆使した電動パワートレインとドライビングダイナミクスなどを採用。ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン会長兼CEOは、「ランザドールの発表によって、ランボルギーニは“ウルトラGT”という新たなカーセグメントを開拓した」とコメントする。 まずデザイン面では、宇宙船から着想を得た、先見性のあるアプローチへと転換する。エクステリアはランボルギーニのDNAであるアイコニックなシングルラインシルエットを踏襲しつつ、約1.5mのボディ高および高めの最低地上高を確保するなど大胆かつ意外性のあるスタイリングを創出。トップ部には大型のガラスルーフとテールゲートを配備する。細部のアレンジにもこだわり、スリムな造形のLEDヘッドライトや六角形の3連LEDテールライト、新造形のアロイホイールなどを組み込んだ。 新設計のアクティブエアロダイナミクスを採用したこともトピック。ウラカン・ペルフォルマンテやアヴェンタドールSVJに装備するALA (Aerodinamica Lamborghini Attiva) システムを組み込んだうえで、フロントとリアに新型のアクティブエアロデバイスを導入。フロントにはエアシャッターと可動式スプリッターを配し、展開するとブレーキの冷却ダクトと冷却羽根が開き、最高のパフォーマンスを発揮する。また、前方のダクトはホイールハウスの換気とエアカーテン用の隠しルーバーとともに、モード設定に応じてダウンフォースを増大。さらに、アーバン・モードでは航続距離が伸び、パフォーマンス・モードでは空力負荷が改善される。合わせて23インチのホイール上には六角形とエアロブレードを組み合わせたデザインを施し、ホイールの揺れを最小限に抑制した。ほかにも、新造形のサイドアンダースポイラーやリアディフューザーなどを装着して、整流効果を大幅に高めている。 インテリアについては室内レイアウトを2+2で構成したうえで、“feel like a ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年7月17日に「CAR and DRIVER」で公開された「【人気モデル研究】ありそうでない5ナンバーSUV。ダイハツ・ロッキーの逞しきユーティリティ性能」を一部編集し、転載したものです。 ■日本最適SUV。人気を背景に各部ブラッシュアップ ダイハツ・ロッキー・プレミアムG・HEV 価格:235万7000円 総合評価/62点 CDテストモード燃費/28.0km/リッター ダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズはデビュー以来、好調なセールスをキープしている。ボディサイズは全長×全幅×全高3995×1695×1620mm。5ナンバーサイズのSUVは実は少数派だ。魅力は価格が安く、デザインがよく、実用性が高い点に尽きる。商品力の高いクルマだ。 「e-SMART」と名づけられた独自のハイブリッドはシリーズ方式、エンジンは発電専用である。モータースペックは106ps/170Nm、バッテリー容量は4.3kWh。開発関係者によると、「効率とコストの最適バランスを考えた結果」だという。 走ってみると、モータードライブならではのレスポンスとトルク感が気持ちいい。ガソリン車では味わえない感覚だ。ただし、思ったよりも頻繁にエンジンがかかる。これを気にするかどうかが、e-SMARTを好きになれるかどうかの分岐点だ。静粛性は全域で高水準。車格がワンランク上がった印象を受ける。 フットワークはなかなかいい。足回りは「発売当初とは別もの」になっていると感じた。ハイブリッドは後席下に重いバッテリーを搭載するため、重心が低くなり前後重量配分も改善されるという強みがあるが、どうもそれだけではない。確実にリファインされている。 利便性は期待以上。車内は外見から想像するよりもずっと広く、角度の立った大きなガラスウィンドウにより開放的だ。荷室もこれだけ広ければ、文句はない。取り回し性も優秀だ。 ロッキーは、SUVらしい機能性とコンパクトカーとしての機動性を兼ね備えている。開発関係者が「小は大を兼ねる」と表現していたのも納得だ。高い人気は実力に裏打ちされている。 ■Brief Comment ロッキーは使い勝手に関する評価が、このクラスとしてはかなり高い。快適性や走行性能も及第点。現行型は多くの点が改善された。デビュー当初はADAS関連の機能や性能大いに不満があったが、かなり充実している。シリーズハイブリッドでこの形状の車体なので、「実燃費はそれほど伸びないのでは」と思ったが、意外といい数値だったことにも感心した。日常ユースにぴったりの愛着がわく実用車といえる。 ■ダイハツ・ロッキー主要諸元 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年7月10日に「CAR and DRIVER」で公開された「精悍なSUVスタイルにブラックのアクセントが映えるジープ・コンパスの特別限定モデルが登場」を一部編集し、転載したものです。 人気コンパクトSUVのジープ・コンパスに特別仕様車の「Night Eagle(ナイトイーグル)」をラインアップ。内外装の随所にブラックのアクセントパーツを配して、さらなる精悍さと力強さを創出。販売台数は200台限定 Stellantisジャパンは2023年7月7日、ジープの人気コンパクトSUVのコンパス(COMPASS)に特別仕様車の「Night Eagle(ナイトイ-グル)」をラインアップし、本年7月15日より発売すると発表した。車両価格は479万円の設定で、販売台数は200台の限定だ。 今回の特別仕様車は、通常モデルのコンパスLongitude(ロンジチュード)をベースに、ブラックのアクセントを内外装の随所に施して、精悍さと力強さをいっそう際立たせたことが特徴である。 まずエクステリアでは、グロスブラックのアクセントを配したブラックフロントグリルやグロスブラック仕上げのフォグランプベゼル、ブラックのウィンドウモールディング、専用の“NIGHT EAGLE”バッジ、ブラックのJeepおよびCOMPASSバッジを特別装備して、クールでシックなルックスを強調。足もとには、グロスブラック塗装18インチアルミホイール+225/55R18 3シーズンタイヤを装着した。ボディカラーに関しては、ブラックのアクセントと相性のいいテクノメタリックグリーンP/Cとパールホワイトトライコートの2色を用意。販売台数はそれぞれ100台ずつに設定している。 インテリアについては、ブラックの内装色を基調にピアノブラックのアクセントパーツを効果的に付加したことがトピック。また、ブラックのインストルメントパネルやドアパネルを特別装備する。ベース車と同様、オーディオナビゲーションシステム(Uconnect)10.1インチタッチパネルモニターやフルカラー10.25インチマルチビューディスプレイ、EVIC(エレクトロニック・ビークル・インフォメーション・センター)、オートブレーキホールド、プレミアムファブリックシートなども標準で組み込んだ。 パワートレインは基本的にベース車と共通で、2359cc直列4気筒マルチエア16Vエンジン(最高出力175ps/6400rpm、最大トルク229Nm/3900rpm)+電子制御式6速AT+前輪駆動(FF)で構成。また、先進安全運転支援システムとしてSTOP&GO機能付きアダプティブクルーズコントロールやハイウェイアシストシステム、歩行者・サイクリスト検知機能付き衝突被害軽減ブレーキ、車庫入れの際に便利なParkSenseフロント・リアパークアシストおよびParkSense縦列/並列パークアシスト、Parkviewリアバックアップカメラ、トラフィックサインレコグニション、インテリジェントスピードアシストなどを標準で採用している。 Writer:大貫直次郎 (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年7月10日に「CAR and DRIVER」で公開された「【人気モデル研究】BEV作りの優位性を実感。日産アリアの課題は生産体制か!?」を一部編集し、転載したものです。 ■質感にもこだわった走り。電費も優秀。BEVの魅力が凝縮している! 日産アリアB6(2WD) 価格:532万円 総合評価/82点 CDテストモード電費/8.1km/kWh アリアは日産BEVのフラッグシップである。ボディサイズは全長×全幅×全高4595×1850×1655mm。北米や中国向けにはワイドトレッド版も用意されているが、日本仕様がこのサイズにとどめられたことは大いに歓迎したい。 外からもいかにも広そうに見える車内は実際にも広々としている。とくに後席の余裕はかなりのレベル。大きなガラスルーフが開放感をより高めている。先進的でありながらリビングのような居心地のよさを感じさせる雰囲気は独特だ。 走りは極めて滑らかで静か。日産のBEVの中でも、アリアはひときわ洗練された印象を受ける。テスト車のB6は218psのモーターを搭載した2WDモデルだった。アクセルを踏み込んだときの応答感が心地いい。走り系のモードを選択してアクセルを素早く操作した際に、他車では大なり小なり衝撃を感じるが、アリアにはそれがない。それでいて力強さが味わえるよう絶妙にチューニングにされている。このあたりが個性だ。 静粛性は十分すぎるほど対策されていて、電気系のノイズが気になることもない。アクセルだけで走行できる「e-Pedal」は、人間の感覚にマッチした制御に進化。低速域でも扱いやすい。BEVに豊富な経験を持つ日産らしい。走り味は、車両重量のわりに軽快で、大きさを感じさせない。ロールは抑えられ、ステアリングフィールもスッキリとしている。 