(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月13日に「CAR and DRIVER」で公開された「新型レクサスLMが上海モーターショー2023でワールドプレミアを予告」を一部編集し、転載したものです。 レクサスが第2世代となる新型LMを上海モーターショー2023で披露すると発表。合わせてサイド後部のティーザー画像を公開 トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは2023年4月11日、中国・上海で4月18日~4月27日に開催される上海モーターショー2023において、新型LMを世界初公開すると発表した。 LMはレクサス・ブランドのフラッグシップMPVで、現行型は2019年にデビュー。トヨタの上級ミニバンのアルファード/ヴェルファイアと基本コンポーネントを共用化したうえで、吸・遮音材の増強や足回りのセッティング変更、内外装のさらなる高級化などを図って、レクサスならではのプレミアムなラグジュアリームーバー=LMに仕立てていた。 今回発表される第2世代は、間もなく登場する予定の新型アルファード/ヴェルファイアと基本コンポーネントを共用化することが予想される。公開されたティーザー画像では、リアに向かって上部が下がっていく独特のウィンドウラインや、ルーフトップからシームレスにつながるリアスポイラーなどが確認できる。デザインはもちろん、空力特性にも相当にこだわっているようだ。 現行型では日本未導入のレクサスLMだが、評判次第では日本発売も期待できるかもしれない。 Writer:大貫直次郎 (提供:CAR and DRIVER)
トヨタが新型PHVで攻勢、狙うは「現実的なEV」 トヨタ自動車は来月、新型プラグインハイブリッド車(PHV、PHEV)を米国で発売する。背景には、ガソリン車から電気自動車(EV)への移行でPHVは橋渡し役になれるとの読みがある。 トヨタのほか、フォード・モーター、現代自動車も新型PHVを発売する。現在、ハイブリッド車の大半はエンジンと電力モーターの双方を使用して燃料の消費を抑制する仕組みだ。一方、PHVは主にバッテリーで走行し、エンジンは充電切れへの備えという位置づけで、完全な純EVに限りなく近い存在になっている。 トヨタはPHVを「プラクティカル(現実的な)バッテリーEV」として再定義することを狙う。念頭にあるのは、大半は電力で走行したいが長距離運転には不安があるという、車通勤の平均的な米国民だ。5月から米国のディーラー店舗への納車が始まるPHVの2023年モデル「プリウス・プライム」は、バッテリーだけで最大44マイル(約71キロ)の走行が可能だ。 環境保護団体の間では、化石燃料を燃やすため、PHVは環境対応車としてなお十分ではないとの意見が支配的だ。業界アナリストからも、テスラ車をはじめ純EVへの関心が急速に高まっている中で、PHVに商機があるのか疑問視する声が聞かれる。 PHV市場にとっての大きなリスクは規制の行方だろう。例えば、カリフォルニア州は電動化への移行を義務づける規定においてPHVを制限、もしくは除外する方向へと向かっている。 トヨタの佐藤恒治社長は21日、「BEV(バッテリーEV)がスピードを上げて普及していく地域と、もう少し時間がかかる地域の両方がある」と述べ、PHVへの投資は電動化への移行を実現する現実的な方法だとの考えを示した。 また、トヨタの目標はPHVの航続距離をできる限り純EVに近づけることだと佐藤氏は説明した。トヨタは今月、EVモードで200キロ以上走行可能なPHVを開発する計画を明らかにしている。 佐藤氏は「PHEVの捉え方を変えていきたい」と述べた。 EV充電拠点は世界的にまだ不足しており、充電設備があったとしても、問題を抱えていることが多い。調査会社JDパワーの報告書によると、米国では昨年、公共のEV充電拠点で約2割は充電できないケースが発生した。 米国では、先月のEV平均価格が5万8940ドル(約790万円)となっており、ディーラー関係者はEV本格普及への障害になっていると話している。これに対し、プリウス・プライムは3万3445ドルからだ。 シカゴ周辺でディーラー網を家族経営するハンリー・ドーソン3世さんは、航続距離の制限や充電の問題による大変さを十分に理解できていなかったことが分かり、多くの顧客がEVを返却すると話す。「そこから、ハイブリッドについて問い合わせる」 PHVは世界のライトビークル(乗用車・小型商用車)販売の約4%に過ぎないが、近年は増加傾向にある。昨年のPHV販売台数は前年比46%伸びた。コンサルティング会社EVボリュームズが分析した。これに対し、EVは59%増だ。 米国では現在、30モデル以上のPHVが販売されている。米財務省が4月17日に公表したリストによると、フォードとステランティスのPHVは、EV税控除(全額・一部含む)の適用要件を満たした16モデルのうち六つを占める。 米国では、フォードのスポーツ用多目的車(SUV)「エスケープ」や現代のクロスオーバーSUV「ツーソン」など、新型PHVの投入が続く。トヨタは今月、さらなるPHVの発売を予定していると明らかにした。 とはいえ、中国に加え、米国や欧州の一部でも純EVの販売が拡大に向かう状況下で、PHV市場の持久力を巡っては疑問も生じている。ゼネラル・モーターズ(GM)は純EVの開発に資金を投じる方が投資効率が良いとして、米国では今後ハイブリッド車は投入しない考えを示している。 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは最近の報告書で、2030年の世界販売に占めるPHVのシェアについて全体の7%と予想し、従来の9%から下方修正した。半面、純EVは同時期に全体の約3割を占めるまでになるとし、従来の約25%から引き上げた。 ムーディーズはその理由の一つとして、ハイブリッドがエンジンと電力モーターの両方を搭載している点を挙げ、「余分な推進システムを生産するコストの高さ」を指摘している。 カリフォルニア州では、新車登録に占めるPHVの割合が約3%で頭打ちが続く一方、EVは昨年、新車登録の6台に1台を占めるまでに急拡大した(カリフォルニア州新車ディーラー協会調べ)。 同州では2026年モデルから、販売する自動車の35%をゼロエミッション車(ZEV)とすることが義務づけられる。PHVがゼロエミッション車と認められるには、EVモードで50マイルの航続距離が必要であり、また各メーカーが販売するゼロエミッション車のうち、PHVが占める割合は2割が上限となる。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月13日に「CAR and DRIVER」で公開された「【最新モデル試乗】メルセデス・ベンツGLCが2代目に進化。ディーゼルHVのクラスを超えた完成度を体感」を一部編集し、転載したものです。 ■メルセデス・ベンツGLC 220d・4マチック 価格:9SATC 820万円 試乗記 ■すべてがメルセデスらしい味わい。上質で洗練 メルセデスのベストセラーSUV、GLCがモデルチェンジし日本デビューした。GLCは2015年に初代モデルが誕生。その名のとおり、「CクラスのSUV」というイメージを放つ。紹介するのは欧州で2022年6月に発表された新世代。デビューから1年を経ずに日本に上陸した。 欧州仕様は48VマイルドHVシステムを加えたターボ付きの2リッター・4気筒ガソリンと4気筒ディーゼル。さらにガソリン/ディーゼル双方のエンジンと、最高100kW(≒136㎰)を発するモーターで構成するPHEVをラインアップ。