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マクラーレンの新世代スーパースポーツ「750S」が登場。パワーウェイトレシオは同セグメント最高の587ps/トンを実現

マクラーレンの新世代スーパースポーツ「750s」が登場。パワーウェイトレシオは同セグメント最高の587ps/トンを実現

(写真=CAR and DRIVER)

この記事は2023年5月9日に「CAR and DRIVER」で公開された「マクラーレンの新世代スーパースポーツ「750S」が登場。パワーウェイトレシオは同セグメント最高の587ps/トンを実現」を一部編集し、転載したものです。

マクラーレンが従来の720Sの後継を担うミッドシップスポーツの「750S」を発表。ボディタイプはクーペとスパイダーの2種類を設定。4リットルV8ツインターボエンジンは750ps/800Nmのパワー&トルクを発生

英国マクラーレン・オートモーティブは2023年4月26日(現地時間)、新型スーパースポーツの「750S」を発表した。ボディタイプはクーペとスパイダーの2種類を設定。オーダー受付およびWEBコンフィギュレーター(ボディカラーやインテリア仕様、オプション装備などを選択するツール)は、日本市場を含めてすでに開始している。

マクラーレンのSUPERシリーズに位置する従来の720Sの実質的な後継を担う750Sは、「マクラーレンの中で最も軽量かつ最もパワフルなシリーズ生産モデル」を標榜。720Sの特性を徹底的に分析したうえで約30%のコンポーネントを刷新および変更して、重量削減、パワートレインのパフォーマンス向上、エアロダイナミクスの改善など、すべてを進化させたことが特徴である。

基本骨格は、緻密な改良を施したカーボンファイバー製“モノケージⅡ”モノコックと前後アルミニウム製クラッシュストラクチャーで構成。剛性を高めつつ、軽量化も図った結果、乾燥重量はクーペが1277kg、専用設計のカーボンファイバー製アッパーストラクチャーとコンポジット製リトラクタブルハードトップ(RHT)、ロールオーバー保護システムなどを配するスパイダーはクーペ比で+49kgの1326kgを実現する。ボディサイズは全長4569×全幅1930×全高1196mm、ホイールベース2670mm、トレッド前1680/後1629mmに設定した。

縦置きミッドシップ配置のエンジンは、改良版のM840T型3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンで、最高出力は720s比で+30psの750ps/7500rpm、最大トルクは同比で+30Nmの800Nm/5500rpmを発生。また、720S用比で2.2kg軽く、かつよりクリアなエグゾーストノートを発するセンター出しの新エグゾーストシステムを採用する。一方、トランスミッションにはツインクラッチを組み込む7速SSG(シームレス・シフト・ギアボックス)を配して、後輪を駆動。性能面では、クーペとスパイダーともに最高速度332km/h、0→100km/h加速2.8秒を実現し、また欧州WLTPモード燃費は12.2リットル/100kmを成し遂た。トランスミッションのギアレシオの最適化とキックダウン制御の変更によって、インギア加速(同一ギアでの中間加速)の向上を果たしたこともトピックだ。

シャシー面に関しては、前後アルミニウム製ダブルウィッシュボーン式サスペンションに、新世代の油圧リンク式PCCⅢを採用。専用のアキュムレーターチューニングやジオメトリーの変更、軽量スプリングおよびショックアブソーバーの導入などにより路面追従性とフィードバックの向上を果たすとともに、バンプステア(フロントタイヤの上下動がサスペンションのトー角に影響する現象)の緩和を実現する。ワンタッチでフロント部分がわずか4秒で上昇し、段差を乗り越える際などに役立つ新しいビークルリフトシステムも装備した。また、シューズにはマクラーレンの生産車の標準装備としては最軽量で、720S比で13.8kgという大幅な軽量化を成し遂げた新造形の10本スポーク鍛造アロイホイール(前9J×19/後11J×20)と専用設計のピレリP ZEROタイヤ(サイズはフロントが245/35R19 93Y、リアが305/30R20 103Y)を装着。オプションとして、サーキットと一般道路の走行に対応したピレリP ZERO Corsa(コルサ)やセミレーシングタイヤのP ZERO TROFEO R(トロフェオR)も用意した。

操舵機構の改良も図り、新しいハードウェアとソフトウェアを組み込み、同時にギアレシオをクイック化した電動油圧アシスト式ステアリングを装備。また、制動機構にはカーボンセラミックディスク(前φ390/後φ380mm)+アルミニウム製キャリパー(前6ピストン/後4ピストン)を設定する。一方、パワートレインやトランスミッション、ハンドリング、足回りなどを統合制御するドライブモードとして、コンフォート/スポーツ/トラックを採用。ドライバーの好みの組み合わせを記憶し、ボタンひとつで呼び出すことが可能な新マクラーレン・コントロール・ローンチャー(MCL)も導入した。

エクステリアについては、“機能が形を決める”というマクラーレンの設計理念をさらに研ぎ澄ませたことが訴求点。デジタルLEDヘッドライトと低温ラジエーターへ続くインテークを一体化し、同時にドラッグを最小化する“アイソケット”のノーズや、拡大した新フロントスプリッター、効率性を高めたシルのエアインテークとリアホイールアーチのベント、延長したリアデッキにセンター出しのエグゾーストエンド、そしてより長くかつ高い位置に配したカーボンファイバー製アクティブリアウィングなどを採用して、空力特性のさらなる向上を図る。また、低いフロントカウルや極めてスリムなAピラー、クーペのガラス張りCピラーによって、広い視界を確保。スパイダーにはガラス張りのフライングバットレスを配備し、整流効果を高めるとともに有効な後方視界を実現した。なお、RHTのトップは11秒未満で開閉でき、約50km/h以内なら走行中でも開閉が可能である。

内包するインテリアは、ドライバーを中心にリデザインしたことが特徴。視認性を高めた新インストルメントディスプレイはコラム部にマウントされ、その両サイドにはアクティブダイナミクスの設定用ロッカースイッチを配して、ステアリングに手を置いたまま、サスペンションとパワートレインのモード変更を可能とする。また、Apple CarPlay対応のインフォテインメントディスプレイをセンター部に配置。急速充電ができるUSB-Cコネクターも装備した。内装の仕様としては「テックラックス」と「パフォーマンス」のテーマを設定し、シートおよびトリム類を総ナッパレザーまたはアルカンターラ/ナッパレザーのコンビで仕立てる。オプションとして、軽量なカーボンファイバーシェルを用いたスーパーライトウェイト・カーボンファイバー・レーシングシートや、Bowers&Wilkinsの新高級オーディオシステムなども用意した。

Writer:大貫直次郎

(提供:CAR and DRIVER)

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