試乗した「フェアレディZ」、日産横浜本社前にて Photo by Kenji Momota 日本のスポーツカーが今、将来に向けた岐路に立っている。 日本では広い世代でミニバンの需要が高く、2010年代以降はSUV人気も急上昇してきた。また、軽自動車はEVを含めて多様化が進んでいる状況。そうした中、スポーツカーはどのような形で存続するのか。日系自動車メーカーの日産自動車「Z」、マツダ「ロードスター」、トヨタ自動車「GR86」は今後どうなるのか。(ジャーナリスト 桃田健史) 海外市場の環境政策の軌道修正が 日本スポーツカーにも影響 自動車メーカー各社は今、次世代スポーツカーのあり方について思案している。 スポーツカーには定義はなく、一般的なイメージとしては2ドアのスポーティーなクルマで、日本車では日産「フェアレディZ」、マツダ「ロードスター」、そしてトヨタ「GR86」が代表例である。 そんなスポーツカーは大きな2つの課題に直面している。それは、電動化と消費者ニーズの変化だ。 電動化については、欧米や中国で2010年代後半頃からESG投資に関連した国や地域の環境政策によって電気自動車(EV)への転換の流れが生まれた。 ESG投資とは、これまでのような財務情報だけでなく、環境、社会性、企業統治(ガバナンス)を重要視した投資のこと。SDGs (国連総会で採択された「持続可能な開発目標」)とも深く関係する。 こうしたグローバルでの急激なEVシフトの風潮に対して、日本の自動車メーカーでつくる業界団体・日本自動車工業会では「敵は炭素」または「カーボンニュートラルへの道はさまざまある」といった表現を使い、国や地域の社会情勢に適応した多様な動力源を今後も継続的に生産・販売していく意向を示してきた。 そうした中、欧州連合は昨年前半、環境に関する欧州グリーン政策の中で、電動化に加えて既存の内燃機関にカーボンニュートラル燃料(CN燃料)を使うことも認めると、これまでの方針を一部変更した。 これにより、「スポーツカーの電動化構想」に変化が生じる可能性がある。 超高級スポーツカーは CN燃料とPHEVが主流か? ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年2月27日に「CAR and DRIVER」で公開された「1月軽乗用車市場は前年比78.5%と2カ月連続の前年割れ。ダイハツは前年比33.8%に!(SUV除く軽自動車販売TOP15・2024年1月)」を一部編集し、転載したものです。 1月の軽乗用車市場は92,269台の販売で前年同月比78.5%と2カ月連続で前年割れの実績。ダイハツの出荷停止の影響が大きく出た結果となった。主要ブランドのシェア(カッコ内は販売台数の前年同月比)は、ダイハツが13.2%(33.8%)、スズキは37.7%(同100.2%)、ホンダは23.7%(同88.3%)。ダイハツは先月のシェア(27.5%)の半分ほどに。 1月車種別ランキング首位はホンダN-BOX。前年同月比88%ながら1万7000台以上のセールスで2位に大きく差をつけた。出荷停止により6位にダウンしたダイハツ・タントに代わって2位に浮上したのはスズキ・スペーシア。全体需要が2割以上落ち込む中、同比111%の11,316台を販売、前年超えの実績はTOP15のうち、4モデルだけだ。 下記ランキングではタフト(本誌ではSUV車として別カウント)を除外しているが、軽乗用車のTOP10セールスのうち、ダイハツ4車種がしばらく出荷停止状態となっている。 ■カー・アンド・ドライバー調べ (※ジムニーやタフトなどのSUVモデルは別カウント) Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 (提供:CAR and DRIVER)
ホンダWR-V・Z+/価格:CVT 248万9300円 WR-VはホンダのエントリーSUV。力強いスタイリング/広い室内/手ごろな価格が魅力。パワーユニットは1.5L(118ps)の純エンジン。ありそうでなかった素顔美人なキャラクターである。 内外装デザインのコンセプト 自信あふれる逞しさ ホンダから、新型SUVが登場した。ZR-Vは、日本/タイ/インドの共同チームで開発、インドで生産して日本では輸入車として販売するフレッシュモデルだ。 ホンダにはヴェゼルやZR-Vといった中級モデルはあるものの、日本市場用エントリークラスSUVが不在だった。WR-Vはトヨタのヤリスクロスやライズ、そしてダイハツ・ロッキーなどをライバルとするフレンドリーなキャラクターの持ち主である。 ボディサイズは4325×1790×1650mm。ヴェゼル(4330×1790×1580mm)に近いが、見てのとおりスクエアな力強いフォルムとされている点が個性。内外装デザインのコンセプトは、「MUSCLE&CONFIDENT=自信あふれる逞しさ」である。 WR-Vの価格は全車250万円以下。Z+はZ(234万9600円)にシルバーの各部モールディングとルーフガーニッシュを追加した最上級モデル インパネは機能的。高めの着座位置からの視界はワイド。ナビ&オーディオはディーラーop。写真の9インチは21万2300円、他に8インチナビ(14万9600円)と8インチディスプレイオーディオ(9万7900円)を設定 室内は前後席とも余裕たっぷり。シートはクッション性と座り心地に優れた上質仕様。Z系はプライムスムースとファブリックのコンビ仕様が標準 ホンダWR-Vリアシート ラゲッジスペースは大容量。写真は4名分のキャンプ用品を搭載した状態。スクエアで、しかも幅/奥行き/高さに余裕があるため後席を立てラゲッジボードを装着したままで積み込み可能。左の写真は4名分の荷物を並べたシーン。これほどの量が積めるのは驚き。リアゲートは手動式だが開閉操作は軽く扱いやすい。後席は6対4分割タイプ パワートレーンにハイブリッドや4WDの設定はなく、自然吸気の1.5L直列4気筒i-VTEC(118ps/142Nm)を積んだFFモデルのみ。最低地上高は195mmと余裕たっぷり。それなりに悪路にも対応できるに違いない。 ラインアップは、16インチスチールホイールを履くエントリーのX(209万8800円)と、17インチアルミやLEDフォグライトを装備する上級のZ(234万9600円)、そしてZに各部のデコレーションを加えたZ+(248万9300円)という3グレード構成。パワートレーンなどをシンプルに割り切ったことで、全車200万円台前半というリーズナブルな価格を実現した。