日本仕様としてまず導入されたのは、マイルドHV仕様のディーゼル、220d・4マチックである。 9速ステップATを組み合わせたパワーパックはCクラスに採用済み。ただし、エンジン単体で発する最高出力/最大トルク値は197ps/440Nm、エンジンとトランスミッション間に置かれたモーターの出力/トルクは17kW/205Nm。Cクラス用(エンジン:200ps/440Nm、モーター:15kW/208Nm)とは、わずかに異なる。 新型GLCのスタイリングは、従来型の雰囲気を強く受け継いでいる。コンビネーションランプの造形とグラフィックが大きく変更されたリアビューは一見して変化が明確だが、大きな台形グリルの中央に「スリーポインテッドスター」を配し、その両サイドにクロームバーが広がるフロントマスクは、新旧で共通する。基本プロポーションを含め、スタイリングはキープコンセプトのイメージが強い。 ボディサイズは全長×全幅×全高4720×1890×1630mm。全幅こそ旧型と共通なものの、全長は50mm、さらに2890mmのホイールベースは15mmの延長。モデルチェンジごとに行われる拡大の流れにGLCもあらがえなかった。この点は、ユーザーによって評価が異なりそう。ちなみに、従来設定のあったクーペバージョンに関しては現在のところ特段のアナウンスはない。欧州では新型が発表されたから、順次クーペも新世代化されるだろう。 室内はラグジュアリーな味わい。T字型をモチーフとしたダッシュボードに中央3連型の空調吹き出し口など、基本的な雰囲気は従来の延長線上にある。それでも、メーターがシンプルな横長の12.3インチバーチャルディスプレイに、タブレット状だった中央ディスプレイがセンターパネルと一体化した11.9インチの大型アイテムに変更されるなど、最新モデルらしい表情へとアップデートをされた点は、新型の見どころだ。 機能面も最新だ。前車追従式クルーズコントロール(ACC)は、カメラとレーダーで先行車を認識し、停止後30秒以内の自動再発進機能が備わる「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」を標準装備。車両斜め後方の死角エリア内の他車の存在を知らせるブラインドスポットアシストには、側面衝突の危険を回避するブレーキ制御機能にプラスして、停車時にドアを開けようとした際に後方車両や自転車の存在を知らせる降車時警告機能が採用された。 細かい点では、従来型ではタッチボタンへの接触やステアリングホイールに掛かるトルクで判定していたステアリングのハンズオフ検知機能をリム内蔵の静電容量センサー方式に変更。無用の警告がカットされるようになった。より上質な使い勝手の実現は、ユーザーには朗報といえるだろう。 ■際立つ静粛性。フットワークも最上レベル。プレミアムSUVらしく全面進化 試乗に連れ出したのは装備充実車。AMGラインパッケージ(60万円)とドライバーズパッケージ(49万円)、さらにパノラミックスライディングルーフ(22万円)、リアアクスルステアリングなどのオプションが装着されていた。 走りはじめてすぐに感心したのは、際立った静粛性。外界としっかり隔絶されたイメージである。静かさをさらに後押ししていたのが、マイルドHVシステムによって耳障りなノイズなしに滑らかに行われるアイドリングストップ状態からの再始動。またロードノイズがほとんど耳につかないことも印象に残った。上質な走りのテイストはさすがである。 ...
Photo by Yasushi Ohnishi スタイリッシュ&スポーティに大変身。“ハイブリッド・リボーン”をコンセプトに掲げ、目指したのはユーザーから愛される“いいクルマ”。エモーショナルなデザインと虜にさせる走りに注力した、期待が高まる新時代の5thモデル、颯爽とデビュー!! ひと目惚れする“デザイン”と 虜にさせる“走り” 1997年にエンジンとモーターを協調して駆動する世界初の量産ハイブリッドカーとして登場したプリウス。「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーが記憶に残っている人も多いだろう。あれから25年、ハイブリッドという言葉は一般ユーザーにも深く浸透。車種もコンパクトカー、セダン、SUV、ミニバン、そして商用車までトヨタのほぼすべての車系にラインアップされ、累計販売は2000万台(2022年末)を超える。 そんな中、最新作となる5代目が登場した。開発コンセプトは「Hybrid Reborn」だが、その本質は“燃費がいいではなく、クルマとしていい”を目指した。歴代モデルを振り返ると、つねに“圧倒的な燃費”が注目されたが、新型は燃費がいいのは当たり前、それとは異なる個性のプラスだ。開発陣が盛り込んだ個性とは、ひと目惚れする“デザイン”と虜にさせる“走り”の2つ。このキーワードは歴代モデルも無視はしていないが、最後は燃費のために犠牲になっていたのも事実だろう。開発陣は自らの呪縛を解いたのだ。 “4ドアクーペ”と呼びたくなる スタイリッシュなフォルムデザインから説明していこう。エクステリアは2代目から続くワンモーションフォルムを継承するが、ワイド&ローのプロポーションやルーフ頂点を後方に下げたことに加えて、低いボンネット、スポーツカーのように寝かされたフロントウィンドウ、線ではなく面で抑揚を与えたグラマラスなサイド、薄型一文字ライトのリアなど、“4ドアクーペ”と呼びたくなるスタイリッシュなフォルムに仕上がっている。 新型プリウス・プロトタイプ。2Lエンジン搭載グレード。ワンモーションフォルムを継承しながらスポーティなデザインに仕上げた。写真のボディーカラー、シルバーメタリックはXグレード専用設定 4ドアクーペといえる流麗なシルエット採用。プレスラインを排したグラマラスな面構成と大径タ イヤで安定感をアピール。2Lモデルはスポーティなエンジン音を積極的に聞かせる設定 タイヤは1.8Lが195/60R17+ホイールカバー、2.0Lモデルが195/50R19+アルミホイールと旧型から2インチアップ。これは見た目とステアリング切れ角、そして転がり抵抗を考慮した設定だそうだ。フェンダーとの隙間やホイール・インセットもかなり攻めている。 インテリアはトヨタ車共通の水平基調のコクピットデザインをベースにプリウス用に最適化した。メーターはプリウス伝統のセンターメーターから通常タイプに変更、bZ4Xで初採用のバイザーレス式を水平展開。シンプルな表示で視認性も高いが、ポジションによってステアリングがメーターの一部を隠してしまうのは要改善……。 コックピットは圧迫感がなく広々。7インチのトップマウントメーターはステアリングの上から見るため視線移動が少ない。内装色は3種で写真は赤のアクセントが特徴のマチュアレッド インパネシフトは廃止して、シフトレバーはセンターコンソール上に移動された。シフト回りは新型クラウンと共通部品を使っている。センターコンソール周辺は、限りあるスペースの中にさまざまなアイテムを装着するが、新型は機能的なのにスマートなデザイン。このあたりは新型クラウンをはじめとする他のトヨタ車も見習ってほしい。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月10日に「CAR and DRIVER」で公開された「【いま買える最新BEV特集】テスラ モデルY」を一部編集し、転載したものです。 ■日本で扱いやすいサイズとしたテスラのミッドサイズSUV 2022年6月に日本での受注を開始したテスラのSUVタイプのBEVがモデルYだ。