前後14インチホイールの大柄な車体が目を引く
エアロックス155はインドヤマハが製造し、南アジアや東南アジアで人気のスクーターです。そのスタイリングはひと目見てわかる通り「スポーティー」のひと言! スーパースポーツを思わせるフロントビューは精悍で、大柄な車体はいかにも走りそうな雰囲気です。
エアロックス155に乗る筆者(佐賀山敏行)
エアロックス155に乗る筆者(佐賀山敏行)
そして、大柄な車体をより一層力強く見せているのがホイールの存在。エアロックス155では前後共に14インチホイールを装着しています。ちなみに国内モデルの同クラスで前後14インチホイールを履くモデルはありません。
事情を言ってしまえば、南アジアや東南アジアではまだまだ未舗装路が多いため、走行安定性の高いラージホイールが好まれるためなのですが、その高い安定性は国内の道路事情でも心強い味方となってくれるはず。高速域でも安定した走りを楽しめるし、長距離ツーリングでも疲労感は少なそうです。
ブレーキはフロントがディスク(ABS付き)で、リアはドラムを採用しています。ここまでスポーティーなフォルムなのだから、リアもディスクが良かった……なんて声も聞こえてきそうですが、そのおかげもあってか、車体価格は29万9000円(消費税10%込)。消費税込みで30万円を切っているのは嬉しいポイントと言えるでしょう。
VVA(可変バルブ機構)を搭載した水冷4バルブエンジン
ヤマハ「AEROX155」(29万9000円・消費税10%込)
ヤマハ「AEROX155」(29万9000円・消費税10%込)
中低回転域でゆったり走りつつ、高回転までスムーズに回る……どの回転域でもしっかりパワーを引き出してくれるのは、AT(オートマ)のスクーターではより恩恵が大きいと言えるでしょう。
水冷4ストロークSOHC4バルブ155cc単気筒エンジンを搭載
水冷4ストロークSOHC4バルブ155cc単気筒エンジンを搭載
ちなみにこのエンジンは、先日の東京/大阪/名古屋モーターサイクルショーで国内導入が発表されたMT-15やYZF-R15と同系統とのこと。それだけでも、このエンジンがスポーティーかつハイパフォーマンスであることが分かります。
しっかりした“バイクらしさ”を味わえる
エアロックス155に乗る筆者(佐賀山敏行)
では、試乗します。エアロックス155はセンタートンネル式のフレームなので、一般的なバイクのように足を後ろに回して跨ります。この辺りはスクーターならではのイージーさに欠けるところ……。その代わり、踵や膝下で車体をホールドできるのは大きなメリットと言えるでしょう。
シートは座面が広くて、後方が適度にせり上がっているので、お尻をしっかりホールドしてくれる印象です。実際に走り出した時も、膝下で車体を安定させることができ、さらにお尻のホールド感も高いので、安心してスピードを出せました。
スクーターらしいリラックスしたライディングポジションを取ることもできますが、いざとなればスポーティーなポジションでガツンと攻められるのは好印象。大径ワイドタイヤの接地感も非常に良いものでした。
ヤマハ「AEROX155」(29万9000円・消費税10%込)
6000rpmでバルブの動きが切り替わるエンジンも、ブンブン回して乗れるので楽しいものでした。それでいて、低速でもギクシャクしない! まさにオールマイティーに使えるエンジンです。
スクーターといえば、どうしても「街乗りの足」と捉える人が多い印象ですが、エアロックス155はまさにバイク! 趣味の乗り物として楽しむことができるモデルです。それでいてスクーターならではのイージーライドが可能だし、シート下トランクなどのユーティリティスペースも充実しています。
普段は気軽に乗りたいけれど、週末にはツーリングでガンガン走り込みたい……エアロックス155は、そんな欲張りな願望を叶えてくる1台だと言えそうです。