装備は充実しており、ホンダセンシングをはじめ、フルLEDヘッドライト、ナビ装着用パッケージ、パドルシフトなどは全車に標準装備。価格は安いが、決して“我慢グルマ”ではない。 素直で気持ちのいいキャラクター 使い勝手に優れ、走りも意のまま 2024年3月の発売に先立ち、いち早くテストコースで試乗する機会を得た。内外装デザインはシンプルながら、質感の高さが印象的。中でもボディパネルのリアフェンダーあたりの処理はボリューム感たっぷり。最新設備のあるインドの工場でないと実現できなかったとのことで、たしかに凝った形状をしている。 インテリアは機能的で整然とまとめられている。サイドブレーキがレバー式という点を歓迎する声は、小さくなさそうだ。 プラットフォームは、前半分がフィット、後ろ半分はアジアで販売されている小型SUVという構成。センタータンクではなく、燃料タンクは後席下に配置。ただしフィットと前半フロアを共用しているため、前席下のふくらみは残っている。後席の居住性をはじめ車内空間はクラストップと呼べるほど広い。まさに余裕たっぷりだ。後席用のエアコン送風口を標準装備するなど、配慮も十分である。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年2月25日に「CAR and DRIVER」で公開された「2024年1月欧州新車販売、メーカー別販売台数ランキング」を一部編集し、転載したものです。 ■2024年1月欧州新車販売、メーカー別販売台数ランキング ACEA(欧州自動車工業会)が発表した2024年1月のメーカー別新車販売台数は、VWグループが25万8401台でトップ。前年同月比は8.1%増だった。VWブランドは9万5498台で前年同月比5.2%減だったが、シュコダやアウディ、セアトなどの主力ブランドは前年同月比2桁増。中でも1万6154台を販売したクプラは同79.4%と躍進した。なお、クプラはセアト傘下のブランドで、本拠地はスペイン・バルセロナにある。 VWに続く2位はステランティス。販売台数は18万3120台(同16.9%増)でプジョー、オペル/ボグゾール、シトロエン、ジープはそろって前年同月比20%以上の伸びを達成した。 3位のルノー・グループは9万2935台(同2.1%減)。ダチアは前年同月比7.7%増だったが、ルノー(4万1050台)は同12.2%減と震わなかった。 4位以下は次のとおり。 4位:ヒョンデ・グループ/8万6525台(同1.2%増) 5位:トヨタ・グループ/8万3420台(同9.2%増) 6位:BMWグループ/7万2259台(同29.7%増) 7位:メルセデス・ベンツ/4万2258台(同10.6%減) 8位:フォード/3万5603台(同6.1%減) 9位:日産/2万6839台(同38.0%増) 10位:ボルボ・カーズ/2万6033台(同25.2%増) 11位:テスラ/1万7493台(同86.3%増) 12位:上海汽車/1万6776台(同26.9%増) ...
BYD SEAL 価格:未定 Photo by Shinya Yamamoto BEVはテスラと世界トップの座を競う新進気鋭のメーカー。日本ではATTO3/ドルフィンに続く第3のBEV、SEALの発売が近い。新型はクーペフォルムのスポーツセダン。いち早く走りを体感した。 2024年に投入 中国でSEALに試乗 BYDは2022年7月に日本の乗用車参入を発表して以降、BEVのATTO3とドルフィンを発売。JMSでは、第3弾のSEAL(シール)を2024年に投入する計画を発表した。ひと足先に中国でSEALに試乗してきたので報告しよう。 まずBYDについて解説しておこう。1995年にバッテリーメーカーとして起業した会社で、本社は中国のシリコンバレーと呼ばれる中国南部・広東省深セン市に構える。BYDは携帯電話向けのリチウムイオン電池事業を手がけ、確固たる足場を築いた。2003年に小規模な自動車メーカーを買収し自動車業界へと参入。当初は日本車のコピーのようなクルマも多かったが、短期間で独自性を備えたモデルを開発・投入。高い評価を得た。 その結果、2022年の乗用BEV販売台数は前年比2.8倍の91万台を記録。2023年の7~9月のBEVの販売台数は43万1603台と1位のテスラとの差はわずか3456台にすぎない。現在は中国に限らず、グローバルでビジネスを展開中である。ちなみに日本市場ではBEVのみの販売だが、グローバルではPHEVも発売しており、その比率は現在5対5だという。 BYD・SEAL BYD SEAL(シール)。SEALはBEVスポーツセダン。本国ではPHEVも設定されるが、日本仕様はBEVのみ。ツインモーター4WDとシングルモーター2WDをラインアップする。システム出力はそれぞれ 390kW/230kW。一充電当たりの航続距離と 0→100km/h加速データは4WDが575km/3.8秒、2WDは640km/5.4秒 インテリアはドライバー正面に小型のフル液晶メーター、センターに回転式の大型ディスプレイを配置。高めに設定されたコンソールが適度なスポーティフィールを演出する。走りは滑らかで速い。だがハイスピード領域では挙動の一体感がやや不足している印象を受けた シ ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年2月18日に「CAR and DRIVER」で公開された「【注目技術ガイド】やっぱりエンジン! 発電用エンジンが電動車に新たな魅力を与える」を一部編集し、転載したものです。 ■MX-30に試乗してロータリーの可能性を実感 MX-30・Rotary-EVに試乗しているとき、不思議な現象が起きた。エンジンがかかっているようにはまるで思えなかったのに、メーターパネル内の燃費計がそれまでの「—.—km/リッター」から「60.0km/リッター」に切り替わった後、コンスタントに低下していき、最終的には「22.0km/リッター」あたりで落ち着いたのである。 このとき私が選択していたのはノーマルモード。MX-30・Rotary-EVにはこれ以外にEVモードとチャージモードがある。ノーマルモードは一般的なPHEVのハイブリッドモードと考えられる。 エンジンがかかっていない(ように思えた)のに燃費データが低下していったのは、いかにも不思議。そこでマツダのエンジニアに尋ねたねたところ、こんな答えが返ってきた。 「MX-30・Rotary-EVに搭載されたエンジンの最高出力は53kWですが、モーター出力にはもっと余裕があって最高120kWを生み出せます。