ラージサイズのモデルXに続くテスラのSUVモデル第2弾となるミッドサイズSUVで、全長は4751mmとモデルXよりも30cm以上短い。 セダンのモデル3のプラットフォームをベースに改良を加え、低重心で高剛体構造、衝撃吸収性に優れる大きなクランプルゾーンを採用した新ボディを組み合わせて、基本骨格を構成する。エクステリアは流麗かつなだらかなルーフラインに、厚みのあるボディパネルを配したクーペフォルムのクロスオーバーSUVに仕立てている。バリエーションは後輪駆動の「モデルY RWD」と、前後にモーターを配したデュアルモーター4WDの「モデルY パフォーマンス」の2タイプを設定。 駆動用バッテリーはRWDにスタンダードレンジタイプを、パフォーマンスにロングレンジタイプを組み合わせている。性能面では、RWDが0→100km加速6.9秒、最高速度217km/h、航続距離(WLTCモード)507kmを、パフォーマンスが0→100km加速3.7秒、最高速度250km/h、航続距離(WLTCモード)595kmを実現した。 ●テスラ モデルY 主要諸元 グレード=パフォーマンス(4WD) 価格=754万4600円 全長×全幅×全高=4751×1921×1624mm ホイールベース=2890mm ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月7日に「CAR and DRIVER」で公開された「BMW X5の改良モデルが日本上陸。PHEVモデルのX5 xDrive50eも登場」を一部編集し、転載したものです。 BMWの高性能プレミアムSAV のX5が商品改良。車種展開はプラグインハイブリッドモデルのX5 xDrive50e、MパフォーマンスモデルのX5 M60i xDrive、MハイパフォーマンスモデルのX5 M Competitionで構成 BMWジャパンは2023年4月3日、高性能プレミアムSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)のX5 の一部改良モデルを発表し、同日より予約受注を開始した。ユーザーへの納車は本年7月からを予定している。 車種展開および車両価格は以下の通り。 X5 xDrive50e ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月8日に「CAR and DRIVER」で公開された「商品改良を図ったBMW X6が日本デビュー。48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載した2タイプのMモデルを設定」を一部編集し、転載したものです。 BMWの高性能プレミアムSACのX6がマイナーチェンジ。車種展開はMパフォーマンスモデルのX6 M60i xDriveとMハイパフォーマンスモデルのX6 M Competitionで構成 BMWジャパンは2023年4月3日、高性能プレミアムSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)のX6 の一部改良モデルを発表し、同日より予約受注を開始した。ユーザーへの納車は本年7月からを予定している。 車種展開および車両価格は以下の通り。 X6 M60i xDrive:1622万円 X6 M ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月6日に「CAR and DRIVER」で公開された「【いま買える最新BEV特集】ポルシェ タイカン クロスツーリスモ」を一部編集し、転載したものです。 ■オフロードに強いアクティブなスポーツクロスオーバーBEV ポルシェはフル電動スポーツカーのタイカンに、多目的モデルとしてタイカンクロスツーリスモ、タイカン4S クロスツーリスモ、およびタイカンターボクロスツーリスモを2022年3月に追加設定した。タイカンクロスツーリスモは、後席乗員のために47mm高くなったヘッドルームと、大型テールゲートから積み込み可能な1200ℓを超えるラゲッジルームの積載量によって、真のオールラウンダーに変貌している。 全モデルに4WDとアダプティブエアサスペンションを備えたハイテクシャシーが標準装備され、オプションのオフロードデザインパッケージは最低地上高を最大30mm高くすることができる。これによりクロスツーリスモは難易度の高いオフロード地形の走行も可能で、標準装備の「グラベルモード」がラフロード走行への適合性を向上させる。 トップモデルとなるタイカンターボクロスツーリスモは、強力な2モーターを搭載し、システム総出力625psを発生。0-100km/h加速タイム3.3秒を記録する。すべてのモデルに総容量93.4kWhのパフォーマンスバッテリープラスが標準装備され、ロングランにも対応している。 ●ポルシェ タイカン 4 クロスツーリスモ 主要諸元 グレード=タイカン 4 ...
BMW・M3コンペティション Photo by Akihiko Kokubo 最新M3コンペティションは 3L直6DOHC24Vツインターボを搭載 4→6→6→8→6→6。この数字が何を示すのか、BMWファンであればすぐにお気づきだろう。そう、歴代M3に積まれたエンジンのシリンダー数である。 E30型をベースとした初代M3(1985年)は2.3Lの自然吸気4気筒エンジンを搭載してデビュー。F1でも活躍したM10と呼ばれる鋳鉄製ブロックを土台とするこのパワーユニットは6750rpmの高回転域で200psを生み出した。また初代は、グループAレーシングカーのホモロゲーションモデルという役割も担っており、軽量化にも配慮されていた。車重はほぼ1200kg。4気筒エンジンだったから可能なライトウェイトといえる。 その後のM3は車重の増加に伴い、2代目のM36型(93年)ではストレート6に換装。4代目M3のE90型(2007年)ではついにV8が搭載された。しかし5代目F80型(2013年)はターボ化されてストレート6に復帰。この流れは、最新の6代目G80型(2021年)にも受け継がれている。ちなみに最新M3コンペティションは3L直6DOHC24Vツインターボを搭載。パワースペックは510ps/650Nmを誇る。 世代ごとにさまざまな特徴を備えたM3だが、とりわけ現行型はエポックモデルだ。FRとともにはM3として初となる4WDが設定されたこともそのひとつ。だが、個人的に注目しているのは足回りの味付けが大きく変わった点である。 BMW・M3コンペティション/価格:8SAT 1351万円 現行G80型はFRとともにM3史上初の4WDを設定。スタイリングはM4共通マスクとマッシブなフェンダー処理で凄みを演出 インパネは3シリーズと共通。Mスポーツステアリングはしっかりとした操舵フィールを約束。先進安全運転支援機能も充実 2962cc直6DOHC24Vツインターボは絶品。圧倒的なパフォーマンスと緻密なフィールが魅力 シートは本革。前席はサポート性に優れたバケット形状。乗り心地は引き締まった印象 M3はBMWのこだわりと情熱がぎっしり詰まった 最高のドライバーズカー 先代M3の足回りは全般的に突っ張るような傾向が見られた。うねった路面ではグリップレベルが断続的に変化し、ステアリングが左右にとられる印象があった。ところが新型は、まったく異なる。凸凹路面に対してもタイヤがしなやかに追従。グリップレベルが大幅に安定したうえに、ステアリングがとられる挙動はほぼなくなった。さらに先代はブレーキを残したままコーナーに進入するトレーリングブレーキを使うと、ブレーキをリリースした際に挙動が不安定になる傾向が散見された。新型ではこの弱点も解消。