車線変更支援やハンズオフ走行、リモート駐車までも実現したプロパイロット2.0を設定。Amazon Alexaを対話型インターフェイスにいちはやく導入するなど、日産の「インテリジェントモビリティ」の急先鋒的な存在でもある。 ■Brief Comment アリアは、動力性能の評価が高かった。絶対的なパフォーマンス以上に印象的だったのは、その「質」の高さ。BEVならではのスムーズさに加え、作り込みの巧みさに感心した。電費もいい。実走電費は予想を超えていた。アリアで初出しとなったパワートレインの実力はなかなかだ。静粛性も申し分ない。気になった点は、やや高めのシート設定。座面を最下端にしても、頭の斜め前にはフロントスクリーンが迫ってくる。 ■日産アリア主要諸元 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年7月7日に「CAR and DRIVER」で公開された「【人気モデル研究】クルマ好きを魅了する走り味。シビックe:HEVのほとばしるホンダイズム」を一部編集し、転載したものです。 ■ワールドクラスの5ドアHB。ホンダ最新テクノロジーを傾注 ホンダ・シビックe:HEV 価格:394万200円 総合評価/78点 CDテストモード燃費/28.3km/リッター 外観はすっきりとスマート。11代目は万人に受け入れられることを念頭に置いたのだろう、印象がガラリと変わった。視界は全方位で良好。ドアミラーとピラーに空間があるおかげで死角が小さく、鏡面はベルトラインに沿わせてできるだけ広く後方を映し出すように配慮されている。 走りは気持ちいい仕上がり。新開発のe:HEVはとにかく乗りやすい。レスポンスがよく低速から力強く、非常に滑らかな走り味を実現している。e:HEVは、高速走行が主体となる状況以外では、基本的に駆動力を生み出すのはモーターになるが、その味付けは着実に進化している。 従来のe:HEVは、アクセル操作に対する加減速とエンジンの動作がいまひとつしっくりこないイメージがあった。シビックは、キャリブレーションの最適化はもとより新たに採用された直噴エンジンが効いてか、そのあたりが大幅に改善されている。 高速巡行時のフラット感や直進安定性、ワインディングでのピタリと決まるライントレース性は印象的なレベル。車体各部に目をやると、かなり剛性を意識した作りになっている。それが走りに効いている。もちろん、シビックがこのクラスの日本車でいちはやく採用したデュアルピニオンEPSの効果も明確だ。 ときおり気になったのは乗り心地だ。路面のあまりよくない一般道を低~中速で走ると、やや足回りの動きの渋さと突き上げを感じる。乗り心地とハンドリングのバランス面で、現状が最適の落としどころと判断したのだろう。だが、もう少しよく動いてくれたほうがベターだ。最新のシビックはホンダらしい1台、クルマ好きの琴線に触れる魅力を持っている。 ■Brief Comment 全体の完成度はかなり高い。世界に誇れるレベルだ。e:HEVのパワートレーンは、魅力的で高評価になった。レスポンスがよくスムーズでパワフルというe:HEVの強みが存分に味わえる。クルマとしての使い勝手も、上出来。気になった点は小回りが利かないこと。また足回りは日常的な使い方では乗り心地がやや硬い。一方、実走燃費テストではWLTCの郊外モードを上回る数値を達成したことに大いに感心した。 ■ホンダ・シビック主要諸元 グレード=e:HEV ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年7月6日に「CAR and DRIVER」で公開された「2023年米国第1四半期【日本メーカー】新車セールス結果発表」を一部編集し、転載したものです。 ■2023年米国第1四半期の日本車販売状況 2023年1〜3月期(第1四半期、Q1)の米国における日本車の販売台数が判明した。 メーカー別トップはトヨタでレクサス・ブランドと合わせて46万9557台と、前年同期の51万台超えには届かなかった。フルモデルチェンジを機に米国販売がスタートしたクラウン(クロスオーバー)は1393台を販売し、今後の動向に注目が集まる。RAV4やカローラクロスのような「正統派」SUVスタイルに人気が集まるのか、クラウンが提案するスタイリッシュなクロスオーバーデザインが評価を上げていくのか。米国のSUV市場は世界のマーケットに強い影響を与えるだけに目が離せない。 ホンダはアキュラ・ブランドで販売するインテグラが好調。現在は少数派になった4ドアクーペで(メーカーは5ドアリフトバックと表現している)、今年4月には320㎰/310Nmを発揮するタイプSグレードをラインアップに加えて販売拡大を狙う。 日産はローグ(エクストレイル)が絶好調で、ホンダCRーV以上の販売成績を記録している。