そこで、エンジンだけでは不足する約70kWの電力を必要に応じて車載の高圧バッテリーでカバーするのですが、バッテリーの最大出力はSOC(充電率)によっても変化します。MX-30・Rotary-EVの場合、SOCが46%のときにバッテリーの最高出力が70kWとなるので、ノーマルモードではSOC46%を維持するようにエンジンで充電しています」 この答えには心底、驚いた。私が気づかなかっただけで、試乗中にもエンジンはかかっていたのだ。 これに先立ち、エンジンがかかるとどんな振動やノイズが伝わってくるのかを確認するため、私はチャージモードを試していた。すると、「ルルルルルルッ!」となにかが勢いよく回転していることを感じさせるバイブレーションと音がかすかに認められた。ただし、ノーマルモードで走っているとき、これに類する振動やノイズは感じられなかった。だから私は「エンジンはかかっていない」と判断したのである。でも、実際にエンジンはかかっていた。なぜ、私は気づかなかったのか? その答えは「ノーマルモードでは、エンジンの振動やノイズができるだけ小さくなる負荷領域でバッテリーを充電しているから」という。一方のチャージモードでは、設定されたSOCまで素早く充電するため、最高出力が得られる4300rpm付近でエンジンを回すという。つまり、使い方しだいでは、その存在をまったく感じないほど、8Cと呼ばれる発電用の新開発ロータリーは静粛性に優れているのである。エンジンがかかっていても純BEVのイメージで走れた。 ■日常はBEV。そして長距離でも電欠知らず。ロータリーが地球への優しさを実現 8Cはシングルローターであるにもかかわらず、エンジンがかかっていることをまるで気づかせないとはさすがだ。とはいえ、それでも問題は残る。燃費が決して良好とはいえないことだ。 先ほど燃費計は最終的に22km/リッターあたりで落ち着いたと記したが、これはバッテリー電力で走行した距離も含んだ平均燃費である。そこで表示された電費やSOCの変化分などから実質的な燃費を再計算すると、ロータリー単独の燃費は、約13km/リッターとの答えが得られた。この計算は必ずしも正確とはいいきれないが、カタログ記載の15.4km/リッターというハイブリッド燃費とのズレはさほど大きくない。いずれにせよ、発電用エンジンを積むMX-30・Rotary-EVの実質的な燃費は10km/リッター台半ばと考えられるだろう。 この効率の低さこそ、ロータリーエンジン最大のアキレス腱である。そして、この点だけを取り上げれば、CO₂削減が求められる現在、ロータリーエンジンが生き延びることは不可能ともいえる。 けれども、マツダの中井英二執行役員は、ロータリーエンジンの価値をこんな風に説明してくれた。「われわれの調査によると、お客さまの90%以上は平日の走行距離が100km未満で、週末にのみ最長600kmほどの遠出をします。つまり、MX-30・Rotary-EVであれば平日はピュアBEVとして、そして休日は遠距離走行が可能なハイブリッド車として使うことで、CO₂削減と使い勝手のよさを両立できるのです。しかも、ロータリーエンジンを用いずに、これと同じようなPHEVをコンパクトサイズでまとめ上げるのは、かなり難しいと思いますよ」 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年2月9日に「CAR and DRIVER」で公開された「新型BMW5シリーズ ツーリングが日本デビュー。48Vマイルドハイブリッドシステムを採用したディーゼル仕様とピュア電気自動車のi5を設定」を一部編集し、転載したものです。 BMWが第8世代となる新型5シリーズのツーリングを日本で発売。車種展開は電気自動車のi5ツーリングと、48Vマイルドハイブリッドシステムを採用したディーゼル仕様の523dツーリングで構成。新時代のプレミアムワゴンにふさわしい先進のデジタル技術も積極的に導入 BMWジャパンは2024年2月7日、新世代プレミアムミドルクラスワゴンの新型5シリーズ ツーリングを発表し、同日より発売した。 車種展開は以下の通り。 523dツーリングxDriveエクスクルーシブ:890万円 523dツーリングxDrive Mスポーツ:960万円 i5ツーリングeDrive40 エクセレンス:1040万円 i5ツーリングeDrive40 Mスポーツ:1040万円 i5ツーリングM60 xDrive:1600万円 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年2月13日に「CAR and DRIVER」で公開された「【必読レポート】池田直渡が語る「電動化時代のスポーツカー像」」を一部編集し、転載したものです。 ■ロータリーEVは、今後マツダの独自性を鮮明にする技術として発展する マツダは中期経営計画の中で、「商品/技術のビルデングブロック構想」を打ち出している。技術は個別バラバラではなく、順列組み合わせで、3つの群で展開が可能になるビジョンだ。 今回MX-30・Rotary-EVに搭載されたロータリーレンジエクステンダーもそのビルディングブロック構想の一部となっている。MX-30は3つの群の内、スモール群に分類される車両で、パワートレインは横置きかつモーターと同軸にしたワンローターユニットからなる。システム構成としてみればシリーズハイブリッドであり、17.8kWhのバッテリーと組み合わせることで、WLTCモードで107kmのEV航続距離と15.4km/リッターのハイブリッド燃費を達成している。 シリーズハイブリッドシステムでありながら、運用上、日々の使用はBEVとしてゼロエミッションを達成。長距離が求められるケースに限り、ロータリーユニットで発電しながらモーターで走る。ここで重要なのは、車両の生涯走行距離のほとんどはBEVとして運用されるという点である。世の中にはもっとハイブリッド燃費のいいユニットも存在するが、エンジンの出番が決して多くないことを前提にすれば、コンパクトさと価格の安さこそが重視されるべき。大きく複雑でコストの高いユニットをマレな使用機会のために温存するのはエンジニアリングとしてスマートではない。そういう意味では、R-EVは当面レンジエクステンダーの決定版となり得る素質がある。 さらに2023年10月末に開催されたジャパンモビリティショー(JMS2023)では、このロータリーレンジエクステンダーを2ローター化して搭載したコンセプトモデル、ICONIC SPが出品されて注目を集めた。 ■ICONIC SPは電動化時代の新スポーツカー像を提示。ロータリー直接駆動も夢ではない ICONIC SPでは、2ローターユニットは縦置きに搭載された。ユニットはアルミのXバックボーンフレームに深い位置でフロントミッドシップに搭載される。システム構成上、トランスミッションを持たないので、ロードスター以上にユニットを後ろに寄せて搭載できる。システム出力は370ps、パワーウェイトレシオ3.9kg/ps、前後重量配分50対50というから、常識的に考えてRX-7後継の本格的ミドルスポーツとして企画されていることがわかる。 つまりロータリー発電ユニットは、2ローター化によって、電動化時代のスポーツカーを誕生させたともいえる。このユニットがあれば、各国の環境規制を満たすスポーツカーを生産することができるというわけだ。ちなみにマツダの資料には燃料について、カーボンニュートラル燃料(CNF)と書かれている。 ロータリー・ファンの方々は、ICONIC SPがかつてのRX-7のように、直接後輪を駆動して走る姿に期待を寄せるだろう。システムとしてはそれも可能だ。ポイントは縦置き搭載である。インテリアを見てもセンタートンネルはかなり高い。普通に考えてエキセントリックシャフトからプロペラシャフトを回して、後輪を駆動することが想定されているメカニカルパッケージである。 ラージ群のトランスミッションをこれに組み合わせれば、本当の意味でRX-7復活という可能性もあるかもしれない。エンジン出力の向上やマウント位置の工夫など、課題はそれなりにあるが、少なくともエンジン駆動が不可能にならないように細心の注意を払った設計がなされている。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年2月3日に「CAR and DRIVER」で公開された「ミツオカ・ビュート・ストーリーが機能装備の拡充をメインとした一部改良を実施」を一部編集し、転載したものです。 光岡自動車が人気プレミムコンパクトカーの「ビュート・ストーリー」をマイナーチェンジ。ボディカラーの一部変更やマルチインフォメーションディスプレイの大型化、安全・機能装備の拡充などを図って魅力度をアップ 光岡自動車は2023年2月1日、プレミアムコンパクトカーの「ビュート・ストーリー(Viewt story)」を商品改良し、同日より発売した。 車種展開は以下の通り。 ■1リットル直列3気筒ガソリンエンジン+CVT 10DX:2WD322万5200円 10LX:2WD345万4000円 ■1.5リットル直列3気筒ガソリンエンジン+6MT 15DX:2WD362万1200円 15LX:2WD385万円 ■1.5リットル直列3気筒ガソリンエンジン+CVT 15DX:2WD368万7200円/4WD385万円 15LX:2WD391万6000円/4WD408万1000円 ■1.5リットル直列3気筒ガソリンエンジン+モーター+電気式無段変速機 ...
ヒョンデ・コナ・ラウンジ2トーン/価格:489万5000円 Photo by Koujirou Yokota 世界第3位の自動車メーカー、ヒョンデの日本再挑戦第2弾BEVはSUVスタイル。コナはリーズナブルな戦略価格と充実装備、そして最長625kmの航続距離が魅力。各部は日本最適仕様となっている。 アイオニック5に次ぐBEV第2弾 SUVスタイル、名称はハワイの地名に由来 グローバルでは現在、世界3位の大規模メーカーながら、ヒュンダイは日本での乗用車販売に苦戦。2001年の参入からわずか8年ほどで撤退した(アフターサービスとバスなどの大型車は継続)。 それから12年。グローバルでのブランド名称統一の動きに従い“ヒョンデ”に変更すると共に、乗用車事業に再参入したこのブランドからアイオニック5に次ぐBEV第2弾としてコナ(KONA)が発表された。コナはSUVスタイル。名称はハワイの地名に由来する。 ラインアップはカジュアル/ボヤージュ/ラウンジ/ラウンジ2トーンの4グレード。価格は399万3000円から489万5000円と、内容を考えるとリーズナブルで、CEV補助金は全車65万円となる。 コナはカジュアル/ボヤージュ/ラウンジ/ラウンジ2トーンの4グレード。ラウンジのバッテリー容量は64.8kWh、一充電航続距離は541km インパネはすっきりとしたデザイン。12.3inのメーターとセンターモニターが連結したパノラマディスプレイ仕様。主要コントロールは物理スイッチで操作でき初めて乗ってもまごつかない ラウンジは前席ベンチレーション機能付き本革シート標準。シートヒーターは全席に装備。後席フロアはフラット形状。室内は広く快適。室内色は黒とベージュを設定 ヒョンデ・コナ・ラウンジ2トーンリアシート フロントのリッド付きスペースは充電ケーブルの収納に最適 荷室はアレンジ多彩な大容量。リアゲートは電動式 モーター/バッテリー容量は、カジュアルが99kW(135ps)/48.6kWh。上位3グレードは150kW(204ps)/64.8kWh。一充電当たりの航続距離はWLTCモードで456~625kmと余裕たっぷり。ちなみにボディサイズは4355×1825×1590mmと手ごろにまとめられている。 ヒョンデは、2度目の参入となる今回、オンライン販売のみという試みを行っている。それゆえ購入を希望しても実車とコンタクトできる機会が少ないのは事実。初めてアイオニック5(同4635×1890×1645mm)を目にする人からは「これほど大きいとは思わなかった」という声も聞かれるという。その点、コナが日本の環境にフレンドリーな存在であることは間違いない。 コナにはBEVだけではなく、バリエーション中に3気筒1Lもしくは4気筒1.6Lのターボ付きガソリンユニットを搭載する純エンジン車と、4気筒1.6Lユニットをシステムに組み込んだHEVバージョンが存在する。 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年1月23日に「CAR and DRIVER」で公開された「トヨタ車体が東京オートサロン2024でランドクルーザーのカスタマイズカー2台を披露」を一部編集し、転載したものです。 