おかげで、コーナーの進入から出口まで、ステアリングの舵角を一定に保ったままクリアできるシーンが格段に増えた。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月5日に「CAR and DRIVER」で公開された「【いま買える最新BEV特集】テスラ モデルX」を一部編集し、転載したものです。 ■圧倒的な動力性能を誇るラージクラスプレミアムSUV テスラのフル電動ラージクラスプレミアムSUV。2016年9月に日本で発表されたが、現在、国内でのラインナップは2モーター4輪駆動のモデルSと、3モーター4輪駆動のモデルS Plaidの2タイプとなる。 モデルX Plaidはシステム全体で1034psを発生。車両重量は2455kgと重いが、0-100km/h加速は2.6秒で、最高速は262km/hというSUVとは思えない圧倒的な動力性能を誇る。メーカーが公表している推定航続距離は536kmとなる。リアドアは上に跳ね上げるファルコンウイングドアを採用。その姿は圧巻で存在感は抜群だ。また、空力性能にもこだわっており、自動的に効率を最大化するように調整するアクティブスポイラーを備えたモデルXは、SUVにもかかわらずCd値は0.24を達成する。 スマホを使ってキーレスドライビング、航続距離&充電状況の確認、車内空調、リアルタイムGPS測位などの遠隔操作やモニタリングが可能となっている。オートパイロットによる運転支援機能を標準装備とするほか、衝突軽減ブレーキやブラインドスポットモニターなど先進の安全装備も満載。 ●テスラ モデルS 主要諸元 グレード=Praid(4WD) 価格=未定(2023年モデル) 全長×全幅×全高=5057×1999×1680mm ホイールベース=2965mm ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月3日に「CAR and DRIVER」で公開された「欧州新車販売は8カ月連続上昇基調。VW、ルノー、テスラが好調、BEVの販売状況に注目」を一部編集し、転載したものです。 ■欧州新車販売は8カ月連続前年実績超え(2023年2月) 2023年3月21日、ACEA(欧州自動車工業会)は2月の新車販売実績を発表した。2022年8月から7カ月連続で前年同月実績を超える堅調ぶりで、販売台数は90万2775台で前年同月比12.2%の増加だった(EU+EFTA+EU)。前年の80万台レベルから90万台水準に市場が回復した。 ●2023年2月、欧州5大マーケット新車販売台数 欧州5大マーケットで販売台数の多かった順に紹介すると、 1)ドイツ=20万6210台(前年同月比9.4%増) 2)イタリア=13万287台(同17.4%増) 3)フランス=12万6236台(同9.4%増) 4)英国=7万4441台(同26.2%増) 5)スペイン=7万4001台(同19.2%増)と、いずれも前年実績を上回った。 メーカー別販売台数は以下ようになる。 ●2023年2月、欧州メーカー別新車販売台数 1)VW=23万5404台(前年同月比21.2%増) 2)ステランティス=16万7097台(同2.0%増) 3)ルノー・グループ=9万1352台(同28.8%増) ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月2日に「CAR and DRIVER」で公開された「2月軽自動車新車販売台数トップ15。N-BOXが依然首位。ダイハツが好調。(SUV除く軽自動車販売・2023年2月)」を一部編集し、転載したものです。 登録乗用車が3割近い前年超えの登録と好調の2月、Kカー市場も先月1月(前年同月比129.9%)ほどではないものの同113.8%と堅調だ。 首位は変わらず19652台と2万台レベルのホンダN-BOX。差をつけられたものの、2位には12743台(前年同月比143%)を販売した好調タント、3位には前年より倍近い10041台(同192%)を販売したダイハツ・ムーヴがランクインした。首位独走のN-BOXという構図ではあるが、各社主力車種で前年度割れを起こしているのがN-BOXだけ(98%)という結果になった。前年割れと言っても僅かなもので、この数ヶ月続いている2万台レベルが現時点でのN-BOX生産能力の上限なのだろう。メーカーによるアナウンスによると、現時点でもN-BOXの工場出荷目処は半年程度とのこと。(一部グレード・カラーは1~2カ月で出荷可能) 軽乗用車販売台数の前年同月比はスズキ114.3%、ダイハツ126.3%、日産118.6%と前年超えの中、ホンダの軽乗用トータルはやはり95.3%と前年割れの結果になっている。 コロナ禍も落ち着きつつあるが、部品調達に悩む各社生産工場の稼働状況、そして4月から始まるダイハツのアイドリングストップレス車の追加販売が今後どのような影響を与えるのか興味深い。 ■2月各社販売台数と前年同月比 2月販売台数(台) 前年同月比(%) ダイハツ 35,923 126.3 ス ズ キ 34,435 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年4月3日に「CAR and DRIVER」で公開された「LB744のコードで開発を進めてきたランボルギーニの新世代スーパースポーツが「レヴエルト」のネーミングを冠して世界初公開」を一部編集し、転載したものです。 ランボルギーニがブランド誕生60周年を祝う新型HPEVモデルの「レヴエルト(Revuelto)」を発表。パワートレインにはミッドシップ配置の6.5リットルV12エンジンに8速DCT組込の1基を含む3基の電気モーター、軽量・高出力のリチウムイオン電池で構成するプラグインハイブリッドシステムを搭載。車両デザインはランボルギーニのDNAを忠実に踏襲しながら、最新のデザイン言語で新たな方向性の内外装を演出 伊ランボルギーニは2023年3月30日(現地時間)、LB744のコードで開発を進めてきた、アヴェンタドールの後継を担う次世代フラックシップスポーツの「レヴエルト(Revuelto)」を初公開した。 過去に登場したランボルギーニ車の伝統に倣って、闘牛史に名を遺す屈強なファイティングブルに由来する車名を冠した新型レヴエルトは、ランボルギーニ初のプラグインハイブリッドモデル、ランボルギーニ流の表現ではハイパフォーマンス EV(HPEV)に位置する。パワートレインはミッドシップ配置の6.5リットルV12自然吸気エンジンに、8速DCT組込の1基を含む3基の電気モーター、軽量・高出力のリチウムイオン電池で構成し、ドライビングモードとしてEVモードを含む13種類を設定。基本骨格にはフルカーボンファーバーの新型モノコック構造「monofuselage(モノフューズレージ)」を採用し、ここに効率性・機能性・スタイルが織りなす最高のシナジーを表すエアロダイナミクスと車両デザインを纏わせた。 まずはデザイン面から見ていこう。エクステリアはランボルギーニのV12スーパースポーツのDNAを忠実に踏襲しながら、最新のデザイン言語を採用して進歩的かつエモーショナルなスタイリングに仕立てる。基本シルエットはフロントからキャビンとエンジンを包み込んで六角形のエキゾーストへと収斂していく2本の線が囲む、彫刻的でアグレッシブなクーペフォルムで構成。ランボルギーニのV12スーパースポーツのアイデンティティといえる垂直に開くシザーズドアも、剛性を高めながら導入する。 各部のアレンジにも徹底してこだわる。