また大型SUV、パスファインダーとアルマダも快調に売れている。とはいえ、これらのモデルが日本では正規販売されていないのが惜しい(日本で乗るには大きすぎるかもしれないが)。 SUBARUのBEV、ソルテラはトヨタbZ4Xと合わせて3057台を販売。これは日産リーフ(2354台)を上回る数字である。米国で人気の高いSUVルックというデザインの持ち味を生かして、今後の販売拡大に期待がかかる。 Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年6月21日に「CAR and DRIVER」で公開された「フォーミュラE東京大会開催へ。2024年3月30日、東京ビッグサイト周辺が舞台だ」を一部編集し、転載したものです。 ■環境先進都市・東京をレースでアピール フォーミュラEの国内開催が決定した。 フォーミュラEと国際自動車連盟(FIA)が発表した。2024年のイベント開催カレンダーの3月30日・ラウンド7は日本・東京での開催が明記されている。フォーミュラEの東京開催に向けて、フォーミュラEオペレーションズと東京都は協定を締結。大会開催に向けて前向きに検討してきた。 そうした背景・経緯があって、来年3月の東京開催が決定したといえる。なお、現時点での東京開催については「ナショナルオートモビルクラブ(ASN)の承認が必要」と条件が付いているが、開催に向けて確実に前進したことは間違いない。 注目の開催場所は「東京湾ウォーターフロントにあるコンベンションセンター、東京ビッグサイトの周辺の道路」と示され、公道レースになる予定だ。 東京都はゼロエミッションの環境先進都市の実現に向けて、排出ガスゼロ車(ZEV)の普及拡大に取り組んでいる。フォーミュラEの東京開催は、東京がカーボンニュートラルに真剣に向き合っていることを内外にアピールする絶好の機会になる。 フォーミュラEは、現在、日産、ジャガー、ポルシェ、マセラティ、マクラーレンなど11チームが参戦している。 Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年6月6日に「CAR and DRIVER」で公開された「【エンジン車よ永遠なれ!】レクサスのV10(1LR-GEU)は、すべてに最高を目指したLFAに特別な輝きを与えた!」を一部編集し、転載したものです。 ■LEXUS LFA/1LR-GEU 種類:V型10気筒DOHC40V 総排気量:4805cc ボア×ストローク:88×79mm 圧縮比:12.0:1 最高出力:412kW(560ps)/8700rpm 最大トルク:480Nm(48.9kgm)/6800rpm レクサスLFAに搭載された4.8リッター・V10、1LR-GEUを単体で見ると、これが市販ロードカー用エンジンなのかと思わず唸ってしまう。すべてに隙間なくコンパクトに凝縮された本体は、高価なマテリアルの生み出す独特の風合いと相まって、レーシングカー用にしか見えないからだ。 「最高速度や加速数値、ラップタイムといった性能スペックにこだわらない。真のスポーツカー好きが運転を楽しむクルマ」をコンセプトに誕生したLFAにとって、ヤマハと共同で開発したV10エンジンこそがすべての源だったといっていい。 2000年代。トヨタはF1に参戦していた。当時の主流はV10エンジン。そのイメージをロードカーに持ち込んだ例としては、BMWやポルシェの高性能モデルがあった。開発が始まったごく当初の頃、レクサスのエンジニアには、数値のみならず「設計や素材までレーシングスペック」を誇る完全新規のV10エンジンを開発するつもりなど毛頭なかったらしい。たとえば量産のV8あたりを改良してハイスペックなエンジンを作ればいい、そう考えていたという。確かにそれは大メーカーにおける高性能モデルの定番手法であった。 だが、「せっかく新たに高性能スポーツカーを開発するのだから、もっと大きな夢を持って取り組め。小さくまとまらず理想をでっかく掲げてみよ」、上層部からのそんな一喝で開発部門は覚醒した。 いまから20年前。すでに(儲からない)スポーツカーの新規開発は、とても貴重な機会となっていた。エンジンまで新たに起こすとなると相当な覚悟が必要で、それが部長クラス以下の現場から生まれること自体、期待薄というものだろう。レクサスのイメージリーダー、LFAの開発に際しCFRPボディ構造なども含めた究極のハイスペックは、上層部の英断と後押しなしではあり得なかった。 ■LFAのV10は、まるで日本刀のような切れ味を持っていた! ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年6月11日に「CAR and DRIVER」で公開された「【最新モデル試乗】新世代BMW・Mの象徴、XMの圧倒的な存在感とパワーに大興奮!」を一部編集し、転載したものです。 ■BMW XM 価格/8SAT 2130万円 試乗記 ■XMはアメリカと中国を主力マーケットに据えたスペシャルSUV このところのBMWデザインは常軌を逸している。そんな見方をするマニアは多い。キドニーグリルは大きくなる一方で、ヘッドライトはサイボーグのようだ。けれどもそれは、マーケットを考えると必然だとわかる。 今回、BMW・Mとして久しぶり(実に1978年のM1以来だ!)となった専用デザインモデル、XMを試すためにアメリカ・フェニックスを訪れた。走っていると、最新の大型ピックアップトラックがいかつい顔をぎらつかせて向かってくる。 アメリカ市場と中国市場の嗜好は、実はよく似ている。世界で最も大きな両マーケットの好みが「いかつい、ぎらついた顔「なのだ。最近のBMWデザインは、しっかり「売る「ための必然だったと知る。M社の幹部によると、XMの主要マーケットはアメリカと中国で、この2つで目標販売台数の半数を占める。続くのは中東や韓国だ。 とはいえM1以来のM専用モデルがどうしてSUVなの?と思う。ライバルのように高性能スポーツカーを見たかった。幹部は「SUVがセダンに代わって普通の乗用車になったから」と実にそっけない。皆がセダンに乗る中でクーペやスポーツカーに憧れた1970〜80年代とは事情が異なるというのだ。それに限定車ながらM3CSLを出したではないかとも……。 もっともXMは、最初からM専用モデルだったわけではない。当初はX7ベースのSUVクーペ、要するにX8として企画された。だが大型高級SUV市場におけるクーペニーズを考えたとき、M専用として特別感を出したほうが太く長く売れると判断した。それゆえ、PHEVのみのモノグレード展開で、日本でもワンプライス設定である。 ■Mロードカー史上最強パワートレーンは怒涛の加速を約束! 赤いボタンをプッシュすると爆音とともにV8エンジンが目を覚ました。走り出すとそのあまりにハードな乗り心地に驚いた。試乗車には22インチのタイヤ&ホイールが装着されていたのだが、実はタイヤのチョイスも含めて試乗車は最もスポーティな仕様だった。そのため街中での乗り心地はかなり硬質。救いはスポーツタイプのシートが優秀だったこと。なにしろ強めの突き上げをしょっちゅう食らったのに4時間ものドライブに耐えることができたのだ。ちなみに標準の23インチ仕様を試した同業者は、「乗り心地がいい」といっていた! 空いたところを見計らって、Mのロードカー史上最強のパワートレーンを解放する。XMの心臓部は489ps/650NmのV8ツインターボ+197ps/280Nmの電気モーター。システム総合で653ps/800Nmを発する。 右足を思い切り踏み込むと、V8が盛大な唸りを上げた。サウンドは豪快で、回転フィールは砂浜をかき回すように心地よい。そしてもちろん、すさまじくパワフル。巨体がそのまま飛んでいきそうな恐怖感さえ覚える。 70km/hを超えたあたりで硬質な乗り心地から解放された。心地よいフラットライドになる。ワインディングロードも難なくこなす。その操縦感覚はまさにスポーツカー、実にMらしい。 ■BMW ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年5月15日に「CAR and DRIVER」で公開された「テスラが「モデルS」と「モデルX」の日本における注文受付を開始」を一部編集し、転載したものです。 テスラのフラッグシップセダン「モデルS」と多機能SUV「モデルX」が日本での予約受注をスタート。2車種ともにトライモーターAWDを採用する高性能グレードの「プラッド」を設定 テスラモーターズ ジャパンは2023年5月12日、フラッグシップセダン「モデルS」と多機能SUV「モデルX」の注文受付を開始した。ユーザーへの納車は最短で本年8月からを予定している。 車両価格は以下の通り。 ■モデルS モデルS(デュアルモーターAWD):1296万9000円 モデルS プラッド(トライモーターAWD):1596万9000円 ■モデルX モデルX(デュアルモーターAWD):1446万9000円 モデルX プラッド(トライモーターAWD):1666万9900円 テスラが販売するEVラインアップの中で、モデルSはセダンの、モデルXはSUVの旗艦シリーズに位置する。とくにプラッド(Plaid)と称する最上級グレードは、パワートレインにトルクベクタリングと3つの独立したカーボンスリーブローターを装備したトライモーターAWDを採用し、0→100km/h加速はモデルSが2.1秒、モデルXが2.6秒を実現した。 インテリアに関しては、インパネセンター部に配した17インチのタッチスクリーンを含む3つのディスプレイでコクピットを構成し、従来以上にスマートなコントロール性を具現化。また、17インチタッチスクリーンには左右チルト機構を内蔵し、2200×1300ドット、True ...