トヨタ車体が東京オートサロン2024において海外仕様純正部品を選りすぐって装着したカスタマイズカーの「ブラッククルーザー70」と、2023年の東京オートサロンに出展した「ランクル40×ランクル70」の完成形を公開 トヨタ車体は2024年1月12日、東京オートサロン2024において同社が運営する「ランクルBASE」からカスタマイズカーの「ブラッククルーザー70」と、2023年の東京オートサロンに出展した「ランクル40×ランクル70」の完成形を披露した。 まずはランクルBASEカスタム「ブラッククルーザー70」。世界各地で様々な使われ方をしているランドクルーザー70だからこそ設定されている多彩な海外仕様純正部品を選りすぐって装着したカスタマイズカーで、ボディカラーにはオリジナルマット塗装のアティチュードブラックマイカを施すことでモダンさとタフさを表現する。海外仕様純正部品としてはウインチやシュノーケル、サイドミラーなどを装備。また、参考出品のオリジナルパーツとしてラジエターグリルやバンパー、スキッドプレート、フロントターンランプレンズ、オーバーフェンダーなどを配備した。車名のブラッククルーザー(Black CRUISER)には、海外純正部品を日本に持ち込む“黒船”との思いを込めている。なお、ブースには海外仕様純正部品の展示コーナーを設け、年央販売予定のウインチ&FRバンパーセット、ピントルフック&ステップセット、16インチアルミホイール、リアコンビネーションランプなどを紹介していた。 もう1台は、2023年の東京オートサロンに出展した「ランクル40×ランクル70」の完成形。ランドクルーザー40のボディにランドクルーザー70のベアシャシーを組み合わせたカスタマイズカーで、70の高い耐久性や信頼性、悪路走破性はそのままに、40のクラシカルなボディとカラーリングを活かしたスタイルに仕立てる。今回の完成形では、各部を熟成させるとともに、ボディ前部を改造してラジエーターを搭載。ボディ延長分は165mmとなる。また、電装系では40の24Vと70の12Vを両立。さらに、排ガス基準・法規に適合させて公道走行を可能とした。一方で内装については、インパネなどをよりハイクオリティに仕上げるとともに、ヘッドライナーやシート表皮、フロアマットなどに難燃性の素材を採用して法規制に対応させている。 Writer:大貫直次郎 (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年1月22日に「CAR and DRIVER」で公開された「【新車早わかり】ホンダ・オデッセイがよりスタイリッシュ&ラグジュアリーになって復活。ブラックエディション新登場」を一部編集し、転載したものです。 ■新型は輸入車として導入。全車e:HEVハイブリッド ホンダは2023年12月8日、改良版のオデッセイ(480万400〜516万4500円)を発売した。現行オデッセイは2021年12月に埼玉・狭山工場の閉鎖に伴い生産を中止。翌年9月には販売も終了していた。 今回の再発売は、ユーザーからの強い要望を受けての対応。新型は中国・広州工場で生産され、日本には輸入車として上陸する。 ラインアップは、アブソルート、アブソルートEX、そして新グレードとなるアブソルートEXブラックエディションの3タイプ。全車2リッターガソリン(145ps/175Nm)+モーター(185ps/315Nm)のe:HEVハイブリッド仕様で駆動方式はFFとなる。WLTCモード燃費は19.6〜19.9km/リッターをマークする。 ■ラグジュアリーな内外装に注目。各部はスポーティな印象 ハイライトは、一段とスタイリッシュになったエクステリアと、ラグジュアリーな室内。新型は新デザインのフロントグリルを採用。グリル開口部の拡大でワイド感を強調するとともに、5本メッキバーとエンブレム配置の工夫で高級感を高めた。 新設定のブラックエディションは、ブラッククローム仕上げのグリル、スモーク調リアランプ、マットベルリナブラックの18インチアルミを装着。シリーズ中で最も精悍な印象をアピールする。 室内は全車に、2列目4ウェイパワーシートを採用。新たにオットマンとリクライニング操作を電動化して、より快適な着座姿勢が取れるようにした。シート自体のデザインも洗練され、ミニテーブル付きのアームレストなど高級感をいっそう高めている。 2列目は前後調節に加えて左右位置もアレンジ可能。それぞれドア側に寄せて中央部にスペースを作ると折りたたみ式のセンターテーブルが利用できる設計になっている。 シートマテリアルは、アブソルートがファブリックと合成皮革のコンビ。上位2グレードは本革。プレミアムイメージを高めた新型は、2列目にゲストを招くのにも最適なキャラクター。ファミリームーバーとしてはもちろん、VIP用フォーマルサルーンとしての適性も高い。 走行機能面では、回生ブレーキの強さをパドル操作で調節できる減速セレクターを新採用。下り坂での走行や前走車との車間距離調節に活用できる機能である。走行メインセレクターは、従来のレバー形状から、指先だけで操作できるボタン式に刷新された。 安全・運転支援も充実した。ホンダセンシングは、近距離衝突軽減ブレーキ/オートハイビーム/急アクセル抑制機能を盛り込んだ最新版。ACCは渋滞追従機能付きのアダプティブタイプを採用する。 改良版オデッセイは低床ミニバンという従来からの価値を一段と高め、快適なキャラクターを鮮明にしている。 ■フォトギャラリー ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年1月22日に「CAR and DRIVER」で公開された「1.6Lガソリンターボエンジンを搭載したレクサスLBXのコンセプトモデル「LBX MORIZO RR CONCEPT」が初公開」を一部編集し、転載したものです。 レクサスが東京オートサロン2024においてクラスレスコンパクトのLBXをベースとするカスタマイズコンセプトカー「LBX MORIZO RR CONCEPT」を披露。モリゾウことマスタードライバーである豊田章男会長とともに、基本素性をさらに鍛え上げ、クルマと対話し運転の楽しさを追求。パワートレインはG16E-GTS型1.6LガソリンターボエンジンとDirect Shift 8AT、電子制御フルタイムAWDで構成 レクサスは2024年1月12日、東京オートサロン2024においてクラスレスコンパクトのLBXをベースとするカスタマイズコンセプトカー「LBX MORIZO RR CONCEPT」を初公開した。 “1人のクルマ好き”として、クルマ好きの皆さんともっと熱くなりたい、未来を一緒に作っていきたいというモリゾウこと豊田章男会長の想いから設置した「MORIZO ...