フロント部はY字形のデイタイムランニングライトを組み込んだ新造形のLEDヘッドランプやシャークノーズを形作るフロントフード、スプリッターからフロントフードへとつながる空力学的なブレードなどを配して、精悍かつ印象的なマスクを演出。一方でサイドビューは、フロントのホイールアーチの後方に設けたサイドフィンからドアおよびサイドエアインテークへの大きなくぼみに沿って車体の側面の気流を導くエアロデザインやY字形でアレンジしたドアハンドル、大径シューズを強調するホイールアーチなどを採用する。さらにリアセクションでは、デイタイムランニングライトと呼応するY字形のシグネチャーを組み込んだリアコンビネーションランプや2つの六角形エキゾーストおよび幾何学的な輪郭を持ったウイングなどを装備して、存在感あふれる後ろ姿を具現化した。そしてトップ部は、広い頭上スペースを確保しながら美観と空力性能を併せ持ったルーフ造形に、カーボンフードで覆ったうえで縦置きV12エンジンの上面を露出させたコンパートメント部を組み合わせて、インパクトの強いルックスを創出する。ボディサイズは全長4947×全幅2033(ドアミラー含2266)×全高1160mm、トレッド前1720×後1701mm、ホイールベース2779mmに設定している。 エアロダイナミクスも最大限に重視し、ダウンフォースとドラッグを改善する効率性、適正レベルのマスフローを確保するコンポーネントの相乗効果、エアロダイナミクスによるブレーキ冷却機能の統合、そしてクリエイティブなアプローチで当初からエアロダイナミクス要素を考慮したデザイン・インスピレーションという4つの柱を新たに定義して、エアロダイナミクスの枠組みを転換させる。なかでも、あらゆる走行条件の中で最高の空力性能を発揮できるように新たに設計した可変式リアウイングおよびアクチュエーターは要注目。ウイングのポジションは3段階の設定で、ドライビングモードと走行状況によって変化するとともに、ステアリングホイールのダイヤルでドライバーが変更することも可能とした。ほかにも、中央部の端が放射状、水平部の端が斜めになったカーボンファイバー製のフロントスプリッターや、カーブした細いブレード状のパーツをアンダーボディに配したリアボーテックスジェネレーター、低角度の中央部と高角度の水平部でデザインした新造形のディフューザー、アンダーボディから気流を集めてリアブレーキの冷却ダクトへと風を導くリアホイール前のNACAダクトなどを採用して、空力効率をマキシマムに高めている。 2シーター構成のインテリアは、“feel like a pilot”というコンセプトのもと、ドライビングに比重を置いたコクピットデザインに仕上げる。ダッシュボードにはカーボンファイバー材を採用し、一部の表面には上質なレザーや新超軽量素材のCorsa-Texを使用。ここにY字形のセンターパネル内に組み込んだ車両の情報システムの中心である8.4インチ縦型タッチスクリーンや、12.3インチのドライバー側デジタルディスプレイ、9.1インチの助手席側ディスプレイを配備する。スマートフォンと同様に直感的な手の動きでアプリケーションや情報を中央のディスプレイからサイドディスプレイへと移動させるランボルギーニ初のスワイプ機能も導入した。また、エアベントやバケットシートの表皮などに六角形の専用エレメントを配した点は、ランボルギーニのDNAを感じさせる部分。赤いカバーで覆い、操作時には上方へと跳ね上げるENGINE START/STOPスイッチのアレンジも印象的だ。さらに、ステアリングホイールはサーキット専用マシンのEssenza SCV12などレースの世界で培った経験をもとに新たにデザイン。スポークに配した4個のダイヤルは、ドライビングモードやリアウイング、リフト装置の操作に使用する。一方、キャビン空間自体はゆったりとしたスペースで実用性を確保するとともに、サーキット走行に向けた装備アイテムが積載できるように設計。頭上はアヴェンタドール比で26mm高く、足もとは同比で84mm広いスペースを実現し、合わせてシート後方にはゴルフバッグサイズの荷物が収納できる空間を設ける。さらに、センターダッシュボードの下および座席の間にも収納スペースを設定し、フロントフード下には小型のキャリーバッグが2個入るコンパートメントを配備した。 基本骨格に関しては、航空工学からインスピレーションを受けたフルカーボンファーバーの新型モノコック構造「monofuselage(モノフューズレージ)」を採用する。単一エレメントから成るリング状のコンポーネントに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使い、車両の支持構造を形成。引き手タブ、フロントファイアウォール、ピラー部などのForged ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年3月30日に「CAR and DRIVER」で公開された「本年4月18日に発表予定の新型ポルシェ・カイエンのコクピットが先行公開」を一部編集し、転載したものです。 ポルシェが本年4月18日開催の上海モーターショーでワールドプレミアを飾る新型カイエンの「ポルシェドライバーエクスペリエンス」の概要を発表。その根幹をなすコクピットの画像を先行公開 独ポルシェAGは2023年3月30日(現地時間)、本年4月18日より開催される上海モーターショーで発表する新型カイエンの「ポルシェドライバーエクスペリエンス」の内容を公表。合わせて、ポルシェドライバーエクスペリエンスの根幹をなすコクピットの画像を公開した。 現行の3代目カイエンは2017年にデビューして以来、プレミアムSUVとしてワールドワイドで高い人気を獲得している。新型はパワートレインやシャシー、デザイン、装備、そしてコネクティビティなどを大幅に刷新。メーカー自ら「ポルシェ史上でも最大級の広範な製品アップグレード」と評している。 独ヴァイザッハのポルシェ開発センターのエンジニアたちは、カイエンのコクピットにおける画期的な表示および操作方法である「ポルシェドライバーエクスペリエンス」の導入を予告する。具体的には、完全にデジタル化されたディスプレイ、多彩なカスタマイズ、直感的な操作性などの採用を実施。これを実現するために、ダッシュボードやメーターパネル、センターコンソール、ドアの内側上部を新たに設計した。 コクピットの基本デザインは、フル電動スポーツカーのタイカンの要素を存分に取り入れる。内燃機関を搭載するポルシェ車では、初の試みだ。造形としては、いわゆる曲面フリースタンディングデザインを採用し、表示内容を変更可能なデジタルメーターパネル、再設計されたセンターコンソール、最新世代のステアリングホイールなどを配備。オートマチックギアセレクターは、従来のセンター部からステアリングホイールの横に移設する。これによりセンターコンソールにスペースが生まれ、洗練されたブラックパネルデザインの大型エアコンディショナーコントローラーが配置できた。また、より水平方向に強調したダッシュボードを採用し、前方視界の開放感をアップ。コクピット内のすべてのエア吹き出し口には、初めてルーバーなしのデザインを導入した。 メーターパネルには、完全にデジタル化されたフリースタンディングデザインの12.6インチ曲面ディスプレイを配備。フードカバーが不要なため、モダンでスリムなルックスとなる。メーターパネルの表示内容は、装備レベルに応じて最大7種類用意し、ドライバーはその中から選ぶことが可能。レブカウンター、オンラインナビゲーション、ナイトビジョンアシスト、3D運転支援システムなど、どれでも選択して最前面に表示させることもできる。大幅に簡素化した表示内容や、ポルシェならではの5連メーターパネルデザインをデジタル時代に合わせたクラシックモードも設定している。 高解像度の12.3インチセンターディスプレイは、ポルシェコミュニケーションマネジメントシステム(PCM)を一括制御。ドライバーは従来と同じく、多くの運転機能や快適機能、標準装備のオンラインナビゲーションやマルチメディア機能をここで操作することができる。そして、新しい機能として10.9インチパッセンジャーディスプレイをオプションで用意。この追加のタッチスクリーンにより、助手席乗員がナビゲーションの操作やメディアサービスの選択などを行えるようになり、ドライバーの負担を軽減する。また、ディスプレイには運転席から見ることができないように特殊コーティングを施し、ドライバーの注意をそらすことなくパッセンジャーディスプレイに動画をストリーミングすることができるように配慮した。 911に由来する高機能なマルチファンクションスポーツステアリングホイールを新たに組み込んだことも訴求点だ。高品質でモダンかつスポーティなデザインとなり、合わせてノーマル、オフロード、スポーツ、スポーツプラスの各モードをステアリングホイールで直接選択できるドライビングモードスイッチを標準で装備する。さらに、メーターパネルの機能やデザインを選択するための新しいトグルスイッチも、オプションのヘッドアップディスプレイのスイッチ類と同様に、ステアリングホイールに直接配置した。 センターコンソールの新しいエアコンディショナーコントロールパネルは、ブラックパネルデザインのガラス面を採用し、極めて高品質なアピアランスを実現。エアコンディショナーの設定は、明確なレイアウトのコントロールパネルで素早く直感的に行うことができる。また、タッチ認識と触覚フィードバックに、機械式エアコンディショナースイッチや物理的なボリュームコントローラーを組み合わせることで、心地よい手触りと美しさを兼ね備えた機能を具現化した。 コネクティビティの向上も新型カイエンのトピック。ワイヤレス充電機能付きの冷却式スマートフォン収納スペースを標準で装備し、冷却することで充電電力が最大15Wに最適化される。また、組み込まれるオンラインサービスの拡張により、音声アシスタント「Siri」を使った車両機能の操作など、新しいインタラクション方法を提供できるようにした。一方、フロントストレージコンパートメントに2つのUSB-Cポート、センターコンソール後部に2つのUSB-Cポートを新たに設定。すべてのUSBポートには、急速充電機能を備える。さらに、フロントのUSBポートはスマートフォンをポルシェコミュニケーションマネジメントシステム(PCM)と接続できるように設定。スマートフォンと車両のペアリングは、PCMに表示されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで行える。これにより、Apple CarPlayやAndroid Autoをはじめ、SpotifyやApple Musicなどの組み込みアプリを含む多くのコネクティビティ機能の利用を可能とした。 Writer:大貫直次郎 ...
SUBARUレヴォーグSTIスポーツEX Photo by Akihiko Kokubo スバルの心意気 新型レヴォーグは“国内専用モデル”として誕生 トヨタ、ホンダ、日産の3メーカーが世界中で生産した乗用車のうち、日本で販売されるのはわずか15%ほど。日本が“地元”であっても、ビジネス面で見れば決して重要な拠点とはいえない。日本市場にマッチしているとは思えないグローバルモデルを国内で販売するのは、こうした背景が関係している。 それはSUBARU(スバル)にとっても同じこと。いや、米国市場を販売上の明確な主軸に据えている彼らは、“日本市場に向けたクルマ作り”の優先度がさらに低くなるのは致し方ない。ちなみに、スバルの国内販売比率は前出の3メーカーよりさらに低く、14%弱となっている(2021年のデータ)。 ところが、新型レヴォーグは“国内専用モデル”として誕生した。それは、米国主体のレガシィが大きくなりすぎた“埋め合わせ”という側面もあったけれど、それにしても、たった14%にも満たない国内市場(2021年の国内年間販売台数は10万台強)のために専用モデルを作り上げたのだ。スバルの心意気をまずは称賛したい。 SUBARUレヴォーグSTIスポーツEX/価格:8CVT 409万2000円。レヴォーグはスバル伝統のスポーツワゴンの美点を継承。日本市場を主眼に開発された。現行2代目は2021年10月に登場。ドライバーを多角的にサポートするアイサイトXを搭載する インパネはスポーティな立体造形。EXはナビ機能を搭載した大型センターディスプレイ標準 上級版のSTIスポーツはボルドーレッド&ブラックの本革シート標準。室内はゆったり感覚 荷室スペースは後席使用時492L。サブトランクも広い 多くのパーツを新開発した点も注目に値する。たとえば、レヴォーグにはスバルグローバルプラットフォームをベースとしつつ、フルインナーフレーム構造を初採用。これはボディ全体の骨格構造を連続的な形状とすることで高剛性化と軽量化を実現する技術。構造用接着剤と組み合わせた結果、正確なハンドリングの実現とともに振動や騒音の低減に役立つという。 高度運転支援システムのアイサイトXを搭載したのも、レヴォーグが最初だった。位置情報の検出には、日本独自の衛星測位システム“みちびき”を活用。ここでも日本市場を重視する姿勢を鮮明にしたのである。 滑らかな乗り味 レヴォーグの進化を味わえる 1.8Lボクサーターボ(177ps/300Nm)を搭載したレヴォーグSTIスポーツに乗ると、静粛性の高さと乗り心地の快適性がまず印象に残る。いずれもフルインナーフレーム構造が貢献しているのは間違いない。とりわけ印象的なのが乗り心地のよさだ。この点ではダンパーのスムーズなストローク感が大きく役立っているはず。デビュー当初に“ネコ足”で有名なフランス車と比較試乗した経験があるが、足回りのしなやかさではレヴォーグが断然勝っていた。これは日本車の歴史を考えると、常識を覆すような出来事だった。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年3月29日に「CAR and DRIVER」で公開された「好調な2月登録車販売。シエンタ、ノートが首位争い!(SUV・軽自動車を除く販売台数ランキングTOP20・2023年2月)」を一部編集し、転載したものです。 2月の登録車新車販売台数(商用車を除く)は23万6704台で、前年同月比128.1%となり、2カ月連続で前年実績を上回った。特に普通乗用車は先月に引き続き好調で、前年同月比143.6%、2カ月連続で前年割れしていた小型乗用車も同106.3%と前年超えとなった。 SUV、軽自動車を除いた登録車、2月の首位はトヨタ・シエンタ。昨年の12月に日産ノートからトップの座を奪って以来、安定して1万台レベルの登録を継続している。2位には10709台を登録し、1000台差まで迫ってきた日産ノート。生産状況に左右されるのはもちろんだが、生産能力を含め、決算期3月度のこの2モデルのトップ争いに注目だ。 8000台以上の登録でトヨタ・ヴォクシー/ノアの2モデルが並んでTOP5に入ってきた。プリウスも7681台(前年同月比231%)と7位にランクインしている。トヨタの生産が徐々に安定してきたようだ。2月度はレクサスを含めたトヨタ全体の乗用車販売は前年比156%で、好調ぶりが目立った。 ■カー・アンド・ドライバー調べ (※ヤリスクロス、カローラクロスはSUVとして別カウント。合算すると、ヤリスは15510台、カローラは14680台。) Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年3月23日に「CAR and DRIVER」で公開された「フェラーリのFRソフトトップモデルが「ローマ・スパイダー」の車名を冠して54年ぶりに新登場!」を一部編集し、転載したものです。 跳ね馬の新世代FRモデル「フェラーリ・ローマ」にオープン仕様の「ローマ・スパイダー」を設定。専用ファブリック製の電動ソフトトップはわずか13.5秒で開閉が可能。パワーユニットには620psを発生する進化版3.9L・V8ツインターボエンジンを搭載 伊フェラーリは2023年3月16日(現地時間)、新世代FR(フロントエンジン・リアドライブ)モデル「ローマ(Roma)」のオープン仕様となる「ローマ・スパイダー(Roma Spider)」を発表した。 「La Nouva Dolce Vita(新しい“ドルチェヴィータ=甘い生活”)」をコンセプトに誕生したローマは、フェラーリ伝統のFRシリーズに加わった新世代の2+2モデルで、従来はベルリネッタ(クーペ)のみを設定していたが、今回ソフトトップを配したオープンボディのスパイダーが加わった。跳ね馬のFRレイアウトのソフトトップモデルとしては、1969年デビューの365 GTS4以来、実に54年ぶりの新登場となる。 オープン化に際しては、コクピットまわりを入念に強化したうえで、センタートンネル部に設けたスイッチを操作するだけで開閉できる新設計の電動ソフトトップを装備。後部には格納したソフトトップをリアボディラインに沿ってシームレスに覆うトノカバーを配する。開閉に要する時間はわずか13.5秒で、60km/h以下であれば走行中でも操作が可能だ。ソフトトップ自体は5層構造で仕立て、エレガントさとともにクローズド時の高い室内静粛性を確保した新素材のファブリックを採用。ファブリックは2トーンの織りを4色から選べるほか、オプションとして数々のテクニカルなスペシャル・ファブリックを設定した。また、リアシートの後方にはバックレストと一体化した特許取得の新ウィンドディフレクターを装備。オープン走行時の風の巻き込みを効果的に抑えている。 エクステリアはベルリネッタの優雅なルーフラインをオープン仕様でも再現する目的で、リアスクリーンをソフトトップの一部として設計。オープン時にはトノカバーの下に格納され、リアのカーボンファイバー製アクティブスポイラーからダブルバブルを組み込んだトノカバー、リアのベンチおよびヘッドレストまでがシームレスにつながるデザインに仕立てる。また、クローズド時はベルリネッタと同様の流麗なルーフラインを構築し、新世代コンセプトのフロントグリルやシャークノーズを形作る前端、長いフロントボンネット、モンツァSPの流れを汲む直線的なヘッドライト、スクーデリア・フェラーリのシールドを排してシンプルかつスマートな造形としたボディサイド、前8J×20アロイホイール+245/35ZR20タイヤ/後10J×20アロイホイール+285/35ZR20タイヤの専用シューズ、コンパクトでミニマリストな形状としたうえでツインテールライトを埋め込んだ独特なリアセクション、フェンスとエグゾーストエンドをきれいに組み込んだディフューザーなどとともに、エレガントかつ魅惑的なスタイリングを創出した。 内包するインテリアはベルリネッタと同じく、ドライバー側とパッセンジャー側を別々の空間で演出するデュアルコクピットの“セル”構造の理念を進化させたうえで、デジタル化した最新のインターフェースを積極的に採用したことがトピック。また、2個のコクピットをパイピングの縁取りで強調するとともに、ぐるりと取り囲むラインで繭のように包み込み、そのラインがダッシュボードからリアシートにまで伸び、ダッシュボード、ドア、リアベンチ、センタートンネルを有機的に結びつける。装備面では、18段階の温度調整が可能なヒーター付きシートを配し、オプションでネックウォ-マーなどを設定して、オープン走行時の快適性を高めた。さらに、前席にはサポート性と座り心地を両立させた上質なバケットシートを装着。前席背後には、フェラーリ自身が“2+”(2+2といえるほど広いスペースではない)と表現する小ぶりのシートを配備し、ヘッドレストをダブルバブルの前端に組み込む。一方、トランクルームは220mmの厚さに折りたたまれるソフトトップの格納機構の効果で、クローズド時で容量255リットルと十分な積載スペースを確保した。 フロントミッドシップに搭載されるエンジンは、タービンの回転を測定する速度センサーや選択したギアに合わせてトルク伝達量を電子制御するバリアブル・ブースト・マネジメント、回転質量を削減したフラットプレーン式クランクシャフト、小型化を図って慣性モーメントを低減させたツインスクロールのターボチャージャーなどを採用した3855cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットで、9.45の圧縮比から最高出力620ps/5750~7500rpm、最大トルク760Nm/3000~5750rpmを発生する。オイルポンプの改良により、コールドスタート時の油圧上昇時間の70%短縮も図った。組み合わせるトランスミッションには、SF90ストラダーレ譲りの8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用。性能面では、最高速度が320km/h以上、0→100km/h加速が3.4秒を実現した。 フェラーリならではのハイパフォーマンスをオープンボディで具現化したことも、ローマ・スパイダーの訴求点だ。基本骨格にはスパイダー専用設計のサイドシルやAピラーおよびフロントウィンドフレームなどを採用して、高い剛性を確保。一方、重量増はベルリネッタ比で+84kgに抑え、車両重量は乾燥重量で1556kg、前後重量配分は前48:後52を実現した。一方、シャシー面ではオープンボディ化に即して足回りに専用セッティングを施したうえで、リアセクションにはポルトフィーノMに配備したコンポーネントをローマ・スパイダー用に改良して採用。また、サイドスリップを予測してコントロール系の制御システムへ伝達するSSC(サイドスリップ・コントロール)のバージョン6.0や、「Wet」「Comfort」「Sport」「ESC-Off」のほか「Race」モードも選択できる横方向のダイナミックコントロールシステムのFDE(フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー)なども装備した。 エアロダイナミクス性能にも磨きをかける。LD(ロードラッグ)/MD(ミディアムダウンフォース)/HD(ハイダウンフォース)の3段階のポジションで自動展開・格納するアクティブリアスポイラーは、オープン化に合わせて制御を最適化。また、ウィンドスクリーンのヘッダーレールには気流が分離する部分に5mmのノルダーを設置し、前述の新ウィンドディフレクターと合わせて、車内の乱気流と風切り音を効果的に抑制している。 ...