アウディQ8スポーツバックe-tron・55クワトロSライン/価格:1317万円 Photo by Hiroya Yamagami アウディの電動化戦略を牽引するe-tronが“Q8”の名称をプラス。ブランドを牽引するポジションを明確にした。新型は電池容量を筆頭に各部をリファインした意欲作。スポーツバックに試乗した。 ラインアップの頂点を示す Q8を車名に アウディは2026年から新たに発表するモデルをすべてBEVとし、2033年には中国を除いて内燃エンジンの生産を停止するという電動化戦略ロードマップを描いている。 そのアウディが2018年に初のBEVとして送り出し、2022年末までに約16万台を販売したe-tronをフェイスリフトし、ラインアップの頂点を示すQ8を車名に加えた。 一充電当たりのWLTCモード航続距離は従来比+78kmの501km インパネはナビ機能付きセンターディスプレイとコントロールディスプレイを備えたデジタル仕様。新型は一体感のあるステアリングフィールが印象的 シートはスポーツ形状の本革仕様。クーペフォルムのスポーツバックでも室内は余裕たっぷり。足回りはしなやか。乗り心地は全域ハイレベル アウディQ8スポーツバックe-tronリアシート フロントにも荷物スペースを用意。充電ケーブルなどの収納に最適 新型は、メカはもちろん各部が大幅にグレードアップした。一充電当たりの走行距離が伸び、最大150kWの急速充電に対応。エクステリアがリファインされただけでなく、リサイクル素材の積極的な採用など話題満載だ。ラインアップは55と50の2タイプ。ボディタイプはHBスタイルの標準モデルと、クーペフォルムのスポーツバック(55に設定)が選べる。 BEVの肝となるバッテリー総容量は、上級の55が114kW。従来比で19kWh増した。これは、製造工程で生じる電極材の隙間を極限まで小さくするスタッキング方式の採用と、セル内の化学物質の配合見直しで、エネルギー密度を向上させた成果だという。一方、50には従来の55用の95kWバッテリーが搭載されている。 アウディらしさが フルに味わえるモデル 一充電当たりのWLTCモード航続距離は、55が従来比+78kmの501km、50は同+89kmの424km。航続距離の延長は、「バッテリー容量の増加とともに、空力性能やモーターの効率向上がもたらした」と説明された。 ...
現代自動車グループの新年会で新年の挨拶をするチョン・ウィソン会長(c)news1 【KOREA WAVE】韓国・現代(ヒョンデ)自動車グループが昨年、米電気自動車市場でGM、フォードを抜いて販売台で初めて2位を記録した。現代自動車グループが年間で米EV市場で販売2位を記録したのは今回が初めてだ。 米自動車評価機関ケリー・ブルーブックによると、現代自動車グループは昨年、米EV市場で9万4340台のEVを販売し、市場シェア7.8%を占め2位を記録した。 1位はテスラ(65万4888台・55.1%)で、3位は7万5883台を販売したGM、4位は7万2608台版売したフォードだった。 現代自動車グループは2022年には5万8028台を販売し、テスラ、フォードに次いで3位を記録したが、昨年の販売台数が63%増え、2位になった。 昨年、アイオニック5の販売台数は前年より47.6%増えた3万3918台を記録し、ニロEV(1万2157台)、コナEV(8866台)も販売台数がそれぞれ48%、96%増えた。昨年初めて米国市場で販売を開始したアイオニック6は1万2999台が売れた。 約10年ぶりにEVの販売台数が増えたのはセダン、SUVなどさまざまなモデルのEVを発売したことがプラスの影響を及ぼしたという分析が出ている。また、米インフレ削減法税額控除例外条項に当たるリース市場を集中的に攻略したのも販売量増加に一役買ったと評価されている。現代自動車は全体EV販売の40%ほどをリースで販売した。 (c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年1月5日に「CAR and DRIVER」で公開された「日産・自動車大学校の学生が企画したカスタマイズカーが東京オートサロン2024でお披露目」を一部編集し、転載したものです。 日産が東京オートサロン2024において日産・自動車大学校の学生が企画・制作したエルグランド、キューブ、スカイラインのカスタマイズカーを展示すると発表 日産自動車は2023年12月22日、2024年1月12日から14日にかけて千葉県の幕張メッセで開催される東京オートサロン2024において、日産グループの学校法人日産学園 日産・自動車大学校の学生が企画・制作したカスタマイズカーを展示すると発表した。 日産・自動車大学校は、全国に5校(栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校)設置。5校に共通する自動車整備の国家資格取得を目指す学科に加え、モータースポーツ系や車体系(板金・塗装)の課程をもつ自動車整備専門学校である。今回、車体系の課程を有する愛知校・京都校の学生たちが授業の集大成として企画・制作した3台の車両を東京オートサロン2024で披露することとなった。 3台のカスタマイズカーを紹介していこう。 まず、日産京都自動車大学校 自動車整備・カスタマイズ科4年生が6カ月かけて企画・制作したエルグランド(E52)をベースとする「ELGLAND GLASSIER」。車両コンセプトは“紡ぐ”で、両親と2人の兄弟と祖父母という、仲の良い6人家族が乗ることをイメージして企画する。家族全員でキャンプを楽しみ、笑顔が絶えないクルマを目指すとともに、アウトドアを満喫しながら家族の絆を深めて欲しいという願いを込めて内外装をアレンジ。また、災害時に悪路を走行することを想定して車高をベース車両から4cmアップし、さらにルーフには大型テントを設けて、万が一の時にも大切な家族を守る。エクステリアについては、フロント部にオフロード感を出す目的でエクストレイル(T33)のフェイスを採用。一方でリアは、学生らしい“今ドキ感”を感じさせる一直線のテールランプをあしらってスタイリッシュな印象に仕上げた。ボディカラーは、夜明けをイメージして学生がオリジナルで調色。夜から朝にかけて広がる幻想的なグリーンをベースに、朝焼けの雲に照らされるオレンジを差し色としてリップスポイラーやサイドステップ、インテリアに施している。 2台目は日産京都自動車大学校 自動車整備・カスタマイズ科4年生が6カ月かけて企画・制作したキューブ(Z12)ベースの「SETO」。“過去と現在の架け橋”をコンセプトに、前述の仲の良い6人家族の姉(22歳)がお洒落なカフェや都会のナイトライフをクルマとともに楽しむシーンをイメージし、ユニークで可愛いパイクカーに仕上げる。エクステリアはベース車両のキューブに、ブルーバード(410)のフロントフェイスとテールランプを装着。異なるクルマのフェンダーとボンネットを自然な形でつなぎ合わせるべく、溶接・パテ造形の調整を何度も繰り返して調和させた。ヘッドライトはコンセプトのなかの“現在”感を意識し、ハロゲンではなくLEDを採用。姉が友達と自由気ままな旅行に行くシーンを想定し、天井にはバケットを配備する。