メルセデスAMG・SL43 Photo by Akihiko Kokubo メルセデス・ベンツのSLクラスは、世界を代表するラグジュアリースポーツである。1954年に登場した初代の300SLガルウィングという名車を持ち出すまでもなく、歴代SLはつねにクルマ好きの憧れであり続けてきた。 押しも押されもしないメルセデスのフラッグシップスポーツ。そんなSLの立ち位置が変わり始めたのは2000年代の半ば、先々代モデルのビッグマイナーチェンジ以降だった。ちょうどそのころAMGが悲願のオリジナルモデル、SLSを完成させた。SLSは専用開発のアルミシャシーにガルウィングドアを持つ、いわば300SLの再来。まさにその時、SLクラスは最高峰のスポーツモデルという地位から陥落してしまったのだ。 SLSの生産終了以降もAMGからGTという上級スポーツカーが登場したため、SLはラインアップの2番手にとどまった。もちろんAMG・GTとはキャラクターがまるで異なっていたが、SLそのものが目立たなくなってしまったことは事実だった。 メルセデスAMG・SL43/価格:9SAT 1648万円。7代目はメルセデスAMG独自開発モデル。2+2レイアウトのソフトトップオープンに大変身。日本仕様は2L直4ターボを搭載した43モデルのみ。欧州ではV8を積む63/55を設定 新型は軽量&高剛性なスペースフレーム構造のアルミ複合シャシーを採用。日本仕様は電子制御LSD/ダイナミックエンジンマウント/RACEドライビングモードをセットしたダイナミック+パッケージ標準。走りはスポーティ コクピットは機能的な造形。ドライバー正面に12.3インチ/中央に11.9インチディスプレイをレイアウト。センターディスプレイはオープン時の見やすさを考慮して12~32度の範囲で角度調節できる シートはナッパレザー仕様。前席はスポーツ 形状。後席は荷物スペースに最適。前席にはヘッドレストから温風が吹き出すエアスカーフをビルトイン。乗車定員は4名 メルセデスAMG・SL43リアシート 1991cc直4DOHC16Vターボ(381ps/480Nm)+モーター(10kW/58Nm)の48VマイルドHV。電動ターボ採用 十分なトランクスペースはソフトトップの利点。容量はオープン時213L/クローズド時240L 第7世代となった新型SLはもはやメルセデス・ベンツのSLですらない。他の乗用車ラインアップとの共通点も少ない。メルセデスAMGによる独自開発モデルとなったからだ。そしてなんと2+2の4シーターモデルとなり、ソフトトップオープンへと先祖帰りも果たした。要するにSLは全面刷新を遂げたのである。新型は、AMGブランドの一員となっただけでなく、乗用車ラインナップの2番手として、従来以上に広範囲のユーザーを狙ってモデルチェンジしたように感じられる。 ちなみにSLは歴代すべてが純2シーターと思われがちだが、2代目の“パゴダ”には3シーター仕様があったし、3代目のR107にはクローズドルーフの4シーターモデル、SLCが設定されていた。さらには4代目のR129にも欧州仕様に+2モデルが用意されたことがある。 新型は高効率2L直4ターボを搭載 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年3月22日に「CAR and DRIVER」で公開された「1973年開催のサンレモ・ラリーで優勝したアルピーヌA110をオマージュした現行A110の特別仕様車が登場」を一部編集し、転載したものです。 アルピーヌがA110の特別仕様車「A110サンレモ73」を発表。1973年にサンレモ・ラリーを制し、同年の世界ラリー選手権で初のマニュファクチャラーズタイトルを獲得してから50周年を祝うアニバーサリーモデル。販売台数は200台限定。日本への導入も決定 仏アルピーヌは2023年3月16日(現地時間)、A110に特別仕様車の「A110サンレモ73(A110 SAN REMO 73)」をラインアップし、3月17日(現地時間)より本国で予約受注を開始した。販売台数は200台限定で、車両価格は8万9000ユーロ(約1270万円)に設定する。 今回の特別仕様車は、世界ラリー選手権(WRC=World Rally Championship)初年度となる1973年開催のサンレモ・ラリーでA110 1800を駆るジャン-リュック・テリエ(Jean-Luc Thérier)選手が優勝を果たし、また同シーズンに初のマニュファクチャラーズタイトルを獲得してから50周年となることを記念したアニバーサリーモデルで、パワーユニットに1798cc直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン(300hp/340Nm)+7速DCTを採用する現行のA110をベースに、サンレモ・ラリーを制したA110 1800をオマージュした専用のアレンジを施したことが特徴である。 まず外装では、キャディブルーのボディカラーにブラック塗装のルーフアーチおよびレッドのカーボンファイバールーフ、ブラックとホワイトのボーダー状のグラフィックを採用して、往時のA110 1800のカラーリングを再現。また、フロントフードやドア、リアコンビネーションランプまわりに配したグラフィック内に“SAN REMO ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年3月17日に「CAR and DRIVER」で公開された「マセラティがGT2クラスの新型レーシングカー「MC20 GT2」を公開」を一部編集し、転載したものです。 いよいよマセラティがサーキットレースに復活! MC20をベースとしたGT2マシンの「MC20 GT2」を披露。6月にベルギーで開催されるスパ24時間レースでの正式発表に向け、イタリアンのパルマサーキットでシェイクダウンを敢行 伊マセラティは2023年3月7日(現地時間)、GT2クラスの新型レーシングカーの「MC20 GT2」を公開し、合わせてイタリアのパルマサーキットにおいてシェイクダウンを行ったと発表した。 MC20 GT2は、マセラティの新世代スーパースポーツであるMC20をベースに、FIAのグループGT2に準拠して開発したレーシングカーで、2004年にレースデビューを飾った、エンツォ・フェラーリのコンポーネントを流用するレーシングカーのMC12の実質的な後継モデルに位置する。 企画および設計に関しては、マセラティ・エンジニアリングとチェントロ・スティーレ・マセラティが共同で担当。基本骨格には軽量・高剛性のカーボンファイバー製センターモノコックを採用し、ここに高いねじり剛性と曲げ剛性を有するシャシーを組み合わせる。また、専用設計のフロントスプリッターや調整可能なリアウィングなどの空力パーツに、これらの空力パーツとの相乗効果を高めるボトムパネルを組み込み、合わせて迅速なパーツ交換の実現を狙ってクイックリリースで取り外し可能なアレンジを施した。 ミッドシップ配置のパワーユニットには、点火システムにMTC (マセラティ・ツイン・コンバスチョン) ツインスパークおよびパッシブプレチャンバーを採用した3リットル・V型6気筒DOHC直噴ツインターボエンジンを搭載。出力面はまだ未公表だが、ベースユニットの最高出力630ps/最大トルク730Nmと比べて「より高いレベルにある」とアナウンスする。一方、トランスミッションはベース車の8速DCTに代えて、専用設計の6速シーケンシャルに換装。さらに、足回りには調整可能なショックアブソーバーやアンチロールバーを、操舵機構には専用セッティングの電動パワーステアリングを組み込んだ。 頑強なロールバーを配したコクピットは、カーボンファイバー製のダッシュボードにパドルシフト付きのレーシングステアリング、レースに必要な情報を的確に表示する10インチディスプレイなどを装備。シートにはカーボンファイバー骨格のフルバケットタイプを装着している。 パルマサーキットにおけるシェイクダウンでは、イタリア国旗のトリコローレにマセラティコルセのブルーを加えた迷彩柄のカラーリングでカモフラージュしたMC20 GT2のプロトタイプが疾走する。マセラティのテストドライバーで、MC12を駆ってFIA ...