ボディカラーは学生が考案した淡い紺色で、姉が友人とナイトライフを楽しむべく、夕方の青から夜の黒に向けて出かけるシーンを表現している。 3台目は日産愛知自動車大学校 自動車整備・カーボディーマスター科3年生が2.5カ月かけて企画・制作したスカイライン(ER34)ベースの「Adonis SKYLINE」。車両コンセプトには“誰もが夢中になってしまう美少年のようなクルマ”を掲げ、クルマ好きな20代の男性を想定ターゲットに、仕事もプライベートも充実した若者が普段使いするシーンをイメージして企画する。スカイラインの流麗なボディラインはそのままに、持ち主の充実ライフを表現すべく、5㎝ワイド化して堂々としたフォルムを実現。制作過程では、ボディラインのゆがみが出ないよう、位置合わせや修正に多くの時間を費やした。また、インテリアはダッシュパネルの表面も変更し、落ち着いた車内空間を演出する。ボディカラーはAdonisホワイトと名づけた学生オリジナルのフレッシュな調色を施し、コンセプトである美少年を表現した。 Writer:大貫直次郎 ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2024年1月5日に「CAR and DRIVER」で公開された「【復刻版カタログ】コンセプトは「THE SPORTS CAR」、圧倒的パフォーマンスで魅了した3代目アンフィニRX-7(FD3S型)の肖像」を一部編集し、転載したものです。 ■1992年_アンフィニRX-7(FD3S型) 1992年モデルのアンフィニRX-7(FD3S型)の復刻版カタログ。カタログは1992年10月版(全48ページ編集/実寸280×280mm)。ロータリー・ピュアスポーツとして現在でも絶大な人気を集める3代目RX-7(FD3S型)は、マツダ787Bがル・マン24時間レースを制した1991年に登場。従来の「サバンナ」のサブネームが外れ、当初は当時の販売ブランドの「アンフィニRX-7」、1997年からは「マツダRX-7」を名乗った。 開発コンセプトは「THE SPORTS CAR」。フロントミッドシップ・レイアウトと低重心化、50対50の理想的な前後重量配分、そして何より13B型2ローター・ロータリーターボのポテンシャルアップにより、圧倒的なパフォーマンスを実現した。エンジンはシーケンシャル・ツインターボ「13B-REW型」。最高許容回転数を8000rpmに高め、当初は255ps/30kgm、最終的には280psまでパワーアップする。 ロータリーロケットの愛称に相応しく、その速さはまさに圧巻。スポーツカーと呼ぶにふさわしいフットワークとともに、多くのマニアのハートを魅了した。1991年デビュー時のボディサイズは全長×全幅×全高4295×1760×1230mm、車重は1250〜1320kg、主要モデル、タイプRの新車時価格は385万円。 ※資料提供/ブックガレージ Writer:横田宏近(CD編集部)、Photo:MAZDA (提供:CAR and DRIVER)
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年12月15日に「CAR and DRIVER」で公開された「クルマで音楽を聴く。その理由は? その効果は? 自動車ジャーナリスト・岡本幸一郎さんが徹底的に考えた」を一部編集し、転載したものです。 ■クルマに乗ると、どうして音楽が聞きたくなるのだろうか 人はクルマに乗ると、どうして音楽を聴きたくなるのだろうか。音楽はなにごとにも付き物だが、とくにクルマに乗ったときに聴きたくなるように感じる。根拠はないが、なにか人間の本能的なものと関係しているのかもしれない。音楽が大好きな人も、それほどでもない人も同様なのだから、そう考えてしまう。 クルマは移動するための手段であり、走るプライベート空間である。ひとりで乗っているときはまさしく音楽がパートナー。運転することと並行してできる、もっとも楽しい行為が、音楽を聴くことにほかならない。 多人数で乗るときも、音楽があると雰囲気がよくなる。流れる音楽をネタに話が盛り上がることは珍しくない。クルマと音楽は親和性が高い。この考えに、異論を挟む人は少ないのではないだろうか。 音響機器もクルマで使うために進化してきた側面が大きい。できるだけよい音質で楽しみたいのは自然の欲求である。だから、その点でもよりよいものが求められる。 クルマでの音楽の楽しみ方は、年齢や好みによって大なり小なり違う。現在はデジタル化が進んで、新旧を問わず好みのコンテンツが簡単に入手できるようになった。それを車内で快適に楽しめるのはうれしい。 50代の筆者がクルマで音楽を楽しむことを始めたのは1980年代の終盤。もっぱらカセットテープとラジオがメインだった。当時は好みの曲をどういう順番でと悩みながら編集したカセットテープを聴く機会が圧倒的に多かった。周囲も同様だったように記憶している。 1980年代終盤は、ちょうどCDの普及が始まった頃で、初の愛車にはCDデッキも付いていた。だが、あまり使っていなかった。当時はよく音が飛んだのと、CDのようにデリケートなものをクルマに持ち込むという行為にどうも抵抗があったからだ。CDを入手してもカセットテープにダビングしてクルマで聴くようにしていた。クルマで音楽を聴く上では、そうした利便性も大事だった。 ひとりで乗るときには、ラジオを聴く機会も多かった。ラジオだと流行りの曲をいちはやく知ることができ、音楽に限らず新しい情報を得ることもできた。ラジオ局によってかかる曲の傾向は違っていた。当時はFM横浜の選曲がなんとなく好みに合っていたので、都内に住んでいたがFM横浜を聴くことが多かったように思う。 ラジオで好きな曲がかかるとテンションが上がった。その曲のCDは所有していて、自宅でいくらでも聴けるのに、なぜかドライブの最中だとやけに気分が盛り上がったのを思い出す。 懐かしいナンバーを聴くと当時を思い出す 音楽には大きな力を感じる 1980年代はMTVでランクインしている洋楽をよく聴いた。1990年代には一転してJ-POPに親しんだ。懐かしいナンバーを耳にすると、その曲が流行っていた当時のことを鮮明に思い出す。音楽の力はものすごいなと思う。 2000年をすぎてから、だんだん音楽に没頭することが少なくなってきたように感じている。それは自分の生活で楽しいことが少なくなったからだろうか。そんなこともないはずだが……(笑) ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年12月8日に「CAR and DRIVER」で公開された「伝統を継承しつつ時代に合わせて進化したトヨタ・ランドクルーザー70が待望の日本発売」を一部編集し、転載したものです。 トヨタがランドクルーザー70を日本で再発売。内外装やメカニズムは時代の要請に合わせてアップデート。パワーユニットには1GD-FTV型2.8リットル直4ディーゼルターボエンジンを搭載。車種展開はAXグレードのみの設定で、車両価格は480万円 トヨタ自動車は2023年11月29日、ランドクルーザー・シリーズのヘビーデューティモデルとなる「ランドクルーザー70」を日本で再発売した。車種展開はAXの1グレードのみで構成し、車両価格は480万円に設定する。 質実剛健かつ堅牢で普遍のヘビーデューティモデルに位置するランドクルーザー70は、1984年11月に市場デビュー。ホイールベースは2310mmのショート、2600mmのセミロング、2730mmのセミロング、2980mmのロング、3180mmのスーパーロングが設定され、ボディタイプはバン、ワゴン、ハードトップ、ソフトトップ、ピックアップなどをラインアップしていた。日本市場では排出ガス規制の問題もあり、2004年7月に販売を終了。しかし、70系のデビュー30周年を迎えた2014年8月には、アニバーサリーモデルとしてバン(GRJ76K型)とピックアップ(GRJ79K型)を、2015年6月30日生産分までの期間限定で発売した。 70系のデビュー40周年を目前に控える本年8月には、伝統のキャラクターを継承したうえで、時代に合わせて進化した新しいランドクルーザー70がデビュー。そして本年11月、いよいよ日本で発売することとなった。 パワートレインには、30周年記念モデルに搭載した1GR-FE型4リットルV型6気筒DOHCガソリンエンジンに代わり、力強い動力性能と低燃費、そして排出ガスのクリーン化を成し遂げた1GD-FTV型2754cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジンを搭載。最高出力は204ps/3000~3400rpm、最大トルクは51.0kg・m/1600~2800rpmを発生する。トランスミッションには専用セッティングの6 Super ECT(フレックスロックアップ付スーパーインテリジェント6速AT)+シーケンシャルシフトマチックを組み合わせ、駆動機構には信頼性の高いパートタイム4WD(H2/H4/L4)を採用。前後デフには電動デフロック機構も配備した。また、オフロード性能を高める機能としてダウンヒルアシストコントロール(DAC)やヒルスタートアシストコントロール(HAC)、VSC&アクティブトラクションコントロール(A-TRC)、ビークルスタビリティコントロール(VSC)を採用している。 基本骨格については、耐久性に優れるラダーフレームを継続採用したうえで、衝突安全性を向上させた高剛性ボディを導入。また、懸架機構には改良版の前コイルスプリング/後リーフスプリングの4輪リジッド式を配する。シューズには265/70R16 AT23タイヤ+7J×16アルミホイール(切削光輝+ブラック+マットクリア塗装/センターオーナメント付)を装着。そして、対地障害角はアプローチアングル33度、デパーチャーアングル23度、ランプブレークオーバーアングル26度を確保し、さらに最大渡河性能は700mmを実現した。 エクステリアは水平、垂直を基調とし、道具としての機能性と圧倒的な安定感を創出する“70”らしいシルエットを継承。その一方で、時代性をとらえて細部をアップデートする。具体的には、Bi-Beam LEDヘッドランプ(マニュアルレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ(デイタイムランニングランプ)やバンパー埋込式LEDフロントフォグランプ、補助確認装置(2面鏡式)、アルミ製サイドステップ、バンパー埋込式リアコンビネーションランプ、スペアタイヤキャリア&ロックナット付スペアタイヤ(車両装着タイヤ)&スペアホイールカバーなどを標準で装備した。ボディカラーはベージュ、スーパーホワイトⅡ、アティチュードブラックマイカという3色をラインアップ。ボディサイズは30周年記念モデルと比べて80mmほど長く、それ以外は同寸の全長4890×全幅1870×全高1920mm/ホイールベース2730mmに設定した。 インテリアに関しては、前方視界に優れる水平基調のインパネや死角を減少させた直立基調のAピラー、低いベルトラインなどを踏襲したうえで、本革巻き4本スポークステアリングホイール(木目調)やステアリングスイッチ(マルチインフォメーションディスプレイ・レーンディパーチャーアラート)、オプティトロンメーター+4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、自動防眩インナーミラー(バックモニター内蔵)、アクセサリーソケット(DC12V・120W/1個)、充電用USB端子(Type-C/フロント2個)といったアイテムを標準装備。エアコンはシンプルで使いやすいデザインのマニュアル式を採用する。シート配列は2列式で構成し、表皮には合成皮革+ファブリックを導入。また、後席には6:4分割可倒式リアシート(タンブル+リクライニング機構付)を配備し、ラゲッジスペースは長さ1355(リアシートタンブル時)×幅1440×高さ1120mmを確保した。 安全装備の拡充も見逃せない。プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼]検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)やレーンディパーチャーアラート[LDA]、オートマチックハイビーム[AHB]、ロードサインアシスト[RSA]、発進遅れ告知機能[TMN]で構成する Toyota ...
(写真=CAR and DRIVER) この記事は2023年11月26日に「CAR and DRIVER」で公開された「SUVを除いた販売ランキング、首位はトヨタ・ルーミー!シエンタのV5を阻止((SUV・軽自動車を除く販売台数ランキングTOP20・2023年10月)」を一部編集し、転載したものです。 10月の登録車新車販売台数(商用車を除く)は21万4683台で、前年同月比+15.3%、10ヶ月連続の増。セグメント別に見ると、普通乗用車は、14万2149台の同+30.7%で10カ月連続の増。小型乗用車は7万2534台、-6.4%で7カ月ぶりの減少となった。SUV車のシェア拡大、好調さもあって、前年比130%の普通乗用車セグメントの好調ぶりが目立つ。 3カ月連続でトヨタ・シエンタとルーミーが2トップを形成している登録車市場(SUVを除く)だが、4カ月連続首位を維持してきたシエンタをルーミーが逆転、首位を獲得した。3位にはトヨタ・プリウスが先月1万台超えした日産ノートに代わってランクイン。ノートが7位にランクダウンした結果、6位までをトヨタ勢が独占する結果となった。(ヤリスクロスはSUVカウントで除外しているが、ヤリスシリーズで合計すると15,930台) ミニバンのセグメントではトヨタのノア/ヴォクが再び並んで4位5位と上位に。日産セレナは6位から9位にランクダウンしたものの前年比139%と好調だ。また10位にホンダ・ステップWGNがランクイン。ホンダはヴェゼルやZR-VなどのSUV系の好調もあって、普通車セグメントの前年比が201%となっている。 2台並んでの上位、トヨタ・ノア/ヴォクシー。ノアは8,000台超えのセールスだ。 ■カー・アンド・ドライバー調べ (※ヤリスクロス、カローラクロスはSUVとして別カウント) Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 (提供:CAR and DRIVER)